2012年07月26日

非ニコマス定期消化 2012.4月上旬〜4月中旬

超組曲集。



しもさんのニコニコ動画有名曲メドレー。組曲・七色・流星群の合体で,ニコニコ超パーティー用に用意されたものの短いバージョンである。ゆえに正式なナンバリングではないものの,古参を中心に喜ばれた。特に,歌ってみたは活況を呈した。



まずはネタの名手かにぱんから。即日と投稿が非常に早かった。はっきり空耳で定番ネタをきちんと抑えていく感じ。しゃいにんぐすぱいらるうんこであんこ入りパスタライス。ゾウリムシとか懐かしすぎるでしょw



普段ネタで歌う人ではなかったので,視聴者一同びっくり。お姉さまご乱心。



KM氏のオーケストラバージョン。



最後はいさじ氏で。この方も久しぶりに聞いた。



ここから平常営業。



まがちゃんかわいすぎるんだけどどうしたらいいのだろう。もともと霊夢のキャラがすれているところがあるから,単なる悪堕ちではなく,こういう方向性のキャラもありなんだと思う。にがもん式霊夢はちょっと線が細すぎるところがあるが,この動画ではそれほど気にならない。



この歌が非常に懐かしいものであるが,実はときどき作業用BGMで聞いているので個人的には非常に親しみがある。こうして年月が経ってから二次創作が生まれるというのはなんとも嬉しい。



大爆笑。東方ネタが分かる人必見。全部見落としたくない人は一時停止しながら。疾走感を味わいたい人は停止せずにどうぞ。



どうやら韓国人の方らしいが,とても自然な日本語である(韓国訛りはあるが)。もちろんとてもうまいのだが,ミクさん本当に国境越えてんなぁとかなんとか思う。そしてTell your worldは本当にいい曲だなと。



こちらは純和風な。とうとう歌が最初からついた。こういうお金になる形の活動はどんどんやってくれればいいと思います。ただ,どうせなら単品で売ってくれれば買いやすかった。
  

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2012年07月25日

平凡とした場所

29年ぶりの千秋楽全勝対決の割に,ぱっとしない場所であった。先場所ほど悪くはない。先場所は立ち合い不成立の乱舞にどうしようもない相撲内容,そしてエレベーター力士の平幕優勝というコメントに困るオチがついた。それに比べると,横綱と大関が全勝で衝突するという結末はそれなりに盛り上がる展開ではあったのだが,どうにも白鵬が調子を落としており,千秋楽の取組で盛り上がりはかなり下がったところがある。もっとも,白鵬を責める気は毛頭ない。14勝1敗で責められようはずもないし,端的に言ってあれはスタミナ切れであろう。白鵬に限って言えば熱戦の多い14日間であったが,それで体力を削られたところはある。逆に言って,熱戦になってしまうほど白鵬の地力が落ちている,ということも言えるのだが。日馬富士については,個別評のところで論じることにする。

もう一つぱっとしなかったのは相撲内容で,どうも単調であったのだが,先場所以前の悪い場所と大きく違って,立ち合いの不成立は少なかったように思う。唯一稀勢の里だけは出直してこいレベルだが,他は特に待ったにつっかけを重ねるような光景はあまり見られなかった。これは好判断の材料と考えるべきか,それとも「にもかかわらず」と考えるべきか。総じて,中の下としておく。そう考えると,先場所は「中の下か下の上」と書いてしまったが,今場所よりも悪いので,やはり下の上が正しかろう。

来場所の日馬富士の綱取りについては,「優勝もしくは13勝以上」というえらく緩い条件が下されたが,なんとも言いがたい条件である。というのも,日馬富士については第二の朝青龍となりかねない要素を多分に含んでいるからだ。個人的にはまあ,品格ということをそれほどうるさく言うつもりはないのだが,日馬富士の素行はダメ押しや私情の発露という点において朝青龍よりもなお悪く,大相撲という枠を越えてあれはまずい。私は朝青龍に関してはかなり肯定派で,引退記事もそういう論調で書いてあるのだが,ひょっとして刑事事件だったかもしれない暴行事件疑惑で引退したことについてはなんら擁護する気はない。品格以前の問題だからである。日馬富士がなんかやらかしたら,状況的に朝青龍のときとは比ではなくダメージが大きいわけで,今から杞憂ではあるだろう心配をするだけのことはあるのである。だったら全面的に反対すればいいではないか,というと,いい加減白鵬を一人横綱から解放してやりたくもあり,であればラインは低いほど良い。それに,日馬富士の素行なんて杞憂で終わるほうが確率高かろう……というところで,結局もにょってしまうのである。


さて,個別評。白鵬からいこう。序盤は今場所も大崩れするんじゃないかというような相撲ぶりであったが,四日目で碧山をはたきこんでからは徐々に相撲を戻し,全盛期のものとは言えないまでも,随所に切れのある技が見られるようになった。少なくとも先場所,優勝したとはいえ内容は無かった先々場所よりは良く,つまりここ半年で最も良い白鵬が見られたと思う。にもかかわらず優勝できなかったあたりは,全盛期同様やはり優勝する運に恵まれていないとしか言いようがない。しかし,白鵬の場合は優勝回数より勝率と勝利数であるのかなと。横綱勝ち星400勝超えで歴代9位。8位は柏戸の407勝,7位貴乃花の429勝までは早ければ年内に抜き去ることができる。勝率はとうとう9割を割ってしまったもののいまだ.893で双葉山超えのぶっちぎり1位である。さすがに引退までにはもう少し勝率が下がると思うが,期待して見ておこう。

大関陣。優勝した日馬富士は,元から波の激しい力士であったが,それが最も好調なときどうなのかというのをまざまざと見せつけられた。一方で地力としての進化は特に見られず,前に出ているうちは出続けられるが一度守勢に回るとそのまま土俵を割るのがこの力士である。今場所は15日間一度も守勢に回ったことがないという稀有な場所であるため好調を維持できたが,来場所も続くとはあまり思えない。その意味で把瑠都も進化も退化も無かった。序盤は把瑠都にしては丁寧に相撲をとっており行けるかなと思ったが,一度負けると引きずる連敗癖が直っておらず,中日に妙義龍に潜られて負けると一気に存在感を失った。しかし,連敗癖は精神的なものであろうから,直すのも難しかろう。白鵬でさえ連敗癖は若干見られるもので,ある意味対策のとりようがない。

琴欧洲は最終的に9−6ではあるものの,「本当に複雑骨折だったの?ぶっちゃけ嘘やろ?」とでも言いたくなる程度には内容が良かった。というよりも,黒星を見ていくと実力的に圧倒されて負けたのは白鵬と日馬富士くらいで,鶴竜戦は限りなくグレーな相撲,平幕の黒星3つは苦手の豊ノ島と隠岐の海,とすると不覚を取って負けたのは豪栄道だけになる。まあ1場所に1番くらいやらかすのが琴欧洲ではあり,ゆえに苦手力士の量がそのまま負け越しに直結する自転車営業ではあるのだが,その点今場所は安美錦に勝っており,むしろ調子が良かったのではないか疑惑さえ浮上しかねない。どういうこと。琴奨菊と鶴竜についてはコメントのしようがない。把瑠都や琴欧洲以上に先場所通りであった。鶴竜はそろそろ不調を脱して欲しい。いい加減,大関の地位の重圧も言い訳になるまい。


三役・前頭上位陣は,なまじ大関陣の星が良かっただけに完全に壊滅している。旭天鵬の13連敗はある種象徴的ではあった。前半に上位戦が続いて黒星が嵩んで調子も落としたところで後半戦に入り,普段なら悠々勝てるような力士にさえもなぜか勝てない,エレベーターとはかくあるべし。ここを脱するには前半戦でも善戦するか,負けがこんでも調子を落とさない精神を身につけるか否かであろうが,それがえらく難しい。そういうわけで,上位陣で言及できるのは妙義龍と碧山の二人だけである。

妙義龍は2場所連続で技能賞だが,先場所ほどの鮮烈な印象はない。とはいえ完全に実力で生き残った点は素直に賞賛したい。来場所も勝ち越せれば本物で,数年後には大関であろう。長い目では期待してみておく。碧山は先ほど挙げた後者のタイプで,前半負けがこんでも後半下位で取りこぼさず,なんとか勝ち越した。相撲内容はともかく根性は大したものだ。内容については,やたらとはたいて勝っていたのでなんとも言えない。突いて勝っている相撲もあるし,身体の強さだけではない器用さもあるのだと思うが,できれば来場所は論評できるような印象に残る相撲をとってほしい。


前頭中位。翔天狼は中盤けっこう良い相撲を見せていたのだが,終盤三連敗で負け越してしまった。押す圧力はあるし組んでも取れるのだから,変にはたかないほうが良いと思う。若荒雄や雅山の路線は,彼には無理であろう。臥牙丸も見応えのある押し相撲で10勝,差しても押せるあたりが強烈である。変化や引きにも強いし,2011年九州場所で「当たるだけじゃ勝てない」と評した頃よりは確実に強くなっている。来場所の上位挑戦をじっくりと観察したい。魁聖は腰痛がひどく,いかにもかばいながら相撲をとっていたが,それで逆にりきみが抜けたか,小気味良い動きが見え特に寄る形がよく,なんと11勝。これで腰が治った時に,今場所の感覚を忘れずにフィードバックできるか,それとも元のもっさりした動きに戻るか。嘉風はよく動けていたのだが,撹乱ミスが生じて落とした星がいくつかあり,もったいない7−8の負け越し。撹乱ミスが珍しいので記憶に残った。これはこれで不調と言えるのかもしれない。

前頭下位。舛ノ山は確かにいい押しが目立ったが,あれで前頭中位に行った時に戦えるかというとやや疑問である。敢闘賞は妥当だが,来場所は相当な試練。一方,10勝ながら三賞をもらえなかった大道は,確かに印象に欠き,今場所の「いつの間にか二桁勝ってた人」枠になる。ブログ内検索してみたところ,過去に一度も言及したことがなく,さもありなん。栃乃若はどうしてしまったのであろう,初場所で前頭4枚目で勝ち越した姿はどこにも見られない。腰高ながら不思議と腰が重いのが特徴出会ったのだが,今場所はほぼ完全にただの腰高であった。よほど腰が痛いのであろう,おそらく十両に陥落するであろうが,療養してきてほしい。


そうそう,そういえば大砂嵐が無事序二段勝ち越しだそうで(5−1−1)。西8枚目だから,来場所は三段目になる。ハラールに気を使ったちゃんこに,ラマダーンの重なりかねない日程で大変だとは思うが,がんばってほしい。心から応援している。三段目の上位くらいまでは楽に行けそうな雰囲気だが,その先はどうかな。

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2012年07月22日

メジャースポーツのマイナーどころ

・【サッカー】“裏”海外組?ひっそりと国外リーグでプレーする日本人選手(NAVERまとめ)
→ 実に多種多様な国々にいるもので,まさにサッカーに国境はない状態。近場のアジアや西欧,南北米あたりは,そう驚きもしない。東南アジアだとタイ,シンガポール,インドネシアに多いが,このあたりはつながりがあるのだろう。コネというと響きが悪いが,この場合は決して悪いことではない。
→ 一転,東欧,特にバルト三国の多さにびびる。ポーランドでもチェコスロヴァキアでもなく,なぜにそこ。あと,アジアでもウズベキスタン。この人達はすごいところにいると思う。
→ 野球もこういうのある。イタリア野球でG.G.佐藤が活躍しているというのを見て驚いたことが。


・敵のHPを吸収する武器、技って大概使えないよな(ゲースレVIP)
→ FF5もFF8もFFTも出ていて安心した。
→ ドレイン系の技は,使えないというよりも,使えないか使えすぎるかいずれかであると思うし,このFF三作品をやってきた自分としてはむしろ「使えすぎる」印象のほうが強い。特にFF5のブラッディソードみだれうちはアンデッド以外に有用すぎるので,使っていた人も多いのではないか。
→ 「FFTのシドの闇の剣は全てを覆すほどのバランスブレイカー → そもそもシド本人がバランスブレイカーだし 」げに。
→ ところで,こういう逆張り系のスレタイを立てて,特に反論するわけでもなく釣りで人を集める風習はよく見かけるが,個人的にはあまり好きでない。古くからある2chの風習と言われればそれまでだけど。


・中共の建国以降に帝位についた皇帝たちを挙げたいと思う(大陸浪人のススメ 〜迷宮旅社別館〜)
→ 歴史に載らない皇帝たち。10年続いたならもう歴史の教科書に載せていいだろ(棒。熊沢天皇中国版……ともまた少し違うか。
→ リアルに(公安に)鎮圧されているのがおもしろい。何かの間違いで太平天国の乱になりかねないので,当事者たちにとっては意外とシャレにならないのかもしれない(少なくとも建国者は本気だろうし)。なかでも,蒋介石に軍事力を頼るという発想は買いたい。さすが中国。
→ ブコメがノートン1世だらけ。あれは愛され系だからな。
→ 皇帝というものに郷愁を感じる国・民族はいくつかあるらしく,ドイツも割とそういう国の一つだが,こうした皇帝の僭称はないのだろうか。ホーエンツォレルン家やハプスブルク家が続いている以上,そういうチャレンジャーはいないんだろうなー。
→ 中国の場合もおそらく似たようなものはあって,だからこそこういうアホみたいな僭称者がときどき出てくるんじゃないかとか。その意味で,愛新覚羅の家系が愛されてないのは寂しいが,愛されてない理由には間違いなく我が国が大きくかかわっているので,そこはもうごめんなさいとしか言えない(両方面に)。


・ラフな格好でええから系の画像貼ってく(GATUN)
→ これのせいで,ちょっとboketeをじっくり見てしまった。楽しい時間の浪費であった。
→ これ以後,こういう系の2chスレまとめが増えたが,ちょっとした流行になっているのだろうか。


・兄が部屋から出てきません。(発言小町)
→ 良い釣りを見た。まあこれを思い出すところですよね。
→ ちょっと難易度高すぎて気づいてるレスが少ない(ブコメにも)。グレーテと音大あたりで気づかないときついな。もう少し情報出してもよかった。もうちょっと気づいたレスが多かったら釣りとして完璧だったのかな―と。
→ 気づいたレスないのか探したら,いた。>コハル
・この1ヶ月、発言小町でトピ職人して分かったことまとめ(増田)
→ 上に関連して。
→ 発言小町で釣りをしていた人からのいろいろな情報。『変身』のこれがあんなことになってたのは検閲のお陰だったらしい。これは編集部に釣られたなー。
→ しかし,これだけ釣り堀になってるとなると,検閲は逆効果なんじゃないかと思わなくもない。釣られている人も釣っている人もストレス解消になるwin-winの関係だから,別にいいのか。
→ ということは,『変身』のコハルは相当巧妙にやった例で,こういうレスが最も求められているのかもしれない。


・ついにとどめを刺される「全学連」 東大の自治会が引き起こす社会運動史上の大事件とは (JBPress)
→ 元駒場生としてもおもしろい話だった。このブログでも幾度か書いているが,恣意的に選別された立て看板は相当にうざったかったし,某教授に「伝統芸能」と茶化された手法は本当に活動する気があるのかと疑わせるもので,自治会との癒着は誰の目から見ても明らかであった。このような展開を迎えたこと,そしてそれが自治会の内側から起きたことはとても喜ばしい。
→ どう考えても学生生活の向上に直接結び付かない活動で,学生のためと言い張る欺瞞性もまた明白であった。実態はどうあれ(ここ大事),世の中が労働組合に対して抱いている不信感の一部も,かくのごとき欺瞞性と無関係ではない。
→ ちょっと長いが,このあたりがご本人の主張としてよくまとまっている。暇と関心があれば読んで欲しい。
→ もう一つ,やや本筋からは外れるが,約20年前に某大学を全学連から脱退させた人の体験記として,こちらもおもしろかった。  
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2012年07月19日

一番楽しい状態かもしれない>大喜利大会

・「国民の基本的人権は国家が自由に剥奪できます」という自民党改憲案のトンデモ内容まとめ(togetter)
→ コメント欄が長く,とんでもなく重いtogetterなので注意。
→ 自民党の改憲案が発表された際,そのあまりのあんまりっぷりにネットの一部が憤慨したわけだが,その理由が「公共の福祉」の「公益及び公の秩序」への言い換えと,立憲主義の項目の削除,国民への義務規定の増加のおおよそ3つであった。
→ いろいろ見てくと2chまとめブログでさえも叩いてるところがけっこうあるのがおもしろい。
→ この後,自民党の起草にかかわった人のコメントを見たが,立憲主義自体をまるで理解しておらず,公益は言い換えではなくパターナリズムに基づく国家による私権の制限を意味するらしく,なんとか好意的な解釈をして擁護しようとしていた人がボロボロである。
・「憲法は国家権力への制約。義務規定はおかしい」←「それは妄言俗説です」と大屋雄裕氏。その理由は?(見えない道場本舗)
→ それに対して,おおやにきの人が「憲法に義務規定があるのはおかしい,というのは俗説」と書いていたが,それはなぜか,という話。
→ 要するに,国民主権であるにもかかわらず国民と国家の距離をとりすぎる解釈はおかしい,ということで。考えてみるとなかなかおもしろい。国家の実態とはなんであろうか。憲法を国家権力の制限と考えるのであれば義務が多すぎるのはおかしいという話になるし,国民間の合意に基づく国家のあり方を規定したものとするなら,義務規定があってもおかしくはない。
→ 「国家」を想定しなければ意味をなさない理由は確かにおかしいが,市民の合意として成り立つものは義務規定としておかしくないという。これはこれで納得できる議論である。
→ まあ,それはそれとして自民党の憲法草案はおかしいのだけれど。だからこうなると,保守じゃなくて反動だろうということは,保守派として何度でも言っておきたい。


・「ホテル本能寺」の寮から出火、すぐ隣には本堂(読売新聞)
→ どうしてそんな名前をつけてしまったんだ!というわけで,ブコメがすっかり大喜利大会に。
→ 個人的ヒット作は(430年ぶり2回目) なのだが,実は江戸時代にも何度か焼けているらしい。天明の大火(1788年)、禁門の変(1864年)をカウントするなら,”(148年ぶり4回目)”が正しいか?
→ そういえばこれだけネタになりやすい事件なのに,とりあげた2chまとめブログを見かけなかった。探せばあるんだろうが,珍しい。
  
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2012年07月18日

耳飾りではなく首飾り

フェルメール《真珠の首飾りの娘》展評三連発のラスト,西美のベルリン国立美術館展に行ってきた。東京でのベルリン美術館展は6年ぶりのことである。日本だとどうだかは知らないが,おそらく同じであろう。前回の会場は東博であり,あちらのほうが盛大であった。ルーヴルやエルミタージュの企画展は2年に1回は見ているし,ひょっとしたら1年に1回見ているような気がするが,さすがにベルリンは回数が少ない。これには様々な理由が考えられるが,フランスやロシアに比べてドイツの文化行政は商売っけに欠けるところがある点,そもそも自分たちが最近まで大改装中でそれどころではなかった点の2つは大きいと思われる。逆に言って,前回の東博での展覧会は改装による大規模な貸し出しの恩恵が大きかったというのがあるだろう。

今回の西美のものは約110点とはいえ,ほぼ全てルネサンス以降新古典派以前の絵画であるから,古代・中世の展示物は存在しない。これは,まさにそこが強いのが他の世界的美術館に対するベルリンの強みであるから,どうしてもインパクトは弱くなる。加えて110点のうち素描が30点ほどを占めており,彫刻もかなりの割合を占めている。結果的にそれほど大規模という感じはしない。もっとも,素描や彫刻偏重(というと言葉が悪いが)はいつもの西美の癖であるから,ベルリン側の事情ではあるまい。ついでに書いておくが,入場すぐにあるいつもの挨拶のうち,ベルリン美術館館長の挨拶で「プロイセン帝国」という言い方が使われていた。おそらく館長自身がKaiserreich Preussenと書いたのであろう。プロイセン王国とドイツ帝国の継続性を強調した言い方としてこうなったと思うのだが,ちょっと見慣れぬ表現で驚いた。

同じフェルメールを掲げているのにこちらのほうが随分と空いていたのは,正直に言えば質の差ということになるだろう。美術ファンはよく見ていると思う。決して悪くはないのだが,同時期開催のマウリッツハイス展に比べるとどうしても見劣りしてしまう展覧会であった。比べやすいだけに不運であったかもしれない。ついでに言うとサブタイトルが「学べるヨーロッパ美術の400年」であり,これもまた開催期間が微妙にかぶっていたエルミタージュ展とテーマがもろかぶりである。で,やはりエルミタージュ展のほうが平均的な質が高かった。エルミタージュ展と差異があるとすれば,向こうは1500〜1900年で400年だが,こちらは1400年から1800年で400年という設定になっている。もっとも中世末と言える作品の数は2・3点,新古典派の作品も2・3点なので,実質的には1450〜1750年の300年であり,やや誇大表示している感は否めない。端的に言ってどちらが「学べる」かというとエルミタージュ展のほうであった。学ばせたいのに印象派以降が無いのは片手落ちであり,ベルリンにそれらの所蔵品があるだけにもったいない。


章別・作品別評。15世紀の章は彫刻が多め。木像が多く,造形的にも割りと中世を引きずったものが来ていたのがやや特徴的ではあった。しかし,であればやはり14世紀の章を作り,ゴシック様式をメインの一つにすべきだったのではないかと思う。と同時に,時代的にどうしてもそうなるのだが逸名の画家・彫刻家が多く,名前があってもやはりマイナーである。ちょっと知られていいそうなのはチーマ・ダ・コネリアーノとフィリッポ・リッピくらい。チーマの作品は聖ルチア,マグダラのマリア,アレクサンドリアの聖カタリナを描いたもので,アトリビュートとしてはすごくわかりやすい。聖ルチアは棕櫚,マグダラのマリアは香油,聖カタリナは車輪。しかし,3人とも視線があっておらずちょっと怖い。肖像画の章ではルーカス・クラーナハ(父)による《ルター》の肖像画があった。教科書によく載っているものとは少し違うが,見慣れた人も多いであろうあの顔である。

16世紀の章は正直ちょっととりあげるべき作品がない。17世紀の章。ルカ・ジョルダーノが《エウクレイデス》と《アルキメデス》を描いていたが,アトリビュートが今ひとつわからなかった。今回のヤン・ステーンは《喧嘩するカードプレーヤー》で,喧嘩しているのが貴族と農民,あからさまに負けているのは貴族で,挑発されて剣を抜きかかっているが店員のおばさんに止められいるシーンである。賭け事はほどほどに。レンブラントは《ミネルヴァ》があったが,ちょっとミネルヴァには見えなかった。レンブラントにだってこういう絵はある。

そしてこの章にある,この展覧会の目玉こそがフェルメールの《真珠の首飾りの娘》(今回の画像)。これにてフェルメール16点目。同じ真珠ではどうしても《耳飾り》に見劣りしてしまう。しかしながら画面左側に窓,それに向かって人物が立っており,手前に大きな机,そこには東洋陶磁器と,おそらくカーテンであろう巨大な布が置かれている構図。極めてフェルメールらしい特徴を持った作品である。この女性が窓を見て何を考えているのかはちょっと想像しづらい。研究者によっては,やや恍惚としているように見えなくもない点も含めて宗教的なものを見出す人もいるそうだが,深読みに思える。しかし,不思議と高揚感を感じる絵であることは否定しがたい。窓から差す光は決して強烈ではないものの,女性の表情の読み取りづらさが逆に想像力をかきたててくれる。なお,「少女」とするタイトルが多いが,私にはどうしても少女に見えなかったので《娘》で表記した。これは10代ではなさそうな気がする。

18世紀の章では1点だけ,ジャン=アントワーヌ・ウードンという彫刻家(?)の《エビと魚のある静物》が気に入った。白大理石に海産物が巧みな技術で透かし彫りになっているためとてもおいしそうなグラタンにしか見えない。いや,これはすごいことだ。おいしそうに見える静物画というのは替えがたく,彫刻ではなかなか見られない。
  
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2012年07月17日

都美復活のマウリッツハイス展

フェルメール《真珠の耳飾りの少女》都美のマウリッツハイス展に行ってきた。都美は長らく休館していたが,今回復活である。ちなみに,休館前最後の展覧会はこれ。というわけで先に都美そのものについて少し書いておく。改装の結果として,企画展の領域が少し広くなっていた。余分な壁を大分排除したせいか通路が広くなっており,不評だった狭さは大きく改善されている。今回のマウリッツハイス展はかなり混んでいたが,それでも快適に見ることができた。この改装は正解だろう。展示スペース以外では,階段の多くがエスカレーターになっている,新しいレストランができた(お値段高め),トイレも綺麗になった等。一方外観はほとんど変わっておらず,中に入ってみないと(とりわけ展示スペース内)どこが改装されたのかわからないと思う。

で,マウリッツハイス展である。トップページに待ち時間が表示されているように,とてつもなく人混みで,変わらないフェルメール人気を感じさせた。実は前に行こうとして「1時間待ち」という表示を見て別の美術館に変えたことがあったのだが,今回はその教訓を活かして朝9時から並んだ。すると9時半開館であったが,前倒しで入場が始まり,9時20分頃に入ることができた。出たのは11時頃だが,その時点では再び1時間待ちになっており,炎天下の中長蛇の列が形成されていた。これから行く方はお気をつけを。

今回の展示は50点弱と数は少なく,範囲もほぼ17世紀オランダ・フランドル絵画に集中していたものの,さすがに珠玉の作品ぞろいでフェルメール・レンブラントの二大巨頭を除いても十分な見応えがあった。なお,マウリッツハイスはそもそも約800点ほどしか所持していないため,50点弱の貸し出しでも十分な大盤振る舞いである。改装中だからできることではあるが,これが標準的な水準とは恐ろしい美術館である。改装の理由は手狭になったことが理由のようで,別の建物とくっつけて大きくするらしい。


フェルメールの作品について。今回来ていたのはかの有名な《真珠の耳飾りの少女》と,最初期の《ディアナとニンフたち》。ただし,《ディアナとニンフたち》は別の展覧会で見ているため,これで人生のフェルメール制覇数は1点増えて15点になった(自分のフェルメール制覇歴を知りたい奇特な方はこちらを)。《真珠の耳飾りの少女》はフェルメールの肖像画(ないしトローニー=不特定人物の絵)の中では珍しく,背景が黒塗りで室内画となっていない。ここからある種の邪推,いや想像力を働かせて書かれた小説,さらにそれを原作とした映画が作られ,この作品はフェルメールの中でも人気作となっていった。しかし,それを抜きにしてもこの作品の持つ力は圧倒的と言わざるをえない。視線の持つ力がとにかく強い。このかよわそうな少女のどこにこんな力が,と思わせられる。それをなしたのは画家の込めた力であろう。HPの説明文でも視線押しだったが,実際に見てみると納得させられてしまった。それほど美しいとは思えない少女であるが,強く惹かれる不思議な絵である。


フェルメール以外の作品。前述の通り,どれも質が高い。ヤン・ファン・ホイエン,ライスダール父子,ホッベマの描くオランダ風景画。ホイエンはいつも通り水際の絵で,今回はライン川。ヤーコプのほうのライスダールの絵は2作品,うち1作は麻布を漂白している光景であったが,そのせいかあまりらしくない絵であった。ライスダールのくせに川も木もメインでないとはどういうことか。これらに対して,ヤン・ボトのものはタイトルからして《イタリア風の風景》,対照的に画面が明るい。さすがは親イタリア派と呼ばれるだけはある。

ルーベンスとレンブラントはエルミタージュ展に続きここにもいた。レンブラントの自画像は晩年も晩年,死んだ年のもので,かなり有名なもの(画像は展覧会HPで見れる)。頭にターバンを巻き,若干うつろな目をしている。このような状況でも描けてしまう客観的な,ある種徹底的すぎた観察力がレンブラントの魅力ではあろうし,強烈な明暗がそれを強調している。レンブラントはさらに《シメオンの賛歌》も来ていたが,こちらも光の当て方が強烈で,これではシメオンにかかえられるイエスも眩しかろう。

さらにヴァン・ダイク,フランス・ハルス,カレル・ファブリティウス,テル・ボルフ,ピーテル・デ・ホーホと並ぶ。ファブリティウスはレンブラントとフェルメールをつなぐミッシングリンクとして名が上がってきた画家で,最近の展覧会ではよく見る。そろそろ美術史の概説書に載るのではないか。そして実はこの画家,弾薬工場の爆発事故に巻き込まれて死んでいるというとても特徴的な死に方をしており,その点でも記憶に残りやすい。

さて,今回の展示は3作品もあったヤン・ステーン祭りであったとも言える。一つ目は《親に倣って子も歌う》というもので,いつも通りひどい光景である(これもHP上にある)。乱痴気騒ぎのさなか,親がパイプを子に勧めているが,当然のように健康にとてつもなく悪い。もう一作ヤン・ステーンで《恋わずらい》。ニセ医者が少女に診断を下そうとしているが,そもそもが恋わずらいなのだからどうあっても診断ミスである。さらにヤン・ステーンで《牡蠣を食べる娘》。牡蠣は当時媚薬と信じられており,背後にはカーテンに隠れた寝具,さらに何やら交渉する男女と,やりすぎというくらいわかりやすい状況である。
  
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2012年07月16日

何度目かのエルミタージュ展

ルーベンス《ローマの慈愛(キモンとペロ)》新美の大エルミタージュ展に行ってきた(実験的にHPを張ることにしてみる)。割りと会期ギリギリである。こうした大美術館から持ってきたものとしてはありがちだが,美術史全体からジャンルも何もなく持ってきたという感じはとても強い。そもそも展覧会のサブタイトルからして「西欧絵画の400年」であるが,この400年は1600年から現代ではなく,1500年から1900年であり,最後はマティスで締める形になっている。

しかしまあ,ブツの質自体は悪くなかった。誰しもが知っている作品は無かったものの,美術ファンならとりあえず文句の出ないレベルには整っているし,画家レベルであればティツィアーノ,ルーベンス,ドラクロワ,ルノワール,そしてマティスといった面々は一応そろっている。また,知名度をもう1ランク落としたところでは,むしろ美術ファンとしては見たいところが見れた感が強い。ソフォニスバ・アングィソーラ,ヤン・ステーン,ユベール・ロベール,ヴィジェ=ルブラン,風景画家のジョゼフ・ヴェルネ,ライト・オブ・ダービー,近代ではヴィンターハルターとそうそうたるメンバーである。狙ってやったのならすごいし,これなら評判も良かろう。

一応の個別評としていくつか。まず,ルーベンスの《ローマの慈愛(キモンとペロ)》,今回の画像である。この作品は餓死の刑に処された父親に娘が授乳して生き長らえさせたという感動的な話なのだが,どうしても邪な目線でしか見れない。画像自体もそうなのだが,設定もまたあまりにも倒錯的で,どう考えてもエロいでしょうこれは。よりによって肉々しいルーベンスが描くもんだから余計に。この後マウリッツハイス展,ベルリン美術館展でも見ることになるヤン・ステーンの《結婚の契約》。猥雑な庶民の描写に定評のある画家だが,「ヤン・ステーン的家庭」という言い回しもあるらしい。ポジティブにしろネガティブにしろ意味のよくわかる言い回しである。この絵もあからさまなできちゃった結婚を迫る男と嫌がる相手の両親という,ヤン・ステーンと組めば鬼に金棒なテーマ。テーブルに置かれた割れた卵がとても象徴的にやっちゃった感を演出していたのが印象的な絵画であった。見たい方はぐぐればすぐに出てくる。

ジャン=バティスト・グルーズの《わがまま坊や》。母親に与えられた食事に嫌いなものが入っていたらしく,こっそり犬に与えている。母親は気づいており,半ばほほえましく半ばあきれて「困った子ねぇ」とでも言いたげな表情をしていた。珍しいテーマでなかなか印象深い。子供の好き嫌いは250年前からなんら変わっていない。ヴィジェ=ルブランの自画像。これはヴィジェ=ルブラン展で見たもの。今回二度目という絵画がいくつかあったが,長らく日本にいたということだろうか。エルミタージュならそれだけ長期間出てても困らないだろうし。ジョゼフ・ヴェルネの《パレルモ港の入り口,月光》。月光が強い,美しい風景画。やはりジョゼフ・ヴェルネはとても良い,好きだ。

ユベール・ロベール《古代ローマの公衆浴場跡》。見ている2,3分の間に,周囲の観賞客がこれを指して「テルマエ・ロマエだ」というのを5回くらい聞いた。映画の効果はすごい。ただ,雑談に混じる古代ローマ知識が大体間違っており,しかも自慢するのが男で聞かされるのが女性という光景が散見されて閉口した。いや,紀元前後のローマはこんな廃墟じゃないから。ジョシュア・レノルズの《ウェヌスの帯を解くクピド》。これもエロい。ウェヌスが腕で片目を隠しつつ,もう片目で鑑賞者に挑発的な視線を向けている。で,帯をほどいているのが息子のクピドというのがまた,こう,ね。

最後にマティスの《赤い部屋》。さすがにこれだけ巨大な作品で赤ベタ塗りをやられるとインパクトがある。好きか嫌いかで言われると微妙なところだがマティスらしい作品であり,本展の最後として,美術史の終着地の一つとしてもふさわしかろう。


表題について。エルミタージュ展とルーヴル展はやたらと多い印象。常設展に入りきらないから,貸し出す方も積極的なんだろうけど。
  
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2012年07月12日

アイマスクエスト考察(2)

(1)から。自分用にここまで出てきた設定を,予想込みでまとめておく。

以下,最新話(エスターク物語後編)まで完全にネタバレ。



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2012年07月11日

アイマスクエスト考察(1)

長くなったので2分割した。(1)は作品全体の話。(2)は作中の設定確認や今後の予想など。




この偉大な作品を語る上で,外せない言葉がある。「アイマスクエスト犬箸蓮撻▲ぅ疋襯泪好拭次曄撻疋薀乾鵐エスト検FC版)】【ニコニコ動画(ニコマス)】を混ぜ合わせた二次創作物です。」ておくれPのHPのトップにある言葉である。突飛な設定や展開であっても,必ずこの3つのどれかにかかわるように作っているという点は,意外と指摘がなされていない。この言葉が初めて明言されたのは,4章解説の末尾である。いつ頃閣下に関連する設定が定まったのかはわからないが,少なくともこの時期までに今の展開をおおよそ構想していたに違いない。もっとも,この4章解説末尾でておくれP自身が「閣下とか「ドラクエ」にも「アイマス」にもない」と言っているのはその通りであるし,現在ではわかっていることではあるが閣下=◯◯という発想からこの作品が誕生している。ゆえに,その意味ではあの1章からしてすでに3要素の合体した動画ではあった。同じ事は,8章冒頭でもはっきりと書かれている。




以下,ネタバレ。

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2012年07月10日

それでも実写版よりは

・今日は Windows 7 を消して Windows 95 を再インストールしてみました(登 大遊@筑波大学大学院コンピュータサイエンス専攻の SoftEther VPN 日記)
どうしてこうなった,と思ったら高速すぎるCPUをWindows95は想定していなかったんだとか。
→ でもやはり爆速が見たい。よし,次は98だ!


・求聞口授が人気投票前に出てたら順位が大きく変わってたと思う東方キャラ(2ch東方スレ観測所)
→ にゃんにゃん,芳香,響子,お燐は間違いなく影響を受けたし,順位が上がったように思う。特に,性格がヤバイ人・妖怪はいままでにもいたが,ビッチなのはにゃんにゃんだけなので特徴的。これはこれで人気が出そうな気がする。響子は元が元なだけに大きな影響が出ていたと思われる。
→ あとは一輪さんか。なんともかっこいい設定が付け加わったものか。ふとじこの二人はどうかなー。屠自古はもうちょっと人気あってもよさそうなもんだが,布都は大差なかった気がする。ぬえちゃんのぼっち設定はどういう影響になってたか。
→ 秋姉妹は……影響なしかな。農民あきらめろん。


・究極の地方分権独立 是か非か スコットランドが2年後に住民投票 (産経新聞)
→ 本当に独立したらアン女王治世下のグレートブリテン王国成立(1707年)で300年ぶり,ステュアート朝の同君連合成立目安(1603年)で400年ぶり。気の長いイギリスらしい話……なんだろうか。
→ ベルギーが「EUがしっかりしてれば実質無政府でも大丈夫」を証明した中,スコットランドが独立するかもという話。でも財政がもつ気がしない。EUにおんぶにだっこならいけるんじゃないかという話は,結果的にイングランドへの従属が強まりそうな。


・生涯未婚の男性、2割を突破…30年で8倍(読売新聞)
「50歳時点で一度も結婚したことがない人の割合である生涯未婚率」だから,今の50歳男性ですでに約20%も独身がいるというのに驚いた。この中に事実婚や同性愛者がどの程度いるやら。多いに越したことはないが,少数だろう。
→ それで年代が下ればさらにどんどん下がっていくのだからどうしようもない,という話でもあるし,晩婚化や非婚化が最近始まったことではないという話でもある。言われてみると,私の周囲の壮年でも結婚していない方が珍しくない。日本社会の変化は随分前から始まっていた。目に見えるようになるまではタイムラグがあった,ということか。


・トンデモ教育論「親学」を推進してる人たちの話(俺の邪悪なメモ)
→ いつものメンバー過ぎて笑う。ほんと,保守としてもこの人達害悪が多いので誰得なんでしょう。いや,こういうのの支持層がいて,しかも多いのは知っているけれども。
→ このメンバーにいるあたり,櫻井よしこがもう助からない。
→ 「親守詩」のおぞましさは,個人的にはたえがたいレベル。無論,両親には感謝しているがこんな形では表明したくない。


・【るろうに剣心-キネマ版-】を読む〜4度目の浪漫譚のはじまり〜(紫の物語的解釈)
→ るろ剣の始まり方の違いについて。始まり方自体は読み切り版,連載版,キネマ版通してあまり変わらず。人斬り抜刀斎の紹介と,ヒロインの登場という形。しかも,4回中3回はヒロインに殴られているという。まあ,薫に殴られてなんぼの剣心ではあるかもしれない。
→ るろ剣キネマ版の1話は読んだけど,絵が変わっていたというよりはぶっ飛んだ絵や内容になっていた,というのが残念かなと。
→ コミックスで薫が生きていたときに和月伸宏は「時代物としての矜恃を一つ破った気がした」というようなことを述べていたが,るろ剣は確かに超人バトルで非現実的ではあっても,「ありえそう」と思わせる術にはたけていたはずであった。今回のものにはそれが決定的に欠けている。撃剣興行といいガトリングガン振り回しといい。そこが残念,というのが私の感想。
→ そういえば2話読んでないな,と今思い出す。うーん,SQ買って読むべきか。
  
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2012年07月07日

書評:『三国志 演義から正史へ、そして史実へ』渡邊義浩著,中公新書

三国志の研究者,渡邊義浩氏の新書。テーマはサブタイトルの通り。まず,いわゆる「正史」が史実のように扱われている現状を突き,正史もまた陳寿による偏向がある点を説く。その上で,(現代歴史学がわかっている)史実と正史,そして『演義』の違いを比較していく。その目的は『演義』の文学性の強調である。正史を史実と誤認するのと裏返しに,しばしば創作性が批判されている『演義』ではあるが,質の悪いものであれば現代まで生き残っていない。本書では『演義』成立の過程を説明し,最終的に出来上がった清代の毛宗崗本の特徴を述べている。

毛宗崗本の特徴は三人の人物に焦点を当てており,曹操・関羽・諸葛亮がその3人である。本書もこの3人+『演義』の被害者:呉+袁家を軸に章立てして,魏呉蜀の正史と史実,そして『演義』の違いを並び立てていく。曹操がいかに『演義』で批判され,逆に「正史」では称揚されているか,という知られた話もあれば,研究者らしくつっこんだ話もある。なくてもよいが,多少儒教や,その後の中国史に関する知識があると,より深く楽しめるかもしれない。関羽がなぜ神となったかとか,諸葛亮と劉備が実は「水魚の交わり」ではなかったのではないか,等の語りはなかなか特徴的。

本書の最後には,渡邊義浩氏の研究のメインテーマである「名士論」についての話と,それに関連して九品中正が中国史における豪族の貴族化を促したという話が出てくる。後者の話は,高校世界史で触れるが説明されない部分なので,高校世界史をやったことがある人ならさらにおもしろいかもしれない。前者の「名士論」は,著者がその著作で,論文から一般書に至るまで折にふれて語る概念だが,本書は新書で紙面も短いため,相当端折って書かれている。ややずれるが,私は割りと名士論に好意的な立場である。なんでもかんでも説明できるとは思わないし,氏の考えにはやりすぎの部分もあるものの,ああした地方豪族と君主のせめぎあい自体は世界史上ある程度普遍的な現象であるし,三国志の多くの事象をうまく説明できていると思うし,何よりその後の九品中正と貴族化の流れを綺麗に説明できる。

そういうわけで,物語としての三国志は好きだけど,研究としての三国志の入門ってどんなのかなーとか考えてる人は是非に。堅苦しくなく,入門から踏み込む気のない人でも,楽に読めると思う。


三国志―演義から正史、そして史実へ (中公新書)三国志―演義から正史、そして史実へ (中公新書)
著者:渡邉 義浩
販売元:中央公論新社
(2011-03)
販売元:Amazon.co.jp
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2012年07月06日

非ニコマス定期消化 2012.3月下旬〜4月上旬



知っている人は知っている,大相撲界が誇る様式化された一級品ギャグ,しょっきり。ルールの説明をする振りをしつつ,いかに土俵上ですっとぼけるか。力士の意地をかけたお笑いバトルがここに。いい動画があったので紹介。




譲治が犯人と決めつけたシリーズの「散」として,譲治は被害者シリーズ。原作が意外と正解に近いというか,割りと譲治も原因の一つだったわけだが,こちらはどうなるか。1話が来て,続くかと思われたが,同人ゲームに移行するらしい。それならそれで,続きを待ちたい。原作のEP8がああだっただけに,おもいっきりひっくり返してほしい。



影絵の画像に,逆にそれぞれのキャラの曲をあわせたメドレー,しかもピアノアレンジ。もちろん,Bad Apple!!自体も登場。




林檎華憐歌をビートままりおが歌ったのを受けて,息子とのパート分けまで作られた。それにしても,良い母である。第三者が作ったパート分けverも良い。




おやつの人。とんでもない状態がどのくらいとんでもないかというと,要するに初期ステータス・技と術なし・装備なし・一人。装備なしな分,初期状態よりひどい。プレイ時間が約17時間40分と,普通のTASやRTAはおろか,へたしたら普通のプレイヤーが普通にクリアしたほうが早いという時間のかかりよう。最高は1000倍速。ここまで来ると,それでも倒せるのがすごいと言うべきなのかどうか迷うところだ。なお,似たような条件のサガフロ2は前回紹介の通り……。難易度の問題というよりはゲームシステムの違いではあって,やはりロマサガ3は柔軟なのだけれど。



別の方の挑戦。条件は同じだが,キャラがエレンになっている。そもそもよく検証する気になったなという気もするがw,これが初TAS動画なのだからすごい。キャラの違いもあるがやり方の違いもあり,約2時間短縮。



曲は天空のグリニッジ,ロック系アレンジでボーカル無し。手描きPV,音楽が合っててとても良い。

  
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2012年07月02日

2012上半期ニコマス20選

今回ももちろん参加。主催が変わっているので注意されたし。

レギュレーション
投票先

雑感。気づくと人力ボーカロイドを一作も選んでいない。ドリ音Pのも渡り鳥Pのも悪くなかったんだが,PVが思った以上に豊作で入る隙間がなかった。さらに2月ばっかりになっているが,良作ラッシュだったのだから仕方がない。アニマス終了直後ということもあり,普段なら毎年のように年初は「衰退論」が流行するが,今年はその兆しが全く見えなかった。イベント的にはMMD杯とMSC4のインパクトが強かった。MSC5も企画されると嬉しいなぁ(他力本願)。

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2012年07月01日

魔法使いの夜 レビュー

『DDD』やらなんやらを追っておらず,竹箒の同人誌も買っていないので,実にhollow以来という久しぶりに読んだ奈須きのこの文章。それも彼が学生時代に書いたものをクリーンナップしたものという触れ込みの文章であったが,やはりこの人は魅せるのがうまいなと思った。どちらかと言えば,こんなに読ませる文章だったかなと見なおしてしまった。

さらに言えば,今回は非18禁=一般向けの作品であり,作中の恋愛できちんと実ったものは一つもない。単純に片思いと,恋と自覚されていない恋しかない作品であるのだが,Hシーンを入れなければならないという制約が無かったせいか,恋愛描写がきちんと書かれている。特に,青子と有珠の草十郎に対する感情が変化していく様子やその対比などが明確で,なかなかニヤニヤさせられることがしばしば。こいつら魔術師のくせして青春送ってるじゃないかと思うのだが,それもこれも主人公が草十郎だから成立した話であり,これが鳶丸だったら無理であった。ここにおいて有珠の配置は際立っており,草十郎と青子が一対一であればこれだけの恋愛描写は難しかったであろう。文章の妙もあるが,配役の妙もある。ジュブナイル小説としては十分な成功を収めた。

こう言ってはなんだが,なんだ奈須きのこ恋愛書けるんじゃん,と。これは純粋な作品評ではないものの,私的に大きなインパクトであった。思い返せば『Fate/stay night』は有耶無耶のうちにフラグ立ってるし,『月姫』は少なくとも遠野家側は大体幼少期フラグで処理されており,『月姫』の残りと『歌月』もちゃんとした恋愛描写として濃かったかと言われると疑問である。

ただし,賛否両論分かれるところではあろうが,私はそろそろ類型から脱したキャラ造型も見たい。いや,奈須きのこが書けないと言っているわけではないし,そもそも私は奈須きのこの作品を全て追っているという熱心なファンというわけでもない。しかし,ここに挙げた主要作品『Fate/stay night』『月姫』『魔法使いの夜』に,『空の境界』まで加えても良いが,主要登場人物の造型は,まあ似通っていると言ってもさして反論は受けまい。静希草十郎―黒桐幹也―遠野志貴―衛宮士郎はそれぞれ差異がありつつも,基本的な性格(と口調)はおおよそ近い。正義感が強く,偏見を持たない,振り回される系主人公である。青子の系譜については明確すぎて言うまでもない。きのこさん,強気お嬢様が好きなんだろうなぁと。もっともこの点は,あと2作続くであろう(よね?),『魔法使いの夜』には期待できない。なので,『月姫2』の主人公お二人とアルトルージュ様(予定)に期待しておこう。


それ以外の点について。と言いつつまずは文章から指摘していくのだが,序盤は割りと冗長であった。伏線を張る時間帯というのはわかるのだが,中盤のいわゆる「遊園地」のシーンが始まるまではテンポが悪い。そこからはさすがにおもしろかったが,草十郎がいかに世間離れしているかの描写や魔術の説明,有珠の最初の戦闘などカットもしくは短縮できる部分は多かったように思う。ゲーム展開のちょうど中盤に「遊園地」を置きたかったのはわかるのだが,それで逆にバランスを欠いたのではないか。それに伴って,演出は確かにすばらしかったのだが,文章表示を最速にすると消えてしまうため,事実上文章表示速度は固定されてしまっていた。普段は完全にノーウェイトで読んでいるので,慣れるまではフラストレーションが溜まったのも,序盤退屈に感じた原因かもしれない。

その演出については,前述の不満を横においておくならば絶賛するしか無い。エンディングスタッフロールに酒井伸和の名前があったが,某人(@oratorio765)の言っていた通り「minoriやlittle witchのFFDが目指しているもの」に一歩近づいたんじゃないだろうか。文章(地の文)を消さずに,いかに画面を動かすか。完全なアニメになっては意味が無いのである。この点今回の演出は良かったと言っておこう。この演出で『月姫』がリメイクされたら鼻血吹くと思う。絵は文句なし。音楽も基本的に良かったのだが,クラシックの多用は良し悪しかもしれない。『月の光』や『ジムノペティ』あたりはエロゲだけでも使い古されているおり,よほどうまいこと使わないと印象に残らない。


ボリュームについてはちらちらと不満を聞くが,今時フルプライスで15〜20時間なら普通である。もっとも,ノーウェイト読法が封じられているので,縮めれば12時間くらいかもしれないが,それくらいのエロゲであっても「短い!」という不満が大きい作品はあまり見られない。ちょっと不当じゃないかと思う。一方,完結していないという点については私も擁護できないしする気もない。このへんは『オルタ』あたりと全く同じ現象で,続編ありきの構成なら,それはそれで発売前の広報で言っておいてくれれば妙な不満を持たずに済んだのだが。おそらく,単品でも成立するということを強調して置かなければセールスに影響するという判断から発売後の発表という形を取ったのだと思うが,実際にはそれほど影響しなかったのではないかと思う。TYPE-MOONの懐事情を知らないので無責任な発言にはなるが。

それに関連して,話の展開自体はおもしろかったものの,一作完結ではない弊害も大きかった。これもoratorioが言っていたことだが,「◯◯が出てきた時点で型月信者は話の落ちが完全に読める」。ついでに言えば,『まほよ』は『月姫』冒頭につながる話というのが自明なので,その意味では◯◯が出てこなくても話の落ちに想像はつく。ゆえに,あとの期待はむしろ設定の開陳に移っていく事になる。これがさっぱり明かされないもんだから肩透かしである。第五魔法関連は手がかりを出してくれたがまだ良かったが,草十郎関連については放り投げた伏線が多すぎるし,それ以外にもあれやこれやと,むしろ疑問点は増えてしまった。この肩透かし感だけで評価を相当下げた人も多かったのではないか。(ただし,私自身はちょっと時間が経ってから,それも周囲から情報を仕入れた上でプレイし始めたため,草十郎の過去などが明らかにならない点は知った上で読んでいたのでそれほど大きな不満点にはならなかった。その意味では,やはり広報の戦略ミスで,完結しないことがわかっていれば「肩透かし感」は少なかったのではないだろうか。おそらく私自身,発売日直後にやっていたらイラッと来ていただろう。)


もろもろを美点欠点をひっくるめて,80点以上はあげられる良作である。以下ネタバレは短く。

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Posted by dg_law at 02:21Comments(0)TrackBack(0)