2014年11月30日

結果だけはヨーロッパから見ていた

今回はヨーロッパに旅行していたため,ろくに見れていないので短く。

今場所は白鵬の優勝32回なるかという点と,逸ノ城の本格的な上位参戦が話題であったように思う。そして両者とも終盤まで話題を引っ張り,かつ土俵全体の内容も充実していたため,高評価が与えられる場所だったのではないか。これならじっくり見たかった。ただし,白鵬と鶴竜の終盤の相撲内容ははっきり悪く,白熱した優勝争いというには物足りない。総合して中の上としておこう。

さっさと個別評に。優勝した白鵬は可も不可もない最近の白鵬という様子。ダメ押しだけはいただけないというか,所作がまた乱れてきたような。評価の高い,大久保利通と明治天皇に言及した優勝スピーチも,所作が良くなければ霞んでしまう。一方,あっさり優勝できたのは,日馬富士が重傷からの休場明けで無理ができず,鶴竜は緊張で崩れたことが大きく,中盤までは鶴竜が二度目の優勝の可能性が高いと思っていた。日馬富士は眼底骨折からの復活と考えると十分な出来だが,一方来場所以降もこの程度の出来で固定されるのではないかという不安もある。鶴竜は安定した強さを見せたものの,あそこで固くなり,変化で自らのリズムを崩す辺り,器が小さいと言わざるをえない。

大関陣は壊滅的。稀勢の里は重圧がかかってなければあんなもんだろうという出来。琴奨菊は満身創痍と感じさせる必死の相撲であった。が,負け越しは負け越しなのだから勝負は厳しい。豪栄道は大関昇進早すぎた論も出かねない惨敗っぷりで,しかも今回は大きなケガもしてないはずで調整不足という言い訳もできないのだから,これはかなり苦しい。「出たとこ勝負」の相撲から一切の進化がない点は批判されても仕方がないかな,とは。もっとも,豪栄道の出来は隔場所なので,来場所は好調になるかもしれぬ。

関脇の逸ノ城は期待通りというべきか予想通りというべきか。左上手を取ればめっぽう強いがとれなければ弱い。これについて,「実は右手が攻撃の主体で,左は上手でも取らないとぶら下がっているだけ」という某人の評が当たっているように思う。逆に言って右が封じられれば苦戦することになり,そうした研究は上位陣の間で進んでいるように思われる。不利になると首投げにいって自滅する悪癖は直そうとしている素振りこそ見られるが,直りきってはいない。それでも勝ち越したのは地力の賜物で,上位戦は稀勢の里以外全敗だが取りこぼしが一切ないというのは今後を占う上での好材料だ。今場所は場所前に帯状疱疹にかかわるわ,あまりの取材の多さに精神的に参るわでろくに調整できなかったはず。来場所にも大きな期待をかけたい。残りの三役,碧山は突き押しが強くなったのは十分わかったので,今度はもうちょっと他をがんばろう。豪風はケガだが,年が年だけに,復活できるかが心配。勢はノーコメントで。

前頭上位。宝富士はここ3場所ほどで急激に強くなったような。左四つの寄る力が強く,いつの間にか上位定着してた。もう一段階進化できるかどうかに注目。高安は調子の波が場所ごとに激しいので,今場所は強かったなということしか言えない。照ノ富士は存在感が今ひとつなかったが,千秋楽の逸ノ城との決戦は良かった。2分半に渡る右四つがっぷりの壮絶な力比べはすばらしく見応えがあり,今場所のベストバウトと言ってよかろう。きっちり勝って先輩の意地を見せたのだから,出世競争自体でも逸ノ城に負けないようがんばって欲しい。大砂嵐はまだまだ膝のケガが悪く,引く場面では全く踏ん張れないのが戦術上の大きな(文字通り)足かせになっている。再出場後にはそれなりの白星をあげたものの,再出場自体正解だったのかどうか。

前頭中盤。まず,新鋭4人組では最後の遠藤。ここ数場所の情けない印象からの脱却は図れたようで,立ち合いの圧力は改善されてきたように思う。精神的にも吹っ切れた様子が垣間見え,来場所からの逆襲に期待したい。次に栃ノ心。大ケガからの復帰で幕内まで駆け上がり,この番付でも11勝した。明らかにケガ前よりも強くなっている。基本的なスタイルとして左上手を取って膂力で寄り切るというのは変わっていないが,寄る速度や押し引きの判断が早くなっており,相撲全体が素早く展開するようになった。これは同格なら遠藤に見られる特徴で,右四つに組んでもそこから進まないのが以前の栃ノ心の特徴であったから,正反対である。来場所にも続けば大きな武器になると思う。3人目に隠岐の海。新婚で前半は好調だったが,後半は崩れた。好調にすくわれたか,後半は無理に寄っていこうする場面が増え,前半はそれでもなんとかなっていたところで後半はふんばれなくなったということであろう。所詮,精神的な高揚は長続きしないか。

前頭下位。まず旭天鵬おじさんは何なの。サイボーグなの。まじめにあと丸1年は取れるでしょ。妙義龍はもうちょっと勝つかと思ったが,前のめりに倒れることが多く,9勝とはいえ残念な出来。「立ち合いの当たりの強さに差し身の良さで一気に持っていく相撲」なのに前のめりに倒れるというのは,足腰が弱っているのでは。北太樹は左四つ速攻でなければ攻め手がない,という弱点を完全に突かれての大敗で,研究され尽くしている感がある。荒鷲は星こそ8勝だが,とったり・たぐり戦法が効果を発揮し,見ていておもしろかった。蒼国来も9勝の割にイメージが良い。技術が非常に高く,組むと膂力以外でねじ伏せるのは困難である。その意味で12日目の栃ノ心戦での敗戦が印象深い。こんな力士を数年に渡って塩漬けした例の騒動と裁判の罪は本当に重いなと,改めて思った次第である。
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2014年11月29日

ドイツ・フランス・ベルギー旅行記(前編:フランクフルト・ハイデルベルク・ストラスブール)

行ったのはフランクフルト・ハイデルベルク・ストラスブール・パリ・ブリュッセル・ケルン。旅行記を書くにあたって,旅程順に都市ごとに書いていくか,それぞれのトピック(治安・食事など)ごとに書いていくか迷った結果,両方やることにした。まずは旅程順・都市ごとに。今回の旅の主要な目的は,

・ストラスブールにて『ごちうさ(ご注文はうさぎですか?)』『WHITE ALBUM2』の聖地巡礼
・パリにて約10年前に行って制覇できなかったルーヴル・オルセーへのリベンジ

であった。あとは残りの参加メンバーの要望に沿って旅程が組まれた感じ。結果,パリは滞在三日間で,ストラスブールが一日半,残りの都市は半日で一都市という割とハードスケジュールになった。ただ,意外とそれで満喫できたような気も。


出発
11/15早朝,上野から京成電鉄で成田へ。よくよく考えてみると京成の電車も成田空港もそれ自体聖地だったような気がするものの,さすがにありふれすぎてて写真を撮る気にはなれず。今回,出国・入国の際に指紋認証をすると並ばなくて済むようになるというのを知って導入した。確かにこれは便利。一瞬で手続きが終わる。成田からインチョン経由でフランクフルトへ。お値段は往復10万円ちょうどくらい。実はこれより安いやつで,アブダビ経由で往復5万という超格安プランがあったのだが,時間がかかりすぎる上にさすがにちょっと不安になってやめた。機内食はまずまず。辛いもの好きの友人は韓国料理に歓喜していた。機内では映画の『レゴムービー』を見たが,意外とおもしろかった。約12時間ではあるが,映画見て飯食って寝てれば,案外と飽きずに着く。フランクフルト空港にてユーロに換金。別記するが,空港のレートは良くないというのが一般的な評価だが,実は街中の換金所でも全然変わらないというのが今回よくわかったので,ここで使う分だけ一気に替えてしまうか,必要最低限だけ替えてあとはクレジットカードで全部済ます覚悟を決めた方がいいと思う。


フランクフルト
ほとんど往復の空港と初日のホテルのためだけに滞在した感じ。正直経済都市すぎて見るところがあまりなく,レーマーベルクは10年前に行ったしなぁ……と思っていたのだが,そういえばシュテーデル美術館があったなということに到着して街歩きしていたら気づいた。手遅れである。初日の夜は「典型的なドイツ料理を食べたい」というメンバーの希望により,いかにもなドイツの居酒屋を探して歩きまわり,ようやっと見つけて大混雑の店内を案内されて席を確保。いい加減ドイツ語&英語でやっと注文。周囲のメンバーが「ソーセージ4人前(人数分)」と主張する中,前に旅行した経験から「絶対に大変なことになる」と行って2人前にとどめたところ,案の定えげつない量が出てきた。

DSC_0072


写真だとわかりにくいかもしれないが,ソーセージと肉の塊の下にザワークラウトが敷き詰められている。さすがにこのキャベツの山は残す羽目になり,ドイツ料理の洗礼を受ける。店員のおっちゃんに「なんだ東洋人,胃が小せぇな」という目で見られつつお勘定をしたが,いや,お前らが食い過ぎなだけだって。実際,フランスは常識的な量だったし。あと,事前の調べでは「ドイツ国内で最も治安が悪い」とあり,実際フランクフルト中央駅(Hbf)の駅前は非常に雰囲気が悪かった。一方,街中は,体感上の治安ではあるが,そう危険は感じなかった。


ハイデルベルク
城だけ。ハイデルベルク駅からはバスで麓まで行き,そこからケーブルカーという行き方が一般的な模様。バスは値段を忘れたが,市内均一料金で行ける。20分に一本くらいは出てるので,そんなに待たないと思う。ケーブルカーはハイデルベルク城に行くだけなら全く必要ない。山城ではあるものの,実はハイデルベルク城が建っているのは山の中腹で,2,30分登山すれば着く。もちろん,ケーブルカーで行けばものの2分で着くが,登山道の景色も良いので歩いて登るのを勧める。道は単純なので迷うこともないだろう。ただし,ケーブルカーはハイデルベルク城を通りすぎて山頂まで通っており,そこまで歩いて行くのは辛いようだ。山頂まで行きたければケーブルカーに乗ろう。我々は時間的都合もあり,山頂までは行かなかった。

ハイデルベルク城はめちゃくちゃ雰囲気が良かったが,一応は近世の山城・要塞であり,ロマンチック街道的な城やノイシュヴァンシュタイン城的なものを求めていくと,どちらの意味でも裏切られると思う。一方,「山深き場所に建つ,要塞建築の廃墟」として見るとやはり格別の美しさであり,行くべき観光名所である。友人たちがいろいろ写真を撮っていたが,何枚かピックアップして。

ハイデルベルク城1 ハイデルベルク城2 ハイデルベルク城3


一枚目の写真のように堀が枯れており,歩くことができる。なかなかのドラクエ気分が味わえる。二枚目の写真の崩れている塔が最大の見どころであろう。この塔,てっきり激戦だったファルツ継承戦争で壊れたものかと思われたが,実際には火薬の暴発による自滅らしい。真相なんてそんなものである。また,中に入れるスペースは少なく,というより一日に数回の城内ツアーに参加しないとほとんど見れないに近い。弾丸ツアーの我々には入っている余裕が無かったのが残念ではある。城内をしっかり見たければ,ある程度時間的余裕をもって行くのを勧める。一応,付設のレストランと,なぜかあった薬事博物館に入ると,それなりに城内が見られる。三枚目の写真は街の全景。統一感があって美しい。

ハイデルベルク駅での昼飯はカリーヴルスト。ケチャップが混ざっているおかげか,辛いものが苦手な私でも食える程度の辛さでしかなく,大変にうまい。ドイツの産んだ最強のファーストフードでは。そこからDB(ドイツ国鉄)でカールスルーエへ。ほとんど滞在時間なく,SNCF(フランス国鉄)に乗り換えてストラスブールへ。ドイツの田園風景はほとんど畑か牧草地で,たまに鬱蒼とした森が混じる。案外と変化に富んでいておもしろかった。


ストラスブール

ストラスブール1


こんなもん到着した瞬間に滂沱の涙ですよ。聖地巡礼用の写真はおおよそ全部押さえて撮ってきたのだが,全部貼ってるととんでもない重さになるので,先駆者の記事へリンクを張っておく。あと,以下の画像が死ぬほど役に立った。



どこに行っても基本的にまんまの風景がそこにあり,非常に聖地巡礼のしがいがあった。この中でのハイライトと言えばやはりクレベール広場である。クレベールはフランス革命期に活躍した将軍なのだが,エジプト遠征で取り残されてカイロで暗殺されたらしく,やや不運な生涯である。フランス革命期のアルザス地方というとドイツ系であるということで,国民国家建設から疎外されないよう,他の地方よりも革命政府に協力的だった。クレベール将軍もそうした背景から出てきた人物の一人と言えよう。で,ちゃんと『WHITE ALBUM2』同様に夜に行ってばっちり撮影。プレイ済みの方なら納得していただけると思うが,クレベール広場のシーンは『君望』で言う事故のシーンに匹敵するインパクトである。『WA2』未プレイで『君望』プレイ済の方は,あの事故のシーンの聖地に訪れることができたと想像してみてほしい。

ストラスブール2


あまりの感動に打ち震えて身体が勝手に五体投地していた(言い訳)。かずさー! 俺だー! 俺のためにピアノ弾いてくれー! ……あ,私が伏している場所のすぐ右に例の巨大クリスマスツリーがある。そういえばストラスブールがクリスマスツリー発祥の地という説もあるそうだが,その説に則るなら極めて歴史的に意義深いクリスマスツリーなのでは。また,私が拝跪しているこの建物は,厳かそうに見えて実は単なる商業施設であり,よく見るとユニクロの看板がある。ちなみに,少し左にカメラを動かすと,今度はアップルストアの看板が見える。割と興が醒めるので,見ないほうがいいかも。もう一つ,この建物の反対側には,ギャラリー・ラファイエット様がどどんと建っておられ,この建物が実にすばらしかった。

ストラスブール3


フランスと言えば百貨店文化だなぁ。そのギャラリー・ラファイエットに,翌日の昼に入ってみたのだが,

ストラスブール4


なんすかこのブリオン。店内装飾も美しかったのに,これだけすっごい違和感が。これが……フランスの百貨店文化……!!!(多分違う


一方,『ごちうさ』の場合,特定の背景が採用されているというよりも,街全体がストラスブールとコルマールから取られているとのこと。実際,旧市街にそれっぽい建物はいくらでも見つかるので心がぴょんぴょんし放題である。あと,聖地巡礼抜きで大聖堂には行くべき。今回,ノートルダム・ド・パリ,ケルンと3つ見たけど,残り2つに全く遜色ないすごさだった。

体感上の治安は非常に良い。というよりも,今回の旅行で一番治安の良い街だった。物価も安い。行った都市のスーパーマーケットには必ず行くようにしていて,そこで物価を見ているのだが,ストラスブールが一番安かった(そういえばスーパーマーケットでフランス版源氏パイを買ったので某人に今度プレゼントします)。食事についても,何を食ってもうまかったのだが,量が異常で,やっぱりここはまだドイツなんだなぁと妙なところで納得させられた。おう,芋とザワークラウトてんこもりにすんのやめーや。


と,ストラスブールを満喫したところで,お次はパリ。TGVに乗って一気に移動。フランスの田園風景も基本的に畑と牧草地なのだが,森が無いのと起伏がないので,ドイツに比べてまったくおもしろみがなかった。そしてパリに近づき市街地が見えるや否や落書きの嵐で一抹の不安が漂いつつ,パリに到着。(中編に続く
  
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2014年11月24日

『WHITE ALBUM2』レビュー

一応致命的なネタバレは避けていて,本作の設定を知らなくても読めばそれなりに分かるように書いているはず。(むしろ『君望』はネタバレしている)

さて,三角関係を描いた本作の感想というと,まずもって来るのが「どうしてこうなった」「誰が一番原因だ」問題である。まずこれに意見を表明しておかないとレビューとはなるまい。私の立場は,「全員が平均的に悪い」というありきたりなものではあるが,これ自体が本作の重要なポイントであると思う。ちょっと説明を加えさせてほしい。

本作の三角関係の根本的な原因は,すれ違い,タイミングの妙が全てで,実際のところ究極的な悪者はいないというものだ。これは極めて丸戸らしい世界観で,「世界は貴方が思っているよりもちょっとだけ優しい」から全くぶれてない。絶対的な悪者がいない程度には優しいのだけれど,しかし運命は残酷で。「世界は」「貴方が思ってるよりも」「ちょっとだけ」「優しい」のがそれぞれ重要で,特定の誰かが優しいわけではなく,それは時と場合により移り変わり。人間は自らの将来について悲観しがちで。それよりは現実は少しだけ厳しくないけど,でも基本的には厳しくて。だからこそ,自分の想像を少しだけ超える優しさが垣間見えた瞬間が奇跡に見えて。やっぱ里伽子抄最高や!(唐突)……いや,真面目な話,あれが丸戸史明の世界観の中核じゃないかと。本作は怒りや邪念の無い,ただただ積り続けるどん詰まりの純粋な苦しさを味わうことが出来,最後にはそれなりの救済がやってくる。だから,物語の大半は余分なことを考えさせずにストレートに胃に来る。というか,脳みその方は綿密に張られた伏線の回収の方で忙しい。こんなもん,マゾヒストじゃなくても楽しいに決っている。

一方で,この「全員が平均的に悪い」というのはさじ加減が難しいもので,個人的には極めてうまくやってのけた作品だと思うのだが,実際には雪菜もかずさも春希も,特定の誰かが悪いという批評はそれなりに見られる。これは別にその人たちの読解力を問題視しているわけではなくて,読めばそういう観点ならと納得するものも多い。特にまあ,アンチ雪菜がそこそこ発生するのは理解できるところで。つまり,これだけ丁寧に描いてもどうにもならない感性のゆらめきというものはあり,テキストのバランス調整は至難の業なのだなと痛感させられる話である。しかし,そういった批評であっても概ね高い評価をつけているものがほとんどではあるのも,また本作のおもしろいところではあろう。

もう一つ。本作はIC(序章)・CC(本編)・coda(最終章)の三章に分かれていて,それぞれの時期でそれぞれの精神的な成長と,譲れないものが変わっていくのもポイントになる。「全員が平均的に悪い」「最悪のすれ違い」という点といい,「時間が最大の解決」になる点といい,本作は清く正しい『君望』の後継者である。言うまでもないが,だからと言って『君望』の偉大さが減じるわけではない。というか,厳密に言えば『君望』は「全員が平均的に悪い」わけではない。言うまでもなく遥は「運が悪かった」だっただけだ。あの事故にあらゆる「悪さ」の焦点を集めた点でやはり『君望』は画期的な舞台装置であった。一方,本作はあえて文化祭を焦点にせず,ICの後半,作中時間の半年をかけて作っていった。結果的に,一瞬の破壊力は劣るものの,破滅に近づく恐怖をじっくり味わうことができる。いずれにせよ,「平均的に悪い」三角関係を稼働させるには,整った舞台装置が必要で,それを綿密に作り上げた作品の系譜だと思う。丸戸さん,相当『君望』を研究してから本作にとりかかったのではなかろうか。ネタバレゾーンで後述するけど,サブヒロイン群の配置を見ても,ねぇ。どこぞで見かけた「ホワルバの型に君望の中身を詰め込んでHERMIT系の丸戸作品で味付けした感じ」はかなり的確な例えじゃなかろうかと。

そうそう,本作といえば「誰が一番悪いか」に引っ掛けられて「誰が一番嫌いか」もしばしば話題になるところだが,私は嫌いなキャラはいない。とはいえ,一番好きなのは誰かと言われれば,やっぱり冬馬かずさが好きだ。ただし,いわゆる「俺の嫁」というよりは,なんというか父性をくすぐられる感じ。それだけに,私は物語で特定の登場人物に感情移入しないのだが,本作のcodaは完全に冬馬曜子(かずさの母親)視点で読んでた自分がいた。それだけにcodaはどのエンディングに行っても,それぞれ別の意味で心に染みた。かずさが幸せなら,それでいい。

正直満点つけても良い気分なんだけど,冷静に考えると満点分楽しめたかというと疑問点がいくつか。それを含めて,各分野についてちょいちょいと。まずグラフィック。立ち絵は優秀だったけど,もう少し種類が欲しかった。特にcodaでは文章の感情表現に追いついてない場面がちらほら。一枚絵は誰てめ絵になりかかってるのが何枚かあった。しかもHシーンでそれが多いため絶妙に実用性が低い。種類が足りないのはBGMも同じで,CCの終盤あたりから聞き飽きた曲が出てくる。一方,ヴォーカル曲は数も質も圧巻。本作の『届かない恋』は,『AIR』の『青空』クラスの破壊力をもって私の人生に刻まれた。イントロだけで嗚咽が生じる,至高の胃痛ソングである。各声優さんの名演技も光っていた。特に雪菜役の米澤円。これは神がかっていたと言わざるをえない。

最大の問題点は,冗長さである。正直30〜40時間持っていかれるのは時間泥棒で,ICとcodaはいいとしてもCCは冗長な場面が多かった。あれは,あと2〜3時間でいいから削れただろう。あの冗長さは本作のシナリオ面での数少ない(が看過もできない)瑕疵になっていると思う。自分自身,長すぎて放置してたところがある。それを一気にクリアすることにしたのは,聖地巡礼の計画が立ち,それに間に合わせる必要が出てきたからだ(聖地巡礼は別記事にて)。一度再開すれば,おもしろさもあって一気に進んだが,それでも終わったのは海外旅行の前日,飛行機が飛び立つ9時間ほど前であった。これは丸戸史明の悪い癖で,どうでもいい会話の中にふっと重要な感情を吐露させる手法を多用し,テキスト自体のおもしろさを活かして気づかれるか気づかれないかのぎりぎりを攻めていきつつ時間を経過させるのが丸戸の脚本だ。これは反面,文章量がどうしても膨大になり,かつ一場面ずつ切り出して読んでみると大変に淡白である。いかにテキスト自体がおもしろかろうと,これだけ引き伸ばされて淡白になれば冗長と言わざるをえまい。しかも,本当にふっと挟まれるので,変にスキップしたり流し読みしたりできないのもまたつらいところだ。

しかし,もろもろ減点しても90点以上をつけていいくらいには楽しめたかなと。2010年代のゲームに限れば『穢翼のユースティア』と並ぶエロゲ史上の最高傑作の一つだと思う。まだやってない人は胃薬と十分なプレイ時間を確保して,是非。で,今私が悩んでいるのは,PS3版をやるべきか否か。というよりも,やりたいんだけどもハードを持っていない。PS1のゲームも久々にやりたいのがあるし,ドラクエ無双(通称)も出るし,PS4が出て値段も下がってるし,そろそろPS3を買わざるをえないかなぁ。


以下,ネタバレを含めて。
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2014年11月15日

誰かこの哲学的命題に挑戦するのだ

長年の課題だった『ホワルバ2』をクリアした。あまりにも感動したので,今日から,ちょっと『ごちうさ』と『ホワルバ2』と『乙りろ』の聖地巡礼に行ってきます。なお,ブログの更新は止まります。予約更新を作っていくだけの余裕がなかった。


・【東方】比那名居天子総領娘「世の中を…ウッ…ガエダイ!」(2ch東方スレ観測所)
→ 全体的に笑ったけどこれが一番笑った。>「永琳「STAP細胞はありまぁす!!」」
→ 永琳ならSTAP細胞を実在させてしまえるのか問題は,アヴェロエスの命題に近いものがある。


・こういう乳ボーンてなる服ってなんて名前?(キニ速)
→ コルセットスカートが一番近いんじゃろうか。
→ 少なくともディアンドルは必ずしも胸を強調した格好ではない気が。巨乳の人が着るとそうなることもあるだけで。


・スリランカで、イスラム教徒に対して行われている殺戮行為をご存じか。スリランカの新聞・テレビだけを見ている人は、知らなくて当然だ。(Global Voices)
→ スリランカ内戦終結からまだそれほど経ってないのに。ヒンドゥー教徒と仏教徒だけの争いじゃなくて,今度はムスリムが迫害に遭ってるのか……


・今度はアフィリエイト広告だけで小説を書いてみた(桃太郎篇)(ラーメンとアイコン)
→ 力作すぎるでしょう……リズムよく進んでいくのが気持ちいい。「アルトコロニー」は反則。
→ ところで書名は『ピーチ・ジョン』になるのでは(どうでもいい)


・もし本能寺の変で信忠だけでも無事脱出できてたら(歴史的速報@2ch)
→ 私は信忠の器量を評価しているので,織田政権がそのまま続いたのではないかと考えている。
→ ただ,曹操に対する曹丕のような構図にはなり,親の路線そのままでは立ちゆかず,ある程度秀吉などに妥協する政権にはなりそう。その場合の「織田幕府」(仮)が安定政権になるかというと,江戸幕府よりは室町幕府のような状態になるのではないかと。
→ 鎖国政策も大きく変わっていただろうし,17世紀以降の日本史が全く別の物になるだろうなぁ。
  
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2014年11月13日

強制される自発的な意志

・【名古屋】名駅の難易度高すぎワロタ 新宿(笑)梅田(爆)(暇人速報)
→ 名駅ってそんなにダンジョンだっけ? と考えてみるとあんまり乗り換えで使った経験がなかった。基本的に名鉄をつかう=金山で乗り降りしてしまい難易度が下がる説はあるかも。
→ 梅田と名駅がややこしいのは,東京で言うところの東京駅と新宿駅(ないし渋谷・池袋)の機能を両方持ってるところかなぁと。東京は遠方から来たときにたどり着くターミナル駅だけど,私鉄は乗り入れてないし地下鉄は案外と不便。ほとんどJR単体で構成されている駅でシンプルな構造になっている。一方,新宿は私鉄と地下鉄が乗り入れすぎててごちゃっとしているから,あんなダンジョンに。梅田と名駅は新宿的な意味でごちゃっとしてるんじゃないかと。名駅は近鉄どこだよとかバス乗り場どこだよってのは確かにわかりづらい。
→ 逆に言って東京駅の場合,名駅で言うところの金山の機能を本来は品川が負うべきところ,離れすぎてる&地下鉄的不便で,あまり意味なくなってる感が。同様のことは梅田と新大阪でも言えるかも。その点,名駅は金山の機能が完璧すぎて回避できちゃうんよね。
→ 地図が嘘ついてるのと,地名が実態を表してないのと,万年工事中でトルネコのダンジョンの3点セットがダンジョンの基本装備なんじゃろうか。名駅も万年工事中ではあるけど,前者2つは梅田・新宿に特有の事情かも。


・民間船:有事の隊員輸送 船員を予備自衛官として戦地に(毎日新聞)
→ 太平洋戦争時の民間船舶の徴用がたどった歴史を知ってしまっているので,そりゃ海運業者にとってはトラウマやろなぁ……という感想に。
→ あーうん。「徴兵制は非合理的だから採用されない」派にはすごい後ろ玉だわ。正直,これ以来「徴兵制なんてないないw」と気軽に言えなくなってしまった。
→ 「「予備自衛官になるかどうかを決めるのは船員本人で、強制できない」と強調。予備自衛官になるよう船員が強いられるおそれについては「会社側の問題で、省としては関知しない」としている。」という部分が,なんというか日本の暗部が。ブラック企業を彷彿とさせる……


・ドイツ徴兵制停止までの経緯(Kousyoublog)
→ 上の一件にあわせて。「ボランティアという名の強制」はうちの国の十八番だと思っていたが,良心的拒否の代役義務が廃止された補填がそうなりそうなのは世界どこでも同じなのかな。


・覚醒剤所持の被告に無罪 令状なしに捜索 「無理解が甚だしい」と東京地裁(産経新聞)
→ デュープロセスの重要性ってやつで。


・「ヒツジ」の毛を6年間も刈らないとこうなる…。衝撃の結果!!(ひろぶろ)
→ けっこうすごいことに。よく身動き取れなくなって死ななかったな……
→ これは2004年の事例だが,奇しくも2014年にもあったので,10年に一匹くらい出てくる現象のよう。


・明末清初をおおいに語るスレ(歴史的速報@2ch)
→ 明(南明)が生き残るにはどうしたらいいか考えるスレ。……案外とがんばれそうでがんばれない。崇禎帝がもうちょっとだけ疑心暗鬼じゃなければ,猜疑心が強い人間じゃなければ何とかなったのかも,とは思う。
→ 第三極の李自成の順は期待できそうにない。南明と後金と三国鼎立というのは無理がありそう。ジュンガルのガルダンが南明と手を組む方がまだ現実的だろうけど,はたしてジュンガルが中国内部に興味があったかどうか。
→ EU3でがんばるは禁句。実際,明初からプレイできるのでけっこうがんばれてしまうのよね。AIの明がユーラシアの東半分を征服してるのは時々見る。
→ それとは別に台湾政権がもうちょっと正統性のある形で成立してて,康煕帝が征服に失敗してたらおもしろかったかも。スレ内で指摘されてるけど,その後の日清戦争も国共内戦も全く展開が変わることになる。  
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2014年11月10日

空虚であることの意味

・江戸城天守閣、再建の夢 NPO主導で五輪前完成目標(朝日新聞)
→ ロラン・バルトの話が通じなくなるので建てない方がいい……というネタが自分以外から出てこなかった上,賛同も得られなかった。ひょっとしてこのネタ,めったに通じない……? みんな『表徴の帝国』は読んでない?


・すき家ゼンショーの「第三者委員会からの調査報告書受領に関するお知らせ」がまるで牛丼売ってる蟹工船(市況かぶ全力2階建)
→ 貴重な資料。現代の蟹工船すぎて他に言葉がない。


・領海の外縁を根拠付ける離島の地図及び海図に記載する名称の決定について(首相官邸)
→ 注目すべきは68番,ソビエト。ソビエトは滅んでいなかった……和歌山に存在した。
・なぜ国は和歌山沖の無人島を「ソビエト」と命名したのか?(週プレNEWS)
→ で,語源はやはり「聳える」っぽい。ググると釣り場としてそこそこひっかかった。


・ガルパンOVA感想(あんよの日記)
→ これは良いガルパンOVAのレビュー。よく見てらっしゃる。アンツィオ戦は大洗にとって似たもの同士の戦いではあって,両チームともに作戦で貧弱な戦車を補うチームだけど,初動で作戦をミスしてしまった。そこからの立て直しの差が結果に出た。それは個々の作戦理解度の差であり,みほとアンチョビの指示の違いでもあり。
→ 個々の作戦理解度というのは大洗の強さであって,それは他チームとの対戦でもよく現れている。チームの面々の理解度が高いというより,個々人の理解力に合わせたみほの指示のうまさであって,ガルパンはそこら辺の描写が本当にうまいなと,たまに見返すと思う。
・ガルパンの大会出場校副隊長について・その1(あんよの日記)
→ こっちの,副隊長についての考察もおもしろい。各校の性格出てるよなぁ。


・コミケに参加する艦これのサークル数が東方のサークル数を超えたという事実を事実のままに書いたら、熱心な東方信者に「捏造だ!」と因縁をつけられた(Togetter)
→ まとめ作った人が対立煽り系の人であまり張りたくないのだけれど,張れる物がこれしかなかった。自分もコメントしているので掲載。というか,コメント欄見てもブコメを見ても,対立点やその重要性をよく理解していない人が多くてもったいない。確かに言い方はきつくてそのせいで無駄に敵を増やしていたけど,五蟻氏の主張も十分理解できるもので。
→ で,概算自体に意味が無いという異論なら,わからんでもない。……というようなことをコメントしてみたら,案外と丸く収まった。まあ,解決の通り,ありらいおん氏が,継続して氏の活動を追っている人向けに,記事内容を省略しすぎたかなというのはある。それをどこまで対応すべきかというのは難しい問題だけど。
・サークル数の概算の仕方について考察してみる(けいあんの御触書)
→ けいあん氏の補足記事も。ありらいおん氏の主張をよく踏まえていると思います。追記にある通り,ありらいおん氏の計算が雑or捏造という主張の根拠たるふたばでの計算は,そっちの方がさらに雑。そもそもありらいおん氏にせよけいあん氏にせよ,捏造する動機が皆無だしね。
→ 最後に,言うまでもないかもしれないが,私はありらいおん氏の計算方法に一定の意味があると思うし,あれは長期間継続され蓄積されたデータだからこそ意味が大きく,単年だけ抜き出して,しかも東方と艦これだけ抜き出して議論すること自体にはあまり意味がない,という意見だった。議論がややこしくなるから,今だから言うが。
  
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2014年11月09日

そもそもコケるなよ,という話

・この間,生まれてこの方約30年で初めてというレベルで道端で転倒し,スーツが一着ご逝去なされるわ,全身擦り傷だらけだわ,足の擦り傷が深すぎてあまりの痛さに歩行困難だわ,という酷いになったのだが,キズパワーパッドを使ったらすごい速度でおおよそふさがった。ステマじゃないですよマジで。一週間くらいの歩行困難を覚悟してたんだけども,ものの3日で歩行を回復した。医学の進歩ってすげーわ。
→ 使った感触をつらつらと書いておく。
・メリットとして,治りは本当に早い。体液をガーゼで吸い取るというより有効活用してる感ある。耐水性が高く,手を洗ったりシャワー浴びたり風呂入ってもはがれない。貼ったら丸1日くらいは貼りっぱなしでいける。剥がしても絆創膏でありがちな「かさぶたも一緒に取れて治癒が後退」ということも少ない。
・デメリット:とにかく高い。1枚あたりで普通の絆創膏の3〜5倍くらいの値段がするような。即治す必要がないなら,絆創膏の方が経済的かも。私の場合,最初3日ほどはキズパワーパッドを使い,その後は絆創膏に切り替えた。
・使い方の注意として,「丸1日くらいは貼りっぱなしでいける」と書いたが,実際のところ2,3日まで剥がれないままいけてしまう。ただし,1,2日くらいで剥がさないと,今度は化膿してくる。一箇所,実験的に3日放置してから剥がしてみたら見事に臭かった(それでも傷自体は完璧ふさがっていたが)。
・あと,強烈に張り付いているので,剥がすのにはけっこう苦労する。お勧めとしては隅の方を少しだけ剥がしたら,内側にお湯をかけながら剥がすと割と楽に剥がれる。


・県警、反対住民の情報漏らす 発電所巡り中部電子会社に(朝日新聞)
→ これはひどい。現状無関係の市民や組織の,それも活動と無関係な個人情報を漏らすとは。
→ こういうところで警察不信って煽られてるんだろうなぁ。なお原発ではなく風力発電。


・なぜ東京・江戸川区にインド人村が誕生? (日経新聞)
→ 「ガンジス川に似ている荒川」マジで。河川敷でクリケットするレベルだそうだが,にわかに信じがたい。
→ 「在日インド人数は全国で22984人(2012年時点)。その3割にあたる7902人(14年時点)が東京都内」で ,「東京23区で最もインド人が多いのが江戸川区。1959人で都内全体の約25%を占める。次いで江東区の1187人」だそうなのだが,意外と散ってるなというのが素直な印象。もっと東京都に集住してて,かつ江戸川区に多いのかと思っていた。そして,文京区・千代田区は全然住んでないのね。本郷から神保町にかけてやたらとインドカレーの店が多い気がしたのだが。


・欧州の剣道強国フランスを陰で支える日本人防具職人(ネタりか)
→ 冒頭にあるとおり,サッカーの方が野球よりも普及しやすいのと同じ理屈で,普及が難しいと思う。ただ,剣道はスポーツとしておもしろいし,フェンシング並の深さがあるのが理解されればあるいは。武道としてはケガをしにくい部類だと思うしね。


・シベリアに謎の巨大穴が出現(AFP)
→ 星新一ネタとドラクエ3ネタが並立しておる。地面に空いた巨大な穴というと,やっぱりそうなるか。真相は,記事を読む限り天然ガスによるものなんだろうなぁ。
  
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2014年11月07日

またチェコから力士が来て欲しい

・<小保方博士論文>「不正あったが学位取消に該当せず」早大調査委・配布資料(全文)(弁護士ドットコム)
→ まず公聴会時論文とやらの再提出を認めてはいけなかったのでは。
→ 「意図してなされた不正の箇所は論文内容に重大な影響がなく」,「不正自体を裁く制度が未整備」だからセーフという理屈らしい。であれば,制度が未整備だったこと自体が責められるべきだし,想定されていないレベルの不正を行ったということで事件の前代未聞さが強調されるべきでは。


・ドイツ代表の「ガウチョ・ダンス」について(想像力はベッドルームと路上から)
→ これ,サッカーを知らなくても多少なりともラテンアメリカ史を知ってれば,ガウチョ(ガウショ)でカウボーイの意味というのは知っている事だと思うのだが。
→ こういうのがあるから,差別認定は慎重にやるべき。世界規模でドイツに迷惑かけたのでは。無論,そもそも敗者をいたぶるのはかっこよくない,というのは別意見として有り。


・自称「バルナバスの福音書」はキリスト教の根本を揺るがすか?(Togetter)
→ 陰謀論がたくさん出てきて笑った。ヴァチカンの権威を揺るがしたい人って多いんだなぁとか,正教会はやっぱり無視されるんだなぁとか。


・土俵態度が物議を醸す白鵬。偉大過ぎる人間:白鵬の影が批判を許さぬ今、横綱審議委員会の真価が問われる。(幕下相撲の知られざる世界)
→ 同意。ここで白鵬の土俵態度を指摘できないのであれば横審は最後の存在意義を失う。
→ で,やっぱりなかったという感じ。もう白鵬に正面切って意見できるの,いろんな意味であの悪魔しかおらんのじゃないか。一方で,九月場所の白鵬の素行はやや改善されたように見えるので,悪魔が何か言うことに意味があるんじゃないか。そんでもって,悪魔がストッパーであることを白鵬自身も賢く気づいてる感じが。ただ,あの悪魔は正しく伝家の宝刀なので,多用されてもなぁと。


・チェコ出身、元幕内の隆の山が引退(日刊スポーツ)
→ 体重が増えない中でよく取ってたと思う。お疲れ様でした。
→ 9月頭に断髪式をやってたけど,断髪してもイケメンはイケメンだった。


  
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2014年11月03日

「ロボットは東大に入れるか」成果報告会 in 2014(11/2)レポート

昨年のものはこちら。そしてNHKの報道はこちら。

大体のことは昨年あと同じである上に,今年はNHKの報道がかなり詳しく報じてくれているため,今年は昨年に比べるとレポートを出す意味が薄いと思われた。なので書くべきか迷ったが,一応書いたので公開する。そういうわけで,できれば昨年のレポートと,(リンクが生きてれば)NHKの報道を見てからお読みいただければと思う。

昨年は午前の部が研究者向け発表,午後が一般向け発表という分け方で,ほぼ全科目二周したのだが,今回はそうした区分けは無く,研究者向け発表のみ。午前中が理系科目,午後が文系科目。また,前回はスライドが全部印刷されて配布されたのでレポートを書きやすかったのだが,今回は数学以外未配布である。スライドが切り替わるのが早くてメモを取り逃した箇所がいくつかあり,完璧ではない点ご了承いただきたい。受験したのは昨年同様センター型の模試で,数学のみ東大プレも受験。


新井紀子先生の開会の言葉とプロジェクトの趣旨
・昨年と全く同じ。目標は変わらず。2016年のセンター足切り突破,2021年(2022年春)の文科の二次試験合格を目標とする。目的は「リアルデータを用いた,人工知能をフェアな評価の俎上に乗せ,真の技術的ブレイクスルーを図る」。その上でなぜ東大入試を選んだのかという点については昨年度も話しているため割愛された。(念のため書いておくと,現状の人工知能では困難な知的作業が多いため。特に「深く正確な(自然言語の)構文解析と意味合成」・「パラフレーズ同定」・「文章の要約」の3点。)
今の情報学の流行というとビッグデータの処理だが,これはレッドオーシャンになってしまっている(上に,googleにはどうがんばっても勝てない)。東ロボはブルーオーシャンで戦うためのプロジェクトになりうると考える,とのこと。ブルーオーシャン的戦場の類例として,DARPA AI Project群,Project ARISTOが挙げられていた(編註:この2つが何なのか私はわかりません)。要するに,AI機能の「統合的タスク」は新規開拓の余地があると考えている模様。(この点は最後の松原仁氏の講演でも語られていた。AIの歴史は統合と分散を繰り返しているそうで。)


教科全般の話
・東ロボくんが入試に参加する上でのレギュレーションについて。ここも昨年とおおよそ同じだが,もう少し詳しい説明があった。以下,追加情報を中心に記載。
・東ロボくんは並列処理が可能。よって,小問1つに制限時間いっぱいを使える。たとえば東大二次試験の数学は文系なら4問あるが,4問それぞれに試験時間100分使える。人間なら時間配分も勝負の決め手になるので,この点は有利。
・例によって,OCRで直接文章を読み取って東ロボくんに流し込む,というのは未実装。今回は問題文をXMLに書き下す(数学ならMathML)ところまでは人力。
・画像処理も昨年と同じでほぼ未実装に近い状態。アノテーションを付して図表をテキストデータに変換し,自然言語として処理。
<筆者感想と補注>
半ば裏話的に聞いた話なので,以下は話半分に。最終的に,完全に人間の手を介さずに入試問題を解くことには,あまり執念がないっぽい。基本的に参加している研究者は自然言語処理または数式処理が専門で,画像処理,ましてやOCRは専門ではないので。個人的な感想としても,確かに今回のプロジェクトでOCRは本質じゃないしなぁとは思う。一方で,入試問題には図版や統計情報,グラフを処理させる問題もあり,そちらはアノテーションとかいう紛れもないチートを使ってないで,専門家がいないとかいう泣き言を言わず,真摯に取り組んで欲しい気も。


〔数学〕
・成績は昨年とほぼ同じ。センター数学が95/200なのに,東大二次の数学は32/80,36/120という偏った成績。人間だったら,センターがその点数なら東大二次は0点だと思う。
・アプローチは昨年と同じ。まず日本語(自然言語)をコンピュータが理解できる形式表現に変換し,これをさらにQEに当てはめるべく一階述語論理式に変換。一階述語論理式をQEで数式処理して解答を出す。形式表現変換は現在のところ半自動だが,将来的には完全自動を目指す。
・というわけで解法は例によってQE(限量記号消去)。鶏を割くのに牛刀を用いるどころのレベルではなく,パイルバンカーで粉々に打ち砕いている感じである。ただし,QEのやり方に大きな改善があったらしく,RCF-QEのアルゴリズムを三種類用意し,私にはさっぱりわからなかったがこの辺の説明はやや詳しめにされていた。その三種類の名前を参考までに載せておく。
1.Cylindrical Algebraic Decomposition:任意の入力に対応:計算量はO(2^2n) (n:変数の数),変数は5個程度まで
2.Virtual Substitution:線形の式の場合:計算量はO(2^k) (k:束縛変数の数),変数の数は10個程度まで
3.Sturm-Habicht sequence:∀z(x≧0→f(z)>0) 計算量 O(2^d) (d:多項式fの次数),多項式の次数が8次程度まで
→ これに加えてCGS-QEなるものを新たなアルゴリズムとして追加したそうだ。ともかく,結果として,「“理論上は”東ロボくんがほぼ全ての入試問題を解ける“目処”が立った」ところまで来たそうな。
・じゃあどこで詰まってるかというと,結局のところ形式変換または一階述語論理式の段階。東ロボくんが問題文を理解できる=RCF-QEで処理できる形式表現にするのがなかなか難しい。あと昨年同様深刻なのが,一階述語論理式が冗長すぎて,相変わらず計算量爆発でタイムオーバーすること。元々の問題の変数は入試問題なので多くても3つか4つという程度なのに,これを一階述語論理式にすると,あっという間に変数が数十個に増加してしまう。論理式の簡素化も昨年に比べると改善はされたらしいのだが,さして点数に結びつかなかったそうで。
・あと,東ロボくんはお茶目なので,sin(ア)θ = sinθ の空欄(ア)に「1」を入れるという受験数学の常識を覆す暴挙をしばしばやらかすらしく(会場大爆笑),特にセンターでこういうのをやらかすと致命的で,改善が必要。(無論,数学的に言えば間違ってないが,センター試験の解答としては1を入れると誤答になるような問題文にちゃんとなっている。たとえばθが90°なら(ア)は5が入るだろう)。
<筆者感想>
点数的には変わってないのだけれど,内情は大きく改善した印象を受けた。
最後のはセンター試験解く上では本当に致命的で,しかもセンター試験で東大受験レベルというと9割超えなので,必ず改善が必要だと思う。究極的には形式表現変換の問題なんだろうけど,こういうのの改善は困難だろう。こんな受験数学のお約束,どうやってコンピュータに認識させるのか,専門外ながらさっぱりわからない。もう一つ専門外ながら言ってしまうと,このお茶目なミスを含めて,QE以外の解法を模索してみる価値はありそうな気がする。もしくは二次はQEで解いて,センターは別の手法とか。完全に素人考えなので,可能なのかは知らん。


〔理科(物理)〕
・昨年は39点で今年は31点なので一見して下がっているように見える。ただし,昨年は異常に運が良く,実際には39点中実力で当てたのが17点で運が22点。今年は実力が23点で運が8点なので,実力としては6点分向上している。加えて昨年並の運があれば+14点で偏差値55くらいまで上がった,残念(会場笑)
・これも手法は昨年とほぼ同じ。日本語を東ロボくんが理解出来る形に形式表現変換し,これを東ロボくんがシミュレーターで現象を再現し,解答を出す。
・実際にはシミュレーターで再現できるところまでたどり着くのが困難で,たどり着きさえすれば分野によらず50%くらいの正答率を出すところまではたどり着いた。というよりもシミュレーションまでたどり着いたのに誤答を出してしまっているのは単純なモジュールのバグであり,改善は比較的容易と思われる。仮に今回の模試でモジュールに全くバグがなかったとしたら+12点の43点になっていた。これに運の差の+14点まで加わると57点になり,まさかの偏差値60超えだったのに(会場爆笑)
日本語の形式表現変換については,物理科目では極めて困難で,数学のような半自動化さえ難しい。日本語が曖昧すぎるため。たとえば「金属を折り曲げる」や「滑らかな坂」を東ロボくんが自力で理解して,シミュレーターに取り込むのは,少なくとも現状では絶対に無理。数学とのレギュレーションが統一できていないが,形式表現変換を人間がやり続けても良いなら,将来的に高得点をたたき出す見込みはある。
・また,シミュレーション以外の解法が必要な問題については完全に未着手。


〔英語〕
・NHKの報道にもある通り,点数が飛躍的に伸びた科目。52/200から95/200へ。ほとんど倍。
・参加メンバーが変更。今年はNTTの研究者が参加し,その技術が使われたので飛躍的に向上した模様。
・ご存じの人はご存じの通り,センター試験は前半の短文ゾーンと,後半の長文ゾーンに分かれ,配点はほぼ半分ずつ。東ロボくんが得意なのは前半で,こちらが63/99。一方,後半は32/101。あとで代ゼミの講師からツッコミが入っていたが,人間の受験生とは正反対の傾向。センター試験は一般的に長文の方が取りやすい。
・前半部分のうち,より単純な文法・語法の問題の解法は,大規模テキストデータの活用(ビッグデータ的な手法?)。設問によるが,約10億〜1000億の単語に相当する例文が収録されたテキストデータを検索して,妥当性の高い選択肢を選ぶ。それだけ例文があれば,さすがにほとんどの問題でどんぴしゃの例文にぶつかる。センターレベルの文法や熟語なら,80%程度の正答率で安定していたのだが,今回の模試では運悪く60%の正答率だった。
・もう少し高度な会話文補充の問題は,「発話意図」と「感情極性」の推定で解いた(編註:これは上記のNHKの記事にて詳述されている)。たとえば「来週、父さんが手術を受けるんだ」と話しかけられたら,operaitonの単語から,“発話意図”は意見の表明で“感情極性”はnegative,と東ロボくんは推定。なので応答の文は選択肢のうち,“発話意図”は同情で“感情極性”はnegativeなものを選ぶべきとなり,見事に正解の「That's too bad.」を選ぶことができた,という形。
・この手法の応用で長文読解もいけるのでは,と思われたが,長文となると発話意図や感情の変化が複雑になり,必ずしも適用できないらしい。また別のアプローチを考えているそうだ。
・代ゼミの講師からの指摘として,「前半部分はその解法で解くのであれば,ランダムに英文を例文として収録するよりも,英英辞典をがんばってテキストデータ化してインストールした方が目的にかなっているのでは。類語とかたくさん載っているので。」というもっともすぎる指摘があった。
<筆者感想>
会話文の解法は,まあ,会話型botの高級なやつといった感じか。NHKのニュースによれば「こうした技術を応用すれば、人間の雑談につきあってくれる人工知能の開発にもつながる」「将来的には、人間どうしのやり取りにも参加できる人工知能を開発したい」とNTTの人が語っているそうなので,まさにそうらしい。
最後の指摘については,私もそう思います。英英辞典ってまさにそのためのアイテムだしね。著作権の問題だけなんとかしてクリアしてください。


〔国語(現代文)〕
・昨年大いに会場を沸かせた名古屋大の佐藤教授が今年も登場。しょっぱなから「じゃあ動画流すんで」と言い出し,まさかの動画再生。しかもYouTubeにアップロード済。この時点ですでに会場大爆笑。

・動画にある通り,今年のキーワードは「節」と「小市民的感情力」。
・評論:昨年は「一致する文字数」(単語数ですらない)で問題を解き,正答率50%程度だったわけだが,今年は節を分析させ,節の大まかな内容や形式(主語なのか述語なのか副詞節なのか)を加味して解答を導き出させた。昨年と比較してかなり高度な技術の導入に思えるが,正答率は飛躍的に上がったわけではない。今回の模試の結果も正答率は約50%であった。
・小説:ある参考書に,小説を解く鍵は4つあると書いてあった。そのうち3つは絶望的に無理そうだったり時間的に着手できなさそうだったりしたので,いけそうな「小市民的感情力」を東ロボくんに実装できないかと試行錯誤してみた(会場再度大爆笑)。で,実際にどんなアルゴリズムなのかというと,名称が「PBM」で,残念ながら「今度PBMは特許を取る可能性があるので,今回は発表できません。申し訳ない」とのことであった。しかし,PBMがまだ未完成だったがゆえに今回の模試の感情表現を読み取る問題を攻略するに至らず,こちらも結果は昨年とほぼ同じ。
・最後に,佐藤教授曰く「本質的な解法でもチャレンジはしている。しかし,やればやるほど,日本語というものがわからなくなっていく。人工知能以上に人間が言語というものを理解できていないのではないか。改良しても点数が伸びないことよりも,なぜ伸びないのかわからないのがつらい」。
<筆者感想>
評論については,やっぱり思った以上に「一致する字数」解法有効なんじゃねーのという悲しい話でもある。「節」分析,素人目にはかなり高度な技術の導入に思えるんだけどなぁ。しかし,文章の意味内容をすっとばして解いている以上,言語としての日本語を分析するやり方ならどう解いても邪道には違いない。おっしゃる通り,最後はやはり文章の意味内容自体を理解して問題を解かないと,高得点は不可能なのでは。
小説については,東ロボくん云々よりも自分にとって身につまされる話で,現役の最後までセンターの小説だけは苦手だったが,まあこれ(=小市民的感情力)ですよねと。「大多数の人が抱くだろう感情」を推測することの重要性は,今になってみればわかるが,高校生当時はわからんかった。
あと,そろそろ古文と漢文にも本腰入れてほしい。研究者が足りていないっぽいので,情報学者の皆さんこれを機にどうですか。


〔社会科(世界史・日本史・政経)〕
・世界史Bが52点,日本史が44点,政経が17点。偏差値的に言えば世界史が横ばいか少し向上,日本史はダウン,政経は大幅ダウン。
・解法は昨年と同じ。選択肢の文に登場する用語を教科書などのデータベースから検索し,用語同士の距離などから解答を推測。文章内の近い位置,教科書であれば同じ章の同じ段落から,選択肢内にある用語が複数見つかれば,その選択肢は正解の可能性が高い。たとえば「ヒッタイト」と「鉄器」は教科書上で同じ章の同じ段落に登場するので,関連性が高いと推測されうる。
・では昨年と比較して何を改善したかというと,まず単純に解法のチューニング。検索に余分な用語をさっ引いたり,用語の重要度を変えてみたり。実際これで正誤判定型の問題はかなり解けるようになった。
・データベースとしては,山川出版社が太っ腹にも用語集のテキストデータをくれたので,これを東ロボくんにインストールした。これで劇的に成績が向上するかに思われたが,思ったよりも上がらず。理由として,用語集は逆に詳しすぎて,ノイズが多い。また,用語集は「詳細は○○」と別項に飛ばすことが多いが,それは東ロボくんの解法だとつらい。文章に登場する近さで関連性を判定しているので,別項に飛ばされると関連性の低い用語と東ロボくんは判断してしまう。
・一方,年代順を並べ替える問題など,時系列に関連する問題の解法は未着手に近い。というよりも,全ての用語に一々年代を振ってくれている教科書なんて存在していないので,現在の解法では無理がある。また,たとえば「春秋・戦国時代」のように「時代の幅」があると,根本的に「時間」というものを理解しているわけではない東ロボくんは混乱してしまい,今の解法だとデタラメな解答になってしまう。この辺が課題。
・代ゼミ講師からの指摘で,「世界史<日本史<政経の順で,現代の日本人としての常識を前提として問題が作られているので,それでこの点数の順になっているのでは。東ロボくんの価値観はフラットで,世界史を解くには良いが,日本史にはつらいかも。」というものがあった。
<筆者感想>
社会科も,全般的に国語と同じ問題で詰まっているような。究極的には,やはり文の意味内容を理解できないと点数が伸び悩むのでは。そもそも二次試験に正誤判定はほとんど皆無に近いしなぁ。
最後の代ゼミ講師のツッコミは大変納得できる。


〔代ゼミ側の総評〕
・900点満点で392点,今年も400点には届かず,一見して昨年とほぼ変わらない点数。ただし,全体として今回の模試は昨年よりも受験生の平均点が低かったことを考慮すると,昨年と比較して実力は伸びていると言える。
・特に英語が飛躍的に伸びた関係で,文系三科目に絞ると偏差値は53.4まで上昇する(昨年は47.7)。何と受験生平均超え。これだと,文系の多い私大ではかなりの大学でA判定が出る。結果として,A判定が出る大学の数は476大学。
・ただし,大学が一番多いのはこの偏差値45〜50の層で,ここを完全に乗り越えてしまったので,ここから先はちょっとやそっと偏差値が上がった程度では合格できる大学の数は増えない。
・国公立も一応4大学でA判定が出ているが,例によって芸術系なので二次試験は……
<筆者感想>
偏差値53.4だと,B判定でいいなら,いわゆる大東亜帝国,帝京大学あたりまで出るはず。C判定=受験するにちょうど良い水準としては日東駒専,つまり日本大学くらいまで含まれると思う。これは割とマジですごいので,どちらかというとこちらを宣伝すべきだったのでは,という気も。


<筆者の全体感想>
科目によっては本質的な(サイエンティフィックな)手法も出てきた感じ。というか,多くの科目でエンジニアリング的手法の限界が来ているようにも。また,教科の本質がわからないとエンジニアリングにしろサイエンティフィックにしろ詰まってしまうようにも見え,数学と物理はいいとしても,英語や国語はもはや言語学とか国語学の専門家をチームに引き入れた方がいいのでは,と思った。

点数が伸びてはいるのだけれど,2016年にセンター試験突破を考えると,成長曲線が足りないようにも。センター形式が苦手なことを考えると,むしろ2021年までに二次試験と同時ゴールくらいの方がいいのでは。

あとまあ世界史の話をするなら,用語集をインストールした結果,用語集が煩雑過ぎてセンターが逆に解きづらくなったのなら,早慶の入試の方が問題を解きやすいのでは,問題が用語集のコピペばっかりだし,と思うます。例の本の著者としては。
  
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2014年11月01日

非ニコマス定期消化 2014.6月下旬〜7月中旬



アイカツはあまり詳しくないけど,ユリカ様は超絶かわいいと思う。言うまでもなくドツボ。というか何この超ハイクオリティな映像。アイマスよりすごいんですが。



絶妙なつなぎすぎるwwwwww




違和感の無さといい元になった2曲自体の美しさといい「全く気づかないうちに」シリーズ最高峰。下は別バージョン。大爆笑したけどなぜそうなったwwwwwww



とうとうプロレスの煽りもパワポで行われる時代に。この人は一度プロレスを引退して,実家の金型工場を継ぎつつ新潟大学大学院に入学後,プロレスに復帰した三足のわらじを履いている。だからこその煽りパワポなのだろう。なお試合は負けたが,勝者HARASHIMA選手のコメントまで含めてプロレスとして完成した感ある。



ヘンリー5世陛下何やってんすかwwwww。ただまあ,課金はしてもいいと思うんよ。



TASさんらしいとんでもスコアとか,無表情でボウガンを連射し続けるリンクのシュールさとか,異常に丈夫な8点カカシとか,楽しめるところ多数なシリーズ。問題はレベル5をクリアしたところでデータが壊れたらしく,最初から作り直しで時間がかかっているとのこと。お疲れ様です。



なんというかもう,ブルーTASどこまで更新されるんだw。視聴者コメントのテンプレ化が激しく,定期的に来るお祭り感ある。



どこから湧いたこの発想。稀勢の里はアイドルです(断言)
  
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