2006年03月28日

第52回「論理哲学論考」ウィトゲンシュタイン著 野矢茂樹訳 岩波文庫

なぜだかわからないけど、毎年全国大学生協売上一位になっている本。どうやら大学生は論理哲学論考を読むらしい、ということで自分も読むことにした。しかし、のっけから意味がわからない。論理的かどうかも判断できないレベルで思考が難解。これを一発で解読できる人は本当に天才だと思う。ウィトゲンシュタインの師匠であるラッセルすら、完全には理解してなかったようだし。

わけわからなくてもいいじゃないか、という気はする。翻訳をなさった野矢先生も初めて読んだ時に「よくわからないけど書いてることはかっこいい」と感じたから、今の自分がいると述べていた。読了した時、自分もそんなもんなんだろうな、と思った。

ところで、ものすごく思考が難解なわりに自分でも論理的に絶対おかしい場所が見つかる辺り、なんだか抜けている。ウィトゲンシュタインは後期になって自分の思想をかなり書き換えたらしいが、それも当然だと思う。それでもこの本が売れ続け、影響を与え続けているのは、やはりそれだけ「なんとなくかっこいいから」だと思う。一歩間違えばただのペダンティックな変人を養成しかねないこの本だが、一度くらいはペダンティックな気分を味わってみるのもいいかもしれない。

でも、自分は絶対この本の研究に一生をささげる気は起きない、とも思ったが。


論理哲学論考
  

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2006年03月20日

第51回「イタリア遺聞」塩野七生著 新潮文庫

塩野七生エッセイ集第二段。主には『ヴェネツィア −海の都の物語−』を書いたときに、余分に調べてしまったことや書き損ねたことを中心に、エッセイとしてまとめている。文章は相変わらず。自分に至っては、もはや読みなれた感のある独特の筆致である。ネタがネタだけに、『サロメの乳母の話』よりは落ち着いているかもしれない。

この、おごるでは無い幅広い知識は、非常にためになる。現代の言葉を使えば、トリビアとしか表現できない無駄知識の結晶のような本だが、だからこそ読んでいておもしろい。ゴンドラはなぜ黒なのかとか、『オデュッセイア』のおもしろい読み解き方とか、まあそんな具合である。「この後は、『コンスタンティノープル陥落』でも書こうかしらん」と文中で述べていたが、この後本当に書くことになるとは思っていただろうか。やっぱりこの人、意外と御茶目である。

今作は、著者の旦那様の話がたくさん出てくる。イタリア人で医者、ということは判明した。この人も、著者に似てたがわず、歴史好きでお茶目なようだ。やっぱり夫婦は似るものなのだろうか。塩野女史自身は『サロメの乳母の話』で自分を「日本最高の悪女」と述べているが、確かに彼女の夫なんてものは、日本人には務まらないのかもしれない。


イタリア遺聞
  
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2006年03月19日

名古屋イタリア村&徳川美術館

名古屋港に突如として現れた人気スポット、イタリア村。非常に胡散臭いイタリア風っぽい建物と、100mも漕いでないのに500円もとられる非常に良心的なゴンドラが、あなたを待っている。……相変わらず自分は皮肉は下手だ。いや、何もイタリア村への中傷がしたいわけではない。飯は非常にうまかった。生ハムにチーズ、アーティチョークにオリーブオイル。ワインはさすがに昼から飲むのは遠慮したが。

意外かも知れないが、ブルーチーズはけっこう食べられる。確かにくさいが、パンにはさんで食べると案外とおいしいものである。パンはオリーブオイルにもよくあう。料理で残ったオリーブオイルにパンを浸して食べるのはマナー違反にはならない。イタリア料理やフレンチのときはいつもそうしているのだが、学食にオリーブオイルが出ることは間違っても無いので、悲しい。イタリアンドレッシングはときどき置いてあるが、オリーブオイルの入っていないイタリアンドレッシングなど、俺は認めない。屈してときどきかけてるが。(ドレッシングの種類が少なすぎる……)

イタリア村に行った目的は食もあったが、食だけだったらカテゴリがMuseumにはならないわけで。イタリア村の中にあるヴェネチアングラス博物館に行ってきた。あなどっていたら意外とすごかった。まだ生きている工芸家の作品のみの展示だったが、どうせ古い作品があってもわからないので気にはならない。

非常にカラフルで色使いもセンスがいい。細工が細かく、よくガラスで作ったもんだと感心させられる。さすがに現代の工芸家なだけあって抽象的なものもあったが、ガラスの特権からか、よくわからなくても見た目のきれいさで納得してしまいそうになる。ちなみに販売もしていたが、目玉が飛び出るような金額で売っている。誰か買うんだと思う気もしたが、確かに大金があったらああいうの欲しいなという気がしないでもない。


それとは別の日だが、徳川美術館にも行ってきた。こっちは言っては悪いが、極普通の博物館という感じである。徳川美術館というだけあって茶器やら着物の類はたくさん置いてあるが、所詮は名古屋藩主。上野の国立博物館のほうがあらゆる面で圧倒的にすごい。顕著な例はやっぱり刀剣か。ここには備前長船(重文)しかないが、向こうは備前長船長光(国宝)や恒次(国宝)がある。名古屋市民は怒る前に上野に行って見識を深めて欲しい。

行ったときにやっていた特別展は雛壇。徳川ゆかりの雛壇が特別公開されていた。これはけっこうすごかった。雛壇ということで漆器や貝合わせの貝がすごく小さく、よく作ったもんだと驚かされる。それはそれとして、かなり大きい市松人形が飾ってあったが、あれは怖い。絶対夜髪伸びてると思わせる……まあ無料になる人は行ってみてはどうか。(※)


ところでゴールデンウィーク明けに行く美術史研修旅行の行き先に「名古屋」があるわけだが、行き先がこの二箇所のような気がしてならない………  続きを読む
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2006年03月13日

第50回「サロメの乳母の話」塩野七生著 新潮文庫

サロメの乳母の話とタイトルについてはいあるが、基本的には塩野七生による短編歴史小説集である。この本を貸してくれた友人も言っていたが、『ローマ人の物語』のように重厚ではなく、ああいかにもおばさんだなあと思わせるような、井戸端会議の光景を髣髴とさせるような、軽い感じで書いている。この本が書かれた時点で、およそ45歳だったのだから、まさにというところだろう。それでいて記述はしっかりしているのだからすごい。さしずめ、「世界ゴシップ集」とでもしたほうが、正しいタイトルなのではないか。

この本の特色は実在していたか、していないかは別として、とある有名人の身近な人(馬が一頭いるが)が自分の半生を語る、という形で進んでいくことだ。たとえばオデュッセウスの妻やブルータスの師、ネロの双子の兄など、明らかに非実在の人物がかなりいる。あえて本人にはスポットを当てないことで、よりゴシップらしさがましていると言ったところか。

自称「日本人一の悪妻」である塩野七生の、別の一面が見られる本としておもしろい。『ローマ人の物語』と比べて軽いのなら、『イタリアからの手紙』と比べてより落ち着いている、といえるか。何にせよ、この人意外とお茶目である。塩野七生入門書としてお勧めしておく。


サロメの乳母の話
  
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2006年03月12日

チャレンジ・ザ・東大入試(3)

二日目の午後、英語。初日の楽勝気分を吹き飛ばす社会に、追い討ちをかけるかのようにさらに難化した。終了直後の受験生の心情を慮るに涙が出てきそうだ。

大問1A:要約。民主主義は全員参加すべきだが、能力によりどうしても格差が生じる、といった内容が書けてれば点が来るはず。非常に楽勝。これに関しては易化している。

大問1B:パラ整除。これは普通くらいか。

大問2:英作文。今年難易度が上がったと言われる理由がよくわかった。まず一つ目、課題英作文。こっちはまだいい。二人の議論の要旨をまとめろというものだから、なんとかなると思うがそれでも難しい。やばいのは二つ目の自由英作文。英作文なんてものは縛りが多いほうが書きやすいわけで。これだけ自由度が高く、かつ多くの内容を盛り込まなくてはならないとなると、相当の英語力と思考力がいる。「大問1〜3は稼ぎどころ」というのが必勝テクだったが、そうでもなくなってしまった。

大問3:リスニング。どこにも音声が落ちてなかったので聞いてないが、スクリプトと問題見る限り大したことはなさそう。ここで稼がないとどうする、という感じだったのでは。

大問4A:文法。そもそもここは受験生だったときから無理だったが、今解いても難しい。これは難化というよりそもそも難しい。(1)は楽勝。(2)は無理、goes way backなんて熟語、俺は知らない。(3)はOnlyの倒置に気づければできる。(4)は謎。GivenがIfの代わりというのは理解できたのだが。(5)もてんぱってると気づかないと思う。

大問4B:和訳。ここも常に難しい。んで、今年も和訳しづらい。いいとこに下線引くよなあ……

大問5:長文。いつもは物語文なのに、今回は普通の評論だった。つまらない。センターと違って、心温まらない物語だから期待しているのに。分量は減ったけど、語彙がちょっと難しい。


総評:合格最低点がどこにも出てきて無いのでなんともいえないけど、総合的に見れば例年通り、文三なら330〜340程度に収まるんじゃないだろうか。というかこれで最低点が下がったなら、今年の受験生はよほど数学ができないと見える。それにしても昔とったなんとやら、でセンターよりもよほど現役時に比べて力が落ちていない気がした。だが、これも来年はもうやらない。  
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2006年03月11日

チャレンジ・ザ・東大入試(2)

二日目の午前、社会。

日本史
大問1:古代、奈良時代。東大の大好きな律令制度から。日本の律令制は氏姓制度との混ざり物だったことから、藤原氏的なもの=律令制度、大伴氏的なもの=氏姓制度くらいかけておけば、6割くらいの点数は来るんじゃなかろうか。もっとも奈良時代の藤原氏が律令官人として、能力の高さから出世したとはとても思えないし、あの史料から読みとれるとはまったく思えないのだが、自分だけか?

大問2:中世、平安末期。ごく普通。これは受験生なら解いておけ。

大問3:近世、琉球。すごく珍しい、超良問。なんだよ、こういう問題作れるんじゃん。冊封体制と列強の重圧にさいなまれる、19世紀中国周辺の衛星国特有の悩みを理解できるかどうか。日本は東アジアで唯一冊封体制の外側にいた国なので、日本という枠組で問題を考えても答えは出てこない。15〜19世紀の300年に、世界はどう動いたのか。事実上、世界史履修済みであることが条件の問題、社会が二科目受験の東大だからこそ出題できる問題だ。難易度は非常に高いが、これが解けてこそ地歴のエキスパートだと思う。

大問4:近代、鉄道。Aはマニアックな問題、1906年鉄道国有化を知ってないとどうしようもない。Bも同様。松方(デフレ)財政という言葉が出てくるかどうか。Cも非常に難しい。大戦景気にはすぐ気づくだろうが、原内閣のやったことなんてもう覚えてない。四大綱領を書けた受験生が何人いたか、興味深い。

今年はちょっと改心したのか、それとも日本史学の底点が西洋史に近年勝ったことない状態を改善したいのか、大問2と3は良問だった。つまらない。良問にはなったけれど、相変わらず世界史、地理に比べると解く気力をなくす難易度。それでもいい方向に向かってるんじゃないか。


地理:相変わらずあんまり難しくないが、難化したことは確か。特に大問3の日本の産業構造はけっこう解きづらかったのではないだろうか。


世界史
大問1:大論述。大雑把に言って,主権国家体制と勢力均衡から集団安全保障体制へ。毎度言っているが、相変わらず答えの要約が問題文に載っている。あれを膨らませれば、それが答えになる。今回は時代さえも特定されているので尚更。
大問2:小論述、インド洋貿易について。こういった問題はばらばらに考えるのではなく、連問として考えるのが鉄則。この場合は三問とも国際関係に重点を置いている。(1)の政治的側面とは、言うまでも無くガズナ朝とゴール朝。文化的側面はスーフィズムだ。スーフィズムのようにわかりやすいものが、異文化には受けるのである。(2)は英仏百年戦争について。基本的には事実の列挙でいい。ベンガルが争いの中心だったことを留意。(3)は4行でまとめるのがやや難。書ける内容が多すぎて、取捨選択に困ることだろう。イギリスを軸にするとまとめやすいと思う。具体的には、英仏の対立から英露の対立へ。3Bと3C政策の対立を経てWW1後エジプト独立。そしてナセルのスエズ運河国有化宣言からとうとうイギリスは影響力を失う。

大問3:単語。アッシリアの首都ニネヴェとその位置をいきなり聞くとは、受験生をびびらせようとする魂胆が見え見えだ。でもちょっとマニアックすぎないか?あとは大したものは無いと思う。管理人は全問わかった。


まだ世界史は二次も満点を狙えそうだ。良問がそろっていい感じ。やたらと国際関係にこだわった設問が多かった気はする。
  
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2006年03月10日

チャレンジ・ザ・東大入試(1)

センターをやったときに、東大二次もやると書いた。書いたからにはやらねばなるまい。ただ、こっちは採点は自己採点になるのでしっかりとした点数が出ないうえ、果てしなく時間がかかるので批評にとどめた。さて、大学三年にもなろうとしている、元受験生が、どこまで食らいついていけるだろうか。


初日午前:数学
大問1、図形。がりがり削っていくしかない計算問題が大問1に来ることが多いという法則がどんぴしゃである。で、これが激しく面倒。やり方は複数思いつくくらい単純だし、現役当時の自分なら20分くらいで完答できたんだろうが、今の計算能力では、途中で挫折。受験生なら完答は必須だろう。

大問2、数列。新課程らしく、コンピュータチック。もはや確率のやり方すら忘れかかっていた自分にはかなり苦戦したが、受験生ならば(1)、(2)は楽勝もいいところだろう。ポイントは、○が出る確率がpなのではなく、前と同じ記号が出る確率がpであるという点だろう。ここがやや思考を複雑にしている。(3)は相変わらずインスピレーションがひらめくかどうか。おそらく現役の時の自分でもこれはあきらめただろう。

大問3、整数問題。これもインスピレーションの問題といってしまえるところが大きい。なお、管理人は見た瞬間あきらめた。現役のときなら、(1)くらいは思いついたかもしれない。

大問4、三角関数兼微分。東大の微積は楽勝である。というよりもこれは単なる計算問題すぎる。絶対値記号がついていてやや難しい気はするが、多くの人にとって大問2や3よりはマシだと思う。

全体的に、単なる計算問題化が進んでいて非常につまらない。絶対「国立市の大学のほうが難しい」とカシンの化身が言っていたが、その通りだと思う。というわけで、平均的に数学できる人ならば3完も夢じゃなかったのでは?


初日午後:国語
大問1:現代文、宗教社会学について。人間が来世を思うのは、過去が存在しているから、ということ。個人的にはよく知っている内容だったのですんなり読めたが、普通でもそんなに難しいことは言ってないように思う。特筆すべきは漢字。毎年中学生レベルの漢字しか出題されなかったのに、今年はやや難しく「厳然」やら「従容」やらが出た。点数にしてみれば1〜2点だが、漢字が完答できたかどうかは、精神的に大きい。案外と勝負の分かれ目だったのではないだろうか。

大問2:古文、堤中納言物語。タイトル見た瞬間に頻出だなと思った。そういう意味では勉強量が問われたのではないか。模試かなんかで一度解いていて、物語を知っていればかなり有利だったと思う。簡単に言ってしまえばへたれ男の優柔不断物語なんだが。設問もオーソドックス。これは解いてほしい。

大問3:漢文、笑い話。東大の漢文はそもそもそんなに難しくない。ただ、出典がひどくマイナーなだけだ。しかも今回にいたっては笑い話だし。「謝」を感謝ではなく、断りの言葉と読み取れるかどうかが唯一のポイントだろう。

大問4:現代文、教育学について。論旨はアリエスの『子供の誕生』からルーマンへといったところか。子供は不透明なものであるという意見をつかめるかどうかが鍵だ。もろ教育学概論でやったところである。ひょっとして作ったのは奴か。そんなことは知らない受験生にとってはかなり読みづらかったかもしれない。まあそもそも大問4の現代文なんて後期の小論文の前哨戦のようなもので、普通は読めないから気にしなくていい。

こちらも全体的に難易度が下がった。数学と違って、相変わらず良問ではあるので、そういう意味では危惧していないが。そういう事情から文系は古文・漢文は満点勝負、大問1もほぼそんな感じで、本来ならあまり焦点にならない大問4が意外と勝負を分けたのかもしれない。  
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2006年03月07日

駒場教官教務逆評定(7)

今日もゲームと読書しかしていない。大丈夫なんだろうか。一応報告でもしてみると、ドラクエ5はブオーンとイブールを倒した。ブオーンは予想よりも手ごわかった。弱いと聞いていただけにショック。ザオラル二回が両方一発で成功したからいいものの、どっちか外していたら勝敗はわかからなかったかもしれないくらいだ。

逆にイブールは超弱かった。大体ボスなのに身を守るなよ。さすがはラスボスなのに瞑想で回復する姑息なミルドラースの部下だ。通常攻撃が弱いのでスクルトの必要が無く、1ターンに1回しか攻撃してこない上に行動パターンが完全固定。ちなみに、マホカンタ→身を守る→通常攻撃→輝く息→通常攻撃→イオナズン→いてつく波動→マホカンタ。フバーハさえかけておけば回復が祝福の杖(ベホイミ)だけで追いつくというのは、あまりにも情けない。明日か明後日には、ミルドラースを倒し終わっていることだろう。

Victoriaのほうはトランスヴァールではじめ、現在1905年。状態ははっきり言って芳しくない。順位は現在19位。それでもアフリカ唯一の独立国であるという事実は、光栄に思っていいと思う。エジプトもリベリアもイギリスの植民地になってしまった。こちらも明日か明後日には終了予定だ。

以下、とうとう逆評定もラスト。今日は全学自由ゼミナールだ。全学自由ゼミナールは取らなくても卒業できる、というよりも総合科目が2単位なのに対して1単位しかくれないから、むしろ割りに合わない。だからこそ単位認定にテストが無く、厳しくてもレポート、たいていが出席のみだ。教官もずいぶんと肩の力の抜けた授業をしてくれるので楽しい。ただ、緊張感も無いので気合を相当入れないと、つい眠くもなるが。  続きを読む
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2006年03月06日

こういう入試問題を歓迎

昨日我が家に来た連中には話してしまったが、今年の鳥取大学の入試問題が爆笑だったので、紹介してみようと思う。

P君に2人の女友達A子さん、B子さんがいる。あるとき、P君が自宅を出発してA子さんの家へ向かった。しかし、自宅からA子さんの家までの距離の1/3進んだところで、思いなおしてB子さんの家へ向かった。そして方向を変えた地点からB子さんの家までの距離の2/3行ったところで、また気が変わりA子さんの家へ向かった。そこから1/3進んでまたB子さんの家へ向かった。このようにしてP君はA子さんの家へ方向を変えてから1/3進んでB子さんの家へ方向を変え、それから2/3進んでからA子さんの家へ向かって進むものとする。
この迷えるPくんの究極の動きを記述せよ。ただし、A子さん、B子さん、P君の3人の家は鋭角三角形の3頂点の位置にあり、P君は方向を変えてから次に方向を変えるまでは必ず直進するものとする。
(鳥取大学)

この問題の最大のポイントは「この迷えるPくんの究極の動きを記述せよ。」だろう。迷える、なんていう言葉はまったく問題を解く上で必要が無いのに、わざわざ問題文に載せた大学入試問題とは思えないこのユーモア。問題制作者に敬意を表したい。それにしても話がリアルすぎる。きっと問題製作者の実体験に基づくものでは無いかと邪推しているのだが。

なお、この問題は単に数学の問題としても非常に良問である。ベクトルと数列(漸化式)、極限のすべてを理解していないとできない問題であり、東大受験生でも解けない人はいたのではないだろうか。ちなみに医学部の問題だそうで。

以下、いい加減に作った答え。理系の方ならもう少し賢い方法で解けるのだろうが、文系には以下の方法が限界だった。多分あってると思う。  続きを読む
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2006年03月03日

第49回「ローマ人の物語9 賢帝の世紀」塩野七生著 新潮社 

いよいよ、ローマ帝国が最も繁栄した時代に突入する。ここで扱う皇帝は三人。至高の皇帝にして最大領土をほこったトライアヌス、帝国の平和と繁栄を促したハドリアヌス、そして歴史に何も残らないくらい、文字通りピウス(慈悲深い)な政治を行ったアントニヌス・ピウスである。賢帝だからさぞ量が多くなるのではないかと思っていたら全然違う。事件が起こらなければ書くことも無い。すなわち、書きたくても書けないのだ。フィクションすら難しい、とは著者自身認めている。だからこの本、賢帝三人を扱っているわりには、非常に量が薄い。苦労して書いたんだろうなあ、というのが真っ先に読み取れる。

しかし、トライアヌスは読んでておもしろかった。この人は安定した時代に皇帝になってしまったため「賢帝」止まりだったが、時代が時代なら「神君」カエサル並の重要人物として歴史書に残ったのではないかと思う。トライアヌスは天才ではあるが、努力の天才と評したほうが天国の彼が喜ぶかもしれない。個人的にはこういうハッピーエンドな物語を読むのは嫌いじゃないので非常に好評価を与えてしまったが、従来のローマ人の物語に見られるような血湧き肉踊る戦いや手に汗握る外交戦、ローマという国家の将来を占うような事件は何一つ起きないので、そういう意味では平凡な書物である。


ローマ人の物語〈9〉― 賢帝の世紀
  
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駒場教官教務逆評定(6)

日々ドラクエ5と読書(現在モンテクリスト伯の5巻)しかやっていない自分にとって、ブログのネタ提供資源としての逆評定は非常に助かっている。それも今日でほぼ終わりかと思うと、ややさびしい。なぜなら、自分はカシンの化身と違いE系列1個、F系列1個だから書くことが減ってきているのだ。おそらく次回の自由ゼミ編がラストになるのではないかと思う。

ドラクエのほうは、フローラと結婚したところで止まっている。パーティーは主人公、スライムナイト、ドラゴンキッズ、キメラ。Victoriaはスウェーデンクリアした。結果だけいうと、工業で3位、総合で5位。ただし、これははっきり言って失敗した。スウェーデン、がんばれば総合1位を狙える国であるということがよくわかった。まあ初めて本格的な列強になれたのでよしとするか。詳しくはまた後ほど。昨日の予定だと次はトランスヴァールだ。それと、興味がわいたのでプロイセンと日本の間に両シチリア王国を挟んでみようと思う。

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2006年03月01日

駒場教官教務逆評定(5)

ドラクエ5はとうとうサラボナに到達。主要メンバーは主人公の他、スライムナイトとゲレゲレ、ドラゴンキッズとオーソドックスな面々だと思う。サラボナでキメラを捕獲したいところだ。レベル上げをするつもりはあまり無かったのに、天性の道勘の無さから洞窟をうろうろ。いつの間にかレベルは20に到達するわ、金は余るわで、これまでに無いぬるいプレイになっている。ここからはスピードアップを図りたいが、無理だろうな。

Victoriaのほうは4カ国目、スウェーデンがもうすぐ終わりそう。1905年時点で9位と、列強に残れるかかなり瀬戸際。振り返ってみると、二度ほど致命的な戦略選択ミスを侵している。さすがに同じ国でもう一度やる気力は無いが、もし今スウェーデンでやり直したら、余裕で列強入りする自信がある。なお、今ベルギー→ブレーメン→スイス→スウェーデンと来ている。今後の予定としては次にトランスヴァール→シムラー→プロイセン→日本→ロシアと進む予定。ネタが二個くらい入っているが、気にしたら負けだ。

逆評定もいよいよBC系列に突入。そういえば、結局C系列(社会・制度)1個しかとらなかったことが、自分の中で意外。

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