賛否両論激しいゲームだが、私は「賛」の側の人間ということになりそうだ。OPまでが体験版ゾーンだった、とのことだが、これは君のぞオマージュか。しかしだったら、「天体観測シネマNVL」などとごまかさずに、最初から伝奇的作品ですよということを明示する気概は欲しかったかもしれない。体験版をやらなかった結果、本気でだまされたユーザーもいただろうに。しかし、OP直前の流れは本当に君のぞの一章終了間際を彷彿とさせ、すごい勢いで引き込まれた。あの演出は、何度出会っても鳥肌が立つ。
欠点はといえば、どこかのレビューで「情報管理と説明不足は別の概念」という言葉を読んだが、全く持ってその通りである。このシナリオライターは完全にその区別がついていなかったようで、情報を秘匿しまくった結果、せっかく丁寧に張ってきた伏線を回収がすごくわかりにくい。ふたみルートはいいのだが、此芽、傘ルートは説明不足の極致である。しばしば「主人公の理解力が早すぎてついていけない」というプレイヤーもいたようだが、それもうなづける話である(個人的には問題なく、むしろあの話のテンポの早さは心地よかったのではあるが)。
そのせいか、設定が矛盾してるのか公開されてない何かがあるのか、それとも単に大半のユーザーが気づいていない設定が存在しているのか、さっぱり判断がつかない点が多い。ゲーム内で一度説明されたことがあとから「あの設定はあのキャラの誤解で真相は別でしたorわざと嘘の説明してました」というのが発覚するというパターンが、これまた非常に多いので余計に混乱する。そして、公式発表がまた当てにならない。レビュー・考察サイトはそこそこ数があるが、皆困惑しているようである。
他の点では、Hシーンが一回しかなく、薄いうえに無理な場面設定だなと思った。せっかく萌木原御大の美麗なCGが売りのゲームなのにもったいない。設定上仕方が無いとは言え、メメが攻略できないのは惜しい。のんやみどのはしょうがないとしても、メメぐらいは、という気がしないでもない。
点数は75点強。全ルートがOP前かふたみルートくらいのクオリティなら90点も夢ではなかった、非常に惜しい作品である。
これで今積んでいるものは全部終わったし、金も冬コミに向けてとっておかないといけないし、就活で少しばかり忙しいので、当分エロゲはできないかと思う。まあ年内に復帰してたら「さすがDGさんっすねwwwww」とか褒め称えてくれればいいじゃない。
以下、ネタばれ。 続きを読む