2007年01月29日

凝りだすと際限は無い

一週間ほど前に、パソコンのヘッドホンを買い換えた。5000円の安物(しかもそこから2割引きで買った)だからヘッドホンの中ではそう大していいものではない。しかし今までの音響環境がさらに安物のヘッドホンか安物のスピーカーという「音質って何?」という状況だったので、そこから見れば格段に改善されていると思う。

そう思えるのは、やはり実感として違うからだ。聞く曲の印象が違う。もっともそれは全然違うとかそういうレベルではなくて、細かな部分、主旋律以外にもきちんと耳が行き届くようになった、という感じだ。

あと、声の繊細な部分が随分と聞き取りやすくなった。これは歌に限ったものではなくて、声優さんの演技に関してもそう。特にうまい声優さんの演技を聞くと今までよりさらにほれ込みそう。昔のゲームを引っ張り出してきて、名シーン直前のセーブのロードを繰り返すなんて所業を繰り返してしまうくらい、この効果は大きい。

まあ欠点もある。自分はよく音楽聞きながら別の作業をやるということをしていた。なんでも音楽を聴きながらやるので、3日でマイミュージック数百曲(千曲あるかも)を一周することもあった。しかし、ヘッドホンになってからどうも意識が音楽に行ってしまい作業がはかどらず、マルチタスクをしづらくなってしまった。そしてただでさえ多忙なので、作業しながら音楽を聴かないと音楽を聴く余裕がなく、逆に音楽を聴かなくなりつつあるというジレンマ。それこそネットの巡回やブログ書くタイミングくらいしか聴かないから、日に数曲やそこいらか。クラシックを聴く日なんて、一曲で終わってしまうぞ。

かと言って今更スピーカーを出すのもめんどくさいし、その分集中して聴けばいいかと妥協してみる。音質ばかりは、妥協のしようがないからね。もっとも、これ以上のクオリティは求めていないが。  

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2007年01月25日

第92回「エロティシズム」渋澤龍彦著 中公文庫

日本人のエロティシズム権威といえば渋澤龍彦、この人だろう。バタイユのようなガチガチの哲学書ではなく、非常に平易でわかりやすい文章となっている。論文調ではないので、文献表もなければ注釈も無く、そういう意味では少々心もとなかった。そう思うようになったのは、自分が成長したと言っていいのだろうか。

内容は様々な方面について論考していて、ストリップショーについてだとか、同性愛についてだとか、ある意味予想通りの品揃えといえる。いかんせん昭和42年の文章なので、事実誤認だったり女性配慮が足りてなかったりと上野千鶴子が読んだら激怒しそうなことになってる。筆者自身後書きで「17年前の自分の文章の辛辣さに驚いた」と書いており(出版は昭和59年)、そもそもジェンダーという考え方の無い時代だった。これはこれでなかなかいい味を出している。

もちろん論考の中身もおもしろい。論考というか、自由な性の啓蒙書と言ったほうが、本人は喜ぶだろう。バタイユではとっつきにくい、難易度的に読めないなら、こっちを読んでみるといいかもしれない。ただ、論証の詰めが甘いので、マジメに読むものではないかもしれない。それも学術書ではないということで、勘弁してやって欲しい。


エロティシズム
  
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2007年01月15日

それは流れる小川のように

大観近代美術館に横山大観を見に行ってきた。と言っても昨日のことだが。全長40mの《生々流転》がその目玉だ。特別展ではなく平常展の一部だったので130円だった、超安い。

《生々流転》は水の流れる様子を描いている。山から始まって、小川が大河になり、松林から山村を通って海に流れ着く。最後は巨大な龍となって空に昇っていく。大作らしいテーマである。大観らしい水墨画で、その規模ならずとも構図も筆致もダイナミックだった。

大観というとどうしてもあのほうけた童子が口半開きで立っている謎の絵画《無我》がどうしても頭に浮かぶが、あれはむしろ彼の作品では飛びぬけてわかりにくい。そして例外。偏見のある人はぜひ見に行って欲しい。

常設展もついでに見に行ったら、作品が全然変わっていた。130円で随分得した気分だった。速水御舟の新しく入った作品が特に良かった。明治から昭和前期の日本も捨てたもんじゃないと思う、日本画も西洋画も。近代美術館によく行くからか、だいぶ目が肥えてきた気がする。

でも実は次行くのは遠い未来のような。興味のある特別展が当分来ない。愛光(正確には漢字違う)とか、割とどうでもいいしな……


あと、タイトルの後半を誰か考えてください。  
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また来てください

昨日の相撲中継はデーモン小暮閣下が来ていた。前回も初場所の中日だったのでちょうど一年ぶりだ。自分は当然のように4時からテレビに釘付けで見ていた。

開始早々先場所のけたぐり騒動について意見を求められると閣下は「場所中に連発されては困るが、あの一回なら我輩は問題ないと思っている」と発言していた。同感なので嬉しい。ちなみに図ったかのように(というか図ったのだろうが)本日の朝青龍はその因縁の相手、稀勢の里戦だった。

相撲中継はあわただしく、あまり閣下が目立たないまま進んでいく。というか、閣下は遠慮していたような。「去年は音楽の仕事よりも相撲の仕事の方が多くて逆に困った」とかぼやいていたから、これ以上相撲の仕事が増えないように考えていたのだろうか。そういえば「また来るぞ」って言ってた無かった気がする。

その稀勢の里戦は、今場所は朝青龍が思いっきりぶつかって快勝していた。アンチもこれで文句無かろう。閣下もご満悦だったようだ。

最後に、今場所についての私見を。把瑠都が早々に休みやがったので、個人的には注目する力士が減ってしまって寂しい。豊真将は今場所はダメかな、と最初から思ってた。二人とも来場所に期待かな。

どうせ優勝の行方はすでに朝青龍で90%以上決まってしまった。今場所は大関陣が酷すぎる。すでに千代大海を残して全員3敗以上というのはどうしようもない。千代大海は今場所なかなかアクロバッティブな相撲を見せてくれるのでおもしろい。片足で残りながらターンして引き落としをしたときは思わず笑ってしまった。でも彼は朝青龍戦の戦績が良くないので、ダメだろうなー。  
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2007年01月14日

茄子は「成す」

昨日は東博に「初詣」に行ってきた。一応豊橋でいつもの吉田神社には初詣には行っているので二回目にはなるし、もうすでに初詣という時期ではないのだが。

久々に行ったら、やはり展示物がほとんど全部変わっていた。東博はもっと増築してもいいんじゃなかろうか。「初詣」を展示のコンセプトに挙げているだけあって、ずいぶん縁起物の多い展示になっていた。黄金だらけで、多少けばけばしくはあったが。

一番の見所はあっつぃーも書いていたが長谷川等伯の松屏風。国宝である。言わずもがな、すごかった。国宝の風格が漂いすぎていて、本当に圧倒された。あれは見ておくべき。墨の濃淡であれだけの迫力が出せるのはすごい。いや、むしろ墨だから、というべきか。配置も絶妙だし。

変な話だが、「萩に猪」の絵だの「松に鶴」だのの絵を見たので、正月は花札明け暮れていたせいか、花札を連想した。花札の季節感は日本の風土そのままだと思う。やはりあれは美しい。

ゆったり見ている予定が、なにやらニューイヤーコンサートやらの日と重なっていたらしく早々に追い出された。まあ、せわしない一年の始まりとしてはふさわしいのかもしれない。しかし、美しい縁起物がたくさん見れたので、よしとしよう。
  
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第90回「徹夜の塊 亡命文学論」沼野充義著 作品社

まず注意したいのは、徹夜の「魂」ではなく「塊」である。特にこだわりがあるわけではないと著者本人はおっしゃっていたが。

実は買ったのは著者の沼野先生と会った今から3年ほど前のことで、そのときにざっと読んで最近読み返したのだが、いかに当時の読み方が「ざっと」だったかがよくわかる。おそらく出てくるロシア文学の作家の名前がさっぱりわからなかったのと、当時は350P近い厚さの文学書を読みこなすだけの読書体力がなかったのだろう。そうすると今さくさく読めるのは、大学入ってからの文学に関する成長と受け取っていいのかもしれない。

内容はタイトルの通りで亡命に関する文学論集。ゆえにブロツキーやソルジェニーツィン、ナボコフに割いている文章は多い。ここら辺に関する知識がそれなりにあると、おもしろく読めると思う。もっとも自分はナボコフだと『ロリータ』しか読んだことないし、ソルジェニーツィンはあまりのつまらなさに10分で投げたし、ブロツキーは詩という時点で読む気がせず、という感じではあるのだが。

意外だったのは、かなりユダヤについて語っているということだ。確かにユダヤは流浪の民でロシア居住者も多かったので亡命文学を語る上では外せない要素だが、今まで授業等で沼野先生がユダヤについて語ったのを聞いたことがなかったので新鮮だった。それにしてもこの本はいままで雑誌等々で書いたものを集めているのだが、この人はどれだけ仕事をしているのだろう。そりゃ忙しいはずだ。


そういえば「徹夜の塊」は三部作だと聞いたが、亡命とユートピアしか出ていない。三つ目は世界文学をテーマにしたいね、とか聞いたが、やはり忙しくて出せないのだろうか。


徹夜の塊 亡命文学論
  
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2007年01月03日

正直実家帰りたい

カエサルは言った。「来た、見た、Cut a dash!」

ナポレオンは言った。「我輩の辞書に完売の文字は無い。」

ゲーテは言った「諸君らはこう言う事がことができる、私は新たな有明の1ページに立っていた、と。」


我々は後世に、いかなる至言を残すことができるのだろうか。
いや、我々にできることは少ない。それはただ、並ぶことだけ。
最後に、某基地指令がこう言った。


大地に眠る者達の声を聞け

海に果てた者達の声を聞け

空に散った者達の声を聞け


旅立つ若者たちよ
諸君に並ぶ術しか教えられなかった我等を許すな
諸君を徹夜に送り出す我等の無能を許すな
願わくば、諸君の挺身が、若者をシャッター前に送る事無き世の礎とならん事を

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