40歳の童貞男(フィギュアオタク)が、悪友たちによって無理やり改造させられそうになる話。40歳ともなれば日本ならば余裕で魔法が使えるわけだが(※)、幸いこの主人公はそこまで酷い童貞ではないものの、痛くて見てられない一方で他人事じゃないと思いながら見てしまった。
前にta-kiと「なぜモテと非モテの溝はかくも深いのか」という議論した際に、「モテと非モテの溝は互いの労力に関する理解不足によって生じるものである」という結論が出た(そして、だからこそ相互は侮蔑しあってはいけない、とも)。まさにそれを裏付ける映画だったといえよう。
別に主人公は自分が変わりたがっているわけではなくて、別に女性を欲しているわけでもなく、単に世間の常識と「ほんのちょっとの労力で女性が得られるならがんばってみようかな」程度の欲求しかもっていなかった。だからこそ友人たちに「こうしろ」と指示されれば一応はそう行動しようと試みるが、結局は思い切りが足りず完遂できない。そしてそこら辺の心情は、かなり近い立場にいる自分にもよくわかった、というよりはわかりすぎて嫌だった。彼が一々さらす無様な姿と、自分は無縁ではないかもしれないのだ。自分以外のヲタがこの映画を見た感想を知りたいものだが、大概が自分と同じ感想だったのではなかろうか。
最後まで主人公が結婚しなかったら、俺の中で超傑作になっていたのだが、残念ながら結婚してしまった。しかしまあ納得できるエンディングだったのでよしとしよう。ああ、ぜひふぃぎゅ@を見てじっくり歌詞を味わってから、この映画を見て欲しい。痛さが三倍増でいい感じである(体験談)。 続きを読む