2005年08月31日

永久に美しく

どうにも暇なので、再び昔の映画でも観賞した。今日は映画から「永久に美しく」。

観賞開始1分後での感想。メリル・ストリープが若い!(笑)そういえば今何歳よ?


この映画、何度観てもおもしろい。永遠の若さとは何かと訴える映画ではあるが、このハイレベルなギャグタッチは何とかならないものか。演出が細かい。けしてストーリー自体は複雑では無いし、テーマもよくある話なのだが、話の流れが滑らかなので飽きない。

この映画の最大のポイントは、永遠の生命、若さを手に入れる薬を飲んでも、肉体の死を止められるわけではないということだ。すなわちこの薬は老化を止め、二度と死なない体にはするが、別に体の自己修復能力を向上するわけではない。だから、肉体が本来の自己修復能力を超えた致命傷を受けると、魂は生きているのに、肉体は腐っていく。薬を飲んだ登場人物たちも、腹に穴が空いたり首が180度回転したりしているのに生きており、生きながらに体が腐っていく。

こう書くとなんだかえぐいが、だからこそ話が明るくギャグタッチなのだろう。ところでこの映画のテーマは何か。さっきは「よくある話」と書いたが、それはどうとでも取れるからだ。自分はあえて、「老いたら無理するな」という見方をしてみたい。登場人物で、若返ろうとしたり薬を飲んだ人物の行動によって迷惑を被っているのは、全て老いた人々だからである。テーマを考えながら見るのも、おもしろいだろう。  

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2005年08月23日

Mission impossible(5)

午前4時。起床。長い一日が始まる。大量の荷物をまとめ、軽く部屋の掃除。出発。

午前4時半。アドミニストレーション棟前に到着。当然のことながら誰もいない。まだ多少暗い。荷物を置いてコンビニへ。微妙に危険かなとも思いつつ、誰も盗まないと思い荷物は置いていった。コンビニで朝食とコーヒーを購入。目を覚まそうと努力。

午前5時。臨戦態勢に入る。とっても、敵は寄ってくる虫とカラスくらいなもんだが。気づいてみると、アドミニストレーション棟、入り口が四箇所ある。どこで待とうか迷う。とりあえず、一番配布場所に近い入り口に陣取ってみた。暇つぶし用に持ってきた『論理哲学論考』を読み始める。空が急激に明るくなり始めた。

午前5時半。論理哲学論考、難しい。セミの音がうるさい。散歩のご老人が増えてきた。ここで軽やかに挨拶。「おはようございます」すごく無視された。軽く凹む。くじけそうな自分に「これは夏の祭典のリベンジなんだ」と、謎の励ましをして耐える。

午前6時。駒場巡回カーが目の前に登場。ものすごく不審者に思われたようで、運転手ににらまれた。しかし即座に視線を落とし、論理哲学論考に集中する振りをしてみる。どうやら不審者という以前に気違いと思われたらしく、無言で通り過ぎていった。これはこれで悲しい。あまりにも悲しいので、腹いせにhenriにメール送った。当然返事は来ない。急激に寂しさが募ってくる。

午前6時半。カシンの化身にメール。すると返事が。久々に人と交流した気になってメールに夢中になるも、30分程して寝やがった。

午前7時。アド棟に明かりが着いた。希望の光に思えた。そろそろ精神状態がヤバイかもしれない。論理哲学論考はとても電波だったが、わからないなりに半分まで読み終えた。

午前7時半。論理哲学論考に飽きた。というよりもいよいよわからない。やっぱ野矢は頭良いわ。ここで再び警備員の人と鉢合わせ。気まずい雰囲気が流れるも、互いに観なかったことにして解決した。これが大人の妥結という奴だろうか。

午前8時。職員の方々が出勤し始める。朝早いなあ。ここでhenriから返事が。あと40分後に来るとか。なんだか無性に嬉しかった。しかし相変わらずあまりにも暇なので、無理やり論理哲学論考を読むことにする。

午前8時半。アド棟が開いた。入っていいのだろうか、と悩んでいるとhenriと合流。入って待つことにする。すると、ぞろぞろと人が増え始めた。結論。午前8時に来れば十分。

午前8時40分頃。職員の方々が準備し始める。「君ら早いねえ」と話し掛けられたので「朝4時半からいましたから」と答えたら怪訝な顔をされた。当たり前か。ここで職員の方が「本当は10時からだけど、君らは受け取って帰っていいよ」と言われたので(おそらく心の中では早く帰れという感じだったのだろう)、成績表を回収して帰った。


そして気になる結果は……  続きを読む
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でもそんなに鏡あったっけ?

Dresden国立西洋美術館の「ドレスデン −世界の鏡展」に行ってきた。本当は月曜日行く予定だったのだが、よく考えたら当然の話、美術館関係は月曜定休だということに着いてから気づき、失意の内に山手線一周して帰ってきたのが昨日の話である。

んで今日とうとう見れたわけだが、なかなかすごかった。バラエティに富んでいて飽きない。まず、サブタイトル通り鏡やそれに類する装飾品の数々から始まる。金銀細工に目を奪われた後、次に出てくるのがトルコ趣味。東洋とも西洋ともいえぬ、珍しい装束を楽しんだらイタリア絵画が登場する。ここでの目玉はティツィアーノの「白いドレスの女性の肖像」。それに限らず、後期ルネサンスからバロックの名作を展示している。

その次はフランス絵画やすばらしい家具の数々。ある意味目を引くのがローズカット・ダイヤモンド装身具一式だろう。おば様方が大量に群がっていたが、無理もあるまい。10カラットくらいありそうなダイアの指輪がごろごろしているのだから。個人的にはそれよりも記念メダルの展示にひかれた。ラテン語で書いてあると読みたくなるね。

ドレスデンといえば、マイセンははずせまい。マイセンは徹底的に東アジアの陶器をまねることですばらしい陶器を生み出したのだが、元ネタとなった東アジア産の陶器と、マイセンで作られた陶器が並列しておいてあった。おもしろい展示だと思った。やっぱり微妙に違う。そしてオリジナルのほうが美しく感じる辺り、自分の美的感覚はやっぱり東アジアなのか、それとも単にオリジナルのほうが美しいという一般法則なのか。そこは定かではないが。

そしてオランダ絵画ゾーンへ。これまたすばらしい、そして有名なバロック絵画がそろっている。特にフェルメールの「窓辺で手紙を読む若い女」、よく借りてこれたなあ。これも構図がすばらしいね。特にカーテン。あれが無いとバランスも悪いし、遠近法も引き立たない。

最後にドイツロマン派絵画。まさかここで再びフリードリヒの風景画に出会えるとは思わなかった。すこぶる感激。しかし、フリードリヒはもとよりそれ以外のドイツロマン派の風景画も、すばらしいね。まさしく「苦痛を乗り越え、歓喜に至る」(ベートーヴェン)という感じ。なかでも今回気に入ったのは、ダールの「満月のドレスデン」(上の絵)。もうすばらしすぎて言葉に言い表しがたい。というか、これを最後に持ってくるのは心憎すぎる。


今回も堪能させてもらった。毎回ながら、西洋美術館の特別展示はすごい。展示内容もさながら、展示方法が神がかっている。鑑賞者心理を読んでるね。で、今回もTシャツ買って帰りましたとさ。  
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2005年08月20日

単純なゲームほどはまる法則

前にフリーセルについて語ったので、今日はマインスイーパについて語ろうか。

マインスイーパは、フリーセルに比べて苦手とするところだ。フリーセルはどれだけ時間かけてもいいが、マインスイーパは時間勝負であるということと、フリーセルは危機脱出のためにいくらでも手段があるが、マインスイーパはつまったらどんなに上手な人でもどうしようもない状態になるからだ。

マインスイーパは、特に上級は、慣れと運によるところが大きい。初期配置がどうしようもなかったら、最後までどうしようもなくなるからだ。どっかで好転する、なんてのは甘い考えで、初期でつまったら麻雀で役満を上がるような確率でしか生き残れない。序盤で「平原」が開けなかったら、あきらめるべきだろう。

だから自分は最初に中央辺りを適当に押して、序盤に平原にぶち当たるような方法で始める。こうすると好記録が出やすい。その代わり、なかなか開けないと腹が立ってくるが。初級や中級は、端から始めても十分クリア可能だ。爆弾の数が多くないので、端からスタートしてもすぐに開くことができる。

あとは、しっかり集中してるときよりもだらだらやってるときのほうが、なぜか好記録が出やすいか。これはよくわからんが。いつもフリーセルの後にやるので、そもそもあまり集中してないと言われれば否定はできない。

現在、下宿のパソコンで初級9秒、中級40秒、上級145秒だ。実家のパソでは初級1秒というのがあるが、これは押した瞬間終わった、ということだ。中級と上級は、当然のことながら下宿のパソコンよりもだいぶ遅い。慣れないと、頭ではわかっていても爆弾が埋まっているかどうか不安な場合があるからどうしても遅くなる。逆に慣れると、形を見て本能的に爆弾の位置がわかるようになる。

ここまでやりこんでるのに上級が145秒を割らないのは、本質的に手先が不器用だからだろう。自分の一番の失敗原因は、圧倒的に押し間違いである。わかっていたのに押してしまう「誤爆」。これが一番悔やまれると同時に、一番多い失敗である。henriが120秒くらいらしいので、当分の目標はここか。  
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2005年08月17日

書評『ローマ人の物語4・5 〜ユリウス・カエサル(上)(下)〜』塩野七生著 新潮社

尊敬する歴史的人物を三人挙げろ、といわれたら、自分はこう答える。曹操、織田信長、ユリウス・カエサル。三人とも開明的でかつ急進的すぎることはなく、新たな時代状況と古い時代の産物をうまく結び付けようとした。また私生活では「英雄色を好む」というとおり、奔放で典型的な英雄像という点で共通する。だからみていて飽きない。おもしろい。そんなカエサルを評する言葉は、どこの時代のどこの人の言葉を持ってきてもほめ言葉しか出てこない。以下、その一覧。

タキトゥス「神にも比されるべき才能」

モンテスキュー「カエサルは幸運に恵まれていたのだと人は言う。だがこの非凡なる人物は、多くの優れた素質の持ち主であったことは確かでも、欠点がなかったわけではなく、また、悪徳にさえ無縁ではなかった。しかし、それでもなお、いかなる軍隊を率いようとも勝利者になったであろうし、いかなる国に生まれようとも指導者になっていただろう」

バーナード=ショウ「人間の欠点ならばあれほど深い理解を示したシェークスピアだったが、ユリウス・カエサルのような人物の偉大さは知らなかった。「リア王」は傑作だが、「ジュリアス・シーザー」は失敗作である」

モムゼン「ローマが生んだ唯一の創造的天才」

イタリアの普通高校で使われる教科書「指導者に求められる資質は次の五つである。知性、説得力、肉体上の耐久力、自己制御の能力、持続する意志。カエサルだけがこのすべてを持っていた」

なかでもモンテスキューにほめられたのはすごい。彼は共和制主義者で、事実上の帝政創始者であるカエサルのことを非常に憎んでいたのだから。にしても、イタリアの教科書と日本の教科書を見ると、日本の教科書がとても見劣りしてみるのは自分だけではあるまい。当然自分も、カエサルはこれだけほめられてしかるべき人物だったと考えている。そんなユリウス・カエサルがまだローマを帝国化しようとは考えておらず、あくまで共和制の中で改革をしようとしていた時代の物語が上巻、それに行き詰まりを感じて独裁へと突き進むのが下巻である。しかし本巻を伝記とはせず、あくまで今まで通り「ローマ人」の物語として描いている。

シリーズのタイトルを「ローマ人」としたところがうまい、とあらためて思う。ローマという国家にしてしまうと、共和国なのか帝国なのかの区別で違うシリーズにしなければならなくなってしまう。その境目こそ、ユリウス・カエサルなのであり、このシリーズの2巻分を割く価値があると言えるだろう。


ローマ人の物語〈4〉― ユリウス・カエサル-ルビコン以前

ローマ人の物語〈5〉― ユリウス・カエサル-ルビコン以後
  
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2005年08月05日

ローズ家の戦争

あまりに暇だったので、家にある古い映画を見た。その名も「ローズ家の戦争」。無論,イギリスのばら戦争が名前の元ネタである。

円満な家庭を築いてきたローズ夫妻だったが、妻の神経質な性格が災いしてやがて離婚へ。ところが、二人とも共同で購入した家を手放したくないという。話合いで決まるはずもなく、離婚戦争は言論から体力勝負へ移行していく、基本的にはコメディー映画。

この映画、構成がおもしろかった。夫の顧問弁護士が離婚相談でやってきた別の男性に、回想という形で語るところから始まるのだが、回想と現在が細かいところでリンクされていて、ラン・ローラ・ランのように細部に注目して楽しむことができるようになっている。またメインである離婚戦争も、次第にエスカレートしていく様子がおもしろい。最初はささいな事故だったのに、恨みから次第に故意の色が強くなり、最後はほとんど殺し合いに近い。古い映画だから特殊効果などは無く全部スタントなのでいまいちリアリティには欠けるが、CGを多用した現代の映画のほうがリアリティがあるというのも妙な話だ。

この映画の残念な点は、離婚の原因が客観的に見て妻のほうにしか無いこと。男性特有の意見かと思い母に聞いてみたが、母もそう思うらしいので偏った意見では無いだろう。そのせいで、どうも男性よりにしか見れない。離婚の原因が平等にあれば、さらにおもしろかったと思うのだが。ネタばれになるので書けないが、オチがたまらなくシュールなので「なんだそりゃ!?」と叫ぶかも。俺は叫んだ。見事な伏線処理だった。かなりお勧め。暇ならぜひ。  
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2005年08月04日

そりゃまずかろうに

実家の部屋の掃除が終了した。なんかいろいろ出てきた。まず目を引いたのは、中学高校の成績表。全部とっておいたはずなのに、なぜか中1だけ無い。母は捨ててないと言っているので、どっかにはあるんだろうが……にしても、高1の成績が悪すぎる。なんだよ数学53点て。しかし、当時から追試をかわすことに関してだけは天才的だった。5年間通しておもしろいのは、成績推移が

模試>>校内実力テスト>>>>>(超えられない壁)>>>>>定期テスト

になっているという点。まあテスト週間ゲームしかしてなかったから当然なのだが。あと、中学高校共通で成績が尻上がり。学年が上がると調子が良くなるという法則も。大学もそうだといいがね。同時発掘で昔中学時代の日記帳(学校に毎日提出義務有)。字が今より汚い。これは読みづらかろうに。よく先生読めたもんだ。今さら感謝。にしてもやる気無いこと書いてある。

あと、めちゃ古い信長の野望出てきた。これは……サブタイトルが無いんですが。いつのだ?プレイした覚えすらない。絵には見覚えがある……兄貴のか?C1990だそうだ。ニュートン別冊と図解雑学を大量に発掘。ニュートン別冊は覚えがあるが、図解雑学は謎。多分兄貴のだろう。にしてもニュートン別冊、今読むとけっこうトンデモ本の領域だなあ…タイトルの最後に必ず「?」が付いてるあたりは良心的といえるかもしれないが。数学パズルも発掘。これも兄貴のものと推測される。今解いてもけっこうおもしろい。何にせよ、兄貴のものが多すぎる。それだけ影響を受けたということだろう。

なお、今回の発掘品における最大の難物は「12人の妹が出てくる某アニメに出てくるオカルト少女のキャラクターブック」だろう。いや、好きだったけどね、○影。男の部屋を発掘すれば、一品くらいは昔の悪しき記憶が掘り出されるということが証明されたということか。それとも単なる二度あることは三度あるということか。どっちにしても売れそうも無いので町内の廃品回収に出してしまおう。  
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