2012年01月28日

旧古河庭園(『FORTUNE ARTERIAL』聖地巡礼)

先週,旧古河庭園に行ってきた。先日twitter上で繰り広げられた会話では旧岩崎邸が話題になっていたが,こちらは『うみねこのなく頃に』と『FORTUNE ARTERIAL』として有名ではないかと思う(他の作品はここで調べられる)。しかも,『うみねこ』も『フォアテリ』もびっくりするほどまんまなので,調べやすいと思う。旧岩崎邸も旧前田侯爵邸もそうだが,洋館は丸っとやってしまったほうが使いやすいのだろうか。うみねこはここフォアテリはここなんかがわかりやすい。フォアテリとうみねこは旧岩崎邸でもかぶってるので,もうお前らほんとバトルロワイヤルでもなんでもすればいいと思う。魔女と吸血鬼で。

とりあえずノーパを持っていったわけではないし,スマホは同行kome(@hoozuki37)が持っていたもののあまり活用することもなく,ほとんど確認せずに写真を撮ったため,ばっちりそのままどころか思いっきりずれた写真になってしまっている。ご容赦いただきたい。(クリック後巨大画像注意)


旧古河庭園


これが一番近いかな?


旧古河庭園withえりりん


こっちは瑛里華のねんどろいど付。


ここでどうせだから旧古河庭園の宣伝をしておく。庭自体はそこまで大きくないものの,洋館手前がよく整ったバラ園で奥が日本庭園となっている。和洋折衷というわけではなく,バラ園と日本庭園の間には築地があり,うまいこと景観の遷移に成功している。洋館の中に入るには,庭園への入場料とは別に料金が取られる上に事前に申請が必要だが(窓口はここ),拝観に際しては係員の説明があり,それだけの価値はあると思う。洋館の館内も庭園同様,和室と洋室が混在しているが,うまいこと廊下で区切って折衷にならないよう調和している。ただし,聖地としてはおおよそ洋館の外見が使われているだけのことが多いので,庭だけ見て写真撮って帰るのもありだと思う。

また,洋館は一部を喫茶室としても開放しているので,喫茶室として入るのであれば予約不要で入館料も不要である。一部というがそれでも一階フロアの半分以上は見られるので,雰囲気は十分につかめると思う。喫茶室はなかなかの人気で,バラの季節には満席になることもあるそうだが,1月中旬のような季節の悪い時期に行くと客がおらず,洋館を独占したような気分になりながらおいしい紅茶やケーキを楽しむことができる。実際,我々が行ったときも,かろうじて洋館の説明の際には他にも客がいたものの,喫茶をしていたのは我々だけであった。その場合,洋館のだだっぴろい食堂の特等席に座りながら,一日だけ館の主人か客人になりきって談笑していた。「俺ら今日だけ大正時代の華族」とかなんとか。そういう意味で,あえてオフシーズンに訪れるのもありだと思う。聖地巡礼とするなら,他の観光客の邪魔にもならないし。

また,前出のリストではJR京浜東北線 上中里駅が最寄りとなっているが,実際にはJR駒込駅からも近く,駒込駅を挟んだ反対側にはこれまたすばらしい日本庭園の六義園が広がっている。両方一度に行くのもよいのではないかと思う。


  

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2012年01月27日

反「勉強するなイデオロギー」

・芸術を染みと勘違い=清掃員が模様拭き取る−独美術館(時事通信)
→ 「拭き取られたところまで含めて「現代芸術的に完成した」ってことにするしかないな。 」とブコメしたわけだが,これを自分が言うことにはいくらかの意味があると思う。
→ 「美術館に置いたらトイレも芸術と言われることになった20世紀、美術館に置いても染みは只の染みにしか見えないことがわかった21世紀。清掃員は染みと同時にいろんなものを拭き取ってしまった‥‥とかなんとか。」という大野さんのコメントが大好きです。


・同音異義語への異議
→ 2007年の記事。どうして日本語の同音異義語がこれだけ増えてしまったのか,という経緯についての言語歴史学的考察。
→ 昔から多いのは確かだったが,さらに増えていったのは日本人の発音的怠慢によるものらしい。発音がどんどんと単純化していった結果,発音では区別できない同音異義語が増えた。現在我々が綺麗すぎる母音のせいで英語学習に苦しんでいる,のもこの影響と考えるのは行き過ぎだろうか。
→ 後段の言い訳は確かによく使うものが多い。化学=ばけがく,市立=いちりつ,他。
→ 一応つっこんでおく。タイトルだれうま。


・費用対効果教育(内田樹の研究室)
→ 内田樹教授による2008年の記事。だが,大いに共感する。「勉強するなイデオロギー」の本当にうざかったこと。
→ 個人的には,受験勉強において「費用対効果」を追求することは悪くないと思うのだけれど(そうでなければ難関校など受からない),受験勉強のみに固執して教養を落とすのは本末転倒だ。これは勉強の事故目的化がダメだとか,教養を重視すべきだとか,そういう話ではない。費用対効果の過度の強調が,勉強するなイデオロギーと根は同じ,ないし根強いものにしてしまっていることへの批判だ。
→ ましてや「勉強など一流大学に入るためのステップアップに過ぎず人生の役には立たない」などというイデオロギーに侵されるのは阿呆の極みとしか言いようがない。
→ 「そのための子どもたち内部での「勉強するなイデオロギー」の宣布運動の熾烈さはいかなる宗教の勧誘も及ばない。」小学生から大学生まで蔓延する「勉強するなイデオロギー」,ガリ勉弾圧の風潮は,日本の教育の癌の一つだとまじめに思う。なんとかしたほうがよい。


・ウソ判例要旨シリーズ (Togetter)
→ 格式張った形式でネタをやられると普段よりも笑えるという事例。
→ いくつか元ネタのわからないものもあるが,昔話や時代劇・ルパン三世など基本的には有名なものが多く,わかれば十分に笑える。過去や創作の事象をそのまま言い回しだけ現代の法学的なものに変えたものもおもしろいし,現代の法で照らし合わせて難癖をつけるのもまたおもしろい。
→ 歴史ネタとしては小野妹子が秀逸。昔話はかぐや姫とごんぎつね,創作では走れメロス。そして三分の一の純情な感情w。
→ ついでにコメント欄にあるドラゴンボールとドラえもんのネタがひでぇw。ブコメのドラクエ5ネタと不比等ネタも良い。


・中日ファンってホントにこんななの?(なんJ(まとめては)いかんのか?)
→ にわかにもほどがあるくらい最近あまり応援してない私が言うのもなんだが,周囲の友人見ててもネット上を見てても,割りとマジでこんなんだと思う。とりあえず自分の球団が勝つということをあまり信じていない。
→ 万年貧打の恐竜打線(笑)に慣れきってしまっており,打てる球団マジ怖いし尊敬する。落合が来る前から「いつの間にか勝ってる」「負けがこんでた気がしてたけどいつの間にか2位」は球団の性質と化していたので,期待するタイミングがほとんどない。
→ でも友人曰く「県民性のせいなのか、グランパスファンも結構こんな感じ。」だそうだ。これが,ドラゴンズが先にできたせいで愛知県のスポーツ観戦姿勢がサッカーにも乗り移ったせいなのか,それとも,スポーツ関係なくこういう県民性なのかはわからないところだ。誰か社会学という名目で研究してみてください。


・原作原理主義と東方儚月抄 (Togetter)
→ 儚月抄と原作原理主義者の減少について。おそらくそういった事実はないが,理論としては成り立つ。
→ というか,自分でも言及したことがある。興味がある方はどうぞ。(p.8の部分)


・東ソープラント爆発火災で現場検証=タンクに異常か―山口県警 (時事通信)(Yahooニュース)
→ ブコメは大喜利大会。私も「「ラント」ってことはきっとドイツ系のそういう店なんだよきっと(妄言)」として参加した。たくさんのスターありがとうございました。


・予約キャンセルにより起きる深刻な問題(togetter)
→ 某ショップのエロゲ販売に関する話。読み始めたときには「なんで予約特典を購入時に渡さないんだろう,そしたら防げるのに」と思ってたが,「早期予約」特典らしい。だから,予約時に渡してしまうんだとか。それは確かに,キャンセルする側の道義的責任がないとは言わないけれども,商売の方法自体に無理がある。
→ また,他の方が指摘しているが,「発売日が確定する前に予約が始まる」「予約特典の中身が長らくわからない」「しばしば延期する」「ひどいときは発売中止になる」という状況をなんとかしてもらわないと,買う側もこういうことをせざるをえない。もちろん,これらの主要因は開発側にあるのだが,流通と小売にも責任の一端はあるわけで,力をあわせてなんとかしろよ,と。顧客のモラルにだけ泣きつくのは賛同しかねる。


・アンパンマンについて一番厨二病な考察した奴が優勝(カオスちゃんねる)
→ おもしろ考察。下手にパンであるせいで,キリスト教方向に大盛り上がり。
→ 「それじゃあ・・・、やっぱりバイキンマンは・・・」「・・・あなたの、お父さんよ・・・」まさかの展開。しかし,中二病や邪気眼というよりはハリウッド的展開のようなw。考えてみればバイキンマンがイースト菌ではないという保証はないわけで(毒されている
→ なお,カオスちゃんねるは厨二病方向でのネタでは秀逸なのでがんばってほしい。  
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2012年01月26日

もはや波乱とは言えない

今場所の相撲内容はとても良かった。より正確に言えば,六日目までは上の上としか言いようがない出来で,七日目で突然内容が落ちて不安になったが,十日目頃から回復していった。優勝争いが早々に決着ついてしまったものの,把瑠都が全勝のまま千秋楽まで引っ張ってくれたおかげで話題も尽きず,中だるみと慢性化している立ち合いの乱れだけが減点材料である。それぞれで1つずつ減点して,今場所は上の下としておこうと思う。

おもしろいことに,途中まで場所全体の空気とは正反対の調子であったのが優勝した把瑠都である。尻上がりと言ったほうが正しかろう。初日の雅山相手に危うかった相撲も含めて,序盤はいつもの相撲になっていない相撲ぶりであり,これでは今場所も終盤崩れるんだろうなと思っていたが,七日目に鶴竜を処理すると覚醒し,以後は「普通の相撲」がとれていた。大関を取った頃もこんな相撲であった気がする。把瑠都の場合,昨年のまとめに書いた通り「雑な相撲が多いのが最大の敗因であり,「大関にしていまだ相撲を覚えていない」のは偉大とさえ言えるかもしれない」というのが正直な現況であり,序盤の把瑠都はまさにこれでしかなかった。「相撲」になれば勝てるのが把瑠都であり,相撲になっていないのが普段の敗因である。今場所の七日目以降は,「相撲」であった。

この差はどこから生まれるのか?全く理由がわからない。単純なスロースターターなら他の力士にもいるので不思議ではないのだが,把瑠都のようなタイプの力士はちょっと見当たらず,その意味でも来場所が楽しみである。ちゃんと相撲が取れれば,綱取りは決して困難ではない。協会も(というか横審も),鶴竜が大関取りになりそう&6大関は避けたい意向からか,綱取のハードルが「12勝以上で準優勝以上でも可」と異様なまでに低いので,把瑠都の一生最大のチャンスであろう。

それ以外にピックアップすべきことと言うと,大関陣の奮戦であろう。琴奨菊のみ不調であったがこれは横においておけば,残りは把瑠都を含めて奮戦したと言ってよいし,これが場所の内容,優勝争いともに盛り上げる原動力となっていた。具体的な内容は後述するとして,優勝について言えば把瑠都は「大関陣で白鵬に挑んだ」に勝たせてもらったようなところはある。これは互助会的なことを言っているのでは全くなく,大関同士の取組も熱が入っていたが,それ以上に今場所の大関陣の白鵬戦には「今場所倒しておかないと」という気迫が強く感じられた。その意味でのMVPは,大関陣ではなく鶴竜でしかない。その本人が10勝しかしてないというのは,なんとも……ここが大相撲の魅力の一つだと思う。それだけに,千秋楽の琴奨菊・日馬富士戦はいただけない。あのような”非常に疑わしい”取組にならなくても済むように,琴奨菊には後一番どこかで勝っておいて欲しかった。

変化について一応言及しておくと,あんなもん食らうほうが悪い。把瑠都と稀勢の里については同格であるが,稀勢の里の立ち合いがあまりにも前のめりであり,把瑠都のはたきも大してうまくない。言うまでもなく相撲の立ち合いは阿吽の呼吸であるが,呼吸をあわせるのは相手を味方として信頼することとは大違いである,ということを今一度思い返すべきだ。日馬富士からすれば白鵬は格上であるし,あれはどちらかと言えば把瑠都に対して起こったブーイングへの意趣返しに見えた。とりあえずブーイングした客は二度と国技館に来るな。


個別評。白鵬は前年九州場所で少しだけ戻った調子がまた元に戻ってしまった。「長期的下落傾向」にあることを否定する人はもはやいまい。「白鵬が不調だからこそ新横綱が誕生する可能性もあるわけで」とは以前書いたものの初場所からこうなるとは思っていなかった。軽度な腰痛は以前から慢性的にあったらしいが,重症化しているのではないか。全盛期といえる平成21−22年の頃は足に根が生えているレベルの鉄壁の守備であったが,今場所はやたらとばたついた。某人が「白鵬は焦るととったりに出る癖がある」と書いていたが,その通りだとすると今場所の終盤はやたらと焦っていた。ただし,とったりがあることで右差しが封じられると弱体化するという弱点はある程度改善されているとも言え,必ずしも悪いことばかりではないと思う。

把瑠都以外の大関陣。琴欧洲は典型的な調子のいいときの琴欧洲であり,見極めは立ち合いの足がそろっているか否かと,足がすり足になっているか否かである。両方がダメなほうだと非常にバタバタした相撲になって負けが込みケガをするが,今場所は両方大丈夫であった。日馬富士も同様,ケガの調子が悪いと踏ん張れず守勢に回った瞬間敗北するのであるが,今場所はそもそも守勢になるほどの状況があまりなかったし,踏ん張る状況になるとあきらめてあっさり負けていたのが逆に良かったのではないか。稀勢の里はひとまず11勝で十分。欲を言えば白鵬に勝って欲しかったが,あのとったりは読めまい。あんなのは変化に近い。琴奨菊は前述の通り。ただし,大関昇進2場所目でイベントが多く稽古不足に加え発熱とあっては情状酌量の余地があるし,見た目からしてものすごく調子悪そうに見えたので,角番にならなかっただけマシと考えたほうがよいかもしれない。

関脇・小結唯一の勝ち越し,鶴竜。白鵬含みの10勝は11勝分の価値があるのだが,だからこそあの高安戦はいけない。11勝目を逃したということ以上に,あからさまに勝ちを確信して油断したがための敗戦であり,非常に印象が悪い。ついでに言えば中日の若荒雄戦も無策で立ち合いをしたところがあり,なにがしたいのかわからない取組が何番かある。豊ノ島はエレベーター乙。雅山は3−12と大敗しているのにもかかわらず,もう負けるのは仕方がない,年齢的に上位戦はラストチャンスと思い切った取組をしていたのが好印象で,場所を盛り上げた功労者として何があげたいくらいだ。だから文句は付けない。若荒雄も初小結ゆえの敗戦と考えれば許せる。同タイプの雅山に,CSPで完勝したのが収穫。

前頭上位陣。大関陣奮起のおかげで大被害をこうむり散々な状況である。その中で9−6の安美錦はすばらしい。今場所は押しに圧力があったし,業師らしいところもよく見られた。ギリギリ勝ち越した栃乃若は,彼に対する期待ゆえに当然だと言っておく。序盤の相撲ぶりから正直負け越すと思っていたのだが,オセロのように白黒並べて粘り,とうとう勝ち越してしまった。あの懐の広さと腰の重さは絶対的な武器であり,来場所も期待したい。残りは……まあ高安は若干いい仕事したかなというくらいで。隠岐の海に至っては最悪で,悪すぎて印象に残ったレベル。多分どこか痛めてたんじゃないか,休場したほうが良かった。

前頭中位。技能賞妙義龍は,価値がないとは言わないがちょっと首をひねる。悪くはないし技能もあるのだが,同じ技能賞なら10勝の時天空のほうがよかったのではないか。その時天空は先場所多用した足技を,わざわざ千秋楽まで封印するという,狙っていたなら今場所の助演男優賞をあげたい場所であった。足技なくても業師,というところを見せつけたといえよう。敢闘賞の臥牙丸は,もはやあの番付で突出した実力なのはわかっているので驚く所がなく,むしろ来場所エレーベーターにならないかが今から心配である。臥牙丸も好不調の波がわかりやすく,いい時ははたきに落ちないが悪い時はあっさり。松鳳山は星こそ8−7なのだが,それ以上に内容のあるおもしろい取組が多く楽しませてくれた。というか,松鳳山のあの風貌は反則だろう。印象に残らないほうがおかしい。栃煌山は11勝・栃ノ心は10勝しているが,それぞれ臥牙丸や時天空に比べると全く印象がない。あんな相撲とってちゃダメだ。

前頭下位。佐田の富士は突き押しが強く印象に残ったが,星自体は8−7なのが意外といえば意外。隆の山は真っ向勝負が信条なのはわかるのだが,多少変化なりなんなりしたほうが良い。隠岐の海同様に悪すぎて印象に残ったのが魁聖で,とにかく腰が高くて組んでも安定しないし組めないし。長期的には期待している力士なので,十両で鍛え直して欲しい。

あとはいつもの予想番付。
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2012年01月24日

WORLD END ECONOMiCA Episode.1 レビュー

昨年の夏コミで発売された同人ゲー。シナリオライターに『狼と香辛料』の支倉凍砂を据えた作品で,やはり話のタネは経済・金融である。ただし,金融の話に特化するために,かなり独自の世界設定を用意している。作中の冒頭で説明され,また公式HPにも簡単に書いてあるものの,ここでも軽く説明すると,まず人類は軌道エレベーターの建設と月への本格的な進出に成功しており,月面都市は人口規模こそ数十万人で小さいものの,18世紀後半のアメリカ13植民地のごとく,地球とは半ば独立した自治的な環境を獲得していた。そこはフロンティアとしての役割は勿論,地球のしがらみにとらわれない,自由な経済活動の保障された都市として整備されたため,むしろ金融都市としての発展が色濃くなっていった。

そうしてとうとう,純粋な開拓民ではなく,自由自活をモットーとする月生まれ月育ちの世代が勃興してくる。本作の主人公は,そんな月生まれの少年である。ゆえに,10代半ばにしてすでに学校へ通わず,デイトレーダーとして生計を立てていることに,本人は何の気兼ねもない。ストーリーもいろいろ横道に逸れつつも,基本的には彼のデイトレーダーとしての生活と成長が主眼になる。横道としては,前半は世界観とキャラクターの紹介,後半はメインヒロインのハガナとの交流ということになるだろうか。というわけで,『狼と香辛料』が中世〜近世初期な分,本作が近未来ということで現代に近い株式市場が再現されている。株の知識は若干必要かもしれないが,まあ我々の世代はリーマン・ショックやらなんやらを幸か不幸か体験しているので,それほど苦もなく読める方が多いのではないかと思う。

ストーリーやテキストは,非常に支倉凍砂らしいと思う一方で,こういうのも書けるのか,と思わせられ,両方の面があった。具体的に言えば,テキスト(というか文体)は全く『狼と香辛料』と変わらないし,人間関係の描写やストーリーはいつも通り,といった感じがする。ただし,これは一長一短で,ラノベのノリでビジュアルノベルを書かれると若干齟齬を感じる,という本作に限らない現象は起きてしまっているように思う。とかく,こうしたゲームでは3〜4行ずつしかプレイヤーが読むことが出来ず,それが小説とは違う一種独特のリズムになっている,ということは気遣われるべきであろう……とは言い古された批評であるが,まあ書いておく。なお,メインヒロインのハガナちゃんはとてもかわいいので,そこは安心していい。ツンデレ好きから無口好きまで広くフォロー(ry

で,『狼と香辛料』と違うなと思わせられたのは,経済周りで,特に後半某キャラが出てきてから。こればっかりはどう書いてもネタバレになるのでやってみてのお楽しみ,としか言いようがない。しかし,この某キャラの特異性は際立っていて,登場した途端に物語が大きくうねり始めるのを感じるだろう。この意外性のおかげで,Ep.2が俄然楽しみになってきた。本作は借りてプレイしたのだが,次からはちゃんと買ってプレイしたい。

プレイ時間はちゃんと測ってないのであてにならないかもしれないが,適当な体感時間で7〜8時間程度。ボイスが無いのと,前述の通り株式の知識の有無で,相当読む速度が変わってくるのではないかと思う。
  
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2012年01月23日

非ニコマス定期消化 2011.10月下旬〜11月下旬



歌ってみたが登場して第N次創作。この後,踊ってみたが出てくるのだからニコニコは恐ろしい。いいぞもっとやれ。なお,歌っている杏ノ助さんは他の動画も上げているが,どれも非常にうまいので聞いてみると良い(特にShangri-Laはとてつもないうまさ)。



実はすでに旧記録なのだが,60fpsになったため非常にしっかりマリオの動きが見える。特に,これまで後ろ向いて泳いでいるようにしか見えなかった1/1泳法がよくわかるので,見る価値あり。しかし,2年かけて最適化して更新したものが,新たにバグが発見されてあっさり塗り替えられるのだから,TASの世界は怖い。



かにぱんはかわいいからね,「存在自体がMAD」でも仕方ないね。



ボスラッシュ反則だろ……腹筋が耐えられない。タグにあるセイバーさん未登場の理由に泣いた。ブレイクするコミュニケーションがあるだけマシということか……原作の扱いが扱いすぎていじれない。



ほぼ全員とんでもねー強キャラ。緑川キャラぱないの。そもそもそろうってのがすごいことと言えるかもしれない。



愛すべきバカ。グランツーリスモを知らない人,マグナムトルネードを知らない人でも,見ればどういうことか大体わかるので必見である。



前作の続き。今回も相変わらずひどい。



元ネタは東方旧作と,「助教授の悩み」。ちゆりかわいそうです。



マジレスすると,タイトルと内容の矛盾自体が一つのポイントなんだろうなと思う。それはそれとして,この大仰で直球でたたみかけるツッコミの嵐と,つけるべくしてついた落ち。非常に出来の良い漫才である。ちなみに,私も「はがない」読んだことない。
  
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2012年01月20日

White 〜blanche comme la lune〜 レビュー

尿は伏線。(迫真)


さて,ねこねこソフトのwhiteをクリアしたのでレビューを書こうかとぼちぼちネット上のレビューを探していたのだが,おおよそ論点は同じであるため私もそれに乗っかって2点に絞って話をする。

・サブルートのダメさ具合
本作は実質的にブリジット→ほたる(妹)→(ミサ→)カナン→???→マリカで固定であり,担当したライターも共通部分とマリカが片岡とも本人,カナンが海富一,それ以外がサブライターということがわかっている。しかし,設定がやや複雑だったせいか,片岡ともと海富一以外のシナリオが散々なことになっており(ミサルートはまだ叩きが少ない),サブライターは無論,片岡ともの監督責任も問われる事態になっている。これについては,私もその通りとしか言いようがないと思う。ブリジットとほたるの2ルートはなくても良いような出来であり,ブリジットはまだテキストがへたってただけでシナリオ自体はもう少しすっきりさせれば再生できなくはないと思う。ミサルートはそもそも最初からおまけであり,本筋と全く関係ない話として読めば評価はできなくとも叩くような材料ではない。

が,ほたるルートは本当にどうしようもない。「妹キャラなのに主人公が血縁のないショタキャラに交代する」「そのことが公式HPや説明書に明示されておらずルートに入って初めて判明する」「さらにおまけパートで実妹好きプレイヤーに喧嘩を売った」と三拍子そろったために2chを中心に大いに叩かれて「ヨスガにソラってろ」騒動と言われた。本ルートのダメさ具合の核心は直接そこではないし,主人公が交代した理由もなんとなくわかる。おそらく片岡ともの最初の構想では,ほたるは唯一非日常に全く関連のない日常を象徴するキャラであったはずである。そのルートでは,非日常から日常に回帰するキャラとしてのレンとくっつけることで成立させようとしたのではないか。しかし,シナリオは明後日の方向に飛んでいき,日常も非日常もクソもないどころかなんかもういろいろぶち壊した。ほたるが非常に良いキャラをしており,単調でも平坦でも普通のシナリオならねこねこソフトの人気妹キャラの一団に加われたはずだ。それだけに惜しい。

複数ライター制自体がダメとは言わないが,片岡ともの場合は表現したいものが非常に独特なので,相当綿密に打ち合わせて欲しい。もしくは,気心の知れている人だけで固まってやってほしい。今回だって,海富一はしっかり書けていた。カナンルートの終盤の展開は,ねこねこソフトの系譜のライターじゃないと書けないシナリオと演出だろう。あとは木緒なちや秋津環がいる。


・「無垢」まわりの話
私は『仏蘭西少女』のレビューにて「純白(純粋)」について語っており,結局純粋無垢などというものは存在しないのだと論じた。「純粋」と「無垢」は厳密には別物かもしれないが,本作のタイトルが『white』である以上,本作では同じ意味の言葉として扱われていると考えてよいだろう。『仏蘭西少女』とはフランス語で白を示す"blanc"という言葉を用いている点で共通しているが,確かにドイツ語のweissは硬いし,イタリア語やスペイン語のblancoはさしてフランス語と変わらないから,第3の白色表現を探すとblancしかなくなるんだと思う。

で,本作の「無垢」はどうだったのかと言えば,これはなかなかおもしろい。結局「純粋無垢」というものは自然なものではないという点では『仏蘭西少女』と共通するものの,本作はむしろその不自然を無理やり生み出した歪みはどう現れるのかということに直球で挑んだ作品であると思う。この直球具合や,本作の「無垢」に対する解釈はとても好きだ。「純粋無垢」という難しい概念に対して,こうして独自の角度から切り込めるのが片岡ともだと思うし,本作もそれをじっくりと見させてもらった。これがあるからこそ,本作はいかに他の個別ルートがダメだろうと,ばっさりと酷評することができない。


一枚絵は非常に多い。大きく気になるような崩れもないし,ビジュアル面は高水準と言ってよい。システムも使いづらいところはないが,起動の毎回にディスクチェックが入るのは勘弁して欲しい。おかげでここ最近ずっとディスクドライブを占領されていた。音楽も良い。特にボーカル曲はどれも良いが,タイトルと同名の「white」はクリアした後にじっくり歌詞を聞くととても切なくなる。演出はいつものねこねこ,という感じ。これにシナリオとテキストの出来を加味して,まあ70点ちょうど。ほたるシナリオで5点ほど引いたことは明記しておく。よくある「改善点をちゃんと直せば80点になりそうな」もったいない作品。

それほど書くことはないが,一応ネタバレゾーン。
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2012年01月17日

第202回『ドラゴンクエスト25th アニバーサリー 冒険の歴史書』スクウェア・エニックス

ドラゴンクエスト25周年を記念して発売されたもの。基本的にはドラクエ展で販売されていた。一般販売されているのか非常に不安だったが,amazon先生におうかがいたてたところ,ちゃんと売っているらしい。ISBN番号ついてるし,じゃあいいかということでここに簡単な書評を書いておく。

本書はドラクエシリーズ作品の登場人物やストーリー,世界地図などを見て読者に作品を懐かしんでもらうことに主眼が置かれたものである。冒頭にはドラクエ25年の歩みが書かれた年表もついている。メインコンテンツなだけあって,これら自体もよくまとまっており,クリアした人間は目論見通り懐かしい気分に浸ることができる。私の場合,4から後ろは大体覚えているけど,3から前はキャラを見ても関連したエピソードをなかなか思い出せず,頭をひねってりしながら読ませてもらった。3でやまたのおろちにいきなり行って全滅とか,海底神殿のキラーマジンガで全滅とかあるあるネタもしっかりと押さえている。

しかし,本書の真髄は各作品の紹介の合間に挟まっている題して「ドラゴンクエストシリーズ研究」であり,これはシリーズ通してやっている読者にはむちゃくちゃおもしろい。ストーリー関係ではロトシリーズと天空シリーズの比較に始まり,歴代主人公の身分がだんだん一般人に近くなっていく様子や,乗り物の比較,共通して登場する人物の比較(ビビアンやカンダタ,ルイーダ),モンスターの比較等々。ビビアンがこんなにシリーズ通して出演していたとか,本書で初めて知った人も,私を含めて多いのではないだろうか。

バトル・システム関連では,便利コマンドの歴史はシステムの進化が如実に現れていておもしろかった。ほかに毒沼・ダメージ床の変化,預かり所の変遷,戦闘コマンドの変化,4以降の「さくせん」の変化,パラメータの変遷など。そこに公式が踏み込んでいいの?と思ったものでは,メタル狩りの歴史なんていうのもあった。7はレベルを上げて物理で殴る」が効くから楽だとか,アリーナさんマジ最高とか,3はドラゴラムとか。読後に誰かと語り合いたくなること請け合い。

アイテム編では呪い装備の比較がおもしろかった。そういえばあまり気にしたことなかったが,言われてみれば確かに呪いの解き方が作品ごとによってぜんぜん違うのだ。各ゲームで最強の攻撃力を誇る武器の比較もある。当然最強はメタル系が多いと思いきや,実は4と5だけだったりする。個人的にドラクエというと伝説の武器が全然最強じゃないというイメージがあったのだが,システムが特殊な9を除くと1・3・6・8では主人公固有武器が最強であった。自分のイメージは周回プレイしてた5と7の影響だろうか。他にふんの比較,ラーの鏡・鍵シリーズの比較,下着・水着シリーズの比較など。ゼシカたんはぁはぁ。

呪文編では登場呪文の比較や威力・効果の比較,習得方法やエフェクトの違いなど。5ではヒャドが敵しか使えないなど,ここでもマニアックな情報が多い。興味深いのはやはりルーラの違いで,どんどんと便利になっていく様子がよくわかる。正直5以前の消費MP6やら8やらはだるかった。だったらキメラのつばさ買うよ的な。そして私はこの本で6以前と7以降ではダンジョン・屋内の判定が微妙に違うということを知った。本当に今さらな知識がよく頭に入ってくる本である。無論のことながら,パルプンテの比較もある。別項には特技や職業のもある。

最後にちいさなメダルやカジノなどの寄り道の比較と,裏技の一覧。ちいさなメダルは4や5の交換方式が嫌だったので,リメイク3で積立方式になったときにとても嬉しかった覚えがある。6はマップ全体をとうぞくのはなとレミラーマしまくったが,7以降はネットで調べたという時代の変化を思い出す。毎作思うのは,きせきのつるぎが安売りされすぎだろうと。どの作品でも集め始めて割とすぐに手に入ってラスダンまで使えるアイテムだ。裏技の歴史もメタル狩り同様今だから(そして公式攻略本ではないから)載せられるネタなんだろう,ロンダルキアの洞窟の落とし穴ネタや,ドラクエ5のカジノ・スライムレース必勝法など。

ドラクエシリーズ好きなら,買って損はない。是非に。


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2012年01月13日

はだかを作り/壊し/また作る

智・感・情何やらひどく伸びてしまった乳袋キュビスム論であるが,その発端は最初のtweetにある通り,私が近美の裸展に行ったからである。で,その展評だけ書かずにほうっていたわけだが,会期も終わってしまう前に書いていこうかと思う。

遅れた理由は年末年始に突入してしまったという事情もあるが,ゆっくり展覧会図録を読んでいたからというのもある。本展は入場料850円という安さだが,所蔵作品や国内美術館の作品が多く作品をそろえるのが容易だったのであろう。それでも予算に余裕があったのか,単純に気合が入っていたのかはわからないが,公式HPの作りも広告のビラも,そして展覧会図録に至るまでやけに手が込んでいる。図録の熱の入れようから言ってどうも後者(気合)の要因が大きい気がするが,いずれにせよこれだけ親切丁寧な展覧会は珍しい。

その図録であるが,展覧会の図録にしては珍しく図版よりも文章のほうが面積的に多く,ほとんど1冊の論文となっている。というよりも,展覧会自体が単純に近代日本のヌード画を並べたものではなく,時代の性質をまとめなおした主張性の強いものとなっており,図録もそれに沿ってまとめられているため,論文じみたことになっているのであろう。

本展の主張としては,近代日本洋画のヌードはおおよそ3つに区分される(この3つは本展ではヌード限定で語っているが,全体に敷衍しても通じるように思う)。1つ目が日本への洋画の導入期で,なかでもヌードはこれまでの日本の芸術・風俗と大きく異なる様式であったために大きな混乱を生んだ。比較的有名な話としては,股間の露出した女性のヌードは下半身に布が当てられて公開されたというものがある(そのほうがエロくね?と考える現代人は多そうだ)。「ヌードは理想化された人体であって現実の人体ではないし,芸術はそういった目線で見るものではない」という,西洋芸術でもどちらかといえばかなり原理主義的な部類に入る論理をそのまま輸入して,なんとか日本に定着させようと努力していたのが,黒田清輝とその周辺の人物たちであった。もっとも,黒田自身はまったく原理主義者ではなく,単純にその強い論理を持ってこなければ日本への定着は不可能と考えいたからであろう。本展ではその黒田によるヌードの大作であり,彼のその思想をよく示した作品でもある《智・感・情》が展示されているが,この作品が本展全体の最大の目玉と言ってもよいだろう。

きちんと日本の美術にヌードが根付いたという点で,黒田の業績は偉大だと言える。しかし,彼がそう努力しているうちに,ヨーロッパの側の美術状況が変わってきていた。セザンヌが活躍し,フォーヴィスムやキュビスムが発展してきたのである。そうして大正期に,黒田の教え子たちが一足飛びでヨーロッパの流行を取り入れていったのが2番目の時期である。本展はそのタイトルを「はだかを壊す」とし,萬鉄五郎を中心に,中村彝,村山槐多,梅原龍三郎,古賀春江,熊谷守一などが取り上げられた。なかでも,彼らは単純にフォーヴィスムやキュビスムに走ったわけではなく,天地をイメージとして女性を「縦」方向に置こうとした黒田の世代に対し,縦ではあっても地面に寝そべっているように書いた萬鉄五郎,おもいっきり「横」方向に書いた上にそれが轢死体という喧嘩の売り方をした熊谷守一,などの指摘がおもしろかった。

第3部は「もう一度,はだかをつくる」と題し,それ以降のヌード作品を展示している。ただし厳密に言えばこの区分は「はだかを壊す」時期とかなり重なっており,展示の方向性の問題でこの順番になったという点は考慮に入れるべきだろう。いずれにせよ,黒田らの啓蒙でヌードの展示が一般化し,西洋の原理主義が必要なくなり,というよりも西洋美術本体でその理論が崩壊した時代にあって,ヌードを描くのは単純に「女性の裸が美しいから」「造形的におもしろいから」で済むようになり,「横」方向のヌードもまったく珍しくなくなったし,理想化された裸である必要もなくなって様々な裸が見られるようになった。大きく取り上げられているのは小出楢重と安井曾太郎である。


外からいろいろ持ってくるのもいいのだが,こうしたガッチガチな展覧会もこれはこれでおもしろい。近美だからこそできた展覧会ではあるような気はするが,こういう展覧会はもっとあってもいいと思う。
  
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2012年01月12日

ソース循環

・やる夫と食べるイギリス料理(それにつけても金のほしさよ)
→ 傑作やる夫シリーズ。
→ まずいイメージの起源を探り,おいしいイギリス料理も中にはあるということを探る。目から鱗がぼろぼろと落ちたし,勉強にもなった。特にイギリス料理の歴史を探った「その3」は必見である。
→ それ金管理人によるハギス実食体験談あり。更新早くて丁寧なのもそうだけど,こういうのがあるから,それ金管理人は良いと思う。俺もハギス食べてみたいなー。


・日本のインドレストランにネパール人が多いのはなぜですか?(Yahoo知恵袋)
→ これは数年前からよく聞く話。裁判になった事例もいくつかあったはず。その記事をブクマしたつもりだったが,検索しても見つからなかった(はてブの意味が無い)。
→ それはそれとするなら,ネパール料理はうまい。インドカレーとまたちょっと違うんだよね。


・「関西」と「近畿」 何が違う? (日経新聞)
→ 結局のところ近畿は「機内の近く」,関西は「関よりも西」という原義以上の意味はなく,適当に使われている。また「公的な地方区分は近畿」であり,近畿は明治になってから登場した言葉らしい。ついでに言うと,近畿は音がkinky(風変わりな)に近いため,海外とのやり取りがある場合は避けて関西に言い換える,というのを見ると尚更どっちでもいいんじゃないかと思う。
→ それよりも目立つのは三重と福井の微妙な立場。三重は中部だったり東海だったり,関西だったり近畿だったり。福井も中部だったり北陸だったり,関西だったり近畿だったり。中部的な文化圏と近畿的な文化圏の境界線上であるがゆえの現象。
→ 関西にこだわらなければ,似たような立場としては新潟県や山梨県がある。新潟県と富山県の間は親不知があり交通不便なため,案外交流がなく,結果的に北陸ではなく甲信越や東北に括られることがある。逆に富山以西は,関東まで出るのは山脈に阻まれて難しい一方で,関西まで出るのは比較的平坦な道のりが続くがゆえに,比較的関西よりの文化圏だったりする。
→ というわけで,表題の通りであり,案外「この県はこの地方にしか該当しない」というほうが少ないんじゃないかなと思う。


・男女格差、日本は98位 先進国で最低水準(47NEWS )
→ 135カ国中98位で非常に低い。無論,我が国の男女格差は改善すべきである。
→ しかし一応実際の数値を見てみると,これを元にした98位というのはどうかと思う統計である。教育と建康は世界でも最高水準,経済と政治が大きく足を引っ張っている。それは確かにその通りだと思うんだが(日本女性の社会進出は制度上も現状も中途だろう),実際のところ建康と教育は世界全体で見ても差が生じづらく,実質的に政治と経済によって順位が決まってしまっている。よく見ると,98位より上はかなり順位が詰まっており,非常に僅差で順位がつくため,ちょっと改善されただけで50位以内に入るだろう。
→ 別角度から,このような指摘もあり,そりゃ日本に不利な数字が出やすいだろう,という気がする。
→ また,ブコメにいくつかでているが,日本の男女格差はこういう数字ででていないところに強い気もする。こういうところを見ずに直情的な批判はしたくないなぁ。普段はちゃんとソースたどる人が,「反動的なブコメ」に引きずられて読めてないのは痛々しく思う。
→ あと,ネットニュースはちゃんとたどれるソースを添付すべき。そこをめんどくさがるから,すぐ↓のような案件が発生するわけで。


・DeNA「うちのゲームは高学歴の方は〜」発言の出典を辿った(いぬビーム)
→ 内容自体はどうでもいいが,あまりにも華麗なソースロンダリングっぷりにブクマしてしまった。
→ ニュー速の書き込み→コピペとして別スレに転載→tumblrでReblogされる→tumblr内で転載→連動でtwitterでつぶやかれる→非公式RTでつぶやかれる(フォロワー1万人超)→公式RTで拡散→さらに非公式RTでつぶやかれる(IT企業社長アカウント)→ゆかしメディアというインターネットメディアがそのtwを拾ってニュースに→
アメバニュースが転載→アメバニュースをソースにニュー速でスレ立て→2chまとめブログにまとめられる。
→ ニュー速からニュー速へという綺麗な循環すぎて笑う。
→ どこか一番悪いってあえて犯人捜しをするなら,ゆかしメディアだろう。ここでニュー速への直リンが切れていて,ソースロンダリングの最大の原因になっている。tumblrとその連動twには文句つけられないし,メディアを名乗るならそこはきちんとしてほしい。ほんともうネットメディアいい加減にしろ。
→ ブコメで豊川信金事件を思い出した人がいるようだが,同感で,構造は同じだと思う。ネットになってさらにタチが悪くなったが。  
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2012年01月10日

第201回『きつねのはなし』森見登美彦著,新潮文庫

森見登美彦にしては珍しい,怪奇譚。珍しいとは言っても,時系列的には二作目にあたるので,当時としては「第一作の『太陽の塔』からがらりと作風を変えたな」という印象だったのだろう。

個人的にはあまり楽しめなかったのだが,amazon等の評判は高いので,単純に私だけ合わなかったのだろうと思う。その理由は,世間の評価が高いのを知ってから考えてみて気づいたのだが,端的に言って私はあまり怪奇譚を読み慣れていないというか,書物であまり怖がる性質ではないということが関係しているのではないかと思う。ホラー自体は割りと嫌いではないのだが,大概は映画やゲームで怖がったのであって,小説で怖がったことは振り返ってみるとない。『リング』シリーズは『ゼロ/バースデイ』まで含めて全部読んでいてかなり好きなのだが,実際のところあれも話の筋がおもしろかっただけで,怖かったわけではない。一方,映画の『リング』は絶望的に怖かった。話を筋を知ってても怖かったのだから相当なものだ。

本書も,誰もが書評でそう書いている通り,京都という場所の妖しさをうまく使い,暗い路地に魅入られてうっかり入り込むと出て来れなくなる雰囲気は巧みに表現されていると思う。その点では評価が高いのはわかる。しかし,私が小説で怖がらない点を考慮してもしっくりこなかったのは,描写がやや淡々としていて,また(森見作品ではいつものことだが)話が脇にそれて行ってから本筋になかなか戻ってこず,いつもならそれでもよいのだが,結果的に本作の「京都」に私が入り込みきれなかったのが原因だったのではないかと思う。情景描写が濃かったせいか,「水神」が一番入り込めた。特に「きつねのはなし」がそうだったのが,怖いとかおもしろいよりも,きつねの正体が気になりすぎて煙に巻かれたように感じられたのが,自分側の敗因ではないかと思う。

まあ,「いつもの」の正反対な森見が読めた,ということで。

きつねのはなしきつねのはなし
著者:森見 登美彦
販売元:新潮社
(2006-10-28)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る
  
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2012年01月07日

SIR(スーパーアイドルマスターランキング)のP名数を数えてみた in 2011

昨年の。さあ,今年もやりますよ。対象の動画はもちろんこれ。




集計のルールは今までと全く同じ。長期は正式にカウントするが,ランキング動画に登場する上位10作品のみのカウント。合作の場合,3人くらいまでのものはバラバラにカウント。参加Pが多すぎて収拾がつかないものに関しては「合作」でカウントした。除外・及びシリーズ最上位以外は参考記録としてカウントで,シリーズ最上位以外については200位まで集計した。なお,「合作」の数は13であった。

総評として。200位水準のptsは昨年の3300ptsからさらに下がって,3080ptsに。来年は3000ptsを割りそうである。一方,伸びた動画は激しく伸びたため,非常に大きな格差社会がニコマスにも登場したのかもしれない。これまでは埋もれと頂点など煽られつつも,誰が投稿してもそれなりに見られ,再生の中央値が高いなどがデータ上語られてきたが,昨今のデータを知りたいところである。また,昨年まではランクインするP数がどんどん増加し,寡作化傾向が顕著に進んでいたが,(長期込み・除外抜きの)ランクインP数は昨年の184人から151人に一気に減少した。これは161人の2009年よりも少なく,139人の2008年に次ぐ水準である。また,1作品のみでのランクインP数も09年の111人,10年の142人に対し,今年は105人とこちらも大きく減った。

あわせて考えるに,ここに来て再び,技術力の伸長が再生数の寡占状態を助長していると考えられるかもしれない。これは特にMMDに顕著に見えた。ただし,嘉作化傾向に必ずしも歯止めがかかったわけではなく,単純にアニマスや2のDLC効果で,少ない労力で伸びやすい動画が存在しやすかったのではないか,というのが私の推測である。素材が多いのは単純に良いことだ。歓迎したい。実際の結果は以下の通り。


登場回数1回 105人

ベルナール・リヨ3世,桃邪気P,傭兵P,MNAP(ここまで長期のみランクイン)
聖上P,艦長P,ぷれでたぁ氏,takasiP,タイピングP,ゆういち氏,ランプキンP,腰痛P,ネコミミ于禁氏,R(略)P,慈風P,まっこ為五郎P,きりP,合格P,迷路P,八位P,hicoP,かよーP,りてP,カマトロP,フュージョンP,arcus氏,嘘予告P,お茶P,とばトP,電子彗星氏,腹囲91cmP,795P,リンP,二酸化硫黄P,ハロP,アトロポスP,機能美P,べすP,りよ。氏,包囲P,AuraP,鼻8P,aki氏,suikaeru氏,えびP,ソラユニP,予想スレP,ひろ氏,deadblue238P,だいすP,fftq氏,霧卯眠氏,ntmP,cynP,うしわかP,てってってーP,なみへー氏,ゆっきP,Rat氏,potechiP,VAN氏,神風P,コール氏,yotaP,ああああ氏,七夕P,セバスチャンP,えこP
ンモーP,…−−−…氏,kiriko氏,ぷっつんP,ハムオP,歪氏,ビヲランテP,麻痺P,uhhoP,metalidol氏,蝉丸P,すっきりぽんP,orgoneP,onoP,tomoi氏,DtailP,轟P,ユギ氏,クロダ氏,ふらいんP,FRISKP,ベホイミP,けまり部P,りんごP,渡り鳥P,アホトロール氏,M@co.jP,KIDP,TiaraP,hikoP,ぬこP,エアマイクP,satei2氏,おるちん氏,NamcaP,爽快P,アワビP

補足として。慈風P,arcus氏,ハロP,ソラユニP,てってってーPは2010年以前の作品によるランクイン。今回,過去の傑作が強く,昔から人気がある作品に加えて,表には見えないロングヒットもちらほらとランキングに見えた。こうした過去の傑作と戦わなければならない今のニコマスは辛い立場とも言える。

また,1作のみとはいえ,NamcaPのランクイン作品はカビキラメキラリで8位,同じく爽快Pはキャベツのアレで7位,そしてアワビPはフリーザ様といおりんが歌って1位である。この1位には誰しもが驚いた。


登場回数1回+α 8人

そば処大五郎氏 (1+1):チートマスターによるシリーズ除外。
Not-Sixx氏 (1+1):兄貴動画の人。
ジャイロ氏 (1+2):アニマスの名シーンや比較動画の人。
syu-kaP (1+2):メドレー動画。シリーズ扱いが意外だった。
ドラム缶P (1+3):メタルマックスの架空戦記。
ておくれP (1+4):アイマスクエスト。
介党鱈P (1+5):ぷよます。
3倍録画P (1+6):コブラ。

架空戦記的にはそうそうたるメンバー。多くのPが範囲を300位まで広げると,2011年の投稿作品のほとんどがランクインして(シリーズ最上位以外除外)いる。そして,今年の下半期,最も大暴れしたPがここで登場。除外理由が厳密にはコブラなのだが,SIR上では今ひとつ区別できなかったので全てシリーズ除外で集計した結果がこれだよ!参考記録ながら,合計7回は今年のランキング登場回数1位。

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2012年01月06日

積む気はないのに増えていく

前回。なんかまた積みゲー多くなってきたので,小刻みに報告しておく。

・群青の空を越えて → クリア済,レビュー済。普通の良作といったところ。

・ワールドエンドエコノミカ → 折り返し地点くらい。1月上旬には終わると思う。
・white → カナンまでクリア。ネ右に聞いたところ「そこまで行ったならあと3時間」と言われたので,これも1月上旬の間に終わらせたい。
・世界征服彼女 → 開始1時間で良作を確信したのだがコミケに襲われたため中断。whiteとの並行作業なのでクリアは遅れると思う。というか,whiteのほうが先に終わると思う。目標は1月下旬。

・無限煉姦 → なんだかんだ言って初回版を確保。めちゃくちゃ評判よくて安心している。セカジョが終わったら手をつけるが,したがって早くても1月下旬開始になりそう。長いっぽいので,2月は仕事が非常に忙しいこともあり,いつ終わるやらさっぱりわからない。一応,2月中という目標は立てておく。
・White Album2 → セット売を購入。極めて評判がいいので早くやりたいのだが,順番的にはやはり『無限煉姦』優先ということにせざるをえない。そうすると,手を付けられるのは,早くても2月下旬?終わらせる目標は,『まほよ』発売までということで。
・魔法使いの夜 → 本当に出るのかよ!と言い続けた結果,本当に出そうである。仮に4/12に出るのであれば,発売即プレイしたいし,やはりそこまでに積みゲーを片付けておくのが目標になるであろう。


とか何とか言いつつ,万が一『WA2IC&CC』が3月中に崩せた場合,『まほよ』までのつなぎは一応考えている。おそらく,いよいよtwitter上でハイキャンさんが信者している『マジ恋』に手をつけようかと思う。あとは『セカジョ』次第だけど,そのFDの『WWL』。このあたりは,『WA2』が終わらなかった場合,夏コミまでの目標にずれ込むと思われる。12月発売のエロゲとしては『美少女万華鏡』を友人の評判待ち。良ければ中古で探すつもりである。『まほよ』以外で気にしている未発売のエロゲは『ものべの』だが,これも初回で買う気はしないので評判待ち。

まあ,まだ買ってもいないし,予定は未定であり,そもそも『まほよ』が4月に発売しなかった場合は予定を完全に組み直す羽目になるので,あんまり信用しないように。
  
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2012年01月05日

2011下半期ニコマス20選

2011年下半期ニコマス20選レギュレーション
2011年下半期ニコマス20選ポータル

今回は,いつも通り選んだつもりだったのに,いつもとかなり異なる結果になった。これは界隈の流れが変わったというよりは,私自身の趣向がやや変わってきたのかなと思わなくもない。とは言ってもそう大きく変わったわけでもなく,いつも選んでて今回選んでないしょじょんPも七夕Pも,最後の最後まで候補として残り続けた。いつもより20作の平均再生数が少ないがこれも半ばは偶然で,大作も最終候補で切り捨てたものが多い。そこは本当に紙一重の差だ。表面から読み取れる傾向なんて案外そんなもんで,だからこそ,それぞれの作品を選出した理由はきっちり書きたいと思うし,他人のリストでもばっちり書いてあるものを読みたいなと思う。今回も,そう考えて筆を取った。

毎回思うのだが,「最近良作がないなー」と思っていても,半年たってから振り返ってみると,20を選ぶのもしんどいほど良作にあふれているのである。改めて,この界隈はすごいと思う。その上で,あえてこの半年を総括するなら,良くも悪くも中心はKaku-tail6だったのかなと。この20選でも,5つはその関係から選出している。

それでは,どうぞ。


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2012年01月03日

非ニコマス定期消化 2011.10月上旬〜10月下旬




みんな大好き,たろう16bit。1番は倒置法でも意味が通じるし良い歌詞なのだが(というかそういうふうに倒置法を使っているのだが),2番以降がひどい。倒置法ってなんだっけ?



発掘。久々に東方原曲を歌ってみた熱が盛り上がってきた。細々とではあるが,たこす・えもっけ(影絵)の文脈で生きている。



ED曲にあわせて,アニメゆるゆりを全部詰め込んだ感じ。非常に密度が濃く,アニメの駆け抜けた感じがよく出ている。楽しかったなぁ,アニメゆるゆり。



もう一つゆるゆりMAD。伝統と信頼のじゃんがりあんRで,地図が高岡市だったりする細かさももはや伝統である。ゆるゆりの特徴的なオブジェクトの多さを活かしている。しかし,あかりのお団子は自立する生命体から飛び越して妖怪か何かになりつつある。



完走編も終了。残りは64マリオへ。64マリオの完走編はニコニコ動画には投稿しないそうで,生放送ではやるのかな。いずれにせよお疲れ様でした。最初と足さばきの違いが別人レベル。



できれば投稿直後に見たかった動画。総統の意見が同感すぎるわけだが,多くの大相撲ファンには理解してもらえると思う。なんというか毎回シュタイナーの部分,ろくな訳当てられてなくてかわいそうです。



シュールな光景が見れます。レースゲーのTASさんも大概ひどい。



林原めぐみ本人が歌っていたことが判明して話題になった動画。時代が変わっていくなぁと思わざるをえない。実は私はシャーマンキング自体にはそれほど思い入れがないのだが,この現象自体は歓迎したい。



おやつの人。約4分も早くなるって何があった?主人公カタリナ→やり逃げダイナミックまではいつも通りだが,今回はエターナルフォース次元断不使用,そして魔王殿にも行かない,おまけに破壊するものともまともに戦わないという。とてもひどいサガシリーズとして完成されたTASとなった。あとは本当に,ロビン関連のイベントくらいしか削るところ無さそうだなぁ。  
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2012年01月02日

C81,戦いの記録

28日
出勤後,仕事を整理してみた結果,29日休んでも問題ないことが判明したので有休を申請,至極あっさり通る。帰宅後,二日目のサークルチェック&gdgdなニコ生放送。実はニコ生デビュー戦であった。自己紹介もなく突発的に始めたのが悪かったかなぁと。

29日
午前中は爆睡,10時頃に起きて初日の様子をTweenで見ながらブログを更新,そしてサークルチェック3日目開始。これがなかなか終わらず,気づくと16時頃だった。ORAが旅立っていたので急いで部屋の大掃除,2時間近くかかり,結果的にORA到着の1分前に掃除完了。19時前にORA到着。適当に互いのチェックリストを相互チェックして,恒例のニュー速VIPブログのまとめ記事を読んで,21時頃にサイゼリヤで夕飯。帰宅後,交代で風呂に入り,企業をチェックして,23時頃に就寝。

30日
いつも通り午前3時半頃起床。適当に準備して4時頃に出発,年々ORAの出発準備が早くなってきている,というよりも起きれなくてごねなくなってきている,のはどういうことなんだろうか。楽でいいけど。本郷通りでタクシーを捕まえて移動。このときのタクシーはぼちぼちで4600円で到着。以前は「どちらに行かれるんですか?」と聞かれて「コミケ」と答えるとなにそれ?と言われたもんだが,今回は2日目・3日目のタクシーともに「ああー,なるほど」と言われたあたり,知名度は上がってきているんだろうか。

4時半ちょうどに東駐車場到着。2−6列(旧Bー6)。おおよそ例年通りの位置である。ORAは睡眠時間不足からか爆睡。私は散歩に出かけていた。午前6時半頃,始発で来たネ右が合流。初日に企業目的で参加していたが,ヴィジュアルアーツを買いそこねていたのを悔やんで突発的に来たという。ネ右にオーガストを依頼。暇つぶし用の小説を持っていくのを忘れて暇だったが,ネ右が来たので「すば日々」「white」トークをしながら時間をつぶした。そうそう,朝の東駐車場や,開場後の東ブースシャッター外にはテキ屋の車がずらりと並んで食料を販売しているのだが,今回は焼肉丼&ステーキ丼という珍しいものを売っている車があった。午前5時開店で,すでにその時点で100人近い長蛇の列ができており,その後も列が途絶えず結局会場までに「完売」していた。列の長さでは超大手サークル「トイレ」や「コンビニ」にはかなわないものの,完売速度で言えばあそこの焼肉丼が今回のコミケ最速になると思う。

午前8時半から列整理開始,10時開場で東456スタート。今回は2−6だけあって開場前に建物内に入れ,かなり前のほうからスタートできた。おかげで10時20分頃までは島中をすいすいと移動でき,先に壁以外をまわってしまうことができた。11時前には456での買い物を済ませ,123へ。こちらも12時過ぎに全部終了。ネ右に連絡をとるが携帯がつながらず,おまけに電池が切れかかっていたため,適当に企業ブースへ。とりあえず一迅社の完売っぷりを確認した後,ビジュアルアーツの待機列の外側をうろうろしてネ右発見。オーガストを無事買えていたし,ビジュアルアーツもあと20分ほどで終わりそうな雰囲気だったので,もう少し企業をぶらぶらした後,逆四角錐の下で集合場所に陣地を作っておく。13時頃,ネ右がビジュアルアーツとオーガストの紙袋を携えて合流。ORAは「2日目だからそんなに買うものナイナイ」などと言っていたにもかかわらず,結局最後まで買い物を続け,14時過ぎに合流した挙句,そこから企業に旅立って,結局14時半過ぎに再合流して国際展示場を後にした。なんというか,ORAを待っていた時間のほうが長かったような。

今回の特徴として,東方が東3と東6というように建物別に半分に分断され,移動が非常にめんどくさくなったことが挙げられ,開始前は私も不満たらたらであったが,これについてはごめんなさいしないといけない。結果的に,この東方ゾーン分断政策は大正解であった。まず,駐車場から建物への入場時に東123への入場者と456への入場者に分かれるときに,いつもは東方のある456側への列だけ大渋滞し,123はスカスカという偏りが見られ,結果的に分岐点から入場口までの間の列で多少の混乱が生じていたのだが,今回はそれがかなり均等に近くなり(まだ若干456のほうが多かったけど),混乱が生じなかった。また,前回までは東方ゾーンである東56が完全封鎖され,シャッター外以外の出入り口は一方通行で「出ることはできるが入ることはできない」という状態で,毎回私がレポートで「あれは逆効果だ」と批判していた状態であった。しかし,今回は東方ゾーンが分割されたことで密集状況が多少なりとも緩和され,一方通行による完全封鎖も取り払われて移動の自由度が増していた。理想を言えば,やはり例大祭のようにサークル配置の間隔を緩くして通路を広く取ることだが,コミケでそれはできない中,工夫をこらしていると思う。スタッフの方に感謝したい。

ネ右は自分の下宿へ直行とのことでオーガストを買取。15時半頃,ORAと二人で帰還。一気に爆睡かと思いきや,ORAがまぬけづらさんに召集を受け,最後の気力を振り絞って旅立っていった。その間に私は戦利品の整理とネットサーフィンして仮眠。19時半頃,ORA帰宅。ここから風呂に入って,ようやく本格的に寝た。


31日
日付過ぎ1時少し前に起床。4時間半くらいしか寝てないで少々つらい。終電で移動してきたネ右さん来訪。3人で互いのリストを相互にチェックしながら作戦会議。しかし,毎度のことだが私とネ右のリストの数に比べてORAのリストが無謀とも言える多さなので(200以上・壁多い),結果的に偏貿易である。そのことに文句を言うつもりはないので,いいのだけれど。買った同人誌は読ませてもらっているし。

昨日と同様,4時頃にタクシーを捕まえ国際展示場へ。4時半頃到着,3−5列。やはり3日目は徹夜が圧倒的に多い。この日は小説を持ってきていたのだが,あまりの寒さに手袋を外す気力を失い,結局丸まっているか,ネ右とだべって過ごしていた。ORAに至っては8時半ギリギリまで爆睡していた。10時開場時点でまだまだ外,10時10分より少し前には会場入りした。始発は5−1くらいだったようだが,一体いつ入れたのだろうか。まずNEKO WORKsの無料配布を受け取り,そこから島をつらつらと。東456は(ORAの手伝いを含めて)12サークルしかチェックがなかったこともあって30分かからずに脱出,東123に移動。ここで白髪教団に向かったのが失敗で,ここで45分も使ってしまった上に,後からセット完売で行ったら列がなかった。別にセットである必要がなかったので45分はほぼ完全に浪費ということに……セット完売後にばら売りするとは思ってなかったし,セット完売の瞬間に列が消滅するとも予想してなかったのが痛かった。

結果的に,12時前に東を終わって西のアイマスゾーンに入る予定が,東123の攻略に1時間以上かかり,12時半頃になってようやく西へ。まあ,お察しの通りである。アイマスの壁は,パンダが一匹をはじめとして,ほとんどが完売確認で終わってしまった。島もかなり完売していた。幸いにして,後にショップに卸さないサークルはほとんどなかったので,足しげく通えば回収は可能だと思う。チェックしていたサークルはすべて回り終わった後,西のギャルゲーゾーンを立ち読みしながらふらふらとしていたら,13時過ぎにネ右と偶然すれ違う。彼も同じような状態であったが,彼は最後に東へ戻って寄稿したtheoriaさんのところへ挨拶へ行くそうなので,それを見送って逆四角錐の下へ。

13時半,集合場所にて再度ネ右と合流。買ってきたエロゲー評論系同人誌を二人で読んであーだこーだ言いながら待ち,14時半頃にORAが帰ってきて全員そろったので帰路へ。15時半頃に帰宅。戦利品の精算をして解散した。

  
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2012年01月01日

2012 賀正

あけましておめでとうございます。昨年はこのブログをご贔屓にして頂き大変ありがとうございました。今年もご愛顧の程をお願いします。

例年に従って,今年の目標を書き並べておく。

ネット関係:昨年の目標は「はてブ1000到達」だったようだが,今1700近くあるので余裕の達成であった。今年もひとまずの目標は2000到達ということになるだろうか。また,一昨年までは毎日更新または3日に2日更新だったが,昨年は隔日更新となった。今年もせめて,隔日更新は確保しておきたい。

パソコン:昨年の目標に「ディスプレイ買い替え」とあったがまだ買い換えていない。というよりも,PCのスペックが大分怪しくなってきたので,こちらも買い替えなければならないかもしれない。今まで「ぶっ壊れたら買い替え」ということをやっていたのだが,今のPCが相当タフなので,4年半近く経っても全く壊れる気配がない。結果として,どちらかというとスペックのほうが問題になってきた。目標というわけではないが,今年中に買い換える可能性はある,ということで。ディスプレイも買い換えるとしたらそのタイミングかなぁ,と思い始めた。

エロゲ:昨年の目標15本で,結果は13本。ただし,仏蘭西少女が軽く4〜5本分のボリュームがあったので,十分時間はとれたと思う。今年の目標も15本と掲げておく。近況としては1月上旬に今のプレイ状況記事を挙げると思うので,詳しくはそちらで。

仕事:正規では3年目,実質では4年目。まー,もうあんまり書くことないかなと。多分今年と同じくらい働いて,少しだけお給料が上がって,という程度だと思う。へましないよう,残業しすぎないようにがんばろうかと思います。昨年の年初には転職する気もあったのだが,今は萎えてきた。

旅行:家族旅行で台湾,という巨大な旅行はいけたものの,友人たちとの旅行は一度も企画していない。例年行っていた諏訪さえも,仕事が重なってキャンセルしてしまった。今年こそは1.諏訪巡礼再開 2.温泉旅行(草津あたり) 3.それ以外にどこか東方の巡礼に(出雲?)を目標に。  
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