2005年05月31日

ラン・ローラ・ラン(ドイツ語名 ローラ・レント)

ドイツ映画第二段…と言っても授業中に見たのだが。内容は、ローラは麻薬の運び屋だが、相棒でもある彼がへまをしたせいで、要は20分以内に10万マルク作って彼のところへ届けなくてはならなくなった、そのために彼女がベルリン市内を奔走する、という話。

この映画のおもしろかった点は、ゲームにはしばしば使用される技法だが、並行世界を何度もやり直すことによって、少しずつ彼女の未来が変化していくという点。本筋とは全く関係ないような登場人物の未来までも描写することによって現実感を生み出している。また、一見わかりづらい伏線が、うまく明らかになっていく様子は構造的にうまい。あと、映像効果にこだわりを感じる。アニメを入れてみたり映像を重ねてみたり、部分的に再生を遅らせてみたりしていた。少々くどかった気もするが。1時間半という長さも短くていい。


難点を言うなら、確かにスピード感あふれる映像なのだが、並行世界とは言え、同じ映像を何度も見せられても正直飽きる。一周が短いだけに。しかも大半がローラが疾走しているシーンなのだから、そこを飽きさせない工夫が足りてないと思う。しかし、面白い映画ではあった。授業外で見たらもっと面白かったと思う。
  

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TAXi3

今度はフランス映画ということで、もはやおなじみTAXiシリーズ。1、2と笑わさせていただいたが3は全然ヒットにならず、つい最近まで知らなかった。というか4(NY)も出てるのね。なぜヒットにならなかったのか検証すべく鑑賞。

この映画の見所はしびれるカーアクションとくだらないギャグでそれは今作も変わっていない。そのカーアクションは音楽の効用が大きいように思う。タクシーが爆走するシーンの、アップテンポなフレンチミュージック。ボンドカー顔負けの改造車も見逃せない。これまでもルパン3世がやるようなことを実写でやってきた。今作ではとうとうジェットエンジンが搭載され、時速400kmを超えた。4ではきっと羽が生えるに違いない。目指せチョロQ。ギャグも相変わらず。ばかばかしすぎて笑える。オースティンパワーズにつながるものがあると思う。普通に下ネタ出てくるし。

じゃあなぜヒットしなかったかというと、一つはマンネリ化だろう。毎回ストーリーが同じ。俺はそれを求めてたから不満には思わなかったが。あとは今回の舞台設定が失敗だったと思う。ネタばれになるため詳しくは書けないが、あそこでカーチェイスやられてもねえ…発想は面白かったけど、迫力に欠けた。でも大コケするほどの失敗作ではなく、続編ものとしては相当優秀な部類に入ると思う。個人的には大好き。TAXi in NYも借りてくることにしよう。要は観客の期待が大きすぎたのが最大の原因じゃないかと思われる。
  
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2005年05月29日

一人になるとろくな企画に行かない

五月祭に東大生になって初めて行ってきた…2年生なんだけどね。しかも友達に呼び出されなければ寝てる予定だったというやる気の無さながら、行くからには楽しもうと意気込んで行った。

最初は友人たちと、クラスの人々が参加しているサークルの合唱やら演奏やらを聞きに行った。皆すごいね。どこもクオリティ高かったよ。抹茶もうまかったし。しかし、茶道同好会の横で民族音楽サークルというのはどうしたもんやら。どっちも個々にはすばらしいのだが、「和」の雰囲気を破壊しまくりで。運営側はもうちょっと配慮してほしいもんだ…

と思ったものの、その後本郷の中を散策してみるとどこもかしこも音出してるのね。バンドやらダンスやらで。抹茶を飲んだ後、友人連中とは別れて個人で散策。まずビール園に行ってきた。しかし一杯500円は高いだろ。というか一人でビールを飲むのは寂しすぎる。それでも安ければ飲もうとしていた俺も俺だが、500円に引いてその場を去った。

次に行ったのは「東大ゲーム研究会」。今回はドラクエ6のリアルタイムアタックをやっていた模様。前回のドラクエ5(PS2)を8時間クリアもすごかったけど、今回のドラクエ6の9時間半もすごいね。ベストドレッサーコンテスト(ミニイベント)にも参加してた。ああいう一見クリアには関係無さそうなものにも参加して役立つアイテムを回収しておくと、結果的にはそのほうが早いということか。急がば回れの集大成みたいなクリアの仕方だった。

その次は「青空の下で麻雀を打とう」。自分は立ち見だったのだが、打ってる人の中になんと井出洋介が(※)!しかしさすが。どうやって考えてるのかしらないけど、すいすい危険牌を捨ててるのに全く当たらない。当然読んでるんだろうな…東大式麻雀買おう。終わった後に参加者の一人がサインをねだっていた。この辺はどこの業界も変わらんね。

最後に農学部で行われている「日本酒利き酒展」に行った…はいいが人多すぎ。酒に酔う前に人に酔った。
酒?うまかったよ。5種類まで試飲OKだったので適当にフル飲んだらふらふらになった。ぐでんぐでんで帰りましたとさ。

で、全体的な感想。やっぱり祭りは最初から最後まで数人で回るべき。一人で回っても酒を飲むくらいしかやることが無い。あと、やっぱり自分は参加者側よりもサークルよりも企画側が一番楽しい人間なんだろうなあ、ということを再確認した。自分が盛り上がるより盛り上がってるのを見たほうが楽しい。でも駒祭の企画やる?と聞かれても間違いなくNOと答える。あれも親しい数人とやるから楽しいわけで、今更単身突っ込む気は全く起きない。

※…井出洋介。東大文学部社会学科卒のプロ雀氏。著書に「東大式麻雀」。卒業論文は「麻雀の社会学」といろんな伝説を残した人。  
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2005年05月28日

さすがに二日連続美術館は初めて

Ensorなんだか知らないが五月祭に行く予定が、庭園美術館に行くことになってしまった。なんか三日連続でこんなネタで、興味ない人ごめんよ。まあ五月祭に行ってもどうせここか、ここに行くというろくな生活になってなかっただろうから、いいんだけどね。明日は五月祭に行く…と思う。なんか友人から催促来てるし。


で、今日行ってきたアンソール展だけど、ぶっちゃけ俺も詳しくない。ベルギー象徴派に属する人で、上のような変な絵ばっかり描く人であることは、行ってみて知った。骸骨やら仮面やら。血飛沫飛んでるし。実際見た感想としては、皮肉の効いた絵が多い。上の絵なんかも、骸骨や仮面がにやにやしていて、見ていて良い気分になる人はまずいないだろう。不気味で、グロテスク。こんな絵ばっかり飾ってある。お察しください。小説家の友人の言葉を借りるならば「小説のインスピレーションになった。なかなかおもしろかった」だそうだ。6月12日までやってるので、興味がわいたならどうぞ。

その後美術館の周囲を散策。庭園美術館というだけあって、庭がきれいだった。アンソールばっかり見ていた後だけに、心がとても安らいだ。とりあえず、シダ植物の葉の裏側を見るのはやめようと思う。あれは、それこそグロテスクだ。  
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2005年05月27日

犬がかわいかった

latour
今日も講義が無かったので、上野の国立西洋美術館までラトゥール展を見に行って来た…断じてさぼりではない。本当に。

ラトゥールの知名度が低そうなので説明しておこう。ラトゥールは17世紀フランスの画家で、バロック派の画家である。光と闇の使い方で高評を博した。自分の好きな画家カラヴァッジョの影響が大きいので、行ってきた。今回はすごい。そもそもラトゥールの真作と認められた絵自体世界で40作品しかなく、今回はそのうちここに20作品も集まったのだから。残りは模作や写真で埋める形となっていたが、仕方が無いと言えるだろう。


ではしばし絵の感想を。評判通り、光の使い方がすばらしい。通常は光を観察者の側から当てるはずだ。しかし、ラトゥールは絵の中に光源を描き、その光源から光を拡散させることで現実感を生み出すという技法を確立した人物であり、そのリアリズムは卓越していた。

多分上の説明ではなんのことかさっぱりわからないと思うので、例を挙げる。ラトゥールは作品中にしばしばろうそくを描くのだが、そのろうそくを中心に光が広がり、遠ざかるにしたがって暗くなっていく。そうすることで、作品の外にある観察者の視点を、作品の登場人物のように作品中に取り込み、より深い現実感を与えることに成功しているのである。ここが革新的だ。

あと二日で終わってしまうが、東京在住の人は是非。おそらく、もう二度とこんな珍しい企画はあるまい。  
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2005年05月26日

無料というのがすばらしい

今日はオルガン演奏会の日だったのを知って、友人たちに連れられて聴きに行ってきた。オルガンなんて聴くの久しぶり。特に生なんてどのくらいぶりかもわからないくらい。多分初めてではないが。曲目は八曲だが、古典派と現代の曲しかない。これはロマン派の曲はここのオルガンではしっかりした音色が出ないから、と説明があった。てか説明してるの去年のドイツ語教官だし。

演奏時間は一時間。ちょうどいい長さだと思う。感想を述べると、やっぱりフーガが心に残った。フーガとは同じ旋律が少し遅れて始まり、重なりながら曲が進行していく方式である。だから印象に残りやすい、というのはあるかもしれないが。「旋律の追いかけっこ」の調和が、見事としか言いようが無い。

あと、ドラクエに使われてそうな曲が多かった。教会とかほこらとか、ダンジョンとか。オルガンの音色って高貴で悲しげで、音そのものが美しいだから、簡単にそういった雰囲気が出しやすいのだろう。思わず聴きながら「これはどういう場面で使ってたらあうだろうか」と考え込んでしまった。

普段I'veばっかり聴いている自分としては割りと新鮮な一日だった。こういう文化的レベルの高い音楽も、たまにはいいね。しかしとりあえず自分は「講義以外のほうが学ぶことが多い」とか逃げ口上を使ってないで、今週14コマ中2つ休講はしかたないとして、12コマ中6つしか講義に出ていないという厳然たる事実をそろそろなんとかしたほうがいいと思う。  
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2005年05月21日

グッバイレーニン!

ドイツ映画では最も有名、でもドイツ映画自体が超マイナー(苦笑),そんなわけで初めてドイツ映画見た。

内容は簡単に説明。1989年10月、東ベルリン。生粋の社会主義者である母が、息子が反社会主義デモに参加しているのを見て心臓発作を起こし倒れてしまう。8ヶ月後,母は奇跡的に目を覚ますも、時は1990年6月。母は、社会主義政権は崩壊したことも、ベルリンの壁が壊れたことも、街にコカコーラの支社ビルが建ったことも知らない。だが、医者は「簡単なショックを与えただけで、また心臓発作で倒れるだろう。次は命の保証はできない」と言う。ここから主人公の涙ぐましい努力が始まった…

この映画、すごく笑える。主人公が、母の生活環境の周りだけ東ドイツ時代に戻そうと努力する様子が非常に滑稽。まずは押入れに閉まってしまったぼろぼろの家具を元に戻し、東ドイツ時代の商品を探し回ったり、果てにはテレビのニュースをごまかすために、自分で番組撮影までする。その無茶っぷりがおもしろい。

でも皮肉なことに、母が治れば治るほど母の行動範囲が広がってしまい、ごまかしきれなくなっていく。そしてとうとう母は…ラストは一転して感動できる。この映画のすごいところは、単なる家族愛で終始しなかったところだと思う。特に、早すぎる時代の流れについていけない人々をうまく描いている。「東西ドイツ合併は成功だったか?」というアンケートをこの間ベルリンでとったところ、意外にも失敗だった意見が多かった、というニュースを耳にした。15年経って、こうなのだ。直後の混乱なんて想像できない。

それに、社会主義崩壊のドラマなわけだけど、けっして資本主義を称揚してない。コカコーラやハンバーガーチェーンが東ベルリンに「侵略」してくる様子を、生々しく描いていた。もちろん、社会主義だって賞賛しているわけじゃない。この映画の描く東ドイツの貧しさは目を覆うものがある。本当にここは西ヨーロッパか。結局どっちもどっちなのだ。

こうした多くのメッセージを載せつつも、家族愛をメインテーマにして、2時間でよくまとめていると思う。心にいやしが欲しい人はどうぞ。ドイツ語の勉強にもなります…多分。  
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2005年05月19日

書評『語りえぬものからの問いかけ』東大教授陣,講談社

この本は東大駒場キャンパスにおいて、東大が誇る有名教授陣によるオムニバス形式の講義の講義録である。各教授がおのおのの専門分野から「語りえぬもの」について講義を行っている。一応、一〜四講が哲学、五〜八講が宗教、九〜十一講が芸術というくくりはあるが、基本的にばらばらな内容だ。一例を示すと、第三回は現代歴史学、第五回は空海の思想、第九回はゴッホの絵画について、といった感じである。

学生がその分野の初心者である、という共通認識がいきわたっているからか、わかりやすい言葉を選んで使っている。そのわりに、講義の終わり間際にはきちんと相当深いところまで議論を持っていくあたりは、さすがといったところか。

ただし、一回一回が非常に中途半端なところで終わっているのが唯一の心残りだ。いかんせん90分でウィトゲンシュタインやハイデガーを説明しきるのは無理があるのか、それとも「大学生なら、それ以上は自分で調べやがれ」という、教官のありがたいメッセージなのか。なんにせよ、文学部生なら十分お勧めに足る内容である。


「語りえぬもの」からの問いかけ―東大駒場「哲学・宗教・芸術」連続講義
  
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2005年05月15日

戦場のピアニスト

思ったよりかかった。最大の原因は借りてきたDVDに傷がついてて途中から見れず、店まで戻って交換してもらってたからなんだが……気にしないでおこう。見てない人のために、一行で内容を解説すると、ユダヤ人ピアニストがドイツ軍に占領されたワルシャワで必死に生き延びようとする物語。

感想は、思ったより良かった。自分は割りとバッドエンドが好きだが、今回ばかりはハッピーエンドで良かったなと思う。これで主人公死んだら救われませんな……まあ実在の人物なので生き残ること自体は最初からわかってるんだけど。それでもけっこう緊張した。

一番のポイントは、主人公が弾く曲はポーランドらしく全部ショパンなんだけど、一番有名な曲を弾いたのは(エンディングを除く)ラストであること。ここで持ってくるとはね。やられた。曲名を失念。ぐぐっても出てこない。悔しい。ノクターン13番だっけ?

普通に良かったんだけど、うまいなと思った点を二つ。最後はハッピーエンド、とは書いたけど、本当にそうとは言い切れるだろうか。場所はポーランド。この後、ソ連に占領されるという悲劇が続く。最後の最後でそのことをほのめかしつつも、映画自体は完全にハッピーエンドに向かうギャップ。もう一つは、ソ連は当然として、アメリカ軍を「ドイツを解放に来た正義の軍」として美化していない点。新たな占領軍としてきちんと描いてる。逆にドイツ軍を完全な悪役にもしていない。と言っても史実通り作ったらそうなっただけかもしれないが。

しいて文句を言うなら、ちょっと不親切なところがある。ワルシャワ市民が蜂起するんだけど、失敗する、そしてその直後不自然なタイミングでソ連軍が侵攻する、というシーンがある。このシーンは史実通りで、本当はソ連のワルシャワ侵攻と同時に蜂起する手はずになっていたんだけど、ソ連軍がワルシャワ解放後に市民の発言権が強くなるのを恐れて侵攻のタイミングを遅らせた。そのせいで失敗した。蜂起した市民が全滅した直後、ソ連軍はワルシャワを占領した。

けど、この映画ではこの事実の説明を全て省いている。普通はこんなこと知らない。おそらく大抵の視聴者は何も気にならなかっただろう。しかしそれでは、この直後主人公は瀕死の状態でソ連軍に救出されるのだが、ここら辺の脈絡を知ってないと完全にこの救出シーンの不可思議さを理解できないと思うし、感動し尽くしたとはいえないと思う。

ここまで書いてひょっとして思ったのは、ヨーロッパ人にとってはこんな事実当然だから説明されなかったという可能性があるということ。日本人は南京大虐殺や東京大空襲のことは詳しいのが当然のことと同じで。だったら仕方ないかな、と。  
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2005年05月10日

「君たちは〜文三だから、外国語をたくさんやっておくのも、いいんじゃないですか?」by I教官

今学期のドイツ語の教官がつまらない。ブログに愚痴る価値があるくらいつまらない。

思えば今までドイツ語の教官には恵まれていた(他の語学はそうでもなかったが)。去年一年間教えてもらったY先生は授業おもしろくて熱意が伝わってきたし、去年の前期のS先生(女性)はちょっと進み方が早かったものの教え方はうまかった。何より去年の後期に受け持ってもらったI先生。講義は厳しくテストは易しくというありがたいことをやってくれた。そして、ただドイツ語を教えるというよりは「言語」そのものを読解していくことを教えようとしていたのが伝わってきて、とてもおもしろかった。何よりギャグが冴え渡っていた。もっとも、本人にギャグを言っているという自覚は無かったようだが。


さて、今回の教官はいずれにもあてはまらない。淡々と当てて、淡々と訳すだけ。文法説明も無く、生徒の訳が間違ってたらねちねち聞き返す。わからないんだから聞き返さずに解説してくれ。「質の悪い」「高校の」授業という感じ。少なくとも大学の授業じゃない。

逆評定いわくテストはいつもワンパターンであんまり丸暗記すればあまり難しくないらしいので、妙なことにそこだけは評価してもいいかもしれない。  
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2005年05月08日

向日葵は無かったけど

Gogh
今日は国立近代美術館にゴッホ展を見に行ってきた。最終日と知っていれば昨日行ったのだが、しかたあるまい。超混んでいた。一人で見ようと思っていたのだが、暇つぶしにメールを送った友人の一人からいっしょに見ようと返信が来たので、二人で見た。

ゴッホには極端な二面性があるように思う。生と死の二面性だ。「宗教とは生死にかかわる信仰一般のことである」とうちの教授は言っていたが、牧師になろうとして挫折したゴッホである。当然のテーマ設定と言えるかもしれない。

昼に描かれた絵は極端に明るい。生を象徴している。黄色の小麦畑が南フランスの大地に広がっている。今回は無かったが、向日葵は言うまでもなく太陽、そして生の象徴であることは言うまでもない。夜に描かれた絵は極端に暗い。死を象徴している。黒々とした糸杉がそびえ立ち、夜闇は青く、ゴッホ独特のタッチでどんよりとしている。黄色と青が補色関係であることも見逃せない。

今日いっしょに見た友人は昼のイメージのほうが強いらしいが、自分は夜のイメージ、すなわち死のイメージのほうが強い。それはやはり、上の「糸杉と星の見える道」の影響が強いのだろう。自分はこの絵がとても好きだ。
糸杉が中央に立ち、三日月と星も寂しげに輝いている。死の持つ、恐怖と平穏が入り混じったような印象を、強く受けるのだ。


そんな感じでゴッホ展を見てきたので、とても満足した。やっぱり生の絵はいい。与える印象が強い。また美術館に行こうと思う。次は西洋美術館のラトゥール展を考えている。  
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