2026年02月28日

2026年01月10日

ニコ動・YouTubeの動画紹介 2025.11月下旬〜2025.12月中旬



例の中華粥。私もいつか食べに行きたい。



たいたぬさん。また面白い試みを。最初に今年の秋に行ったばかりの藤原京跡が出てきてびっくりした。




「約束」ともう一曲,「蒼い鳥」か「眠り姫」が来るかなと思ったら「M@STERPIECE」であった。「約束」が千早の曲なら「M@STERPIECE」は765プロASの曲という選曲か。



「プラリネ」を歌ってくれる人がいて嬉しい。



声質に合っていてZAQっぽく聞こえる。良い。



ChatGPTに作らせた遊び将棋にしてはしっかりしていて,ゲーム性があって面白い。心理戦の要素を増やすなら指し手の予想回数が3回よりも多く,5回くらいにしてもいいかもしれない。



ChatGPTに作らせた遊び将棋その2。これも運要素が入ってゲーム性が強く面白い。しかし,改良の余地がありそう。あまりに歩が動かしにくいので1・2が歩,3が銀,4が金,5が飛車と角,6が桂と香の方がよいだろう(あるいは3が銀・金にして4が飛車,5が角か)。また,持ち駒が使いにくすぎるので宣言なく,その出目が出たら打てるようにした方がよさそう。



ワットパリワート(通称ベッカム寺院)は全然知らなかった。タイの寺院も多様である。多様という言葉で片付けていい寺院かはわからないが……



摩多羅神の考察動画。『闇の摩多羅神』を既読なので個人的にはあまり新しい知識が無かったが,よくまとまっているので当該書籍を読むのが面倒な方にお勧め。



儒烏風亭らでんを追っている人には知られたエピソードであるが,絵がかわいく,こういう感じだったのだろうという想像通りの光景になっている。



番長のあれ法則性あったんか。言語学ってすごい。確かにラ行がジャ行になる辺り,スペイン語のジェイスモっぽい変化が含まれているなと思った。  
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2026年01月01日

2026 賀正

あけましておめでとうございます。昨年はこのブログをご贔屓にして頂き大変ありがとうございました。今年もご愛顧の程をお願いします。

例年に従って,今年の目標を書き並べておく。(ここまでコピペ)

ゲーム:昨年のエロゲは目標設定なし,結果は0本であった。全年齢のゲームは『Satisfactory』の製品版を完走したのと『儒烏風亭らでんのピクセルミュージアム』をクリアした。『サガフロ2』と『FFT』のリメイクは実況プレーを見て完走してしまったので自分ではプレーしていない。今年はさしあたって『ドラクエ7』のリメイクはちゃんと自分でプレーしたい。あと『真・三國無双 ORIGINS』に手を付けたいのと,エロゲにも多少復帰したい。

美術館:昨年の目標は訪問数20としていて,結果は21であった。満足の行く結果であり,来年も20くらいは回れるとよいと思う。

旅行:2024・2025年は賀正の記事で「以前からの目標である関西の東方の聖地(弘川寺や信貴山等),未踏県の秋田には行きそびれているので,今年こそはこの2つに行きたい(ということを賀正記事に長らく毎回書いている)」と書いていて,結局未達であった。秋田県は秋田駒ケ岳への登山を上手く旅程に組み込んで訪れたいところ。これらの目標は2026年にも残しておきたい。

登山:昨年に登った百名山は両神山・乗鞍岳・蔵王山・月山・白馬岳・白山で,新たに登ったものは7座。合計では47座になった。目標の4・5座よりもかなりハイペースで,人生の目標50座を60座に変えようと思う。残りの候補地としては甲斐駒ヶ岳・立山(雄山)・丹沢・恵那山・尾瀬など。白山はガスっていたのでリベンジしたい。また,奥多摩・秩父の山を少しずつ攻略しているが,登りそびれているのが御前山・秩父丸山辺りなので,これらは今年のうちに登っておきたい。  
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2025年12月31日

2025年の視聴アニメの感想

去年の。全般的にネタバレは回避していない。秋アニメを除くと非常に見所が多かった。


<冬>
『薬屋のひとりごと』2期
ねこクラゲ漫画版を追い抜いていったので驚いた。ギミックや伏線の張り方は1期ほどの爽快感はなかったが,まあ仕方がないか。原作を追っていないので,壬氏が正体を明かしたこの先どうなるのかはけっこう気になっていて,アニメの続きが来るなら嬉しい。あと,薬屋世界は明を基盤としつつ様々な王朝の要素を混ぜたファンタジー中華であるが,あっさり銃が出てきて明らしさが増した感じはした。1期まではもうちょっと唐っぽさも強かった印象。

『シャングリラ・フロンティア』2期(2024秋からの継続)
クオリティには全く文句がないと前置きした上で書くと,途中から「これどこまで進むんだ?」と不安になり,本当にとんでもないところでぶった切った。作品同様,アニメの進行も自由で豪快である。それでも視聴者がついてくるという自信の現れで,実際そうなのだろうが,アニメしか見ていない人には辛い状況ではあろう。それで原作または漫画版にうっすら誘導しているということなのだろうか。まあ早々に3期が来るのだろう。

『空色ユーティリティ』
ゆるふわゴルフアニメ。CGDCTとして求められているものが提供された。こういうのでいいんだよこういうので。ガチでやってもいいし楽しくやってもいい,ラウンドを友達と回ってもいいしソロで回ってもいいという趣味への接し方の自由を謳うところは『ゆるキャン△』と同じ美点があり,ゴルフウェアやキャディにも焦点を当てて,1話ごとのテーマの切り分けが上手く,多角的にゴルフの魅力を伝える作品に仕上がっていたと思う。

『花は咲く,修羅のごとく』
『ユーフォ』と同じ原作者なら見るかと見始めて完走したものの,求めているものとはちょっと違った感じ。花奈がエンジョイ勢からガチ勢に変身する過程がよくわからず,作品に入れなかった。割と唐突だったように思われ,それで説得されるの? と私の感情が迷子になってしまった。


<春>
『薬屋のひとりごと』2期(冬から継続)
前期に同じ。

『アポカリプスホテル』
2025年面白かったアニメ1位。ポストアポカリプスものにして,客が引き起こす事件で話が回り人情が描かれるホテルもの,しかも1話ごとに話の雰囲気が全く違うという大冒険で,よく最終話まで話がつながったものだ。毎週とんでもない展開に驚き,くだらないギャグにケタケタと笑って,最後には感動させられる感じになるという,エンターテイメントが詰まった作品だった。感動させようとする振りをして実際には笑わせにくるのが上手すぎる。しかも油断した頃に本当にポストアポカリプスであることを思い出させて本当に感動させる回を持ってくるのもすごい。細かいところでは,オープニング曲にaikoを持ってきて不協和音による不穏な雰囲気を漂わせ,視聴者を不安にさせたのもすばらしいフックだった。8話で突然ロボバトルが始まってジークアクスよりもガンダムしてたという偶然に恵まれたのも傑作の証かもしれない。神回ぞろいながら一つだけ取り上げるなら,最もカオス極まり登場人物と視聴者の感情が迷子になった9話を挙げる。故郷を失って新たな故郷を手に入れた元難民家族が,持ち込んだ風習と現地の風習を合体させた冠婚葬祭を経て土着を完成させた。それも滅亡した文明の風習を復活させてとなると,なおさら感慨深い。本作の難民家族の物語としての側面がよく出た回だったと言えよう。

『YAIBA』
2025年面白かったアニメ3位。私は『コナン』を読んでいないのに『YAIBA』は読んでいた不思議な青山剛昌の摂取の仕方をしているが,「令和に『YAIBA』は無理があるのでは」と正直思っていた。このアニメ制作者陣営に全力で謝りたい。美麗な作画と派手に盛られたバトルシーンに目が奪われがちだが,本作の最大の美点はストーリーラインの整理である。原作でちょっと無理があった展開やダレてしまった展開は,思い切って別の展開にしたりばっさり省略したりすることで自然でスムーズな展開に変わっており,しかもそれが原作の雰囲気を壊していない。これほど美しいストーリーラインのリメイクは見たことがない。このような改変は並大抵の原作読み込みでできるものではなく,これにかかわったスタッフたちの異常なまでの熱量を感じた。しかも,そうした欠点を補うための改変のみならず,時系列を入れ替えてまで撫子を早期に登場させてレギュラーメンバー入りさせるという,思いも寄らない改変があって,原作からのファンの度肝を抜いた。原作の彼女は短期で出番を終わらせるには惜しいキャラであったので,こうして再利用されるのなら大歓迎である。ほぼ負けヒロイン化も確定しているが……唯一,主人公の刃の行動の倫理観はちょっとアップデートしきれていない部分があるものの,これ以上は刃の性格が変わってしまうので限界だったのだろう。逆に言って欠点はそこくらいしか見当たらない,ほぼ完璧な良改変である。今後の期待が大きい。

『機動戦士ガンダムジークアクス』
2025年に面白かったアニメ4位。毎週お祭り騒ぎで見るアニメとして完璧だった。とにかく話題になって人が集まることで生まれるメリットというものはあり,そこで生まれる楽しさもまた作品の魅力だろう。先の見えない展開,既存の宇宙世紀作品とのつながりの考察で視聴者は右往左往し,無数の二次創作がインターネットにあふれた日々はかけがえがなく,これだけ皆でわいわい盛り上がったのは少なくとも同じガンダムの『水星の魔女』以来,ひょっとしたら『まどマギ』以来かもしれない。そんな巨大な物語を動かしていったのは,別の世界線のことなんか全く知らないのはもちろん,大人たちの陰謀なんてものは邪魔でしかないと言わんばかりに世界を駆け抜けた若者たちだった。この清涼感が無かったら本作はあまりにも暗かったのではないか。マチュに不殺を貫かせ,「ニュータイプを人殺しの道具としない未来」を描いて新しいガンダム作品像を提示した点も評価したい。最終的にいろいろぶん投げて終わった感じもあるが,Twitterで流れてきたとある方の「ララァの笑顔を見られただけで古参ガノタは満足した」というコメントに同意して本作の感想を締めたい。

『mono』
2025年面白かったアニメ5位。アニメ『ゆるキャン△』の1・2期が持っていた雰囲気がここに復活した。上手く言語化できないが,『ゆるキャン△』3期との違いはどこにあるのか。加えて,私はキャンプもカメラも趣味ではないのでそこに思い入れがないが,『ゆるキャン△』の裏話集として山梨(や近隣県の)観光に特化している『mono』の方が面白く読めていて,登場人物も『mono』の方が好みである(特に敷島桜子はぶっ刺さってしまった)。というわけでかき氷回の聖地巡礼をしたり,乗鞍岳に登ったりするくらいに気に入った作品になった。

『片田舎のおっさん,剣聖になる』
漫画版との比較は野暮,原作のアニメ化として見るならぼちぼちよくできていた……という評価でお茶を濁させてほしい。いやしかし,もうちょっと殺陣はなんとかできたでしょう。本作は原作のアニメ化であって漫画版のアニメ化ではないことや,漫画の方が殺陣は描きやすいという点を差し引いても流石に見劣りのする出来で,そこは素直に残念である。

『Summer Pockets』
アニメの出来がどうのではなく,あの「終わらない夏休み」感はノベルゲームという媒体ならではだったんだな,ということがわかったのが収穫。アニメであの雰囲気を出すのは非常に難しいのかもしれない。原作の感想に書いた通りで,サマポケのシナリオ本筋は正直鍵作品として手垢がついてしまっているネタが多く,そこまで強くない。一方で,終わらない夏休みを離島という閉じた環境で目一杯楽しむという雰囲気は十分に楽しめる作品で,言ってしまえば日常パートが肝であった。その日常パートをだらだらと流すことが許されないアニメ作品ではまあ,さっさと本筋に入るしかないが,それでは魅力半減である。案の定,ニコニコ動画のコメントでは各キャラの攻略シナリオにおいて散々「また鍵はこういうネタか」と茶化されていた。また,これは制作上のミスだと思うが,推奨攻略順通りではない鴎→紬→蒼→しろはの順番であったため,重要な情報が開示される蒼ルートが後回しにされた影響で話を上手く飲み込めない視聴者が多数いたようである。なぜこの順番にしたのか理解できない。さらに不幸なことに,今作のKEYの不思議世界パートはアニメでは描きにくかったので,最終回付近ほど評判がよろしくなく,私自身もこれだとわかりにくいだろうなと思ってしまった。せめて『reflection blue』で追加されたキャラのルートまで描くことにして,静久や美希のシナリオを足すなり卓球回を作るなりして日常パートを引き伸ばすべきだったのかもしれない。


<夏>
『YAIBA』(春からの継続)
『Summer Pockets』(春からの継続)
上に書いた通り。

『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ』
2025年に面白かったアニメ2位。後追いで見始めたので,最初から追っておかなかったことを後悔した。毎話3分に面白さが詰まっていた。3分という制約のためかえって話の展開がスピーディーで,くだらない話をしていてストーリーが前に進んでいないようでいて実際にはちゃんと起承転結がつき,後の伏線も張られているという。話の展開の速さに合わせて登場人物たちの動きもよく,話も動きも詰め込めるなら詰め込んで情報量が多い方が楽しいということを体現したアニメであった。3分なので(しかもYouTubeにアップロードされているので)何度も視聴しやすく,視聴者も細かいところに気づきやすいというのも,話題にしてもらって口コミで広まる形の作品として適していたのだろう。それにしても本作が面白いことにすぐに気づいて広める側になったアーリーアダプターたちの嗅覚は鋭い。ちゃんとこういうのを見つけてくる人は偉い。

『瑠璃の宝石』
2025年に面白かったアニメ6位。今年最大のダークホース。CGDCTの王道を行く作品であるが,メインカップルが完全に師弟で,かつ師匠側が大学院生という設定はちょっと珍しいか。あれだけ楽しそうに鉱物学・地質学の紹介をしてくれればこちらも楽しい。アニオリ回も良かったし,YouTubeでやっていた補足番組も良かった。原作も売れただろうし(私も買った),鉱石掘りを趣味とする人も増えるのではないか。

『着せ恋』2期
安定の面白さ。演出が派手になりすぎたのでは,という世評もTwitterで見かけるが,個人的には特に気にならなかった。完結までアニメ化してほしい。

『よふかしのうた』2期
だらだらと流し見してしまったので,特に感想はない。


<秋>
 なんと1本も完走していない。切ったものについて,切った理由を書いておく。

『SPY×FAMILY』3期
1期の感想に「個人的な感覚としてはちょっと割り切れないレベルでリアリティラインが混乱している印象を受けてしまい,世間的な人気に比べると楽しめていないかもしれない」と書いている苦手なところが2期で悪化し,改善の見込がなさそう(というよりも世間的には欠点と思われてなさそう)なのでnot for meな人気作の箱に入れた。原作も読んでいないが,メインストーリーがどういうオチになるのかは気になるので,原作が完結に近づいたらそこは気にするかもしれない。

『SI-VIS』
アニメ脚本の丸戸にありがちで,世界観の説明をすっ飛ばして妙に格好つけようとするが,地に足がついていないので滑っている。『Engage Kiss』の時でも全く同じで,こちらは世間的にもはっきりと欠点と考えられているポイントだろう。けっこう宣伝の熱の入ったIPだったと思われるので,状況を全然知らないのだが,商業的にもコケているなら今後がやや心配である。丸戸は欠点の解消に努力できる脚本家だと思うので,次のチャンスも与えてあげてほしいと思う。ただ,SFはやめてベッタベタな恋愛物の方が失敗しないと思うな……  
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2025年12月27日

他にも「晩年」「晩稲」等があるか

・謎デザイン…でも歴史を知ると納得な、"面影ビル"がおもしろい(デイリーポータルZ)
→ 記事中に言及がある通り,腰巻ビルの拡張概念と言えそう。あるいは腰巻ビルが面影ビルの一種で,面影ビルの方が概念として広いか。3ページ目にあるような部分的な意匠が受け継がれているものは,個人的には別ジャンルじゃないかなと思う。好きか嫌いかで言えばこれも好きだが。
→ 腰巻ビルが嫌いな人に,腰巻ビルではない面影ビルの好悪を聞いてみたい。 私自身は腰巻ビルが嫌いではない,というよりも割と好きなので面影ビルも許せてしまう。ただし,腰巻ビルか面影ビルかどちらかで保存するなら,腰巻ビルを推したい。それっぽく残すくらいなら古いデザインと新しいデザインは切り離してほしい。しかし腰巻が無理で全面的に新しいデザインなるなら,面影が残っていると嬉しい。


・「はやい」という言葉は「速い」「早い」と意味に応じて漢字の書き分けができるが、「おそい」はslowとlateの違いを漢字で書き分けができないのはなぜか知りたい。(レファレンス協同データベース)
→ なるほど,本来のlateの方の漢字は「晩い」だったが,「遅い」に統合されてしまったと。「早晩」「晩春」といった熟語には残っているから言われてみると納得である。となるとなぜ統合されたのかが気になるが,このレファレンス協同データベースですら示されていないということは相当調べにくい・わからない理由なのだろうか。
→ 「早い」「速い」に比べると「遅い」一本でさして困らない感覚も確かにあって,なんとなく統合されたのかなという納得もあり。ブコメで挙がっていたが「遅延」や「遅刻」「遅参」といった,明らかにlateの意味合いで遅いが使われている熟語があるから,日本人は意外と昔から「遅」と「晩」をごちゃごちゃにして使っていたのかもしれない。
→ 他にももっと統合できたり,なぜ統合されたのかわからないものがあったりしそう。もっと気になったら挙げられている書籍を読めばよいのだろうが,ちょっとそこまでの気力がない程度の興味ではあり。


・彭澎「中国の科挙とは何だったのか? 本当にメリトクラシー(実力主義)に基づいた選別・統治手段だったのだろうか?」(経済学101)
→ 各種データは面白い。ただし,その上で言えば清朝で満洲人が科挙によらず任官されたのは当然であって,これを省くとやはり大多数は科挙官僚だったという逆の結論が導かれるのではないか。明や宋のデータも調べないと「中華王朝で科挙官僚は主流ではなかった」という結論は出せまい。とはいえ,私自身もどこかで北宋ですら意外と世襲(恩蔭)が多かったという論文を読んだことがあるので,調べる価値は十分にあるだろう。
→ 科挙が儒教道徳を内面化させるための施策であったとするのもそうだろう。中国では長く儒学教養こそが,現代の我々でいうところの「実力」とみなされてきた。だからこそ儒学教養を実力とは認めなかった当初の元は,儒教自体は尊重しつつも官僚登用にはほとんど考慮しなかった(後に中国の統治においては必要な実力と認めて科挙を再開させている)。何が統治において必要な実力と見なされるかは時代や地域によって全く異なるものだし,実力を測る試験はエリート層の心性に確実に影響を及ぼす。科挙はその心性の方に目的があったとするなら,世界史上の特異な制度と言えそうだ。  
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2025年12月23日

デレステの運営縮小についての雑感

・デレステ規模縮小1年で改めて考える、「知ってもらう機会」の難しさ(Kの特急)
・意外と今のデレマスは居心地が良いから戻っておいで、という話(AsuTo)
→ 上の記事が書かれたのがちょうど1年前,下の記事が書かれたのが最近。こうして見るとがんばって軟着陸させようともがいているなという印象になる。デレマスが約200人という数の暴力でコンテンツを展開し,爆発的な人気を得たのはよいものの,運営がアイドル全員の面倒を見続けるのは困難な事業であった。箱推しが難しいほど巨大なコンテンツが人気を得てしまったらどうなるのかという壮大な実験の始まりであった。
→ 2019年にVelvetRoseの二人がボイス付きで実装された時,ボイス順番待ちのアイドルを担当するプロデューサーから大きな不満の声が上がり,格差が拡大しつつあった大所帯の運営の困難さはすでに現れていた。結局最後に実装された7人は当人たちの魅力でデレマス世界に定着したものの,あれで運営が新規アイドルの追加に及び腰になったところがあったのではないか。とはいえ登場キャラ全員フルボイスが当たり前の世の中になっていく中であったので,7人を声なしで実装するのも現実的ではなかった。その頃にはもう,最終的に全員にボイスはつくのか,コンテンツとしてどういう着地点が目指されているのかがわからない……というのことが指摘され始めていた。そうして実際にボイス付きがやっと過半数に到達したに過ぎないという,時代遅れなコンテンツになってしまった。それでも,どんなアイドルにもファン(プロデューサー)はいて,リストラなどという世界観を壊すことはそもそも考えられない中,運営は行き詰まっていった。2024年3月の星街すいせいショックが良くも悪くも最後の花火で,話題になった反面,あれで引退したプロデューサーも多かった。
→ こうして歴史を振り返ると,むしろよくまだ寿命があるなと思うが,それがコンテンツの地力なのだと思う。下の記事の通り,これまでの蓄積が上手く活かされているから,まだ決定的に人が離れていないのではないか。そうしてやっと見えてきたコンテンツの目指すところは,ゲームがなくても延命することである。上手く言っていると言えるかどうかはちょっとあやしいがSideMという先例があるから,その路線に向かっているのだろう。まだまだ(ボイス付きの)アイドルの知名度はけっこう高く,30代以上のオタク界隈では存在感があるコンテンツではあるので,傍から見ているだけだが,意外とちゃんと軟着陸しそうな感じはする。
→ なお,上の記事に応えて,デレステの190人の顔と名前が一致するかを真面目に数えてみた。名前と顔と趣味・特徴まで一致するのが131人,名前と顔は一致するがそれ以上は厳しいのが19人,名前と顔が一致しないのが40人。この40人は名前初見レベルがけっこういた。CV付の99人は全員131人の中に入った。やはり声があると印象が違う。名前と顔が一致しない割合が最も高かったのはCute,最も低かったのがCoolだった。765プロASしか存在しない時代からアイマスのオタクをやっていて,つまりデレマスが始まった当初から見ている人間でもそんなものだったりする。  
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2025年12月21日

学力試験のみの年内入試のことと,生成AIが入試問題を解くことについて

・倍率35倍の人気、東洋大の新入試が物議 「ルール違反」と文科省(朝日新聞)
「大学受験地図が一変する…」東洋大学の「常識を覆す」新しい学校推薦選抜に教育現場が揺れるワケ(ダイヤモンド教育ラボ)
→ 2024年の12月に東洋大学が新しい学校推薦型選抜を導入した件について。朝日新聞の方は舌足らず,ダイヤモンドの方は長いので,少し要約する。大学入試では,学力試験中心の一般選抜は2月(1月末)以降に,小論文・面接中心の総合型選抜・学校推薦型選抜は12月までに実施するのが文科省の定めたルールであった。このため後者はまとめて年内入試と呼ばれている。ところで,「年内入試では学力が担保されない」という世間的な批判は以前から存在していた。このため文科省が年内入試で受験生の学力を測ること"も"実施するよう大学に指示した。これを逆手に取ったのが東洋大学で,学校推薦型の試験を堂々と学力試験のみとしたのだ。
→ この東洋大学の学校推薦型の何が問題かと言えば,一般選抜は2月以降というルールが形骸化してしまう点にある。学力試験の受験日程が前倒しになると学事の日程に融通が効く私立や中高一貫の方が有利になる。多くの公立高校からすると授業が全範囲終わっていないうちに学力入試の日程が来ることになってしまうし,間に合わせようとすれば体育大会や文化祭にも影響が出る。都会・地方や公立・私立の格差是正が社会的な問題になっている中でそれに逆行する政策を実施するのはいかがなものかというのは当然問われることになる。
→ すでに近畿大学や京都産業大等の関西圏の私立大学では学力試験のみの年内入試が実施されているので東洋大学はそれに倣っただけであるという反論を見かけるが,当然,関西圏の私大も批判されて然るべきである。文科省が今まで関西圏の私大を放置してきた方がおかしい。
→ なお,このことは共通テストが当初は年に複数回(すなわち年内にも)受験できるようにしようと計画されていた際に,すでに激しく批判されていた。詳しくは『絶対に解けない受験世界史3』のコラム2で論じているので,そちらも参照してほしい。ともあれ,東洋大にせよ関西圏の私大にせよ,共通テストの年複数回化の際の議論を知らないはずがないので,負の影響を知っていて導入した形であるから余計に罪深い。
→ 結局本件はお咎めなしで終わり,東洋大学は2025年も11月末に年内入試の学力試験を普通に実施した……どころか区分が学校推薦型から総合選抜型に変わったので,学校からの推薦状すら不要になった。紛いなりにも存在した「人間性は高校が保証しているから学力だけ測る」という建前すら消滅したので,いっそのこと清々しい。


・共通テスト、AIの得点率91% 東大文1のボーダー超える(時事通信)
・OpenAI o1が2025年東大文系入試を余裕で突破、理三合格レベルにも到達(日経クロステック)
→ かたやその学力入試であるが,もう普通に生成AIが人間の受験生を凌駕している。上掲記事が2025年1・2月頃の生成AIの実力であるが,現在の生成AIはそこから10ヶ月経過していてさらに向上している。試しにChatGPT-o3やGeminiに解かせてみたところ,共テの世界史探究は満点(ただ解答を自力で出力しているというよりも検索している雰囲気があった)。東大の二次試験の世界史も何ヵ年かやらせてコンスタントに45点前後はとれていそうな解答が出力された。知識的なミスや文章の論理構造のミスはあまりなく,論述の失点は概ね「用語が少なくて冗長である等,大学入試らしい解答になっていない(自分の知識や文章力を測られているという前提の解答になっていない)」「高校世界史の範囲を理解していないので過剰に抽象的・衒学的な内容を出力する」という点に絞られていて,それらを汎用型の生成AIに要求するのは無理というものであるから,得点はそろそろ頭打ちかもしれない。一応「これは東京大学の入試問題ですので,日本の高校課程の世界史が問われていることを意識して解答を再出力してください」と頼んでみたが,どの生成AIも解答は変わらなかった。また,Copilotは35点前後の点数となり,なるほどChatGPT-o1と同程度の性能である。
→ ということはそこに商機があるということで,大学入試の問題を解くことに特化した生成AIをつくることができれば,受験指導上,一定の意味がありそうである。私が思いつくくらいなので,すでに動いているEdTechベンチャーは存在していそう(この場合はゴールが不明瞭なのでスタートアップか?)。
→ なお,ついでに慶應大の法学部のマーク式部分を何年か分解かせてみたところ,やや意外なことに,純粋な知識問題なのに満点とならず9割前後の出来であった。典型的なミスとしてはたとえば,2025年の入試問題なら,この13番の問題を「カラジッチ」と誤答していた。これも「高校世界史の範囲を理解していない」がゆえのミスであるから,論述と失点ポイントは同じと言えるかもしれない。チャットで「カラジッチは2025年2月現在で生存しているのは」と指摘するとChatGPTは素直に間違いを認めて解答をミロシェヴィッチに修正していた。素直なことは美点である。
→ ところで,入試の時期が終わると生成AIにその年の共テや難関大学の入試問題を解かせる(そしてその得点がニュースになる)のはもはや風物詩になっているが,生成AIの能力伸長を大学入試問題の得点で測るのは日本独特の風土なのだろうか。諸外国でもありそうなものだが,私は全く調べていないので知らない。  
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2025年12月20日

ニコ動・YouTubeの動画紹介 2025.10月下旬〜2025.11月下旬



ゆらんこ氏。「パラドの回し者」が公式になった。入門編動画を作って売上に貢献しているといいこともあるものだ。



たいたぬさん。こちらも同様に,影響力があると招待されることもある。プロの教官に教えてもらえる環境,ファンなら垂涎ものだろう。



エディさん。最近見つかったにしては原理がわかりやすい。意外と暴走カッパと暴走カイエンを組み合わせるという発想を,エディさん含めて思いつかなかったということか。死の宣告の割り込み実行者のスロットが「FF」というのは16進数の二桁の最後の数字に過ぎないものとの偶然の一致とはいえ笑った。まさに最後の謎でタイトル回収である。



伸びていないのが不思議な動画。おやつさんが紹介していたので見たが,確かに面白い縛りだった。シャドウ以外でもやるなら見たい。




おやつさん。1分半未満で終わるRTAなので1秒以下の演出時間の差も考慮に入れる必要がある点や,運とコマンド入力の操作精度が重要で操作の練習が必要だったという点でけっこう特殊なRTAだった。あっという間に更新案が出てくるあたりはいかにもサガフロ2,狂人が多い。




みっと氏。ドラクエ8の3DS版で追加された裏ボスをタイムアタックで攻略する動画。「攻略方法を極限まで考えて0%を1%にもっていき,あとは試行回数で勝負する」という低レベル攻略の王道動画として非常に完成度が高い。特にpart12〜14の戦術の詰め方は圧巻。part13では,ドラクエ8なのにまさかの1フレーム操作が出てきて驚愕した。状況再現を使っているとはいえそんなことある? もっと伸びてほしい。part14のエンディングでみっと氏が「ドラクエ8はテンションシステムがあるので(縛りプレーにおいては)完全理詰めのパズルゲーになる」と言っていたのは納得した。



内宮さんこんなに面白い人だったっけ。名言が多すぎて終始笑っていた。今回はクリフまで進んでほしい。



いにしえのアイマスのオタクなので,千早が楽しそうに,柔らかく歌い,誇らしげに晴れの舞台に出てくると泣いてしまう。  
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2025年12月18日

有名ロケ地巡り(大谷石採石場跡,ロックハート城,首都圏外郭放水路)

 あまり関心が無かったが行く機会があり,いつの間にか映画やMVの有名ロケ地を3つほど回っていたので記録を残しておく。

 大谷石採石場跡・大谷資料館。人に紹介した関係でニ度行っている。大谷石は宇都宮市で産出される耐火性・耐久性に優れつつ比較的軽い石材で,現在でも露天掘りで採掘されているが,以前は地下に向かって掘り進められていたため,広大な人口の洞窟が建設されることになった。人工物であるため綺麗な直線と直角で壁面が構成されており,独特な荘厳の雰囲気を漂わせている。このため頻繁に映画やMV,CMの撮影で使用されることになった。
 大谷石自体が美しい石材で,ここで大谷石の特徴を覚えてから地上に戻ると,宇都宮市街には多く大谷石が使われていることに気づいて楽しい。お勧めしたいのは松が峰教会で,なんとネオ・ロマネスク建築の教会である(ついでに言うと柱頭はイオニア式)。大谷石を使うとネオ・ゴシックよりもネオ・ロマネスクのような石の素材感が強く出る建築の方が良いという選択だったのだろうと思う。大変に美しく,東武宇都宮駅から近く,大谷石を見に宇都宮に行くなら絶対に寄るべき建築物と言えよう。この他,JR宇都宮駅近くの豪商の家が史跡になっており,蔵が大谷石になっているのも見応えがある建築物だった。とはいえ大谷石に惚れ込んで使いこなしたと言えばフランク・ロイド・ライトで,大谷資料館を見学した後に帝国ホテルやヨドコウ迎賓館をもう一度見ると,その装飾品としての適切な使い方に感動する。わざわざ芦屋まで持っていったくらいなのだから,よほど大谷石に惚れ込んでいたのだろう。
 大谷石採石場の近くでは大谷寺が良い。こちらは大谷石の岩壁に磨崖仏が彫られている寺で,その磨崖仏を保護するように寺院が建てられたため建物が洞窟にめり込むような形をしている。磨崖仏の千手観音はかなり劣化しているが平安中期の作例とされ,重要文化財指定されている。さらにこの大谷寺がある洞窟からは縄文土器も出土しており,隣接する資料館に展示されている。




 続いてロックハート城。スコットランド貴族のロックハート家が先祖顕彰のため1829年に建てたネオ・ゴシック様式の邸宅を日本に移築したもの。つまり,実は「中世(近世)風の近代建築」である。中世(近世)の城を移築したわけではなく,もう一捻りあるのだが,それがかえって面白い。また,建って200年ほどしか経っていないために保存状態が非常によく,模倣建築の面目躍如,内装を含めて隅々まで見学することが可能である。
 邸宅は解体してその一部を,当時はまだソ連だったシベリア鉄道をゴルバチョフ書記長の許可の下で利用して輸送していたり,一度原野商法らしきものに引っかかって北海道に移築しようとして計画が頓挫していたりと,様々なエピソードがあり,最終的にこの群馬の山奥に移築された。その建築物の保存状態の良さから様々なドラマ・特撮やPV,写真集のロケ地となっており,その種の利用者はサイン色紙を書き残していくことになっているようで,アニメオタク向けに言えばKalafinaや田所あずさ等のものもあった。また,女性にはドレスやウェディングドレス貸し出しのサービスがあり,敷地内では老いも若きもドレスをまとった女性が歩いている。
 ロックハート城の所有者は石材会社であり,元々は「大理石村」というテーマパークとなる予定だったことから,石材を紹介するコーナーがあったり,ロックハート城でウェディングフォト撮影サービスがあることからウェディングドレスの博物館があったり,ロックハート城購入の発案者である故・津川雅彦氏のコレクションであったサンタ人形の博物館があったりと,ちょうど近隣の伊香保おもちゃと人形自動車博物館並にごちゃ混ぜ感のある楽しい博物館となっている。沼田市に行ったならぜひ寄りたい観光地である。群馬県中部,なぜこんなごった煮博物館が2つもあるのか。



 最後に首都圏外郭放水路。通称は「地下神殿」。中川・綾瀬川流域の埼玉県・東京都の低平地を水害から守るため,非常時にこれらの川から取水して貯水するために造成された広大な治水・防災施設である。広大な打ちっぱなしコンクリートの広場に巨大な列柱が並んでいる壮大な光景であるため,ここも様々な映像のロケ地として有名である。地上部分の博物館にはロケとして使用された作品一覧が展示されていた。
 地下神殿内は予約制で,稼働していなければ見学可能。ヘルメットが必要だが貸し出しがある。稼働してなければ……なんてめったに稼働していないだろうと思いきや,年間7・8回は稼働しているそうで,意外と多い。この施設はきっちりと首都圏の防災に役立っている。メインの貯水槽では,写真を見ると壁面の一定の高さまで色が変わっている(汚れている)ことがわかると思う。貯水時にはそのくらいの高さまで貯水されるということであり,そのくらいまではよく水が溜まるくらいには稼働していることの証左でもある。実地で見ると迫力があってよい。なお,川から水を引き込んでいるということはそれ相応に泥も流入しているということで,掃除はどうしているのかと言えば,意外にも見学者が来る狭い範囲はかなりこまめに手作業で掃除しているらしい。その他の放置しておいた範囲は年に一回重機を入れて泥を片付けているとのことで,その重機を入れるために天井の一部に穴が空いており,この穴は普段は布で塞がれている。重機の入る穴が天井に空いているなんて男の子の夢じゃないか。
 水の流入や排水に使われる立坑は深く,底に溜まっている水は光が差すので藻が生えるし(このため緑色に見える),泥とともに魚が流入するとのことである。独自の生態系が成立していそうであるが,研究はされていないだろうか。

  
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2025年12月16日

2025年11月茨城・いわき旅行記

 11月21-24日に茨城といわきを旅行してきたのでその記録。とはいえ,ほぼ全てTwitterに書いているので,概ね転記であり,一部追記した。
 初日は水戸,梅を見るにはあまりにも季節外れだった偕楽園に行ってから,次に弘道館。幕末の水戸藩主徳川斉昭が創設した藩校で,一部の建物が現存している。重要文化財に指定され,現在は弘道館を紹介する博物館となっている。斉昭の息子,最後の将軍徳川慶喜もここで学んだ。建物自体は質実剛健ながら野暮ったさがなく,すっきりしていてセンスが良い。偕楽園と並び,江戸時代が育んだ武家の美を感じるものである。一方,創設者を賛美するのはこの種の博物館の常であるとはいえ,入口に巨大な「尊攘」の書の展示があって先制攻撃を食らう。その後もまあ大体そういう展示である。水戸学はまだ水戸で生きていると言えば言葉は綺麗かもしれない。ついでに,この偕楽園と弘道館の間で昼食をとったのがジャマイカ料理のレストラン「アイリーアーヤ IRIE IYA」で,独特の風味がするスパイスのよく効いた(それでいて辛すぎない)ジャークポークが非常に美味しかった。水戸に行くなら再訪したい店。


 初日の夜は袋田の滝のライトアップを見に行き,そのまま袋田温泉に宿泊。袋田の滝に行ったのは二回目だが,豪雨の直後に行った初回と比べると今回の水量は四分の一以下(極端に言えば十分の一)で,全く迫力が無かった。しかし,紅葉が綺麗だったのでそれで満足としたい。翌日の午前中は袋田の滝の横にある月居山に登山。その記録は別記事に書いたので省略する。
 二日目の午後はいわきに移動して高校日本史で習う白水阿弥陀堂。数少ない院政期の建築物・浄土式庭園で,国宝指定されている。ここもが紅葉していて美しく,良い季節に参拝することができた。残念ながら堂内部は撮影禁止なので,読者諸氏も自力で参拝してほしい。なお,旅程の都合上で私は昼間に訪問したが,夜はアミダナイトという楽しげなイベントが開催され,堂内はプロジェクションマッピングで当時の装飾になるらしく,見てみたかった。事前に知っていたら強引に旅程を変更して夜に訪問していたので惜しい。ところで,白水阿弥陀堂の本体を願成寺といい,こちらは訪問する人は極めて少ないようで,行ってはみたが本堂は閉まっていて中からは読経が聞こえてきた。こちらは地元密着の寺院になっているようである。それはそれとして,扁額が板垣征四郎であったので驚いた。

 二日目の夜は五浦海岸に移動して宿泊。宿泊地は旧横山大観邸が含まれる五浦観光ホテル大観荘。久しぶりに食べたあんこう鍋が美味であった。旧横山大観邸は宿泊者がいないかチェックアウト後であれば見学できるのだが,今回はどちらの条件も合わず見学できず,少し残念。三日目は五浦海岸の観光から始めた。五浦海岸は岡倉天心と日本美術院の愉快な仲間たちが隠遁していた地である。このうち六角堂は岡倉天心が瞑想に使った建物で,岬の先端にあったため東日本大震災で跡形もなく流され,翌年に再建された。むしろよく東日本大震災まで残ってたなというべき立地であるが,あそこに瞑想する建物を建てたくなった岡倉天心の気持ちもわかる。荒々しい雰囲気のリアス海岸が生んだ見事な景勝地である。
 なお,岡倉天心は一応,東京美術学校から排斥されて日本美術院を創設し,画家たちの修行の場として五浦に移ったはずなのだが,瞑想のためだけに六角堂を建てた辺りからも察せられる通り,けっこう余裕があった。暇があれば五浦海岸に船を出して釣りをし,自宅に露天風呂を併設して……という生活ぶりなのだから,田舎暮らしをエンジョイしていたとしか言いようがなく,行ってみると都落ちという雰囲気はほとんどなく,印象が変わった。やはり現地を訪れてみるものである。なお,岡倉天心の別荘跡にも八紘一宇の石碑が立っており(昭和17年建立なので言い訳の余地がない),水戸といい,いわきといい,この辺一帯の思想はどうなってるんだと思ってしまった。大丈夫? 時が戦前で止まってない?



 三日目の午後は再びいわきに移動してアクアマリンふくしま。同行者の一人が水族館好きだったので旅程に組み込んだのだが,十数年ぶりに行った水族館はけっこう面白かった。水族館に行って「美味しそうだね」と話すのは定番のジョークであるが,アクアマリンふくしまは本当に水槽の前に寿司屋があって泳いでいる魚の寿司が食べられる。本当に食えるようにするやつがいるか。終始,この種のユーモアが効いている水族館だったのが非常に楽しかった大きな要因であった。一番の見せ場はV字の巨大水槽で,福島県沖が潮目であることから,片面が親潮,もう片面が黒潮を再現したものになっている。黒潮側は高い水温・貧栄養であるため,魚は多くて動き回っている。かたや親潮側は低い水温・栄養豊富であるため,魚は少なく皆静止している。その違いがくっきりとわかる二面の水槽になっていて,なるほど,これらの魚種が混じり合い,特に黒潮に乗ってきた魚群が栄養豊富な親潮の恩恵を受けるなら巨大な漁場になるのも理解できる。視覚的な理解が博物館の役目であるとすると,この展示はそれを最大限達成していた。



 三日目の夜は那須高原に移動してテンゲルに宿泊。11/23,つまりちょうど日曜日だったので「ゲルの中で大相撲を観戦してモンゴル人力士を応援する」という実績を解除した。残念ながら豊昇龍が敗れて優勝を逃してしまったのだが。夜は馬頭琴の演奏会があり,馬のいななきの再現やホーミーが面白かった。馬頭琴の表現力の高さよ。それにしても森林の中にゲルが建っているのは違和感がある光景ではある。 もっとも,日本であのような草原は無いので,森林の中に建てるのもやむなしか。


 四日目はまず殺生石だけ見て,その後は那須岳のロープウェーに乗って茶臼岳に登るか宇都宮に移動するかという選択肢があったが,登山慣れしていないメンバーがやや疲れていたのと,茶臼岳がすでに積雪していたようだったので,宇都宮に移動することにした。宇都宮では大谷資料館と大谷寺を訪問したのだが,これは別途で報告記事を書きたい。最後に遅めの昼飯に宇都宮餃子を食べて東京に戻るかという話になって宇都宮市街に戻ったものの,どこの店舗の大行列であった。仕方なく,「さわやかは浜松中心部より少し離れた店の方が列が少ない」理論の応用で宇都宮市街から少し離れてみると,空いているみんみんを発見。やっとのことで食べてみた感想は,正直普通の餃子との違いがわからなかった。こういう名産品は概ね現地で食べると「やっぱり東京で食うものとは違うな」という感想になることが多いので,これは少し意外な結果である。近々宇都宮は再訪する用事があるので,今度は香蘭に挑戦して違いを再確認してみたいところ。

 この後は一路東京に戻って解散となった。たまには低山登山しか含まない旅行も疲れなくてよい。また企画したい。  
Posted by dg_law at 12:00Comments(4)Museum