2016年02月29日

都美ならあの球体かなぁ

気づいたら3月になりそうでびっくりした。例の企画自体は水面下で順調に進行しています。


・成城石井は、なぜ「安くない」のに売れるのか(東洋経済)
→ 一種のブランドを化していて,あそこに行くときはそもそも安いものを求めていないのが普通では。普通のスーパーでは売っていない種類のものが売っていて,自炊しない人間としては,宅飲みにちょっと珍しい物・高くて良い物を差し入れたい時に,非常に重宝する。特にチーズとか生ハムとか。蜂蜜愛好家としては,蜂蜜が花の種類別にそろってたりするので嬉しい。
→ そうそう,成城石井は白バラコーヒーが売ってる。あれは本当に美味しいんだけど,東京で買おうとすると成城石井くらいしか手段がない気が。あれなんで流通経路があんなに狭いのか。量を生産してないのかなー。


・あなたはいくつ分かる?美術館カルト画像クイズ(いまトピ)
→ かなり難易度が高いが,おもしろい。確かに特徴を捉えている写真。
→ 以下,まだ解いてない人のためのヒントと私の感想。私がすぐわかったのは問9。免震構造と言えばあの美術館,という感覚はある。ちょっと考えて思いついたのが問4。入ってすぐのところにある。問1・2・3は答え見て悔しい気分になった。問1は言われてみると1階の半周回ったところにある。問7は一応行ったことあるはずだけど全く思い出せない。問8は東博と思って間違えた。問5・6・10は行ったことない。


・文京・早稲田 文豪ウィーク(文京区商店街連合会)

→ 漫画とアニメセットでどうぞ。漫画は公式HPで読める。アニメだけ見ると設定がわからないのでご注意を。
→ 昨年の秋に文京区商店街連合会が主導してやっていたイベントで,東大から早稲田大にかけての地域で活躍した文豪たちに焦点を当てて,文京区の落ち着いた雰囲気と歴史ある街並みを味わってもらおうという企画であった。その中でこの漫画とアニメが制作された。割りと出来の良いアニメだと思うのだが(早見沙織の白猫がかわいいです),今ひとつ話題にならなかった気が。イベントはとっくに終わっているが,紹介しておく。せっかく作ったんだし,今年以降も何か展開してほしいなぁ。


・奈良の大仏、髪の量半分だった レーザー解析で定説覆る(朝日新聞)
→ ブクマの反応を見ると,記録が間違っていたところ,禿げたと解釈されていたのがおもしろかったw。
→ ところで,『聖☆おにいさん』でもやっていたが,螺髪は一つ一つが長髪なはずなので減ったところでフサフサなのでは……あと,自分がしていないのを棚に上げて言うと,『聖☆おにいさん』に絡めたボケがもっと見られるかと思っていたが,意外にもブクマでしていたのは一人だけであった。『聖☆おにいさん』の螺髪回,かなりおもしろいのでお勧め(何巻だったかは忘れた)。


三国志ツクール
→ これ,欲しい気はしつつ結局買ってないのは,マップの自由が効かないというネックが自分の中でひっかかっているからだったりする。中国以外のマップも使えるなら,けっこうやりたいことがあるのだけれど。その意味ではチンギスハーンツクールか大航海時代ツクールが欲しいところ。  

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2016年02月25日

非ニコマス系動画紹介 2015.12月上旬〜12月下旬



テストプレイ時の真・破壊するもの戦闘動画。振り逃げ戦法・完封状態の説明。これがあったから最終回の改良がわかりやすかった。



ドイツ艦でようやく好きな子が来たなと。



以前にコメント欄で教えてもらった動画。ヴァティカンで軍歌を歌ったのもすごいし,元はソ連の歌を歌ったというのもすごい話だ。



これは名作MAD。切り抜き数もすごいし切り抜きの美しさもすごいし,何より動画自体がハイセンス。マイリストを見てみたら,「これの人だったのか」というのがちらほらと。



自分ももう4回くらい大洗に行ってるけど,バイクでツーリングというのは確かに手軽かつ戦車の進路をそのまま追えて良いかも。兄弟仲良くていいなぁ。2話も合わせてどうぞ。




すごい映像効果だった。メイキングを見るに,公園とかでロケをしたんじゃなくて,全部合成なのね。



年々動画自体のクオリティも上がっている。ゲーム画面が動画で見られるようになったのはありがたい。エントリー数は少なかったが,一作一作が強烈だった。廃課金要素がクソゲー要素を占める割合が年々増えていて嫌だなぁと。課金自体がというよりは,廃課金を要求するくせにクソゲーというのは救いようがないので……あと,クラウドファウンディングで作られたゲームでクソゲーなのは悲惨極まりない。



RTAのルートをなぞっているので,これより良いルートがあるかもしれないとのこと。ミンサガのTAS自体が初なので,まずは第一歩ということで。ゲームのシステム上クリアには一定数の戦闘回数が必要になるので,どれだけ手早く数こなすかが鍵なのかな。
  
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2016年02月24日

最近読んだもの・買ったもの

・『乙女戦争』3巻。ターボル派のプラハ入城,フス派会議,フス派のミサとジシュカ暗殺未遂,ペスト流行,ユダヤ人街,解決,敵陣営の第二回十字軍旗揚げ。
→ 今巻はかなり創作要素が強く,史実から言えば全然動いていない。ただし,ターボル派のプラハ入城にかこつけたプラハ観光案内と,フス派会議によるフス派内の諸派の整理,中世のペストやユダヤ人の紹介といったフス戦争の本筋ではない部分の紹介が非常に優秀で,歴史の流れを追った1・2巻とは全く別の様相を呈している。プラハの天文時計は1410年頃の製作だそうで,本作での登場はできたてのようだ。また,今巻で紹介されているプラハのユダヤ人街に関するあれこれはおおよそ史実のようで,中世ヨーロッパの都市としては比較的ユダヤ人迫害が少なかったようである。1389年の虐殺までは。ラビのカロも彼が作った歌も実在する。作中で描写されているシナゴーグは現存し,写真と見比べると完全にそのままである。今巻の作者による巻末解説にある通り,ユダヤ人は必ずしもフス派と友好的な関係だったわけではなかったようで,作中の展開はかなり都合がいい。しかし,都合よくしてしまったからこそ,巻末解説でそう付け加えたのだろう。ペストの方も作中で1つ重大な嘘をついているが,これについても巻末解説で補われている。
→ 今巻の最後で,ジギスムントの娘エリーザベトがオーストリア大公アルブレヒト・フォン・ハプスブルクに嫁いでいる。作中のエリーザベトがかなり幼く描写されているが(実際にまだ11歳である),アルブレヒトの側は23歳であるから,現代の目からするとなかなかの年の差婚である。そしてジギスムントがエリーザベト以外の子を持たなかったため,神聖ローマ皇帝・ボヘミア王・ハンガリー王の座が転がり込んでくる。このうち後ろの2つはまだ二転三転するが,以後皇帝はハプスブルク家の世襲となっていく。さらっと流されたシーンだが,実は帝位がルクセンブルク家からハプスブルク家に渡る契機となった,歴史的には非常に重要なシーンだったりするのだ。もっとも,ジギスムントが死ぬのはフス戦争終結後の話なので,おそらく本作では描かれないか,薄い描写になるだろう。
→ そういえば,前回言及し忘れたヨハン・フニャディことフニャディ・ヤーノシュは,作中だとまだ利発な少年という様子だが,史実では後世とんでもなく活躍する傑物である。気になる方はググってください(漫画の超絶ネタバレになるけど)。


・『狼の口』7巻。シュヴァイツ砦の攻防戦。一度はスイス人反乱軍が攻め落とすも,オーストリア軍が奪還する。
→ 物語的にはほとんど動きがない。まあ山場を超えたので,そう大きくは動かせないか。モルガルテンの戦いは遠そう。
→ スイス人反乱軍は人的犠牲を払って砦を攻め落としたが,オーストリア軍は攻城兵器を使って一気に攻め落とした。財力の違いを見せつけてくれたわけだが,これがモルガルテンの戦いという野戦ではひっくり返されるわけで,今からカタルシスが楽しみである。
→ にしても,攻城兵器の威力が高すぎやしませんかね……ちょうどこの100年後の『乙女戦争』の頃の攻城兵器よりよほど強そうそうな描写が。中世西欧は城塞の守りやすさに対して攻城兵器が追いつかなかった(大砲が本格的に発展するまで)時代なので,実際よりも過激よりの本作の描写であっても,さすがに違和感が。


・『東方外來韋編』1巻。東方初の公式雑誌である。「紙媒体の雑誌の幻想入り」が進んでいるからこそ,紙媒体の雑誌を立ち上げてしまおうという何とも東方らしい企画。
→ 企画はまず東方の新作紹介(『東方紺珠伝』と『東方深秘録』)とZUN・海原海豚へのインタビュー。次に東方界隈で有名な同人サークルへのインタビュー。そして幻想郷人妖図鑑・用語辞典・東方香霖堂。最後に二次創作の漫画である。ZUNが書いている・しゃべっている部分はそう多くないので,神主の発言だけが目的で,「東方香霖堂はそのうち(数年後)単行本になる」と割り切るなら,無理して買うものではない。付録CDがついているが,全て二次創作のアレンジ曲である。
→ 幻想郷人妖図鑑と辞典はよくできている。人妖図鑑は神主執筆ではなく監修であるため,ファン目線の求聞史紀や口授とは少し違った紹介になり,データも最新作まで含めたものになっているので価値がある。まだ霊夢・魔理沙・咲夜・早苗の4人だけだが,継続して増えていくならこれも単行本にしてほしい。辞典の方も基本はよくできているのだが,一箇所ミスを見つけた。社会の項目で「電気が通ってない」「江戸末期の生活水準」と書かれているが,神主が「電気は通ってるんじゃないかな」と明言しているし,実際に各種公式漫画を読むに,江戸末期の生活水準ということはなかろう。現代並ではないにせよ,昭和前期くらいの生活水準は普通にあるように思う。
→ 香霖堂はめっちゃ笑った。そりゃ菫子と霖之助が接触したらそうなるよ。
→ 二次創作の漫画は,公式雑誌として納得しうる豪華な面々。水炊きさんの漫画が一番おもしろかった。  
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2016年02月17日

入試問題の地図もひどいのたくさんありますしね

仕事忙しすぎていろいろ放置してたけど,ちょっと目処が立ってきたので復旧しよう。


・おいしい紅茶抽出飽和砂糖水溶液の作り方(なんたらかんたら)
→ 甘党で紅茶好きのワイでもさすがに引くレベル。でも,けっこう作ってみたいという本音もある。……少なくとも,倒れても仕事に差し支えない時期にしよう。覚えてたら。
→ 緑茶版やコーヒー版も見てみたい気もする。なお,コーヒーについては
・【致死量】一瓶まるごとインスタントコーヒー飲んだ(TuiTui)
→ こんなのもあった。砂糖の側が度を越してる分には即死はないが,カフェインの側が度を越してたら死にます。はい。


近藤暁夫. 中学校社会科歴史的・公民的分野教科書の掲載地図にみられる初歩的な誤りに関する報告 [PDF]
→ 以前から言われていた中学社会科教科書の地図がひどい,という話の地理プロパーによる本格的な調査。本当にひどかったという。
→ 他の教科書会社はともかく,帝国書院は地図メーカーとして死活問題では。
→ 自由社・育鵬社は基礎からやり直せとしか。 特に東欧関係の国境線がガバガバで,君ら自国の国境には気を使うのに他国はどうでもいいのか。ついでに言うと,彼らの目線からして「旧東側諸国」だからというある種の蔑視は存在しているのではないか,と邪推している。それにしても育鵬社の「ルーマニアの北に謎の独立国」はすごい。ガリツィアかな? 「シベリア鉄道の終点が海中」に至っては,地理の問題というより校正の問題という気が。いやまあ,自由社の教科書なのに「大東亜戦争(太平洋戦争)の展開」のページで「対馬・済州島・沖縄が日本領ではなく連合国領になっている」そうなので,それ以前の問題の可能性も高いけど。
→ 八郎潟については許してやってほしい気も。おそらく,気にしだすときりがないので,現在の海岸線で仕方なくやってしまっているところはあると思う。
→ 世界史の教科書・資料集も,黄河とアラル海をチェックされたらほとんど死滅するんじゃないか。黄河はご存じの通り歴史上何度も流路が変わっているが,割りと現在の流路で書いてしまいがちで,特に明・清朝前期の黄河は渤海湾に注いでいないという決定的な違いがあるのだけれど,あまり気を使われていない気が。アラル海も同じで,あちらもアムダリヤ・シルダリヤとの関係やカスピ海との関係だけど,おそらく黄河以上に気を使われていないので,大惨事になっている予感が。たまに21世紀の地図なのに干上がってないのを見ると,やや残念な気持ちにはなる。今度徹底的に調べてみてもいいかも。


・【艦これ】グラ子の出撃ボイスの「リーヒテンサーカー」みたいな発音の言葉ってどういう意味?(あ艦これ)
→ Lichten des Ankers! と言っているのは間違いないっぽい。以下,ドイツ語の文法的なお話。いろいろ調べてみたけど,基本的に元スレの>>17の指摘は正しくて,「抜錨!」の慣用句としては Anker auf! あるいは Anker Lichten! の方が自然と思われる。lichtenは動詞であり4格を取るので,2格を取っている時点でおかしい(des Ankersはどう見ても2格)。というよりも,2格はいわゆる所有格・属格のこと,と書けばドイツ語を知らなくとも異常さがわかるだろう(4格は対格)。そしてこういう例外が本当に存在するならば必ず辞書に載っているが,調べた限りでは出てこなかった。ついでに言うと,duden(ドイツ語正書法に則った権威的辞典)にジャストまんまの例文があったので引いておく。das Schiff lichtete die Anker. das Schiffは「船」の1格(主格),die Ankerは「錨」の複数形の4格である(Anker自体は男性名詞なので単数で4格を取るとdenになる)。
→ ただし,lichtenを動詞とするなら,そもそも命令形ではないのが不自然というひっかかりはあり(lichtenの命令形はlichtetになるはず),とすると二重の誤りか,またはlichtenが動詞ではなく名詞,ということになる。確かに,Lichtenという名詞は存在していないものの,動詞の名詞化:不定詞と強引に考える事はできる。では,これなら文法的に不備がないかというとそうでもないのが困り物で,ドイツ語は通常「zu」をつけることで不定詞を示す(zuはまんま英語のtoと同じ)。今回の場合,Zu Lichtenなら間違いなく不定詞になるが,zu(ツー)なんてGraf Zeppelinは言っていないので当てはまらない。もっとも,不定詞であることが自明な場合はzuを省略するということはあるようなので,これで納得しておくのが穏当な落とし所ではないか。実際にドイツ語版Googleで「Lichten des Ankers」で検索すると,数は4桁とそれほど多くないが,抜錨の意味で使用した文章がちゃんと見つかるので(命令語として使っているものは最初の5ページのうちに1つも見つからなかったけど)。
→ なお,そもそも動詞を名詞化する一番手っ取り早い方法は語尾にungをつけてしまうというのがある。「傾注!」の訳で有名なAchtung! はこの例で,元はachtenという動詞である。そこで,Lichtungという名詞があるのかどうか,同様にdudenで引いてみたら普通に存在したものの,Lichtungの意味は「伐採」であった……なるほど,lichtenにungをつけて名詞化すると大変なことになる。
→ 結論を申し上げると,おそらく慣用句や文法をしっかり調べずに「抜錨!」を完全に直訳し,「Achtung! は名詞だけど命令用語として成り立ってるから,これも名詞のままで行けるやろ」と勘違いして通した結果,文法的には成り立っているけど,若干珍妙な表現になったのではなかろうか。
  
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2016年02月10日

第四次大洗巡礼記

Q.また行ってきたの?
A.またです。



今回の旅の目的は4つ。
1.劇場版登場キャラや,マイナーなキャラのパネルが増えたので,これを撮影に行く。(アンツィオまでの101体は制覇しているので,ここで未達成になるのは寂しい)
2.既存キャラのパネルも,老朽化が進んだため,新しいものが設置されたとのことを聞いたので,これを確認し,主要なキャラは撮影に行く。
3.一昨年食べて絶品だった,あんこう鍋を再度食べに行く。
(4.初めて大洗に行くという友人二人の案内。)

以下,ミッション別に。写真多め注意。言うまでもなく,劇場版ネタバレ有。

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2016年02月07日

最近読んだもの・買ったもの

・『聖☆おにいさん』12巻。「クリスマスは祝われるのに灌仏会はスルーされる問題」,笑ったけど,冷静に考えると確かに不思議である。上座部仏教の国は今でも盛んに祝われるが,日本を含めた大乗仏教国だと盛り上がらない感じが。そもそも4/8って知らない人の方が多いのでは。もっとも,クリスマスも灌仏会も「誕生を祝う日であって実際には誕生日ではない」辺りに胡散臭さはあり,その点クリスマスは「元は太陽神の祭だから(震え声)」とか「サンタが来る日だから(震え声)」とか言い訳がつきやすい。一方,灌仏会はそもそも「甘茶? なにそれ」であり,花見も仏教とは独立した行事として確立されているため今更感がある。この辺が案外と定着を阻害している要因なのかも。


・『ガールズ&パンツァー もっとらぶらぶ作戦です』5巻。
→ ドゥーチェのこう,どれだけいじられてもなぜか威厳を失わない謎のオーラは何なんでしょうか。これがカリスマ……?
→ カルパッチョさんとカエサルさんが完全に付き合ってますね間違いない。公式に限定すれば,現在一番百合濃度が高いのではないだろうかw。


・『ガールズ&パンツァー リボンの武者』3巻。大洗でアヒルさんチームとの記念試合,ボンプルVSプラウダ。
→ 大洗の学園艦を見て「こうして見ると大きい」と言っているが,楯無高校はあれより小さいのか。それは黒森峰や聖グロリアーナの学園艦と比較したら豆粒なのでは。
→ ボンプルの戦術,戦車道もフラッグ戦である以上はかなり有効なのでは。地形と工夫で隠し部隊を作ってフラッグ車を奇襲するのは大洗もプラウダ戦でやった戦術ではある。それでも戦車道で負けるというのはなぜかと考えると,やっぱり軽戦車だけではどうにもならないという現実が。つらい。大洗はまがいなりにも三突と四号F2があったからなぁ。
→ 作画の乱れが心配。後半はやや立て直したけど,大洗戦は描き直した方がいいレベルのような。


・『乙女戦争』2巻。ヴィトコフの戦い緒戦,シャールカ捕虜に,ヨハン・フニャディ登場,ヴィトコフの戦い終戦,シャールカの脱出・帰還。
→ ジギスムントにとってのフス戦争は異端撲滅であり,「対オスマン帝国十字軍を見据えた実戦経験の場」という設定にしたようだ。実際のジギスムントがそこまで考えていたかは知らないが,上手い理屈付けではある。ニコポリスの戦いもフス戦争も似たような事情で大敗しているので,余計に。
→ 対ボヘミア十字軍の騎士たちが,信仰心を源泉とした衰えぬターボル派の士気におびえているが,この300年ほど前に,信仰心を源泉とした衰えぬ士気で異教徒を打ち破ったのもまた「十字軍」の騎士たちであった。前述のこととあわせて,対ボヘミア十字軍が,名も実力も十字軍に値していないことを暗示しているこの構成はすばらしい。
→ そういう意味では,その直後に,これまでシャールカを散々「天使」と持ち上げて偶像として使ってきたジシュカが,自分から天使と言い出したシャールカに一本取られるのも,また。
→ そういえば,本作での表記は「オスマントルコ」ではなく「オスマン帝国」である。当時のジギスムントがどう呼んでいたのかは知らないので,いずれにせよ世界史警察をするつもりはなかったのだが,ちょっと驚いた。なお,ビザンツ帝国は「ギリシア帝国」という表記になっているところを見ると,ちゃんと調べているのかもしれない。
→ 1巻冒頭で死んだ少年の名前「カレル」を枕にしてカール4世の話を持ってくるとは,そういう使い方をする予定のネーミングだったか。しかし本当に,あのボヘミア王国を発展させたカール4世から,ジギスムントのような抑圧者が生まれたのか,よくわからないところである。
→ なお,巻末の解説にある通り,実際にはヴィトコフの丘にはすでに砦が存在し,ターボル派はここを使って十字軍を打ち破っている。すなわち,実際のヴィトコフの戦いではワゴンブルク戦術を使われていない。もっとも,既存の砦があったからワゴンを使うまでもなかっただけの話であり,十字軍側は攻城兵器を使わずとも騎士の突撃だけで打ち破れると慢心し,ターボル派側は独自の戦術でこれを撃退したのは事実であるから,大した改変ではないだろう。ただし,実際のジギスムントは陣頭に立つどころか緒戦の敗北でさっさと撤退しており,こちらは大きな改変で,今後の物語が史実と乖離していく要素になるような気がする。  
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2016年02月03日

現地に行ったら買ってしまいそう>フォーダイト

・自動車工場でのみ採取できる美しい鉱石「フォーダイト(デトロイト瑪瑙)」(カラパイア)
→ 禍々しい美しさ。人によっては美しいとは感じられず,単純に気持ち悪いだけかもしれない。
→ 若干美学的にまじめな話をすると,こうした近代的科学技術による人為を超えた恐怖による美しさを「技術的崇高」と呼び,アメリカ発祥なので奇しくもアメリカ的崇高とも呼ぶのだけれども(あるいはAmerican technological sublimeとつなげることも),フォーダイトも技術的崇高を感じられるものに分類されることになるのだろうか。通常は核兵器や宇宙開発が該当するものではあるのだけれど,そうすると元の力学的崇高や数学的崇高に引きずられすぎているような気がして。あえて技術的崇高と呼ぶのであれば,「小さいのに人為を超えた恐怖を感じる」というのもアリなのでは,と思った。


・日本一危険な神社に参拝したかった(デイリーポータルZ)
・【北海道で一番危険な神社】太田山神社(北海道バンザイ)(登り切った人の記事)
→ 先日「日本で一番参拝が難しい国宝」こと投入堂には行ったが,これはまた厳しそうな。最後の鉄輪以外は投入堂レベルっぽいのと,投入堂よりは短いっぽいので,極端な難易度差はなさそう。個人的には鉄輪を登りきれる自信が全く無いので行かないと思う。正直DPZの人の撤退は正解じゃないかと……いやー,崩れそうだよ,あの鉄輪。
→ 何より,北海道の,それもかなり田舎となると,それ自体の難易度も高い。投入堂もバスが少なくて行くのがかなりしんどかったが,一応観光地化はされてたからなぁ。


・「かけ算の順序」なんてもう古い⁈ 今や時代は「足し算の順序」‼︎(Togetter)
→ なんかもう闇が深すぎるので一度小学校教育解体した方がいいのでは。
→ 一応言っておくと,やろうとしていることの目的はわからないでもない。小学校低学年だとまだ脳が抽象的な概念操作をできない年齢層で,「リンゴ2個」を算数の数としての「2」に下ろしてくることができない。純粋な数(かず)を操作する学問として教えることはできないのである。だから文章題なんかで意味を理解していないまま立式するという子は実際にいる。その意味でこれなんかは良い例示。
・足し算の順序にこだわる理由と、それでも言いたいこと(文章生成ファクトリー)
→ そういう事情から,生徒が文章題の意味をちゃんと理解して解いているのかどうかを確認する/理解できるように教えるのは重要なポイントであるし,その上で「足す側」と「足される側」の区別が必要なのも,まあ理解はできる。しかし,交換法則を否定した結果余計にわかりづらくなっていたり,散々指摘されているように解けない文章題が出てくるのは本末転倒極まりない。
→ ちなみに,掛け算の時にも書いたが,私はこんなの問題作成側の手抜きでしかなく,はじめから文章題の意味が理解できているかどうか確認できるように個々の問題を作ればだけのいい話だと思っている。文章題を理解できているかどうかを純算数的な立式でチェックすることが,土台無理のある話だ。要するに,過度で無理のある教え方のマニュアル化なのではないか。  
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2016年02月02日

むしろ元本の大きさの重要性を知る

・シュミット元西独首相が死去 96歳、「鉄の宰相」(朝日新聞)
→ 96歳は相当な長生きであり,つい最近まで言論活動をしていたのだから大したものだ。名宰相なんだけれども,どうしても印象が薄いのは「東方外交」ブラントと「統一時の首相」コールに挟まれているからだろう。8年在任していたし,ヨーロッパ統合の立役者の一人でもある。ちなみに,ジスカールデスタンとはほぼ完全に在任期間が重なり,あちらは90歳でまだ生存している。むしろ,ドイツ首相後任のコールは現在85歳だが,健康状態があまり良くない模様。(さらについでに言えば,ジスカールデスタンの後任ミッテランは亡くなっている。)
→ SPDで国内政策も社会主義寄りだった一方で,対外政策は前任ブラントと違ってむしろ強硬なタカ派だった。アメリカのミサイルを西独国内に配備する(記事中の「中距離核戦力の全廃に向けて指導力を発揮した」はどちらかというと結果論である),サウジにレオパルト2を輸出してイスラエルに厳重抗議される,トルコのヨーロッパ統合参加は拒否し,いわゆるガストアルバイターの導入は間違いだったと批判し,退任後になるが「多文化共生はインテリの幻想」と発言するなど,なかなかに破天荒であった。そういえば多文化共生についてはメルケルさんも似たようなことを言っているが,彼女はCDUである。
→ 経歴を振り返ると実はユダヤ人の血を引いていたが出生を偽造し,ナチス・ドイツ時代は国防軍の将校として活躍(戦車輸出の折にイスラエルにこの経歴を掘り起こされて批判されている),終戦後に社会主義者へ転向したそうだが,ソ連やイスラエルやトルコ(人)への対応を見ていると,根は割りと若い頃から変わってなかったのでは,と思う。Ruhe in Frieden.


・旧新潟貯蓄銀行の100年定期預金(年利6%)が満期を迎える。(FX2ちゃんねる)
→ ヨーロッパだと時々見るたぐいの話だが,日本で起きたというのは珍しいしおもしろい。ヨーロッパの場合は300年前とかの債券が発見されて,単純に時間が経過しすぎててインフレ率に負けるという感じだが,日本のこれは100年と比較的短い分,敗戦後のハイパーインフレと高度経済成長を挟んでいるのでこうなっちゃったんだろう。敗戦後のハイパーインフレだけで約70倍だ。
→ 100年前となると物価が違いすぎてインフレ率を計算する意味があまりなく,公務員の初任給や米価・金1gの値段などで比較することになるが,大正時代のそれらから計算するに(なお記事中にある通り「当時の銀行員や国家公務員の初任給は40-50円程度。」である),1円が5000円くらいの価値になるっぽい。……してみると,実は1円の投資ってすごく軽い投資だったのでは。念のため計算してみると,全くインフレせず物価も変わらずに100年後339円30銭になっていたとしたら,今の感覚で言って5000円が約170万円にはなっていたことになる。すごい儲けには違いないが,約170万円で“一財産”かと言われると……10口単位で買っててもらわないと,インフレ率とか抜きにがっかりしそう。


・パリで同時多発テロ、死者120人超 仏は国境封鎖へ(朝日新聞)
→ 1年以上前からのうちのブログの読者諸氏はご存じの通り,私はこの事件のちょうど一年前にパリにいた上にテロに遭いかけているので,本当に他人事ではない。テロが起きたのは主にパリ10区と11区だが,旅行中にこういう事態となったパリ北駅があるのはパリ10区である。近いも近い。旅行記事のコメントにもある通り,30分でNATO軍や爆弾処理班が来るような警備状況でも防げないんだから,無理なものは無理なのだろう。
→ 実を言うと2016年中にドイツに行く旅行の計画があったのだが,友人同士で話し合った結果「少なくとも中東が落ち着くまでは様子を見よう」ということになって延期している。早く情勢が落ち着いて欲しい。もっとも,飛行機の値段が暴落しているので,危険を顧みずに行くのも手ではあるのだけれど。


あなたが選ぶ展覧会2015
→ 投票するつもりはあったのだが,し損ねた。ランキングを見ると,トップ10に入ったもので行ってないのは鳥獣戯画展と鴨居玲展,河鍋暁斎展,蔡国強展,光琳と現代美術展の5つである。11位から下だと行ってないものがかなりある。現代アート系には行かないのと,地方の美術館にはあまり行かないのが足を引っ張っている。結果事態に言及するなら,グエルチーノ展の1位は意外。春画展かマグリット展が1位になると思っていた。
→ 投票するとしたら予選の時点で3つだから,地中海の黄金伝説展近美の「No Museum, No Life?」展マグリット展になるだろうか。本選は残った25から選ぶなら,やはり「No Museum, No Life?」展ということになる。美術館そのものにスポットライトを当てた記念碑的な展覧会で,インパクトは強かった。

・【レポート】2015年美術展入場者数 BEST20(Art Annual online)
→ 入場者数のランキングはこっち。こういうのはランキングの半分は行っていて,行っていないのは現代アート系と京都と奈良というのが昨年までの自分だったが,今年はちょっと様相が違う。ランキング1位のモネ展はモネに食傷気味でパス,2位(・4位)のルーヴル展は現地に行ったからパス,3位は科学系でパスしたというよりチェック漏れで,なんと1〜3位に1つも行っていない。多分,ルーヴル展とオルセー展は今後めったに行かなくなると思うので,2016年以降も同様になると思う。
→ 加えてもって9位の古代エジプト展もルーヴルでたくさん見たからもういいかなと。11位の鳥獣戯画展も前にサントリー美術館で全巻見てるので……こういうパターンも今後増えていくだろう。ただ,その分代わってややマイナーなジャンルの美術館に行く余裕が出てきてるので,いいことかなと。
→ なお,逆に行ったのは5位マグリット展,7位兵馬俑展,8位大英博物館展,16位春画展,19位ボッティチェリ展。
→ これ,両ランキングを見比べるとおもしろい。グエルチーノ展は美術ファン受けはしたんだけど,地味で集客は難だったんだなとか,逆にルーヴル展は投票するような層はやっぱ飽いてるんだなとか。総合的に成功したのは,モネ展,マグリット展や鳥獣戯画展だった。確かにキャッチーかつ美術ファン受けも両立できる素材で,モネ展は《印象 −日の出−》を持ってきた効果かな。
  
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2016年02月01日

非ニコマス系動画紹介 2015.10月下旬〜12月上旬



「魔大陸が実家の人」タグに不覚にも笑った。そしてとんでもない自害を見た。




飛空艇バグを駆使して自分が「ゆうれい」のまま各種イベントを進め,「ませきのかけら」のジハードで全滅したらどうなるか,という実験。いろいろとバグりまくっておもしろい。狂信者の塔のイベントは,ゆうれいはリルムの枠を使っているからこその現象。FF6を遊びつくしているというか,壊しつくしているというかw




エディさんの動画3連発。こちらは新シリーズだが,おそらくルートが重なってるからpart1を投稿しただけで,高ステータスの方が終わってから本格的に開始するものと思われる。




貧困過ぎて乾いた笑いが。あの人ら,そんな子供時代だったんか。





マップはともかくBGMが秀逸すぎてヤバイwwwwwwww




算術士無双の始まり。これはこれでめっちゃおもしろいので,ぜひとも完走してほしい。




確率が天文学的数字だと,TASさんでも調整にとんでもない時間かかるんやな……




MADになりそうな気がしていた音声からのトリビアの泉というw




著者が元動画投稿者であることを活かした,自作宣伝映像。ニコマス出身というのはなんとなく誇らしいところで。あ,おもしろかったです。  
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