2012年03月29日

World Wide Love! 〜世界征服彼女FD〜  レビュー

まあ普通のファンディスクである。短すぎるという話も聞くが,ゆっくりやって10時間弱くらいはかかったのでこんなもんだろう。ファンディスクの傾向としては補完というよりも延長戦というたぐいのもので,セカジョの世界にもう少し浸っていたい以外の理由でやることはお勧めしないし,その意味で必須の作品ではない。この辺はファンディスクに求める物次第ではある。

うまいこと補完になっているのは桜子編だが,これはむしろ「その内容は本編でやれ」というもので,ある意味あって当然と言えるかもしれない。本編のレビューののネタバレゾーンで,「もうちょっとなんとかなっただろう」と書いたところがなんとかなっていた。特に百式との会話は秀逸で,あそこの選択肢は4つ全て選ぶ必要があろう。菜子編も考えようによっては補完になっていると言えなくもない。バッキー・亜子様・夢子についてはイチャラブしてるだけに近い。もっとも,夢子はともかく,残りの2人は本編でやりきってしまったためもはや書きようがないという事情はあるだろう。そして今回追加されたヒロインの良子様は,悪くはないしやりたいこともわかるのだけど,やはり強引だったかな感はある。

あとはネタバレゾーンでちまちまと。
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2012年03月28日

非ニコマス定期消化 2011.12月下旬〜2012.1月中旬



10分を切ったスーパーマリオワールドTASに,クレジット呼び出しによる約2分半という記録が出現。問題はスタッフロールさえ流れないということ。これはEDに到達したと言えるのか?ということでさすがに審議となった。おそらく別部門として認定されるであろうとのこと。




前編はまあ普通のTAS。後編も開始10分は普通だが,その後急激にゲームが崩壊を始める……ミルドラース生存エンド。バグ自体は有名なボロンゴ技というもの。



足マリオ64もとうとう完結。お疲れ様。貴方が足マリオの第一人者だ。



あーあったあったというものが多いが,一方知らなかったものも。確かに,単純なランキングよりも流行がわかりやすかった。自分の観測範囲外は十面相,ダークソウル,ストリートファイター4,モンハンあたり。こうしてみるとやっぱアニメ強いなーと思う。ゆるゆりが思ったより高かった。あと,あいさつの魔法が2位だと思ってたら6位で驚き。1位は予想とおり,あのアニメでした。まあ,ニコニコでなくともあのアニメイヤーだったからね。



その発想はなかった。なんでこんなにあうんだよw。



このグラスハープはすごい。



非常に色気のあるモデルを使っていてダンスも悪くない。言ってもしょうがないが,ちょっと髪の毛が暴れすぎかな,と。



どんどんSweet magicを踊る東方キャラたち。



今回も自然で綺麗な書き換え。杏子がエロい。
  
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2012年03月27日

怪文書も極稀にあっている

・東アジアの資本主義勃興と李氏朝鮮の停滞について(Togetter)
→ 近世朝鮮半島の停滞は,国際貿易の重心が東シナ海から南シナ海にずれたからじゃないか,とブログに書いたことはある。(地政学(4):朝鮮半島はなぜ長らく大陸型の国家であったか?
→ 要するに,世界システム論の言うところの「辺境」になったからこそ,弱体でも長期政権になったのではないか。日本は鎖国していた,清朝は冊封国であれば満足し併合する気はなく,西欧諸国はいまだインド・東南アジア進出で留まっていたとあれば,少なくとも外圧はない。
→ 長く続いちゃったのがよりひどくなった原因とはいえる。日本は戦国時代で,中国は明清の交代で社会の膿を流したところはあり,清も江戸時代も初期は久方ぶりの平和もあわさって再度経済成長しているので。
→ とはいえ,朝鮮王朝時代は政治経済社会全部アレな時期ではありましたが,文化面は見所があるというアンバランスさはある種の魅力かもしれない。


・渡邊芳之先生ynabe39の「近現代史では「権利が義務の対価でなくなる」ことはほとんどの場合「進歩」ととらえられると思う。」(Togetter)
→ 個人的には,天賦人権論的なのにはちょっと違和感がある。最近はそれでそれなりに納得するように努力はしている。
→ しかし,人は生まれながらに基本的人権を持つとして,それを「どこからが人間か」を規定し,また権利の詳細を決めるのもまた人であるから,それで逃げ切れるとはちょっと考えられない。あくまでも「全人類の個々の幸福において」基本的人権の自明性は規定される,としてくれたほうが,個人的にはすんなりと行く。カビの生えた功利主義だと言われれば反論はできないが。
→ それはそれとして,こうした進歩を許したのが現代世界の社会・経済の発展とするなら,マルクス主義はある程度正しかったのかなと思わざるをえない。100年前ではこれは無理だろう。「万人の万人に対する闘争」も「代表なくして課税なし」も遠くになりにけり。そう思うと感慨深い。


・【速報】某有名ブログ乗っ取り事件の犯人逮捕!!!!追記:NHKで報道される【さらに画像追加】(オタク.com)
→ やられやく乗っ取り事件逮捕まで行ったのか……ウイルス作成なので,直接乗っ取りで捕まったわけではないにしても。
→ あの増田は最後まで読んでたので感慨深い。非常にややこしい展開であったが,ネット上の暇人たちによって徐々に明らかになっていく様子はおもしろかった。ウイルス作成罪の初適用もあるが,ネット上の怪文書と匿名(増田)の推測が9割方あってたという点でも極めて珍しい事例。記録と記憶に残しておきたい。
→ なにやら記事を消してしまっているが(http://yaraon.blog109.fc2.com/blog-entry-6851.html),直後には本人もコメントしていた。まあ,これに関してはよかったですねと。やらおんというブログの功罪は横に置いといて(直前に発覚したのがシャフトのamazonリンク事件で,ステマ騒動につながっていく)。


・カフカ「変身」をネット通販風に描く (デイリーポータルZ)
→ 知っている人は知っている,ペリー来航パワポの人。今回は流行に乗って楽天風。
→ 相変わらずすごいクオリティ。暗いストーリーを完全に追っているのに,対照的なテンション高い系のうざさが絶妙である。「店長暴走」とか。ネットによらず,どうしてこう啖呵売からあさっての方向に飛んでくとうざくなるんだろう。啖呵売の範疇で収まっているのが,成功する商売人なのかな,と。


・不動産屋がようやく折れてきたが俺も折れそうな件について(○内○外日記ブログ )
→ 当分引っ越す予定はないし,今の大家さん的にこういうことはなさそうだが,ある種のサンプルとして。
→ なんかもう不動産業界黒いなぁとしか。礼金・家賃更新料は悪しき慣習なのでやめましょう。敷金はまだしも(今回問題になってるのは敷金だけど)。
→ どうでもいいが,この間友達に「お前がおると本郷という気がする」とか言われたので,当分引っ越さない予定です。通勤的には引っ越したほうが楽なのだが。
  
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2012年03月26日

やっと荒れた春場所

荒れる春場所らしい展開であったが,おもしろい優勝争いであった。実は久々の荒れる春場所である。昨年は中止,2・3年前はともに白鵬の圧勝,4年前は順当な朝青龍と白鵬の横綱決戦で朝青龍の勝ち,5年前になってようやく「場所直前に朝青龍八百長疑惑報道,朝青龍初日から2連敗,栃東脳梗塞で衝撃の途中休場で引退,残りの大関陣も全員乱調,大関白鵬が優勝決定戦変化で朝青龍を下して優勝(翌場所連続優勝で横綱に)」というとんでもなく密度の濃い年であったので,それ以来5年ぶりの「荒れる春場所」と言ってもよいだろう。ただ,鶴竜の関脇優勝で11年ぶりの非横綱・大関優勝というところまでは,荒れきらなかった。

混沌とした優勝争いの過程を書きだしておく。中日までは白鵬が負けなしで独走,7場所連続中日勝ち越しターンを決めた。なお,これはさりげなく大相撲史上最高記録である。このまま行くのかと思われたが,9日目鶴竜に敗れる。白鵬はこれにより,初日から9連勝連続6場所が途切れ,玉の海とのタイ記録で落ち着くことに。これで1敗に白鵬,鶴竜,把瑠都が並び,2敗で琴奨菊,日馬富士と他数名の平幕が追う形。10日目,日馬富士と琴奨菊が直接対決で日馬富士が勝ち,琴奨菊は以後調子を落として優勝争い脱落。11日目,把瑠都が琴欧洲に敗北を喫して2敗目,平幕翔天狼も豊響に破れて2敗に後退。この二人は12日目にも敗れ優勝争いから脱落。これでほぼ白鵬,鶴竜,日馬富士に絞られた。

ところが13日目,まず日馬富士が把瑠都に負けて3敗目,さらに白鵬が稀勢の里に負けて2敗に後退し,1敗は鶴竜のみに。14日目は優勝戦線の星が変わらず,鶴竜初優勝の確率が高くなった。しかし千秋楽,鶴竜が豪栄道に負け白鵬は把瑠都に勝利,優勝決定戦の末白鵬の逆転優勝とあいなった。ここで注目したいのは一人の男である。そうお前だよお前,安美錦・豊ノ島・阿覧に負けておきながら白鵬・把瑠都・鶴竜を倒した稀勢の里とかいう力士。荒れた原因の8割はこの男のせいである。偶然組まれた割の展開も実に見事であった。おそらく審判部の予想とも相当離れた展開になったと思うのだが,これだから相撲独特のシステムはおもしろい。稀勢の里KY(からすばらしい)という言葉がtwitter上に流れまくっていたが,さもありなん。もう今場所影の主役はXeだったということでいいよ。

内容はほぼ尻上がり。3日目くらいまでは今場所の様相がとてもとても不安であったが,そこからまあまあ良くなった。立ち合いの乱れも中日くらいまではひどいもんだったがその後は優勝争いの混沌とともに良くなり,千秋楽などは最後2番以外は全く待ったがなかった。その最後の2番も雰囲気を乱すような類のものではない。やはり,優勝争いの展開や立ち合いの乱れは,相撲内容とそれなりに比例するものであると思う。


力士個別評。白鵬はいまだもって,一人横綱になってから2場所連続で優勝を逃したことがなく,今場所も意地というものを見せてもらった。どうにも退潮傾向はぬぐえず,珍しくもインタビューで愚痴っていたように右足の古傷と腰の持病が相当悪いようで,大関陣との距離はかなり近くなってはいるのだが,もはや書くまい。行けるところまで行ってほしい。しかし,今場所は不調の目印「とったり」が無かったので,本人的にはあまり不調ではなかった可能性もある。

既存の大関陣。稀勢の里は上記の通りで,安定感のなさが逆に今場所のおもしろさを生んだと考えるとあまり責める気にならない。同じくムラッ気のあった琴奨菊だが,立ち合いの当たりの差が日毎で激しかった。平幕相手でも何番かひどい立ち合いがあったが,小手投げの妙でなんとかしていたところが見受けられ,そこらへんはさすがに大関といえる。把瑠都は体調は良かったが精神的に綱の器ではなかった,で全てであろう。結果10−5だが,割りと惜しい綱取りであったとは言えるのではないか。彼ならばもう一度くらいはチャンスがあろうからそちらに期待したい。日馬富士,琴欧洲については特記することがない。日馬富士は三日天下的に優勝戦線に浮上したからいいものの,琴欧洲は「緊張でガチガチの把瑠都」に勝っていなければ負け越していたというどうしようもない状態だが,運も実力の内か。


さて,鶴竜である。史上初の大関6人になるが昇進は妥当であろう。過去6場所64−26は上に白鵬と把瑠都しかいない安定感であり,僅差で大関になった稀勢の里・琴奨菊の大関前6場所も上回る。6人目というハードルを考えても,これで挙げなければ何をしたら良いかわからない。しかし,6人目ということのハードルの上げ幅よりも,稀勢の里を32勝で上げたがゆえのハードル下げ幅のほうが大きく,実は有利な状況だったのではないか,と私は思っている。実は稀勢の里が昇進した場所の評で「鶴竜は素の33勝では相当厳しい」なんてことを書いていたのだが,蓋を開けてみるとそうでもなかったという。

鶴竜と言えば以前より技巧派であり,むしろ技巧に溺れて負ける場面がここ1年ほど目立ったが,今場所に限って言えば慎重さが増し,より緻密な攻めが見られるようになった。これが10勝から13勝に積み上がった理由であろう。これは朝青龍,白鵬との比較でおもしろい。3人とも対戦相手に対する研究熱心では共通するのだが,朝青龍は研究した上で自分の相撲を取って勝ち,白鵬は研究してもなお受けて勝つところ,鶴竜は研究した成果の作戦通りに動いて勝っている。今場所は技巧派というよりも知略家という雰囲気があった。特に13日目の琴奨菊先と14日目の琴欧洲戦は感動的なまでの「崩し方」であり,美しささえ感じるものであった。

では横綱はどうかと言われると,まだちょっと遠い感じがする。初土俵から大関昇進まで61場所,これは最長記録10位であり,相当に遅く勤続疲労が心配される(旧10位は琴奨菊で58場所)。同ランキングの10位以内で横綱になったのは隆の里,三重の海,千代の富士の3人いるので,心配ないといえばそうなるが。なお,大関以上に昇進した外国人力士では年齢・場所数ともに最遅記録であり,早熟が多い外国人力士では例外中の例外。どうせなら横綱になって,これも例外になってほしいところであるが。


その他の三役陣。安美錦は7−8だが膝の調子は良かったように見える。臥牙丸も6−9だが印象は悪くなく,動ける押し相撲力士というところは見せた。徐々に上位戦に順応していると思うし,前半全敗でターンして盛り返した精神力は褒めてやるべき。逆に栃煌山は見るべきところがない。出なおしてこいだのエレベーターだのも言い飽きた段階。

平幕に移り,妙義龍。幕下付出で怪我もありつつのトントン拍子な出世でここまで駆け上がってきたが,いまだに測りかねる。押しても組んでもある程度取れ,かつ上位陣初挑戦のこの場所で7−8僅差の負け越しというのは底が見えない。しかし,それでもどうもぱっとしないのは,強烈な攻めの技がないゆえか。彼には申し訳ないのだが,もう少し様子を見させてほしい。栃乃若は相変わらずの腰の重さと懐の広さであったが,それに頼りすぎ,腰が高くなるとあっさり負ける一番が多かった。もう一つ何かあれば,上位に定着するのだが。天空兄さんは足技不調でしたね,と。阿覧は勝ち星の大半がはたき込みなので,もうその道を極めてほしい。残りはエレベーターの上がり下がりだけなので特に言うことがない。豪栄道は千秋楽の鶴竜戦がとてもすばらしい一番だったので,あれを毎回できればエレベーターから脱却できる,がんばれ。

前頭中位。松鳳山は回転の良いつっぱりが目立ち,見ていて楽しいので今後応援したい。まっとうに論評するなら前に出すぎて叩かれたりいなされたりするパターンも目立つので,落ち着け,と。高安は何の賞ももらえなかったが非常に動きが良かった。彼も主体は突き押しだが組んでも十分に取れる。来場所は二度目の上位挑戦になるが,期待してみている。一方,隠岐の海は千秋楽が隆の山でなければ負け越していた。どうにもぴりっとしない取り組みが多く,今場所のメモを振り返っていみると非常に物言いが多い。

前頭下位。佐田の富士は6−9と負け越したが,気持ちのいい突き押しが目立った。一撃の重さは平幕最高ではないだろうか。同じく6−9の負け越しだが,天鎧鵬は腰の重さが目立つ。どうしてそこで寄り切られないのか,と不思議に思いながら見ていた。が,いかんせん本人に攻撃力がなく,流されるまま粘ったけど負けるパターンが多かったのが残念である。しかし,こういうタイプは伸びると思う(27歳ではあるけど)。朝赤龍はとうとうこの番付で5−10。非常な技巧派ではあるのだが,技巧を見せる前に息切れすることが多く,左差し頭をつける形から展開できない場面が今場所何度もあった。これは本人としても苦しかろう。あと何場所,幕内で取れるか。隆の山は弱点の,軽いのにまっすぐ立ちあってしまう癖が抜けず,対処法もとったりが多かったため見切られているパターンが後半見受けられた。最後に勢。前半はどう見ても幕内初挑戦の緊張でボロボロだったが,後半は文字通りの勢いが見られた。幕内再挑戦の場所ではやってくれそうな気がするので,再来場所に期待しておく。

そういえば,旭鷲山と旭天鵬を育て,モンゴル勢躍進の基礎を作った大島親方が今場所で定年退職される。白鵬が来日する契機を作ったのも大島親方(彼が現宮城野親方に紹介した)。それがこうした場所になるのはとても感慨深い。今までありがとうございました。

以下はいつもの予想番付。
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2012年03月25日

美学と美術史のすれ違い

・[朝日新聞書評ボツ本][書評]西村清和『プラスチックの木でなにが悪いのか』:だらしない印象論と詰めの甘い議論によるトートロジーしかない本(山形浩生 の「経済のトリセツ」)
・山形浩生氏の再反論をうけて。(昆虫亀)
→ 議論そのものは非常に専門的なものなので,あまりまじめに読んでないけど。美学を「感性学」と訳さなかった影響がここにも,という印象。山形浩生の美学の捉え方は明らかにおかしい。
→ 決して「美」について考えるだけが,美学ではないのですよ,と。感性学から芸術,美への考察の拡大が美学という学問の形成過程そのものである。美学という学問のマイナーさは,哲学が思考を扱うのに対して「感性」を扱う学問の必要性が増して分裂したから,という説明が先に必要になる点ではないだろうか,と考えざるを得ない。これで「芸術学って何?」とか考えだすとさらに収拾がつかない。
→ 哲学という美学の出自と,歴史学という美術史学の出自の差に改めて溝を感じるのだけれど。以下,下段の記事に続く。

・美術史と「他の判断基準」
→ あわせてこれも読むとおもしろい。
→ 前半は東大本郷の「美学芸術学」研究室と「美術史学」研究室の分離についてが書かれている。ついでに駒場と本郷の違い。ちなみに,ここで書かれているようなことは本当。自分の知っている限りでは写真史をやろうとした学生は院試の段階で駒場に送られた。下手したらセザンヌでも駒場でやったほうが良い(はかどる)レベル。本郷は美学にしろ美術史にしろそういうところだと思った方がよい。文中にある「ベルニーニの彫刻をライプニッツの哲学と結びつけて研究」であればまだわからないが,精神分析的セクシュアリティ論とか言い出されたら問答無用で「美学行け」って言われると思う。
→ 美学・美術史研究室の,手法による分離の弊害は指摘されている通り。美術史の非思想化,美学の非歴史化にあり,対象によってはどちらで研究すべきか,迷うところは必ず出てくる。しかしそれでも,この分割はそれなりに合理的だったのではないか,と一応美術史学研究室を出た人間として言っておく。
→ まあ,実際には美学の研究室に出入りして随分カントの美学をやりましたけどね!
→ ついでに言うと,自分が在籍していた当時の話をすれば,このブログでも恐ろしく昔に書いた気はするのだが,いまだもって美術史学は文学部内で「歴史学科」と認識されていない節がある(この点は考古学も同様)。様々な場面で無視されることが多い。別になりたくてコウモリになっているわけではないはずなのだが。
→ 確かに,あの美術史学研究室は研究手法と扱う時代においては割りと排外的ではあって,一方それは「美学芸術学」や「文化資源」,そしてなにより「駒場」という代替先が多様かつ豊富だからこそ,ああなってるんだろう。
→ 最後に,どうでもいいところに突っ込むと,1990年当時の美術史学研究室の教授陣構成は高階秀爾・辻惟雄・河野元昭だと思われる。誰が文中にあるようなリアクションをしたのか(高階秀爾?),とても気になる。

  
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2012年03月21日

第205回『ヴェネツィアに死す』トーマス・マン著,岸美光訳,光文社古典新訳文庫

トーマス・マンは初めて読んだが,割と合わない文体だとは思った。本来,こうした登場人物の心情をまわりくどく紙面を費やして描写するものは苦手ではないのだが,本書はさすがにちょっと長かった。150ページ中の最初の50ページまででほとんど話が動かず,少年が出てこなかったときはこの先読むのをやめようかと思った。その直後にタッジオが登場してくれたのは幸いである。

本作の肝は言うまでもなくタッジオ少年の美しさである。美と性に関する永遠の問題として,美と性は切り離せるものか否か,という究極の問題がある。これに関して本書は,主人公アッシェンバッハ自身が完璧に美なるものを目の前にして美について苦悩するという形をとり,あえて解答を出していない。タッジオに関する描写はさすがであり,前述の問題はおいておくとしても(いやおいておくからこそか),決してショタ趣味のない私でも惹きつけられるものがあった。これは美少女では無理だ。美少年だからこそ可能な,妖しげな美である。作中でアッシェンバッハは古代ギリシアから大量のモティーフを用いてタッジオを形容しているが,その中で私が真っ先に連想したのはヒュアキントスである。というよりも,完全にジャン・ブロックの《アポロンとヒュアキントス》が頭に浮かんだ。本書の表現は極めて衒学的であるが,わかる分に関しては非常に成功していると思う。それにしても,これだけ美少年の表現があるあたり,さすがは古代ギリシアだよなぁと変なところで感心した。

初老のアッシェンバッハが,美少年タッジオに夢中になることについては,そのことが周囲にばれているわけではないし,ばれなかったおかげで死後もその名誉が保たれたことははっきりと明示されているので,スキャンダル的ではないと感じた。これを堕落と言ってしまえるか否かについては,前述の美と性の問題がつきまとうだろう。アッシェンバッハにショタ的な感情が強かったとするなら,堕落と言えるかもしれないし,私は割りと強かったのではないかなと読んだ。だから,これは堕落であると思う。ただし,アッシェンバッハ自身はこれを純粋なる美だと思い込み続けるところはおもしろいし,その芸術論自体もおもしろい。

こうなると,『魔の山』に手を出すかどうかが悩みどころである。この文体に長編で付き合うのはしんどいような気もするし,一方魅力的でもある。ところで,タイトルは定訳なのだから『ヴェニスに死す』でいってほしかった。いっそのこと『ヴェネーディッヒに死す』だったらそれはそれでおもしろかったが。


ヴェネツィアに死す (光文社古典新訳文庫)ヴェネツィアに死す (光文社古典新訳文庫)
著者:トーマス マン
販売元:光文社
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2012年03月20日

無限煉姦 レビュー

ややネタバレ的ではあるが核心的ではないので,あえて隠さずに書いてしまうが,『サガフロンティア』のアセルス編が本作の第一印象であった。この印象はクリアした今でもおおよそ間違っていないと思う。無論エロゲーなのでそれに付随する様々な要素はあるが,少なくとも大筋はアセルス編の通りに物語が展開する。しかし,ぐぐってみても同じ指摘をしている人がかなり少ないのだが,プレイヤー層が全く重なっていないということなのだろうか。「私はアセルス!道を開けよ!」で感動した人にとっては,とても気持ちのいいシナリオになっている。

その他,シナリオ面で褒めるべき点は大いにあるのだが,ネタバレ無しにはどうにも語れないため下段にて。一つだけ言えば,『EXTRAVAGANZA』を先にプレイしておくことを勧める。本作とは大きく関連性がある。


というわけで,シナリオ面以外で触れられることとして。テキストはいつものバンヤー節。淡々とした事実描写が逆に空恐ろしい,というおそらくエロゲー以外で探したほうが類型が多い文体。氏の作品では『EXTRAVAGANZA』に続く女性主人公で,『闇の声』シリーズにも女性主人公がいるし,『MDB』でもしばしば悠香視点に切り替わった。この文体でこのシナリオ傾向ならば,女性主人公のほうがやりやすいのだろう。陵辱シーンも女性主人公のほうが心理描写をしやすい。その点,陵辱する側に感情移入したい人には今ひとつ使いづらいテキストかもしれない。ついでにHシーンの傾向について書いておくと,基本的にはいつものバンヤーな感じの陵辱だが,今回はやや直接的な暴力描写が多かった。大概なんでもおいしくいただける私だが,これとスカだけはいまだもって受け入れられないので少々苦しかった。

グラフィックは立ち絵すばらしい,一枚絵はもう少しがんばれ,といった感じになるだろうか。立ち絵は種類がやや少ないものの必要最低限は満たしており,純粋に高品質。一方,一枚絵は枚数が多く基本的に品質的にもそれほど不満がないのだが,ちょっとわかりづらい構図が多かった他,決定的なこととしてアヘ顔系の表情を描き慣れていないらしき違和感がどうにもぬぐえない。その関係もあって,むしろHシーン以外のCGのほうがよくできてるという……。

音楽は種類が少ないものの一曲一曲は好印象。特にタイトル曲はなぜか荘厳で,始まった当初は違和感があるのだが,シナリオにスケールがあるので,終わってみると結果的には似合っている。ボーカル曲はない。声優さんはまぁ,毎度ながらよく叫んでたなとw。主人公の声については,彼女の精神的な成長の過程でそれぞれ少しずつ声が変わっていたのがとても良かった。演出は普通で可も不可もない。けっこうバトルシーンがあるが,『Fate/stay night』以降一般的になったあの感じ,といえばおおよそ想像はつくだろう。

最後に,タイトルについて。『無限煉姦』はとても良いのだが(本作は煉獄であり連関である),サブタイトルがどうにもセンスに欠ける。これなら無い方が良かった。ついでに書けば,そもそもこの企画がなぜLiquidで立ち上がり,和泉万夜にシナリオのお鉢が回ってきたのかがよくわからない。このシナリオライターだからこそプレイした層はおそらく多い。しかし,私は割りと早めに気づいたのでその宣伝過程も割りと追ってきたつもりだが,宣伝もそこで強調・工夫したところはあまりなく,ただ「うちには珍しい大ボリュームでこの作品にかけている」という雰囲気を漂わせているという感じがした。タイトルとサブタイトルのミスマッチ感といい,コンセプトの段階でやや迷走したか,こうした作品の売り方にLiquidの側が慣れてなかったか,という邪推をどうしてもしてしまう。


以下ネタバレ。
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2012年03月16日

アクマイト光線のことはもう忘れてあげるべき

・日本国憲法に勤労の義務が入った経緯(Kousyoublog )
→ 「国家主義的なボランティアリズムと左翼社会主義の合体」が悪魔合体過ぎてやばい。完全に旧時代の遺物である。
→ より具体的に言えば,兵役のバーターとして,また国力の水準が軍事力から経済力へと切り替える目的として,そして勤労(経済力)が国家への貢献であるという規定として,勤労の義務が作られた,と。極右も極左も国家主義という点では共通するからなぁ。
→ 完全に要らないので,改正で削除で。


・「モバゲーアイマス」は壁を越えたのか?(未来私考)
→ どうなるのかなと思ってたけど,アケマス・DLC・二次創作それぞれの文脈がうまいこと乗っかった感じ。特に二次創作が盛んであったからこそ,あれだけ薄味の設定でも盛り上がっているのだと思う。ここを指摘したのは慧眼。バンナムはここまで読んでたのかなー,というのが傍から見ていた感想である。


・【第1回】「初音ミク」ブームに火を付けたのは、誰?(その2) (UPLPのニコ動文化論研究室)
→ 組曲ブームまで含めて同じ認識。動画に至る導線は,確実に変化・多様化している。以前のような村社会・意識は今のニコニコには薄い。端から端まで,流行しているものが全部わかる人というのは減ってると思う。
→ ランキング文化がちょっと廃れつつあるのは,完全に懐古ながら寂しい。古参民として総合ランキングは必ず目を通すようにしている。週刊ニコランも必ず見ている。でも,正直やってみた界隈は流行についていけなくなっている。ニコ生界隈に至ってはさっぱりわからない。

・ステルスマーケティングで道具屋を逮捕 国内初(虚構新聞)
→ ステルスの意味が違う,という直球のツッコミ。もしくは,「この記事のせいでドラクエ2をやりたくなった」というツッコミ。
→ なお,逮捕されたデビット・マニング氏はこんな人。元ネタはあるが,実在はしない。


・【これはひどい】Twitterで繰り広げられるステマの決定的な証拠(togetter)
→ さらにステマの揶揄ネタ。全くステルスしてないステマ。愉快な大人たちである。こういう大人になりたい。
→ ブコメで「実は金麦のステマ」というのがあった。その発想はなかった。
→ 感動的だな。だが無意味だ。(本当に)


・チャオズ「さよなら天さん」までの道のり。なぜ自分でやろうとしない(雑学ハック)
→ チャオズが「ついてこれな」くなったのは慢心,環境の違い説。その発想はなかった。
→ 確かに初登場の頃はむしろ実力上位のキャラであったが,だんだんいろものに。これは初期のドラゴンボールが能力ものであったのに対し,次第にインフレパワーバトル化していった影響もあると思う。似たような被害者として槍玉にあげられるのが,しばしばドラゴンボール最強説が唱えられるアックマンである。完全に能力物時代の遺物だわなぁ。
→ それはそれとして,この説明はおもしろい。実際慢心とは言わなくても,彼の扱いがどんどんぞんざいになっていったことは明確によくわかる。続きがとても気になる記事である。

  
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2012年03月15日

妖精連中まず生殖するのかどうか

・「中世ファンタジー、と見せかけて科学が発達しすぎて一度文明が滅んだ後の遠未来を描いた作品」まとめ (it’s an endless world. )
→ 実は大分古い記事なんだけど。こういう設定が許されるのは,古代ローマ帝国の滅亡という実例があるからじゃないか,と考えたことはある。
→ 以下,ネタバレ注意。見たこと・やったことがあるものというと,『風の谷のナウシカ』,『トリニティ・ブラッド』,『Final Fantasy 10』,『うたわれるもの』,『サガ・フロンティア』,『吸血鬼ハンターD』くらい。『うたわれ』はできよかったな。『トリブラ』懐かしい。FFは5もそうかも。
→ 『ナウシカ』と『サガフロ』は厳密には滅んでないので,違うかもしれない。サガフロなんかは近未来技術ガンガンに使ってるし。
→ 『サガフロ』が該当するなら,『ギャラクシーエンジェル』は該当するか(滅んではいるけど,再生した文明も発達した超科学文明)。『クロノトリガー』は微妙なところ。発達していたのは魔法文明なので,科学ではないとすると外れる。
→ 『封神演義』は違うような。むしろ隠れていく超古代文明の話をしているわけで。



・展覧会カタログ所蔵数は日本一、国立新美術館、開館5周年で新たな発信を開始 (広報会議 | AdverTimes(アドタイ))
→ 国立新美術館は常設展がないので,こういうところでがんばってほしい。
→ 建ったときには正直無駄なものを,と思っていたが,こういう文化行政全体を側面からサポートするために常設展がないのだとしたら,それはそれでありだと思うし,そういう活動をしている雰囲気はここ最近ある。
→ あとは,今年都美が復活してどうバランスをとっていくかかなー。


・ボストン糖蜜災害(Wikipedia)
→ 茶会事件の呪いとしか思えない。でもそれはねーよ>「ボストンの住民は今でも糖蜜の匂いがすると主張している」
→ 自分も大概な甘党だけど,この死に方は勘弁願いたい。


・子育てに失敗しそうな東方キャラ(2ch東方スレ観測所)
→ 妄想のふくらむ話。以下,一切根拠のない妄想。
→ 子育ての中で案外成長しそうなキャラはいる。普通に大丈夫そうなのがアリス・咲夜・永琳・早苗。無論,昨夜・永琳あたりはまっとうな倫理観を持ってないわけだが,それでも子供はちゃんと育てそう。やってくうちに大人になってきそうなのが霊夢・魔理沙・妖夢。もともとがしっかりしているので。
→ レミリアは結局咲夜が育てることに。長じれば仲良くなるんじゃないかな。むしろ娘のほうがしっかりしたりしそうだ。紫様は藍を見てる限りちょっと不安。ゆゆ様はさらに不安。かぐやはもっと不安。


・ラーメン屋の大盛りメニュー覇者番付の中に西行寺幽々子がいる件(2ch東方スレ観測所)
→ 何の違和感もない(キリッ
→ そろそろゆゆ様と貴音の直接対決をですね(アイマス脳 。大食いキャラかわいいよね。
  
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2012年03月14日

第207回『十字軍物語3』塩野七生著,新潮社

2巻の感想に書いた通り,3巻では十字軍の残り全部,つまり第三次十字軍から最後の第八次十字軍まで扱っている。そのため,非常にせわしない構成になっている。しかも,第三次十字軍に大きく焦点が当たっているため,第四次以降はかなりの部分で事実の羅列に近いものがあり,塩野七生らしからぬ淡々とした描写と言える。

しばしば言われることだが,「塩野七生はリチャード獅子心王とサラディンを描き終わったところで満足したから残りは手抜き」というのは,半分正解で半分誤りであると思う。なぜなら,第四次十字軍・第六次十字軍については彼女が好きな人物が登場しているからだ(エンリコ・ダンドロとフリードリヒ2世)。にもかかわらず,これらの十字軍についての描写が簡素なのは,以前に著述が終わっているからである。第四次十字軍は『海の都の物語』で,第六次十字軍は『ルネサンスとは何であったのか』で十分に書いてしまっているので,今更言及する意味をあまり見いだせなかったのであろう。それでも第四次のほうが言及が多いのは,それだけエンリコ・ダンドロを愛しているというのもあるだろうが,『海の都』を書いたのが30年前で,まだしも振り返る気力が湧いたのだと思う。『ルネサンス』のほうは刊行が2001年で,文庫化に至っては2008年である。まだ『ローマ亡き後の地中海世界』を執筆中の時期であり,それだけ最近のことを再び書くのはそれなりに苦痛だったのではないか。

第五次十字軍については,そもそも書くことがそれほどない。高校世界史ではスルーされる,したがって以後番号が1つずつずれ,フリードリヒ2世のものが第五次,ルイ9世のものが第六・七次ということになる。ゆえに,彼女が本当に書く気がなかったのは,ルイ9世についてであろう。しかし,それにしても本書のフランス王に対する扱いがひどい。フィリップ2世もルイ9世も随分と辛辣に書かれている。まあ,彼女がキャラ萌えで歴史を描くのは周知のことで,我々もそれが好きだから塩野七生を読み続けているのであるから,それ自体をどうこう言うつもりはない。また,それで鵜呑みに仕切らない義務はある程度読者の側にあるものであろう。本書に対するカウンターとしては,新書ではあるが佐藤賢一の『カペー朝』を挙げておく。

とはいえ,本書の核がリチャード獅子心王にあることは間違いなく,極めて魅力的な人物として描かれていた。特に,お遊びで騎士に叙したサラディンの甥っ子が,後にフリードリヒ2世と第六次十字軍で相対するアル・カーミルというのは歴史の醍醐味の一つだと思うのだが,これに関する描写は秀逸であった。この人がもう少し長生きしたら,フィリップ2世が英雄となれたかどうかは疑わしい。


が,それでも私自身はフィリップ2世のほうが好きであるし,英雄的であると思う。本書には「フィリップ2世オーギュストと古代ローマのアウグストゥスが似ているのは,長命であったことと戦下手であったこと」とあるが,フィリップ2世はそこまで戦下手ではない。というよりも,ブーヴィーヌの戦いでは同数かそれ以上の兵数の神聖ローマ帝国軍に大勝している。ぶっちゃけて言えば,呂布や関羽と正面から戦ったら誰だって勝てないが,より英雄的なのは曹操であるというのと同じではないかと思う。また,フィリップ2世の業績のものの最大は,封建制を脱して国王の代官を派遣し,加えて中央政府にも改革を加えて官僚制を推進したことであり,これがその後のフランス王権強化を決定的とした。

ルイ9世についても,彼は単純な狂信だけで十字軍を起こしたわけではない点を擁護しておく必要があろう。彼とてカペー朝の君主として王権の伸長に興味がなかったわけではない。本書では内政は善政,外政はズタズタという書かれ方をしているが正確ではない。両シチリア王国をホーエンシュタウフェン朝から分捕ってシャルル・ダンジューに預け,第四次十字軍でフランス系封建諸侯が支配することになったビザンツ帝国やヴェネツィアとも連携してあわせて地中海に影響力を及ぼしている。さらにモンゴルへはウィリアム・ルブルックを派遣してイスラームへの挟撃を呼びかけるなど,ある種先代のフィリップ2世を継ぐような斬新さ・周到さを見せている。それでも彼の十字軍が失敗したのはひとえに彼の軍事的無能さとしか評価しようがないのではあるが,総合的に見れば決して無能とは言えない。

それにも関連するが,398ページにモンゴル帝国の勢力圏の地図が掲載されているが,これの時代と出典がわからない。最盛期だとしても,インドにも網掛けが入っているが,モンゴルのインド侵入はデリー・スルタン朝の激しい反撃にあって失敗しているから勢力圏とは言えない。同様にノヴゴロド攻撃にも失敗しているので北ロシアは塗れないはずである。逆に,短期間とはいえ侵攻に成功してパガン朝を崩壊させたビルマは塗られていない等,不可解な点の多い地図である。また,402ページでマムルーク朝について「日本では奴隷王朝と訳される」としているが,これは誤り。日本では普通,インドのデリー・スルタン朝の最初を奴隷王朝と訳し,エジプトの方は訳さずにマムルーク朝と呼ぶのが慣例である。このあたりの誤りからして,モンゴルに関してはあまり調べてないんじゃないかという雰囲気がする。


十字軍物語〈3〉十字軍物語〈3〉
著者:塩野 七生
販売元:新潮社
(2011-12)
販売元:Amazon.co.jp
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2012年03月12日

第206回『悪霊』(3)ドストエフスキー著,亀山郁夫訳,光文社古典新訳文庫

1・2巻についてはこちら。3巻も読み終えたので,その部分も含めた話をしたい。

1・2巻のところで書いた通り,2巻末から本書の雰囲気は「狂騒」としか言いようがない状態に陥っていく。これ自体がテロリズムを考える政治結社の企みであるのだが,この政治結社の内部では個人の思想の違いから結束力に欠け,今後の計画に支障をきたす恐れもあった。そこで指導者であるピョートルは,スタヴローギンのアドバイス通り「一人殺して秘密を共有し結束力を強化する=血の縛り」を実行に移す。この陰惨な殺人事件と,その発覚過程が3巻のハイライトになるわけだが,一方で町は狂騒状態を極めていく。一方で,殺人事件の描写はいやに冷めているのである。そしてこの殺人事件の発覚と犯人集団の逮捕が,町を襲って狂騒となしたいくつものスキャンダルの原因を暴くことになり,皮肉にも町の狂騒を鎮めていくという結果となった。

無論のことながら,ドストエフスキーの『悪霊』におけるテーマは政治的テロリズムの馬鹿らしさとその結社のおぞましさの描写にある。しかし,描写上の,文章技法上の焦点としては,この町の狂騒と,いやに冷めた殺人事件の二重の推移にあったのではないかと思う。この全く正反対の雰囲気が全くの同時並行で進んでいくのは見事である。かつ,この二つの雰囲気が違和感なく次第に混ざり合っていき,それが事件の解決という文章の内容にも影響していく感覚は,さすがはドストエフスキーとしか言えない文章の冴えである。


一方,私がいまひとつこの『悪霊』を手放しで褒め称えることができず,長編では『カラマーゾフ』・『罪と罰』の3番手としか評価できないのには別の理由がある。それは端的に言って,ドストエフスキーにしてはテーマの描写に引きずられすぎていて,登場人物の描写に深みが感じられなかったことだ。ドストエフスキーが実在の事件に範をとること自体は珍しくない,というよりもこの点は『カラマーゾフ』も全く同じはずである。しかし,今回は極左サークルの内ゲバ事件が着想であり,ほぼ全く同じ事件を作中で引き起こしている。それは前述の通り,こうした結社で起こる内ゲバのおぞましさの描写が,本書の第一の目的であったからだ。

また,実のところ,本書は町一つを舞台としているため,一家の事件である『カラマーゾフ』や,個人の殺人事件である『罪と罰』に比べれば舞台は広いはずなのだ。しかし,サークルのメンバーという閉じた集団と,ステパン・ヴェルホヴェンスキーからユーリヤ夫人まで含む町の上流階級の集まりの,大雑把に分ければ二箇所しか移動がない。しかも,思い返してみるとこの二箇所を移動するのはピョートルとスタヴローギンの二人しかいない(一応レビャートキンも両方の集団に顔を出すが)。だからこそ,この2つをお話の上で結びつけるべくピョートルが2巻で八面六臂の活躍をしたわけだ。これ自体は成功していたように思う。が,その結果ピョートルのキャラだけがやけに目立ち,他の面々の描写が少々薄かったのではないか。

特にスタヴローギンは今ひとつ何をやりたかったのか,終始わからなかった。何がやりたかったというと語弊があるが,行動の指針的なものが見えないまま,(ネタバレ)いつの間にかダーシャに振られて自殺していた,というのが正直な感想である。彼については,あとがきで訳者が「有能」「神の如き」としきりに書いているのだが,全くそんな感触がない。解説をしっかり読むと,彼が暗躍していたことはよくわかったのだが,「暗躍」すぎてわかりづらかった。読解力不足と言われればそこまでだが……読み落としも含め,結局どこまでが彼らの計画でどこからが偶然の事件だったのかいまひとつ判別がつかない。ぐぐってみたが,けっこう同じ感想の人がいて少し安心した。「スタヴローギンを悪の権化だと思って読むと間違う」という人もいて,割りと納得しないでもない。というよりも,私個人の倫理観で言えば,スタヴローギンの「暗躍」は特に罪があるとはあまり……「チーホンのもとで」の告白はおいておくとして。

他の登場人物では,それでも上流階級側については1巻で紙面が割かれていたから,それなりに掘り下げがあった。ユーリヤ夫人の功名心やレンプケーの情けなさ,ワルワーラ夫人とヴェルホヴェンスキー氏の不思議な友情関係など,見所は多い。つまり,問題は反対側,「五人組」の面々である。ピョートルは当然キャラが立っていたとして,残りの面々がどうも判別がつきづらいまま殺人事件の場に至ってしまった。むしろ,彼らの殺人事件に対するかかわり方・振る舞いで判別できるようになったくらいだ。実は,読了した今でもリプーチンとリャームシンあたりが混ざる。

私自身,強い政治的保守主義で反革命派なので,ドストエフスキーの土壌主義には必ずしも賛同しないまでも,本書で描かれた暴力革命を目指す政治結社のおぞましさには共感するところがある。が,わかりきっているからこそ別の所に注目して読んだのがまずかったのか,結果として登場人物の掘り下げにだけ注目しすぎて読んだのがまずかったのか。それとも,そもそもの話,教唆に関する倫理観の著者との違いが乗りきれなかった原因か。「敗因」はこのあたりかと自己分析しておく。そこらへんを気をつけて読めば,おもしろく読めると思う。あと,本当にどうでもいいけどまた足の悪い女と聖書出てきたので,長編全部に出てくるのか期待して,いつか『白痴』に挑みたい。


悪霊 3 (光文社古典新訳文庫)悪霊 3 (光文社古典新訳文庫)
著者:フョードル・ミハイロヴィチ ドストエフスキー
販売元:光文社
(2011-12-08)
販売元:Amazon.co.jp
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2012年03月11日

萌えは呪い

前回。書くべきことはいろいろあるが,ひとまずエロゲの進捗状況から片付けていく。

・ワールドエンドエコノミカEp.1 → クリア済,レビュー済。Ep2もやります。
・white&ちょこファン → クリア済,レビュー済。ちょこファンについては何もレビューしてなかったのでここで。whiteプレイヤーが必ずやっておくべきかと言われるとなんとも言えない。おまけHと委員長ルートは中身がないし,妹補完編は本当に補完編でしかなく,しいて言ってカナン補完編と姉妹補完編は本編に入れとけよとは思うが無ければ無いでも,というくらい。コットンソフト伝統らしい「落ちゲー」は意外とおもしろくて結局全難易度でクリアしてしまったが,そこまで1時間程度の難易度という,ところ。
・世界征服彼女 → クリア済,熱く語ったレビュー済。現在WWLプレイ中。ネブプラスは買ってきた。
・無限煉姦 → クリア済,レビュー執筆中,近日中には公開したい。

・WWL → 世界征服彼女FD。短いらしいので勢いでやってしまおうかと。
・ネブプラス → Navelの短篇集。これも(値段的に)見るからに短いのでさっさとやってしまいたい。
・WhiteAlbum2 → 未インストール。WWLとネブプラスが終わったらいよいよ手を付けられる……がまほよまでに終わるかが不安。
・魔法使いの夜 → なんかマジで4/12に出るっぽくて驚いている。発売直後にできるかはWA2次第。


さて,本当にいよいよ『まほよ』の先を考えなければいけない時期に来ているわけだが,おそらく6月は仕事が忙しいので,『まほよ』の長さ次第では一旦休憩になるのではないかと思う。余裕があるなら,短い『美少女万華鏡』を中古で拾ってくるか,『マジ恋』に手をつけるか,くらい。『ドラクリオット』はどう見てもヴァンパイアバンドです本当にryとか言いつつも吸血鬼萌えの呪いにかかっているので買いそうで怖い。最大の問題はサブキャラのロリババァが一番かわいいので攻略できない苦しみを抱えることになりそうな。どうせtwitter上の何人かが買うっぽいので,ひとまずは様子見ということで。最後に『百合霊さん』。これも報告待ちかなぁ。評判が良ければ『まほよ』のあとくらいにがんばります。
  
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2012年03月08日

受験世界史悪問・難問・奇問集 ver.2012 その2(早稲田大)

昨日の続き。本日は早稲田大。昨年度は日程的にも悪問的にも社会科学部がラスボスであったが,今年の社学は随分と丸くなり,とてもつまらない受験生にとっては良かったのではないかと思う。今年のワーストは商学部であった。

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2012年03月07日

受験世界史悪問・難問・奇問集 ver.2012 その1(上智大・慶應大)

書籍版ができました!この年度も収録しています。


・序
1990年代の大学入試が加熱していた頃より,難関私大の社会科(地歴公民)は悪問が多いと言われていた。そして一時期には大手予備校が中心となって非難したこともあったが,近年ではあまり騒がれなくなった。では,悪問が減ったのか?というと全くそうではなく,単純に世間が興味を失っただけではないかと思う。私は,非難の再燃まで狙っているわけではないにせよ,いまだもって悪問が跳梁跋扈しているという現状については誰かしらが記録に書き留めておくべきではないか。しかし,検索してみたところ意外にもそういったサイトが簡単には見つからなかっため,私がここにまとめてみようと思う。

なぜ出題ミスや悪問が許されないかと言えば,端的に言って公正さを欠くからである。より具体的に言えば受験生の努力を無に帰す行為である。また,これが私が最も腹を立てている原因なのであるが,多くの悪問は知的怠惰と傲慢さから生じているものであり避けがたい人為的ミスではない。ここは非常に重要なところで,前者と後者には天と地ほど開きがある。作題者も人間であるから,どれだけ注意をしていてもミスを起こすことはある。そのためにクロスチェックをするであろうが,複数の人間が見落とすことも稀にある。そういった場合には謙虚に謝罪し,その問題については受験者全員正解という措置をとれば,ある程度責任は軽くなる話なのである。少なくとも私はなんら糾弾しないし,私自身しばしば誤字脱字を起こすのでむしろ同情したくなる。

ところが,多くの場合はそうではない。明らかに課すべき出題範囲を把握しておらず,クロスチェックも通さず独りよがりに問題を組み,しかもミスを出したところで「グレーゾーンだから」として謝らない。はっきりと言ってしまえば教育研究機関としてあるまじき態度であり,知的怠惰と傲慢と言われても仕方がない。しかし,その実態は案外と知られていないのではないか。センセーショナルに一部のド級の悪問だけが騒がれ,それ以外は無視されているのではないか。

……という仰々しいのが大体の建て前で,本音が単なる収集癖である。


・収録の基準と分類
悪問というものを考えるとき,反対に言って良問・標準的な問題とは何だろうか。私は以下のように定義する。そしてここから外れたものを悪問として扱う。

・世界史という科目の都合上,歴史的な事象ないしそれに関連する地名を問うもの。
・大学入試という形式上,最低限どれかしらの高校生向け検定教科書に記載がある内容を範囲とするもの。これを逸脱するものは完全なルール違反である。
・また,現実的に考えて受験生が販路の限られた教科書の全種類に触れることは不可能であり他科目への圧迫となるため,可能な限り半分以上の教科書に記載がある内容を範囲とするもの。
・歴史的知識及び一般常識から,「明確に」判断を下せるもの。作題者の心情を読み取るものは世界史の問題ではなく,現代文の試験としても悪問である。

以上の条件から外れたものを,全て悪問として集計すると,早慶上智に限ったとしても,まだなお数が多すぎて私がパンクしてしまう。また,記事として煩雑になりかねない。よって,まず対象を特にひどい上智大・早稲田大・慶應大に限定し,さらにここからさらに厳しい条件を課しつつ以下のように分類してリストアップすることとした。

出題ミス:どこをどうあがいても言い訳できない問題。解答不能,もしくは複数回答が認められるもの。
悪問:厳格に言えば出題ミスとみなしうる,国語的にしか解答が出せない問題。
奇問:出題の意図が見えない,ないし意図は見えるが空回りしている問題。主に,歴史的知識及び一般常識から解答が導き出せないもの。
難問:一応歴史の問題ではあるが,受験世界史の範囲を大きく逸脱し,一般の受験生には根拠ある解答がまったく不可能な問題。

端的に言えば,「正答そのものが明白な難問(受験世界史範囲外)にあたるが,他の選択肢が受験世界史範囲内であるために一般の受験生が解答可能」というものは,ここではリストアップしないものとした。そうして厳選して残ったのが約40問になる。今回は上智大・慶應大について掲載する(早稲田大はこちら)。

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2012年03月06日

陶磁器とメディア芸術祭

白磁刻花蓮花文洗サントリー美術館の大阪市立東洋陶磁器美術館展と,新美術館の文化庁メディア芸術祭に行ってきた。

サントリーのほうから。ぼちぼち混んでてちょっと驚いたが,むしろ日曜日の昼間ならこれくらい混んでないと困るか。まあいつもの陶磁器展と基本的には同じであるが,さすがに質が高かった。借りてきた元が元なだけあって,中国・朝鮮の陶磁器が中心。国宝が2点来ていたが,個人的には断然油滴天目茶碗である。見るのは1年ぶり2度目だが,何度見てもいいものだ。おうちつれてかえりたい。しかし,今回じっくりと見てわかったことだが,少し傾いていて形としては均整ではない。これをどうとるかは個人差があると思うが,油滴天目に関して言えば均整な方が美しいなと思った。まあ,しいて言うならの欠点かな。

他の展示は青磁と白磁,それ以外のバランスがよく,いろいろとまんべんなく見ることが出来た気がする。一番心に残ったのは白磁刻花蓮花文洗(今回の画像)。画像だとわかりづらいが,実物を見るとあまりの薄さに驚く。それが曇りない純白の表面が,さらに透き通るような美しさを強調させる。磁器は実際に透光性があるが,決して透明ではなく,その観点ではむしろどっしりとそこに実体が感じられる。このアンバランスさは陶器や青磁にはない,白磁の良さだと思うし,染付や赤絵など装飾がしっかりしているものでも不可能だ。

なお,話題の渦中にある大阪市が運営する東洋陶磁器美術館からの借り物である。大阪市の文化行政にはいろいろ言いたいことはある。文化は継続性なのだからむやみやたらと削るなだとか,収益があげればいいってもんじゃねーぞとか,自分の理解出来ないものは無価値という発想は為政者としてよくないだとか。その中で,近代美術館構想白紙はまあ評価しないでもない。あれは一種,文化行政の暗部であると思う。その中で,東洋陶磁器美術館だけは手を加えないでそっとしておいて欲しい。いや,拡充できるなら拡充して欲しいが,それは無理というものだろう。中之島から追い出されたら私は全力でキレる。


さて,文化庁メディア芸術祭である。それなりにぼちぼち見ていたんだが,ブログに一回も記録に残しておらず自分で驚いた。確かに昨年は書いた記憶がないが,それより前は何かしら記録してたような気がしてたんだが,記憶違いか幻か。まあ今回に限って言えばアニメーション部門の大賞に引きずられて積極的に見に行った,というのを否定すると嘘になる。

しかし,仕事が忙しすぎてこういう気合を入れたい年に限って最終日まで行けなかった。イベントも全部すっとばし,まあ展示だけ見て帰ろうかという感じ。まどマギブースは大賞にしては小さかったが,メディア芸術祭の中ならあんなもんかなとも。まどマギは独自で展示イベントやっているので,こちらに力を入れる場合ではなかったのだろう。もしくは,ベンツに金がかかりすぎたか(あの金銭関係がどうなってるのか知らないけど),もしくはイベント多めにしてもらったのでバランスをとってブースは小さくしたか。まあいずれにせよ想像の域は出ない。他の所では,ゲームのハードをまたぐものはおもしろかった。

最後にまあ,撮ってきたまどマギカーでも。実はすっかり存在を忘れていてデジカメを持っていかず,携帯のカメラになってしまったことは悔やまれる。私以外にもぼちぼち人がいて写真を撮っていた。明らかにオタクっぽくない人も多く,本当に知名度高いんだなと。

201203041714000
  
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2012年03月05日

非ニコマス定期消化 2011.12月上旬〜12月下旬



世界初の近代的共和制国家,アメリカ合衆国で最初の最後の皇帝ノートン1世。歴史クラスタではけっこう有名な方。そういえばこういう紹介Flashあったなということで発掘。



何の習性でこうなったのかはわからんけど(餌だと思ってるんだろうな),とてもかわいい。



FF8プレイヤーなら多分誰でも知ってる「超究武神破拳」だけで,TASさんがオメガウェポン撃破に挑戦。実際のところ,倒すだけなら人間でもできるわけだが,この場合オメガさんはHPが高いから標的にされただけで,正しくは「超究武神破拳で最大どこまでダメージが出せるか」の挑戦である。途中で(というか半分いかず)オメガさん死んでるので,後は死体を殴ってる動画。



実際に12秒にしてみた動画。時間圧縮した結果がこれだよ!



やはりこずえがとんでもなくうまい。



今更ながら裏表ラバーズを聞いている。これはけっこうリピートして聞いている「歌ってみた」。両声類的な表現は横に置いといても,これは魅力ある声と歌。



ゆかれいむは俺のロードな人。百合カップリングで片方が2人になってたらそりゃテンション上がりますよ。俺の。



影絵の動画のほうをいじるのではなく,音楽を差し替えてみたほうの改変。曲のつなぎがよくできている。さりげなく投稿者コメントによるコメントアートも相当すごい。




とうとう10分を切った。バグの嵐となり,ラスボス以外のボスが一体も死なない等,スーパーマリオワールドのTASもどこぞのRPGのごとく別ゲーになってきた感がある。
  
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2012年03月04日

そりゃ物理的に死ぬよな>横槍

・友達が横槍を入れられて死んだ(暇人速報)
→ 比喩をそのまま読むとえらいことになるというネタ自体は昔からよくあるが,うまい。
→ 「おれの友達は酒に溺れて死んだぞ」それ一周回ってギャグになってないw
→ >>57の「俺の友達は難問に背筋が凍って解凍出来ずに死んだ」が掛け言葉になっててうまい。


・いち早く70%〜80%程度の完成度で人に見せられるものを作ることがいかに重要か、という話(肉とご飯と甘いもの)
→ 異常なブクマ数。だが言っていることはすごく納得する。「「プロ」か「アマチュア」か、というのはこの際どうでも良くて、この図の、上の曲線が、目指すべきところだなって話」という前提で賛同できる。
→ 大枠を早めに作って,他人のチェックを入れるに越したことはない。しかも,100%付近のクオリティアップはかけた労力の割に見返りが少ないので。
→ 別の方の指摘にあるが,確かにこれは100%の完成が難しいもの中心の話ではあって,100点じゃないと納品できないものについてはまた話が別かもしれない。




→ 統制され具合が怖い。
→ 東はもっと面白そうだけど,やるとしたら国際展示場内部からしか撮影できないな。
→ 「モラル云々はさておき「並んでからはスタッフに従って速やかに入るのが自分にとって一番の利益」という意識は徹底されてると思う。」というブコメはその通りかと。実際,列から外れていいことは何もない。
→ ニコニコ動画版は時刻入り。


・歴史に残るエロゲのHシーン名台詞(あしたがみえない)
→ 歴史というか記憶に残るHシーンはいくつかある。シリアーナドレイと大空寺あゆのアレ,MOON.の高槻あたりは確かに記憶に残っている。水月の那波の「あぁん、孕ませていただこうと思いましたのに」も覚えている。
つよきすのカニは笑った。スクイズの誠が世界をdisりまくるのも別の意味で笑った。
→ 「もっとセックスする!」と「妊娠確実!」は自分ではやってないけど有名すぎて知ってる。
→ ほかに出てないところだと,名台詞というか名シーンだが,『君望』第2章冒頭がいきなり水月とのHシーンだったこと。事故から変わってしまった関係を表すに衝撃的だが効果的なシーンであった。『二重影』の舞のHシーンだけ唯一動画だったことも記憶に残っている。ふたなりにそんな気合入れなくてよろしい。
→ 最近だと,俺つばの柳木原フレイムバーズと,世界征服彼女の万歳三唱。執念で笑い取りに来てるよねアレ。


・ツイートが捏造され2ちゃんねるで晒された(Hagex-day.info)
→ ひどい話。これをやられると完全な無実潔白を証明するのが困難,ないし不可能。というか自分には全く証明の方法がわからない。  
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2012年03月03日

私的メーカー別ベストエロゲ

・私的メーカー別ベストエロゲ(ここにいないのは)

追随して書いてみる。3作品以上プレイしているメーカーに限定。画像引用のためamazonを利用。コメントは適当に短めで。

一応18禁画像だから折りたたむ。

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2012年03月02日

犬の幅広さはすごいと思う

・NHK紅白・レディー・ガガの歌詞字幕について(どこへさんぽ・なにをさんぽ)
・NHKのレディ・ガガの字幕翻訳は隠蔽の意図とか以前の問題かな?(Commentarius Saevus )
・NHK紅白のガガの「翻訳ミス」について(Meine Sache 〜マイネ・ザッヘ〜 )
→ ネット界隈の一部,英語クラスタとセクシャルマイノリティクラスタを騒がせた,紅白歌合戦のレディーガガの"Born this way"翻訳問題について。
→ 紅白は見てなかったので完全な後追いだが,論点がいくつかあっておもしろかった。実際のところ,字幕字数の問題と,慣れていない歌詞の翻訳が重なっただけで,NHKに政治的意図はなかったと思われる。民放に比べて字数制限が厳しいのはしんどい。
→ にしても,民族と国籍の混同はひどいなぁ。いや,障害と困難の混同も,性的指向と性的嗜好のミスもひどいか。なんつったって俺がわかるレベルなんだもの。そういう意味ではdrag queenも俺だって知ってる語彙なわけだから,うん,全部ひどいわ。慣れてなかった分野にしてもこのミスはないわ。
→ レディーガガの真意が伝わらなかったとするととてももったいない話で,そこはあらかじめわかってたんだから,ちゃんと得意な人を当てるべきであったというのは,いくら批判してもしたりない。
→ 「結局、なぜガガなのか・彼女の良さはどこにあるのかを理解していない、コンセプトの全く無い作りの今回の紅白という呆れに尽きる」というブコメが的を射ている。


・どうもごく少数派(dongfang99の日記)
→ 1年半前の記事ながら,共感する。
→ 社会保障が薄いがゆえに,適正な自由経済にならず,ゾンビ企業が生き残り,生産効率が低下するという悪循環。やはりどこかで社会保障を厚くするしかあるまい。
→ こうしたことは本来左派ではなく右派から出てくるべき論理なのだが,見当たらない,という話。


・【画像あり】ゴールデンレトリーバーとチワワが交尾するとどうなるのか (暇人速報)
→ 昔見たコピペで「犬はどんな犬種同士でも生殖行為が可能なので同種。人間も一緒,肌の色では「種族は違わない」から人種差別は不適当」というのがあったが,犬の場合は人間なんかとは比べものにならないほど犬種差が激しいので,こう現実を見せられるとけっこう驚く。
→ コーギーの遺伝子強すぎやろ……ラブラドールとコーギーの雑種に涙が。
→ プードルとレトリバーの雑種の見事な混ざり具合にちょっと感動した。これはかわいい。


・ミルクから作る、金色の甘ーいお酒のレシピ(ギズモード・ジャパン)
→ 作るのが割と手間だけど,これは確かにおいしそうに見える。一回飲んでみたい。
→ 動画ではこんな感じ。
  
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2012年03月01日

第9回東方シリーズ人気投票分析(音楽部門・投票者アンケート)

結果を再度はっておく。
前記事の総評・キャラ部門はこちら。
あと,神主結婚おめでとうございます。

・音楽部門
セプテットが文字通り鬼のような強さで3連覇。オーエンが2位に入り込み,キャラ投票とともにスカーレット姉妹の躍進が目立った。ただし,キャラほど紅魔郷と他作品の差が見られない,というよりも実際には1・2位が独占されているだけで,平均的にはおそらく風神録のほうが高い。音楽部門は,キャラ人気に引きずられがちな面とキャラ人気からは独立している面の両面があるが,ここらへんの分析は私の手には余るので,『東方コミュニティ白書2011』のほうで詳細に分析されているからそちらをご覧頂きたい。

音楽部門は変動が少なく,あまり語るべきことがない。トップ10は『神々が恋した幻想郷』が入って『ネイティブフェイス』が外れただけ。『神々が恋した幻想郷』が5位に上がったのは少し驚いたが,あの曲は曲自体のすばらしさもさることながら,『童祭』に続く第2の神主のテーマになりつつあるようなところはあると思う。神主のテーマというか,東方全体のテーマか。『ネイティブフェイス』は少し大きく下がったけど原因はよくわからない。しいて言えば,アレンジ人気が下がった感はある。

神霊廟一番人気は『デザイアドライブ』。4面,それも道中曲ということを考えれば大健闘だろう。似たような事例では今回12位の『上海紅茶館』がある。ただし,『古きユアンシュン』も人気が高く,青蛾の人気に引きずられているところはある。青蛾自身の人気は衰えそうに見えないが,曲はどうなるか,次回以降に注目したい。逆に,本人からはやや乖離して人気が高いのが『聖徳伝説』で,6ボスの意地を見せたともいえよう。一方,他の曲は全体として苦戦しており,曲部門でも神霊廟が埋もれがちなのが若干気になる。

作品別に見ると前述の通り風神録の人気が高い。トップ10にいるのは『神々が恋した幻想郷』だけだが,30位以内に6つ,50位以内では12曲と,どうも作品内で人気が分散しているため一曲に集中していない雰囲気がある。ちなみに他作品では50位以内に紅:5,妖:5,永:5,地:6,星:3,神:4と若干星蓮船の苦戦が見えるものの,風神録以外は大差ない感じ。一般に妖々夢・永夜抄は曲人気が高いと言われているが,こと人気投票だけ見るとそれは幻想であり,この傾向は人気投票開始からなんら変わっておらず,上位に入る曲数は他作品とさして大差がない。にもかかわらずこのようなイメージがあり,かつ投票者アンケートを見ても風神録→妖々夢→紅魔郷→永夜抄と並ぶのは,妖々夢と永夜抄はどの曲がというより全体として評価されていると考えられる。特に,この2作品は作中での曲の使われ方が特徴的で,インパクトが強いのではないか。

細かい所では『魔法少女達の百年祭』が急上昇しているが(80→59),原因は不明。


・投票者アンケート
総評でも書いたが,今回最も特筆すべきはキャラ部門ベースで投票数が大きく増加したということだ。いわゆる「新参」が増えたのか?ということを考える上での材料はいくつかある。まず,要素として最も大きいのが,増加したのはキャラ部門のみで音楽部門はそれほど増えておらず,投票者アンケートに至っては微減という状況である。つまり,キャラ部門だけ投票して残りは投票しなかった層が,増加分だけ見ればおそらく非常に大きい。これを踏まえた上でアンケートの結果を見ると,平均年齢が前々回(7回)は21.53歳,前回(8回)は21.77歳。今回(9回)は22.20歳なので,0.43歳老けた。界隈が急激に老化しているといわざるをえないが,逆に言って老化しているのは投票者アンケートに答えるような律儀な層であり,キャラ部門だけ投票した層はアンケートに答えてないとすると,実態とはやや乖離した数字かもしれない。

そのせいもあってか,毎回減少し続けているといわれるプレイ作品率が今回は全く下がっていない作品が多い。これはプレイ作品数を見ても同様である。濃いファン層についてはやはり着実に老化しており,普段見ている界隈の落ち着き具合をふまえても,濃い所では東方界隈の成熟化は進んでいると思われる。一方で,ライトユーザーの拡大が決して止まったといいがたいところも恐ろしいところだ。今回,おそらくキャラ部門だけ投票した層が次回どのように動くかは要注目である。

それ以外の部分では,まず女性の割合が増加。前回の約9%から約10%へ。これについては第4回以前ではアンケートなし,第5回は約6%で以後微増を続けていることから,まだまだ女性ファンは増えていくものと見られる。特にニコニコでは女性ファンが多かろう。大雑把に言えばいまだ男女比は9:1からは脱していないが,いつか15%くらいにはなるかもしれない。神霊廟での使用キャラは霊夢が圧倒的。魔理沙は第7回の人気投票にある星蓮船の使用キャラに引き続き低い。早苗は星蓮船に比べてかなり下がった。このあたりはやはり如実にキャラ人気と関係している。もっとも,好きだから使っているのと,使いやすいから使っているのでは理由に大きく差があるので,断定的なことは言えない。

ゲーム性での評価は永夜抄→妖々夢→風神録という並び。その下の並びを見ても,割りと複雑なシステムのほうが好まれている模様。音楽は先程触れた通り,風神録→妖々夢→紅魔郷。キャラ・設定・ストーリーでは妖々夢→紅魔郷→永夜抄。これはストーリーのシリアス具合がかかわっていると思う。なぜ永夜抄以降シリアスなストーリーが減ったかについては,比較的最近このブログ上で考察した(「東方projectに関する一推察 特異点・転換点としての永夜抄」)。

  
Posted by dg_law at 12:00Comments(0)TrackBack(0)