2015年02月25日

「意識の高さ」がイメージ悪くなったのはいつ頃からだろうか

・お菓子をくれなきゃいたずらするのは、アイルランドのジャガイモ飢饉のせいか?〜リサ・モートン『ハロウィーンの文化誌』(Commentarius Saevus)
→ アイルランドの風習だったものが,ジャガイモ飢饉でアメリカに伝わり,世界的になっていったらしい。これは初めて知った。カボチャよりもジャガイモを食べた方がいいイベントなのでは。
→ いずれにせよ,この本はいつか読みたい。


・中国、塩の専売制を廃止へ=CCTV(Reuters)
→ 前漢の武帝以来,約2100年ぶりの廃止。さすがは中国,話のスケールが違う。
→ あと,仕事か悪問集でしか見ない用語を普通にネット巡回してて見かけて若干動揺した。仕事以外でパワーポイントいじると楽しいのと逆の現象かも。


・【朗報】現実入りしても普通にやっていけそうなキャラランキングが俺の中で決定(2ch東方スレ観測所)
→ 割とおもしろい&納得できる。
→ みんな意外と幻想郷を失っても生活できるのよねぇ。能力を失わなければ,という前提はつくけど。
→ というよりも,妖怪の連中は能力がレーゾンデートルなので,能力を失うことは死に直結するので,能力が失われなかった場合という仮定は想定自体無意味かなと。


・ボジョレー・ヌーボー解禁の日にとあるバーにて(Togetter)
→ はてブの反応が否定的なんだけど,自分の好きな分野を適当に語られて,しかも目的がそれ自体ではないという使われ方にイラッと来る気持ちはわかる。だから私はこれを批判したくないしできないなぁ。
→ というか,このまとめに否定的な人でも,別所だとほぼ確実に同じようなことをやっているような気が。自信を持って「そんなことは絶対にしていない」と言える人っているのだろうか。
→ ついでに言うと「○○は感覚で楽しむものであって,知識で楽しむものではない」とかいう思想は本当に害悪なので滅んだ方がいい。無論,逆も害悪ではあるが,“感覚派”の方が自覚が無いことが多く,被害が大きい。この話に関連しての拙文:楽しみ方についての雑感(nix in desertis)


・「小学4年生」でないことを証明していくツイッターの集合知が凄い( さまざまなめりっと)
→ あの騒動から三点ほど。まず,ホームページとしての完成度が高すぎた,明らかにAdobeの高い製品や有料フォントを使っているというのは,騙る上でミスだったよなぁ。もっとも,制作したtehu氏にそもそも「騙る」気があったのかどうかは疑わしいが。青木大和氏とちゃんと意思の疎通ができていたのかは当時から割と疑問だった。
・人はなぜ慶應に「宇宙人」を期待してしまうのか 三田祭と青木大和問題で考えたこと( 陽平ドットコム〜試みの水平線〜)
→ こちらは良い総括。というよりも,本件の総括としてはこの記事だけで十分な気がする。「若者応援おじさん」は使いやすい言葉なので,今後このような場面に(ネット上で)あったら積極的に使っていきたい。
→ いやほんと「意識の高さ」を意欲として評価する制度とか,それを利用して若者を食い物にする社会とか滅びればいい。真っ当に意欲が高い子が損をするだけだ。
・AO入試対策で予備校いったり課外活動するのは悪いことじゃない(発声練習)
→ 最後のは,この騒動をAO入試の視点から見るとどうなるか,という。元のNAVERまとめが消えているのがちょっと痛い。
→ 陰謀論でもなんでもなくこういうビジネスは成立する。「意識の高さ」は外面だけを作れてしまうし,学歴がステータスである以上そこに利権が介在するのも当然になる。こうして「若者応援おじさん」の天国が作られていく。
→ 無論のことながら,受験生たち本人は悪くない。問題はねじ曲がった方向へ「意識を高」める制度とそれを取り巻くビジネス,社会の風潮の側だ。
→ ちらちら聞く話によれば欧米でも似たようなことになっているようだし,もう全世界的にAO入試を廃止すればいいのでは。  

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2015年02月22日

他の方の反応で笑ったのは「しのび」と「NINJA」

・(@テヘラン)墨塗りの水着アイドル(朝日新聞)
→ そんな手作業で検閲してるということ自体驚きである。だからこそいい加減というか,腐敗の温床になってるのかなとも。無論,検閲なんて一切無い方がいいわけですが。
→ 潔癖的な政教一致は,潔癖さが国家の正統性につながっている以上,堕落が見られれば国家の威信にかかわるが,やはりどこかで無理は生じる。それをいかに覆い隠して民衆に知らせないか,というのはそうした国々にとって舵取りの難しいところかも。民衆の側も知ってしまっても,藪蛇で規則が厳しくなるのは嫌だから声もあがりずらく,適度にいい加減なのが両者の落とし所という。
→ イランやサウジあたりだと,こういう風に堕落が見え隠れしても,すでに何十年か国家を運営してきた蓄積があり,その蓄積自体が一種の正“当”性になっているから政権を揺るがすようなものにはならない。が,ISISの場合はそこら辺が今後の弱点になるのでは。


・「横綱を破った力士」=「金星」という誤解(Togetter)
→ 大体知ってる内容だったけど,勇み足・つき手・かばい手の場合でも金星になるというのは初めて知った。意外な感じ。判断基準は決まり手かどうか,か。


・感嘆符・疑問符の後に全角空白(スペース)が必要になる理由と、Webメディアの表記ルールについて(株式会社LIG)
→ JISで定まっているルールだったということに驚き。
→ ちなみに,本ブログでは昨年の下半期くらいからこうなってるはず。一応従ってはいるけど,個人的にはあまりこだわりのあるところではない。三点リーダも同じで,これはかなり前からそうしているはずだけど,決まりがあるならこだわりがないから従っている,というところ。


・奈良で出土の皿、ローマ帝国から? 化学組成ほぼ一致(朝日新聞)
→ 2世紀にローマ領内で制作されたものが,5世紀後半の日本の古墳から出土するというスケールの大きさ。 しかもクテシフォンでも同組成のものが見つかっているので,ロマン倍増。古代の東西交流の活発さ自体は不思議でもなんでもないんだけど,今回の場合はこの時間的スケールでしょう。
→ いかに古代とはいえ,移動に200年以上かかった事例というのも珍しいのでは。可能かどうかは別として,移動経路を研究したらおもしろいかも。どこで何十年とどまっていたのか,気になる。ローマ領内のシリアで200年くらいとどまってて,ふとしたタイミングで出荷されたか,それともインドかソグディアナあたりで滞留してたか。


・リニアの愛称「富士」が有力? 「富士山、見えないのに」と異論、関西から「浪速」コールも(ITmedia ニュース )
→ これは「広重」以外考えられない(東方脳)。いや,いいと思うんですよ,まじめに。ストレートな「富士」よりはひねってるというか,地下に潜ってて本物の富士山は見られないからこその「広重」で(その意味では「北斎」もありだけど,こちらだと「東海道」感が薄くなる)。
→ タイトルについて。いっそそういうネタ方向に振り切るのもありかも。  
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2015年02月18日

咲関連の気になったもの(14年4月中旬〜7月下旬頃)

・阿知賀のドラゴンロードの『阿知賀編Portable』での仕様について(とっぽい。)
→ とすると,自記事での場合分けだと,裏ドラは「1.支配力が全くない。」。槓ドラは「2.開く前には支配が及ばないが,開いた後からは表ドラと同様の支配力を及ぼす。」が(ゲーム上の)正解かな。
→ 実際はともかく,ゲームで再現するならこうなるよなぁという納得感はある。ゲーム上で予定説を取るわけにはいかないし,世界線の収束はプログラム組もうとすると大変な複雑さになりそうで。


・5月17日は新子憧さんの誕生日です。(NaNじぇい)
>「それほど特殊なパーツはないはずなのだが、やたらと垢抜けてて可愛いキャラデザだよなあ… 」
→ これはある。これほど垢抜けてる感じが強いキャラデザなのはなぜなのか。配色の勝利かなぁ。ピンクは強い。お陰でひどい風評被害も生まれたけど。


・【咲SS】景子「折れた刃は錆びつかない」【越谷女子】(おかしくねーしSSまとめ)
→ これはおもしろい補完。あのラス確跳ね満からよくこれだけ膨らませたもんだ。南4局の使い方が特に上手い。


・【検証】咲-Saki-のチップ収支を調べてみた -長野県決勝編- (麻雀雑記あれこれ)
→ おもしろい。1位はまあそうだろうなと。
→ 20位は確かに意外だった。咲さんはなぜだかドラが乗らない(特に裏ドラ)傾向があるけど,赤牌はそれなりに持っているイメージがあったので。このイメージはどこから出てきたのかなぁ。県予選決勝オーラスの数え役満の赤五筒かも。


・『咲-Saki-(8)』(小林立、 スクウェア・エニックス)感想(石壁に百合の花咲く)
>一部にシスヘテ男性向けの安手のソフトポルノ的なあざとさがある点は引っかかりました
→ 私も一気読みの後発勢なので,実のところそういう違和感は正直あった。現代日本とは社会の風潮がいろいろ異なるんだ,と後で納得したが。じゃないと国広くんの私服,いわゆるNaganoStyleとかギャグだしなー。
→ ただ,それがヘテロ男性向け媚とは思わなんだが,それをヘテロ男性が言っても説得力は無いか。


・家紋から紐解く、姉帯姓と六曜の関係 - 前編(LAT. 39°20' N)
・家紋から紐解く、姉帯姓と六曜の関係 - 後編(LAT. 39°20' N)
→ 完全に出来の良いミステリ小説だこれ。
→ 調査内容もすばら。梅つながりで言うなら,五筒開花も見立ては梅。何かと梅がかかわる漫画ですわ。
  
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2015年02月12日

最近読んだもの・買ったもの

相変わらずちっとも最近ではないという。


・ガールズ&パンツァーアンソロジー2巻。才谷屋さんの黒森峰入学前のエリカの話が一番おもしろかった。そりゃエリカさん,まほさんに惚れますわ。
→ postみほとしての澤さんが描かれた話が二本あったけど,彼女が作る大洗戦車道チームも見てみたい。「裏」西住流はちゃんとした戦車道を学んできたみほが,新人ぞろいかつ戦車不足の中で作りだしたものだけど,それをちゃんとした戦車道の素養がない人間が受け継ぐとどうなるのか。みほ以外の別の人間が再現できるのか。この辺,公式がどう考えているのかは気になる。
→ 後半の声優さんのイラストゾーンは必要だったのか。
→ これ以後,漫画はぽんぽん新作が出てくるのだけど,肝心の劇場版の話題が一切流れてこなくて,けっこう心配である。気合が入ってるのはいいし,待てと言われればいつまでも待ちますが,頓挫してないよなぁ。


・『ガールズ&パンツァーもっとらぶらぶ作戦です!』3巻。よくネタが続くなぁ。咲の『咲日和』と並んですごいと思う。
→ 言われてみると当たり前なんだけど,審判の皆さんは成人してたのね。見た目は完全に高校生なんだよなぁ。


・魔女とほうきと黒縁メガネ3巻。無事完結おめでとうございます。幼女とドMと変態しかいない,すごいギャグ・百合漫画でした。
→ 最後は深刻になり過ぎない程度にシリアスな設定を入れつつ伏線を回収,ギャグも忘れないのは見事なバランス感覚だったかと。次回作は決まってるんですかね?(カバー裏と同じツッコミ)


・『へうげもの』19巻。1610年12月から1612年8月まで。秀頼と家康の面会がなったとおもいきや,家康が福島正則の護衛兵に気づき,一気に疑心暗鬼に陥り,清正が死に,事態は急激に切迫していく。様々なフラグが立っていた豊徳合体のほころびが見え始める巻である。岡本大八事件もちらっと出てくる。豊徳合体穏健派の織部が,過激派や豊臣派を制御しきれなかったためである。福島正則の護衛兵を家康に報告したのが,豊徳合体とは言わずとも,幕臣では秀頼方の大久保長安,というあたり,それぞれの思惑の交錯が表出していて,うまい演出。
→ 堀川屋敷の「宙に浮く茶屋」,そのうち飛んできそうw
→ ヌルハチが肖像画と意外と似てて笑った。実際もうちょっと時代が下ってて,サルフの戦いと秀吉の出兵の時期がかぶってたらおもしろいことになっていたかも。日本の朝鮮出兵が20年ほど早かった。


・『火ノ丸相撲』2巻。沙田との決戦と,国崎の加入が収録されている。それぞれ仕掛けが見えて,漫画としてすばらしい。
→ 沙田との決戦は非常に見応えがあった。火ノ丸の相撲の強みも沙田の戦法も,相撲を知らない人にもわかりやすく,おもしろかったのではないかと思う。おっつけ・出し投げという相撲独特な動きをここで紹介したのは大きい。本作初の本格的な取組としては良い効果だった。
→ 国崎の加入も効果がわかりやすい。要するに国崎は欧州出身力士を模した力士を担ってもらいたいのだろう。レスリングの素養がある力士の相撲は独特で,しかもうまく相撲に適合すれば強い。琴欧洲なんかはその典型だった。「基礎練は積んでて相撲知識・経験は豊富だが,実戦に問題がある部長,ケンカ闘法で突き押しの佑真,王道の寄り・投げの火ノ丸と一通りそろった感じである。超初心者の三ツ橋くんだけ,現状存在意義がよくわからないが,そのうち判明するだろう。  
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2015年02月10日

部活動顧問の問題は早く解決して欲しいところで

・大阪市立中の部活、民間委託へ 1千人の指導者が必要(朝日新聞)
→ 民間委託は大賛成で,中学の先生方は部活動の顧問から解放されるべきだと思う。最終的には欧米流に地縁的スポーツ団体に吸収されていけばよい。
→ ただ,人選を適切にやらないと大変なことになる気は。少年野球チームとかで良くない系統の根性論たたき込まれる話は腐るほど出てくるわけで。
→ あとまあ,ついでなので個人的な体験の話をすると,うちの中学校は部活動強制で,しかも運動系以外は吹奏楽部しかないという状況であったが,「ぬるく過ごしたいなら剣道部へ」という誘導は存在していて,実際に剣道部はゆったりしていた。無論,小学校から剣道をやっていて部活でもガチで練習していて大会でもそこそこ勝ち上がったような人もいたが,体力無い組には無理をさせないようになっていた。妙な根性論もなかったし。あれはかなり幸福な部活動体験だったのだなぁと。


・ポーランド版歴史行列が本格的でスゴイ!(Togetter)
→ 女性の騎士服なんでそんなエロいの。エロゲは間違ってなかったんや!


・南では「お嬢さん」 北では「奴隷」 ─ 朝鮮半島で進む言語分断(AFPBB)
→ 韓国語と北朝鮮語が別言語になりつつあるな……そんなことになっているとは思わなかった。スペイン語とポルトガル語の方が近いとか,すでにそういう状況じゃないか?
→ そうなってくると,統一できるのかという疑問も。もしくは統一後に困らないかとか。


・誰がために壁は倒れた? 資本主義への移行の収支決算(himaginaryの日記)
→ おもしろいネタではあるのだけど,ミラノヴィッチ氏の分析には大いに不満がある。
→ 成長率に関しては資本主義が悪いというよりかは社会主義の後遺症なのでは。資本主義の導入が誤りだったと結論づけてしまうのは早計に過ぎる。資本主義導入の混乱は考慮されるべきだし,社会主義体制が続いていた場合はもっと低成長だったと考えることもできる。
→ これが一番の分析の誤りだと思うのだが,民主主義の成熟度は共産主義化する前の時期の歴史の影響を鑑みないことには無意味かと。民主主義の伝統がないところに資本主義だけ持ってきても容易には成功しない,というのは別にこれに限った話ではないわけで,ソ連自体もロシア帝国が専制国家だったからこそうまくスライドできた側面は否定しがたい。


・煬帝はなぜ「ようだい」と読むのか。(枕流亭ブログ)
→ 暴君だったからまともに呼ばれない説はかなり義務教育で定着していたような。少なくとも自分の世代では。その後,大学に入ってからガセだというのを知ったが,現状の教育現場ではどうなっているのだろうか。


・戦国武将勢力地図
→ 戦国時代の地図がほぼ一年おきに。つぶさに見てくとかなり時間がつぶれるかも。
→ やっぱ1580年代後半の秀吉が異常なペースだ。毛利と長宗我部をわずか1年で下しているのが決め手だったかな。  
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2015年02月07日

非ニコマス定期消化 2014.10月上旬〜11月下旬



ドーナツ型の人シリーズ。まずはドラクエ世界の地図を数学的に真面目に考えるとこうなる,というのは有名な説だが,実際にMMDで作ってみたという動画。



それを考察した他の人の動画。



で,今度は地球じゃなくてなぜか将棋盤をドーナツ型に。これ誰か実際に打ってみて欲しいw



よくあるトリックなんだけど,「あるいは無理のあるプロジェクト管理の末路。」になるほど,と。





アンジェラの尻が大変際立っている動画。



夕立改二が好きな人は東方だとフランドール好きだと思う。赤い目で無邪気な顔して破壊を振りまいてこその彼女ら。



RTAで使われた任意コード実行をTASさんがより完璧に実行。結果がRTAの半分,19分という偉業。追記回数がすごいことに。



何をやっているのかわかったら再現度の高さに驚愕する動画。是非とも最後まで作って欲しいが。この試合だけじゃなくて33-4の最後まで。



東方のTASの中では一番作りがいがありそう。労力もその分すごそうだけど。



毎度ながらすごい情感。完全にヴァイオリンが歌っている。水樹奈々がそこにいる。

  
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2015年02月06日

世界中の民族服とゴスロリを融合させよう(提案)

・「和ロリ」に続くは中華ロリ!チャイナドレスイメージのロリィタファッション「Qi Lolita」(NAVER まとめ)
→ 詰襟がそれっぽく見せてる最大の要因なんだろうと思う。良い解説付きだと思います。かわいい。
→ それはそれとして,ネタかぶりだろうと「東方で見た」と言わざるをえない,というか紫様だこれ(東方脳)。東方も,和風中心ではあるにせよ大概無国籍だからなぁ。神主が「胡散臭い道士」の萌え化を図ってフリフリつけたら,意図せずこうなったのだろう。
→ 華ロリがありなら,韓ロリもありだと思うのだけれど,不思議と見かけない。韓国のイラストレーターさん,どうすか?


・アフィリエイト広告だけで『浦島太郎』を書いてみた(ラーメンとアイコン)
→ 第二弾だけど,これもめちゃくちゃおもしろい。「音姫」は来るような気がしていたw


・ブグローとは(ニコニコ大百科)
→ これ絶対詳しい人書いただろw
→ あ,私もご多分に漏れずブグローもジェロームもカバネルも大好きです。アカデミズム最高。
→ しかし,彼らの評価は本当に近年まで地の底だったので,そういう意味で言えば印象派から現代アートに続く一本道史観が途絶えたのって本当に極最近なのだなぁと。つまり,多様性ある評価というのも極最近ということで。


・イギリス重商主義時代の貧困観(Kousyoublog)
→ このような福祉観に立ち,「生かさず殺さず」で「人口の増加が生産力の増加と結びつけて考えられ、人口の増加と海外流出阻止、人口流入の奨励を行う政策が採られた」にもかかわらず,新大陸への人口流出は止まらず,農業革命の発生する18世紀中頃までイギリスの人口は微増にとどまった。聖月曜日の言葉もあるように勤勉だったかも疑問符がつく。ままならないもんだね。


・東京の美術館の、大きな大きな問題点((チェコ好き)の日記)
→ 根本的に現代アートと美術(オールドアート)を同一の領域で考えている点に違和感。この辺の記事なんかも参照に。
→ そんで,そこで切り分けたときの答えは,美術が見たいなら上野の東博や竹橋の近美に行けばいいし,以後の作家は別に「地方の特色ある美術館」で問題ないのでは。


・ビクトリア湖の汚染とナイルパーチ漁獲量の激減(Togetter)
→ 『ダーウィンの悪夢』でさえ過去になりつつあるのか,という衝撃。
→ 焼き畑農業であり共有地の悪夢であり,環境問題でもある。
→ 本当は行政が監督すべきところだが,それができないのがアフリカ諸国共通の悩みではあろう。結局行政組織の弱さが諸悪の根源の一つになっている。実際「ウガンダとケニアの水産当局は「輸出への影響」を理由に回答を拒否。汚染のデータについても「一切答えられない」と開示を拒んだ。」となっているわけで。
→ 日本も白身魚の切り身として輸入してるから他人事ではない。  
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2015年02月05日

白鵬の審判批判に関する騒動について

一通り落ち着いたようなので。本件について思ったことをつらつらと。


1.白鵬の批判は正しかったのか?
ぶっちゃけて言ってしまうと,正しくない。少なくとも「子供でもわかる」というレベルのものではない。



問題の取組は10分50秒から。次に勝負規定。寄附行為施行細則附属規定の【勝負規定】の項目から,今回に関係しそうなものは

・第六条:土俵内に於て足の裏以外の体の一部が早く砂についた者を負けとする。
・第七条:土俵外の砂に体の一部でも早くついた者を負けとする。(以下略)
・第十一条:俵の上を歩いても、俵の上に足をのせて、爪先、踵がどれほど外に 出ても、土俵の外線から外の砂につかなければ負けとならない。
・第十二条:土俵外の空中を片足、両足が飛んで土俵内に入った場合は、土俵外 の砂につかなければ負けとならない。
・第十四条:相手の体を抱えるか、褌を引いていて一緒に倒れるか、または手が 少し早くついても、相手の体が重心を失っている時、即ち体が死んでいる時は、 かばい手といって負けにならない。

つまり,相撲の勝負判定はいくつかある。単純に言えば
・足の裏以外が地面に触れたら,土俵内であっても負け。
・足の裏を含めた全身の一部が土俵外の地面に触れたら負け。ただし空中はセーフ。

を基本線とするが,この両者が衝突した際に補足的に運用されるのが「死に体」の概念だ。
・全身どこも地面に落ちていなくても,数瞬の後に倒れるのが明白で,かつもはや新たな技をかけることが出来ない状態の場合,「死に体」として,不利に取られる。
この「死に体」が曲者で,「どういう状態なら体が死んでいるか」は力士同士や好角家同士でもけっこう意見が分かれる。だからこそ相撲の審判も複数人いて,協議(それも微妙な場合は長い協議)があって勝負がやっと決まることがある。加えて言えば,死に体の概念があるからこそ完全なビデオ判定に移行できない。相撲の判定はあくまで行司が主体で,行司の判定に不服がある場合のみ審判団に移り,ビデオ判定はあくまで審判の補助でしかない。なお,行司は必ず勝負を付けなければならず,同体取り直しの判断は審判団のみの権利である。この辺を勘違いして,ビデオ判定で全てがデジタルに決まっていると思っている人をたまに見る。

それを踏まえた上で先ほどの勝負をもう一度見ると,「同体取り直し」が正しいことがわかろう。11:20時点なんかがわかりやすいが,白鵬は「右足の甲が返っていて,足の裏以外が砂につきかけている」,また「どう見ても数瞬後に倒れるのが明白で,稀勢の里を寄り倒す技の途中と見るか,単に倒れかかっているだけの状態と見るかは微妙」=死に体にかなり近い。一方,稀勢の里は「左足の甲は返っているものの空中に浮いており」,数瞬後に倒れるであろうが,「技をかけられる状態であって,実際ここから白鵬に小手投げを仕掛けている」から,死に体とは言えない。この11:20時点だけ見ると,白鵬がやや不利なのだ。なお,ネットで検索するとこの11:20時点での稀勢の里の体が死んでるから,白鵬の審判批判は正しいとする主張を少なからず見かけるが,どこを見てそう判断したのか,是非とも意見をうかがいたいものである。多分,死に体の概念を理解していないのではないか。

では白鵬が負けだったんではないかというと,そうでもない。この数瞬後の11:22〜24を見てくれればわかるが,その後実際に地面につくのは稀勢の里が先なのである。これは白鵬が地面につきそうな自らの右腕を引っ込めているのに対し,稀勢の里はそういう危機意識を欠いているので,左腕が先に地面についてしまっている。なので,ここで焦点が見えてくる。
・11:20時点ですでに白鵬の右足の甲が返っているとし,先に体が死んだのは白鵬とすれば,小手投げで稀勢の里の勝ち。
・11:20時点の白鵬の体はまだ生きており,右足の甲も地面に完全に返っているわけではないとすれば,接地したのはデジタルに稀勢の里が先であり,寄り倒しで白鵬の勝ち。
となる。で,行司は白鵬を取り,審判団は協議の末に同体とみなした。同体の判断は許されていない行司の立場なら白鵬に上げざるをえないし,この対立点は解消しようがないので,審判団の判定は極めて正しい。少なくともここまで書いてきたような複雑な判断の末の取り直し判定であり,絶対に子供でもわかるようなものではない。


2.審判批判をとりまく言説に意味はあるか?
一切ない。その人の自意識や偏見が鏡に反射されて漏れでた典型的な例。本件に関していろいろな意見を出す人がいるが,今回の一件で正しい言説は「白鵬が軽率な言動だった」という一点だけである。

白鵬自身が外国人差別ゆえに不利な判定を下されたようなことを言っているが,事実としては上記のように審判団の判定が正しい。とはいえ,白鵬本人については,そう感じさせられるようなことが周囲で起きているのかもしれない。日本人横綱待望論なんかはそうだろう。あたかも自分が横綱にいるのがふさわしくないように聞こえるのかもしれない。が,日本人横綱待望論が根強いからと言って,白鵬が横綱にふさわしくないと言っている人はほとんどおるまい。「日本人も一人くらいは」という感覚であって,日本人だけが横綱になるべき,とは誰も思っていないのである。加えて言えば,白鵬が強すぎるからなかなか優勝できず,日本人が横綱になれない,というのは実際正しいのだが,だから白鵬が悪い,と言っている人もほとんどいないはずである。単純に,白鵬を倒せるだけの実力を持った日本人力士が誰一人現れないことを嘆いているだけで,あれは身内批判なのだ。白鵬はこんな話題を気にせず,泰然自若としていて欲しいところである。

その他にも白鵬が外国人差別と感じる部分は多々あるのかもしれない。が,本件に限って言えば審判団が稀勢の里に肩入れしたという事実は一切なく,白鵬の思い過ごしであった。にもかかわらず,白鵬を擁護しようとして,外国人差別に結び付けたい人は一定数いるようである。他の件ならわかるが,この件で「これだから閉鎖的な大相撲は」と言われるのは釈然としない。


また,他のスポーツでもそうだが,競技者による審判批判自体がしてはいけない行為,かどうかは議論の余地があろう。ただし,今回の論点はそこに置くべきではない。仮に審判批判自体が許されるとして,白鵬が判定に不服だったとしても,報道陣ではなく協会に申し出るべきで,かつ師匠を通すのが筋だ。優勝翌日の会見で,しかも酒が抜けきっていない状態で初めて話を出した時点で,白鵬に非がある。しかも報道陣が相手で,協会は寝耳に水であっただろう。ただし,定例化している優勝翌日の会見自体不要なのではという意見があったが,これは考慮に値すると思われる。どの優勝者にしても大体泥酔していて眠そうな状態だからだ。むしろ今回まで不用意な発言を誰もしてこなかったのが不思議なくらいである。

あとはまあ,お決まりの品格論で,以前からの積み重ねもあり,白鵬が傲慢になってきていて,「横綱としての品格を欠く」という主張と,「そもそも横綱は強ければいいのであって品格は不要」という主張のケンカが見られた。私はどちらかというと後者の側の人間ではあるが,今回に関しては白鵬を全く擁護できない。なぜなら,まず,増長しているのはおそらく事実であること。次に,今回のような審判批判は,上述のように形式の面から言って不適切であり,問題になるとすれば「横綱の品格」としてではなく,「力士のマナー」としてになるからということ。ゆえに,どちら側の主張にせよ,品格の概念を問題にしたいという意識の表出に過ぎず,今回の問題をちゃんと見ていない証拠だ。横綱であるのだから,競技のトッププレーヤーとしてより一層マナーを守るべき,という主張なら理解するし一理あるが,残念ながらそうした主張はあまり見られない。


以上の理由から,本件は「白鵬が思い上がって軽率な発言をした。判定は正しかったので,発言は無意味だった。白鵬は粛々と協会から叱られるべき」以外の言説は意味がないし,何かしらの意義にひっつけて盛り上がるような話かというと,本来はそうではなかったはずである。  
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2015年02月01日

去年は宗教対立の目立った年かも

・ユドヨノ政権、過去10年の死角:インドネシアでの宗教暴力(Human Rights Watch)
→ ユドヨノさん,荒れまくってたインドネシア政治を安定させて,開発独裁を民主化と自然な経済成長に落ち着けた点では間違いなく名政治家として歴史に名を残したけど,腐敗と少数派抑圧は改善できなかったなぁ。
→ 腐敗は結局貧困が原因と考えると,発展途上国からテイクオフできれば,という気はする。少数派抑圧は言い訳できないところだが,次のジョコ・ウィドド政権はどうか。インフラ整備と汚職撲滅を目標に掲げていて,実際この二つはかなり動いているようだが,人権状況には興味がなさそうな雰囲気が。
→ ただ,今のインドネシアって要するに19世紀後半のUSAだと思うので,スンナ派ムスリムによる「インディアン」相手の温情が期待できるかというと。時代の差に期待したいなぁ。
→ 妙にシンクロしてるのがインド情勢で,経済は好調なんだけどヒンドゥー教による他宗教迫害も進んでいて,モディ首相の基盤がヒンドゥー教右派という。で,中東があの情勢なので,ここに来て世界中で宗教問題が噴出している感ある。
→ ところで,ユドヨノさんの世間的知名度及び評価ってどうなんだろう。個人的にはインドネシア史で言えばスカルノ・スハルトに続いて重要人物で10年後くらいには世界史の教科書に載せるべき人物,と思っているけれど。何か日本では過小評価されているような。


・『至急』イスラム科学の社会で、アラビア科学が発達した理由はなんですか???(Yahoo知恵袋)
→ どっちかというと科学がある水準以降に進むには科学革命が必要で,だから16世紀くらいまでは世界横並びだし,中世世界なら西欧が12世紀ルネサンスに至る大枠で捉えたほうが建設的な気がする。
→ 科学革命が起きた原因は社会の世俗化や王立アカデミーの誕生が挙げられる。一方,イスラーム科学は16世紀までには停滞していて,科学革命は起きなかった。その理由は,結局その段階になって世俗化できず宗教界からの反対があり,かつ科学が社会経済の発展に役立つとわかっていても政府が積極的に後押ししなかった点が挙げられる。イスラーム科学や哲学の発展の明るい面だけを見て,12世紀頃までのイスラーム世界は学問に寛容だったんだ,というのは,その後に発展が止まった理由から目を背けているし,そもそも当時からしてガザーリーやイブン・ルシュドが戦っていたことを知らないかいずれかだろう。ガザーリーなんてそれで絶望して,スーフィズムの理論化を進めたわけで。
→ イスラーム科学最大の特殊性は,イスラーム世界の拡大に伴い,諸地域の科学的知識を総合した点にあろう。古代ギリシア・ローマからインドまで。その領域的広さ自体が10〜12世紀段階では世界で頭一つ分抜けた水準だった理由になる。イブン・シーナーは中央アジアの人間だが,イブン・ルシュドはイベリア半島の人間だった。


・【悲報】 東京スカイツリー 「助けて!!!人が来ないの!!!!!」(暇速)
→ あんなに高額のチケットで,かつ休日はいまだもってあんなに混んでるのに? だとすると最初から算段が甘かったとしか。
→ 自分も一度行ったけど,二回目はいいかなと。そう見るものがあるわけでもないのが,東京タワーと比較したときの弱点だと思う。ソラマチも水族館も特色になるかというと,別にならない。
→ それにしても,2chだと散々値段をつっこまれているのに,元記事だと一切触れてないのがなんだかなぁ。ビジネスジャーナルがそれでいいのか。


・「神は生物を進化するよう造った」 現ローマ法王も肯定(朝日新聞デジタル)
→ 言われて気づいたけど,確かに理神論が支持されたということかも。それならすごく画期的だが,この点をつっこんだ有識者の論評ってないものか。
→ フランシスコさん,そう期待されて即位しただけあって,ばりばり改革しててすごい。  
Posted by dg_law at 04:00Comments(0)TrackBack(0)