2018年07月31日

非ニコマス系動画紹介 2017.10月中旬〜12月下旬




またshelfallさんが発見した何の役にも立たないバグに,stayさんがのっかった形。学会が発展している。結論が「バグの存在がわかっただけで,何の役にも立たない」という。




こっちはカムバックしてきた人。プレイ内容を見ると9ヶ月止まっていた理由がわかる。呪いの爪集めは鬼門すぎやしませんかね……そして完結。




完結済。HoI2のエイリアンよりも苦戦せず。結果的に人類の内ゲバが目立つことに。




ヴァーチャルYouTuberシロさんのサイコパス実況伝説はここから始まるのであった。



リアル咲現象。ドラが乗ってなかったらもっとそれであったが。




EGOISTのヴォーカルによるメルト。何ともエモい。



こちらはやなぎやぎさんによる10周年記念。原点にして頂点感強い。


  

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2018年07月29日

螺鈿と沈金で輝く琉球漆芸

黒漆雲龍螺鈿大盆(浦添市美術館)サントリー美術館の琉球王国展に行ってきた。サントリー美術館は琉球の染織を多く所蔵しており,過去に何度も琉球関連の展覧会を開いていて縁が深いとのことである。私自身は琉球は全く門外漢なので,新鮮な気持ちで見に行った。

今回の展示は染織(いわゆる紅型を含む)だけではなく,琉球の美術(絵画作品)や漆器の展示が豊富であったのが,非常に良かった。琉球の美術は基本的に中国の影響が強い。留学先というとまず福州であったようで,ほとんどの画家が琉球名と中国名を持っている。たとえば「座間味庸昌」であれば中国名は「殷元良」。レベルはさすがに高いというものではないが,よく模しているとは思う。言われなければ中国人や日本人の画家が描いたものと区別がつかないだろう。おもしろかったのは,そうして中国の絵画を模して成長したので,琉球人が雪中の花鳥図も描いているということである。おそらく御本人は雪を見たことがないか,朝貢使節の随行で行った北京で見たかどうかという程度だと思うが,本人としてはどういうリアリティでこの絵を映画いたのであろうか。

一方の漆器は非常にレベルが高く,オリジナリティも高い。日本らしい真っ黒のものもあれば,中国や南方の影響が強そうな朱塗りの漆器もあり。何よりも特徴的なのは非常に豪華な螺鈿である。夜光貝は本土だと屋久島・種子島が北限であり,夜光貝を豊富に産出する沖縄本島はそれだけで大きなアドバンテージである。黒い地に浮かぶこれでもかというほどふんだんに盛り込まれた螺鈿はきらびやかで美しい。それでいて朱色に蒔絵も使いこなしているのだから反則だろう。近世の琉球の漆器がこれほど高度なものだったとは恥ずかしながら知らなかった。なお,これらの優品を多く所蔵しているのは浦添市美術館である。今度(いつかはわからんが)沖縄に旅行したなら必ず寄りたい。

今回の展覧会の最大の目玉は,那覇市歴史博物館から借りてきている琉球王家伝来の品々(多くが国宝)である。前述の通りの豪華な漆器類と衣装類が中心で,その中心が王冠。ただし,期間中の8/21までは状態の良い復元品で,8/22〜9/2だけが本物の展示となるから,今回私が見れたのは復元品の方であった。こうして王冠が存在しているのを見ると,確かに別の国だったという実感も湧く。物体の力である。最終章は戦前の沖縄の風景の写真が展示されていて,今回の展示は豪華であるが,それでも戦災で相当に焼けてしまったらしいことが語られている。残念至極である。


なお,サントリー美術館にありがちなことではあるが,展示替えが非常に激しい。今回は中でも極端で,展示リストをよく見ると事実上同じテーマで2回の展覧会をやっていると言える状態である。そういうわけで私は少なくともあと1回は行くつもりなので(8/22〜9/2が狙い目),気になっている方はぜひお声がけください。同行者1名まで無料です。

  
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2018年07月28日

ハイジュエリーブランドの展覧会3つめ

ピウス7世のティアラ三菱一号館美術館のショーメ展に行ってきた。ショーメは日本語版Wikipediaにページがない程度には他のブランドに比べると知名度が一段劣るが,ブルガリ・カルティエ・ティファニー・デビアス等と並ぶ超高級ジュエリーの老舗である。過去にカルティエとブルガリは東博で展覧会があったが,今回のショーメは三菱一号館であった。そのうちティファニーもやるのだろうか。

歴史的に言えばボナパルト家とのつながりが強く,ジョセフィーヌに気に入られてトップブランドに駆け上がっていったことが展覧会の冒頭で語られる。それゆえに王冠(ショーメデザインの教皇ピウス7世の三重冠が今回の展示の目玉の1つである)や儀仗,婚約指輪・結婚指輪といった儀礼用のジュエリーがショーメの強みである。今回の展示で最も多かったのはティアラで,何十点というティアラが一同に会していたのは圧巻であった。しかもその部屋だけ写真撮影OKだったのだが,部屋の照明が落としてあって各ティアラだけが強力なライトで照らしてあるという状況だったので,携帯のカメラではまともな写真が撮れる環境ではない。どうせ写真撮影OKにしたのであれば,もうちょっと写真を撮りやすい照明にしてほしかった。それともあれは実は撮らせたくなかったのだろうか。

そうした強みのせいか,クリエイティブではあれど保守的なデザインであり,時代による変遷は当然あって,アール・ヌーヴォーのような流行にはきっちり乗っていて,19世紀末頃には動植物デザインが増えていたりはするものの,そこまで突飛なものがさして見られないのがかえって特徴的であると思った。王侯貴族が古臭くなく,かつ普遍的なデザインであってほしいものをきちんと作って売っているという印象である。大ぶりの宝石を多用しているものの,とりあえずダイアモンドをはめておけばいいんじゃろ,というような使い方ではなく,カラフルでちゃんと何かしらの模様を表現した作品が多く,おもしろかった。

しいてケチをつけるなら,ショーメらしさを見せるならもう少し政治的な有名人の所有物を借りてきて展示してもよかったのではないかと思う。冒頭のナポレオン1世の一族の宝飾品の展示はすばらしかった。が,その後はティエール夫人,前田侯爵夫人(あの前田侯爵邸を造営した利為公の夫人)あたりがおもしろかったけど,その他は名前自体がそれほど出てこなかった。その点は少し残念である。

  
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2018年07月25日

「雷電以来」というと仰々しい

怒涛の展開で優勝争いが混沌とし,結果的に優勝したのは関脇であった。横綱が全員休場という状態についてはもはやここ1年くらいでは珍しくもなくなってきた。そこで優勝するのが大関ならば順当だが,なかなかそうもならないのはおもしろいところだろう。けが人多数で休場者多数はあったが,残った人たちの相撲は熱く,おもしろいものが多かったと思う。特に御嶽海・朝乃山・豊山は突出してすばらしく,この3人のための場所という様相だった。惜しむらくは私自身が忙しすぎてリアルタイムで見た相撲がほとんどゼロに近いということだ。

優勝した御嶽海は13勝,先場所9勝なので来場所11勝なら合計33勝になるが,ここまでの22勝に横綱戦勝利がないというのは指摘されても仕方のないところであろう。今場所の優勝を加点要素としても,11勝なら中身に横綱戦白星がほしいところであるし,3人休場で不在だとか手負いでどうしようもない状態ならば12勝をボーダーにしたいところ。3横綱4大関で飽和してしまうというのも協会としてはネックであり,状況的に言って思われているほど易しくない大関とりになると思われる。なお,長野県出身力士としては昭和以降で初,江戸時代まで含めても雷電以来とのこと。


個別評。横綱・大関。白鵬は悪くなさそうであったので,出場し続けることができていれば優勝は固かった。もったいない。鶴竜の方は休場して正解という出来。稀勢の里は8場所連続の休場だが,さすがにすぱっと引退したほうがいい状況になってきたように思う。おそらく,足腰が多少の稽古と実戦ではどうしようもないくらいに弱っていると思われる。栃ノ心の休場は残念至極で,しかもケガの状態によっては来場所あっさりカド番脱出できるとも断言できそうにない。非常に心配である。高安は腰の痛みがひどいようで,思うように動けていない。千秋楽,立ち合いの諸手突きを豪栄道にかわされて難なくあしらわれてしまったのが象徴的。その豪栄道は平常営業といったところ。ただ,横綱全休ならお前が優勝せいよと思ってしまう。今場所で平常営業はダメだろう。

三役。御嶽海は特に相撲ぶりが変わったわけではないが,毎場所序盤は良くて終盤は失速するところ,今場所は優勝争いの先頭に立ったことでブーストがかかってスタミナが最後までもったという印象である。先場所の評に「大関取りには地力が一段足りないことがまたしても立証されたというか」と書いている通りで,来場所は本当に正念場になると思われる。好調に乗っかって地力を成長させてほしい。逸ノ城は御嶽海以上に横綱不在の恩恵を受けた力士で,上位戦や合口の悪い相手になると途端に無気力になるの,本当に止めてほしい。現時点では勝ち越しに価値がないと言わざるをえない。玉鷲・松鳳山は特には。

前頭上位。阿炎は先場所よりも対策されて勝てなくなってしまった。もう一皮むけたいところ。威力か機敏さか,いずれかがほしい。一方,貴景勝は完全に復調した。とはいえ今場所は中途半端な上位挑戦になってしまったので,来場所は横綱戦での動きを見たいところ。嘉風は動きがそこまで悪かったわけでもないのに初日から13連敗した。かと思えば同じような相撲ぶりで14日目に勝つと,千秋楽は先日まで13連敗していたとは思えない相撲で連勝した。北の富士も言っていたが,勝ち星を並べることの難しさについて考えさせられるのが,今場所の嘉風であった。

前頭中盤。千代大龍は先場所の評に「MSPを長らく封印しているが,あれなら復活させたほうが良い。立ち合いで崩したなら二の手で引いてみてはどうか。」と書いたら本当にやっていた。本人も同じようなことを考えていたのかもしれない。結果9−6なので良かったのでは。宝富士はこんな地位なら勝ち越しだろうと思っていたのだが,7−8で負け越した。左四つでも万全ではなくなってきたので,衰えているのかもしれない。伊勢ヶ濱部屋の状態が状態なので,精神的なものもあるのかも。

さて,今場所躍進した豊山は,ようやく目立つ存在になってきたのかもしれない。中盤までは同じように勝ち星をあげた朝乃山に比べると印象が薄かったのだが,14日目に一気の出足で高安を破り,千秋楽はまず間違いなく平成30年度全場所のベストバウトになるであろう大熱戦で御嶽海を破り,一気に印象が良くなった。恵まれた身体を持ちながらも幕内のスピードについていけず星が上がっていなかったが,今場所ついに順応した。突き押し相撲だが引きに頼らずとにかく押すタイプで,しかし圧倒的なパワーで押し切るよりは技巧があり,四つになってもかなり対応が効く。これはこれであまり見ないタイプに成長しつつあるのかもしれない。

前頭下位。碧山は上りエレベーターであるはずのところ8勝止まりで,ケガでもしていたか動きが鈍かった。一方,阿武咲と栃煌山と北勝富士は順当な上りエレベーターである。最後に朝乃山。今場所見ていて一番楽しかったのは朝乃山の相撲で,右四つの本格派がやっと開花した。とにかく寄りの形が整っていて安心感があり,これなら大概の相手は持っていけるだろう。ただし,その意味で今場所魁聖に四つ相撲で負けてしまったのは一つの試金石で,まだ上位定着とはいかなさそうである。少なくともエレベーターと呼べる地位にはなりそうなので,経験を積んで成長してほしい。非常に期待して見ている。


さて,書きそびれていた関取引退について言及しておく。まず翔天狼。突き押しでも組んでもとれたが,かえってどちらも中途半端になってしまう傾向はあった。出世が遅く,2009年3月に27歳,所要48場所でやっと入幕した。その年の名古屋場所で,無敵を誇っていた白鵬から金星を獲得し,突如として注目を浴びた。奇しくも白鵬は初土俵同期である。しかし,その後は今ひとつぱっとせず,最高位は前頭2枚目で終わった。2017年に日本国籍を取得したものの,9月に悪性リンパ腫を患っていたことがわかり,復帰に望みをかけていたが,その年の年末にあえなく引退となった。2017年1月には時天空が悪性リンパ腫で亡くなっているので,かなり心配である。一応,2018年5月には親方として職務に復帰した。

次に北太樹。この人も下積み期間が長く,特に幕下で時間がかかり,1998年の角界入りから約10年かかって十両となった。とはいえ今どき珍しい中卒のたたき上げであり,2010年から2015年にかけて約6年間,長く幕内に定着した。速攻相撲が持ち味で,立ち合いからの一気の出足と左差しで一気に持っていく相撲が取り口であった。ただし,左差しが入らないと出足がくじかれる傾向があり,また長引くとはたき以外の技が出てこなくなる悪癖もあり,上位では対策されてしまい,エレベーターの地位から脱することができなかった。最高位は前頭2枚目。左膝の故障が慢性化しており,2016年頃からかばいきれなくなって力を落とし,その後も2年は十両でとったが,2018年5月に引退した。

最後に阿夢露。最初は「あむうる」とは読めず,「アムロ? ガンダムかな?」と思っていた。2002年初土俵,2012年新十両とこの人もまた10年かかった苦労人である。白人
の力士らしくソップ型,細身の身体で,にもかかわらず力の入った相撲を取るためかどうしてもケガに見舞われやすく,2012年大阪・新十両の場所で大ケガをして5場所全休,序二段のほぼ振り出しに戻ったが,丸2年かかって2014年大阪で再十両,そのままの勢いで九州場所で新入幕となった。所要,なんと74場所,この時すでに31歳である。細身の割にはパワーがあったが,技巧があったわけでもなく,不格好な四つながら不思議と寄っていった。幕内の壁は厚く,最高位は前頭5枚目だが,基本的には10枚目前後でとっており,エレベーターにもなれなかった。年齢から来る衰えからか徐々に力を落としていき,2017年3月からは幕下,2018年5月に引退となった。3人ともお疲れ様でした。
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2018年07月22日

Fussball Weltmeisterschaft in Russland

今回のワールドカップは仕事が忙しかったこととドイツが早々に敗退したことで,2006年以降の4回では最も見ていない大会になってしまい,あまり大した感想もないのだが,こういうのは継続なのでなにか書き残しておこう。(一応4年前の気合の入った感想

・日本
事前のわけがわからない監督交代で一気に国内が冷めるという状況からの,天和を引いたかのような「豪運」でコロンビアを下し,見事に国民を振り回してくれた。事前の失態をそれはそれとして切り分けるならば,応援しがいのあるチームではあった。なんだかんだ言っても「個」が強く,走り回ってなんとかしてしまうのは8年前と同じで,こうなると4年前はチームとして弱かったのではなくコンディション等に何かあったのでは,と今更ながらに思わせられた。1戦目は開始後3分のコロンビアのレッドカードが全てで,相手が10人だった割には苦戦させられたとは言うものの,むしろコロンビアの地力や,10人になっても思われているほど有利にならないことを考えるに,きっちり勝利をもぎ取ったことをたたえてもよいのではないかと思う。ワールドカップ史上,初のアジア勢による南米勢に対する勝利だそうで。

セネガル戦を見ても,やっぱり思ってたよりは戦えていて,コロンビア戦の勝利はまぐれではなかったと改めて思わせられた。最後のポーランド戦はまあ,ポーランドの「三試合目だけ本気出す」というジンクスを破れなかったということで。むしろポーランドさんはなんでワールドカップ本戦でこんなにスロースターターなの? 最後の10分のパス回しは個人的には全く気にならなかった,というかあれはあれで面白かった。最後に本戦のベルギー戦もセネガル戦と同じ感想で,途中まではまさかこれ勝っちゃうの? というドキドキをありがとう。さて4年後は世代交代がどうしたって不可避なわけで,それでとんでもなく弱くなるのか,はたまた意外と上手くいくのか,予選から注目していきたい。


<グループリーグ敗退勢>
・ドイツ
まさかの敗退ではあるものの,グループリーグの戦いっぷりを見ていて,これはトーナメントに上がる資格が無いなと思ってしまった。ミュラーもエジルも元気がなく,ボールをゴール前まで持っていくものの,そこからパス回しで崩せないままシュートを打たされるので点が入らない。加えてフォワードのヴェルナーは決定力を欠いていて,4年前からは大きく攻撃力が下がっていた。ディフェンス陣はまだマシでセンターディフェンスがフンメルスとボアテングのうちは機能していたが,交代すると崩れるし,ノイアー頼りにも限界があった。サイドもキミッヒが躍動していたように見えて,ボールを持たされていただけのように見え,ラームがいなくなった穴は大きかったんだなと。まあ,また4年後に期待しましょう。ミュラーは次は32歳,もう1回出れるか。ドイツはグループリーグ敗退が史上初とのこと。ところで,「やっぱりドイツはロシアの大地では勝てない(約76年ぶり)」「イタリアが最初に脱落し,次にドイツが脱落して最後に残ったのは日本」「試合のあった6/28は「青の場合」の作戦発動日」とか,二次大戦ネタが乱舞していたので爆笑していた。


<ベスト16>
・ポルトガル
同じスター選手中心のチームとしては,アルゼンチンのメッシ頼りよりもよほど脱クリロナができていて,むしろクリロナに注目を集めておいて他が決める形ができていたので今回は行けるんじゃないかと思っていたのだが,ウルグアイのドン引きカウンター戦術には勝てなかった。4年前は初戦のドイツ戦でぺぺがレッドカード退場,10人になってボロ負けし,その後遺症でグループリーグ敗退というひどい展開だっただけに,その反動もあって今回のポルトガルの印象は良く,16で消えたのは惜しい。

・アルゼンチン
ポルトガルとは対照的に。4年前はそれでもディ・マリアやマスチェラーノが助けていて,戦術メッシになりすぎないように助けが入っていたように思うが,今回は本当に戦術メッシだった。よくこれでグループリーグ突破できたなという感じだったが,トーナメント初戦はよくフランスに3点入れたもんだ。この試合の得点シーンだけ見ると強そうに見えるんだけども。


<ベスト8>
・ブラジル
4年前に「グループリーグの戦いぶりからして前評判ほど強くないという印象を受け,次第に化けの皮がはがれていった感じ。」と書いているが,今回も全く同じ感想。極めて素人くさい感想を言うと,ここより上に行くオーラは無かった。ただ,ポルトガルと同じで4年前よりはネイマールが封じられても他の人が決めに行くスタイルはできていて,特にコウチーニョは躍動していた印象。

・スウェーデン
ロシアもそうだが,タレント不在の中でドン引きカウンター戦術を上手く使っていた。しかしそのせいか相性の差もくっきりで,ドイツには負けたのにメキシコに勝ち,スイスに勝ってイングランドに負けるという終始不安定な戦いぶりでもあった。そういう意味ではよくベスト8に来れたなという印象もあるが,これは私がドイツを応援していて,ドイツ戦の敗戦の印象が強いからかもしれない。

・ウルグアイ
同じドン引きカウンター戦術でも攻撃にタレントがいたのがウルグアイだったが,だからこそカバーニがいなくなるとやはり機能せんのやなと。最後のフランス戦だけ見違えるように弱かった。結果としてスウェーデンやロシアと同じところで敗退というのはさもありなん。


<ベスト4以上>
・イングランド
ベスト8以上まで来た国々としては,申し訳ないがタイミングも悪く一番試合を見ていない国で,正直特に感想がない。ケインが「得点王の印象が無い」とか言われているのはちとかわいそうだが,確かにどこで点を入れてたっけ? と考え込んでしまう。

・ベルギー
日本に勝ったことだし,どうせなら優勝してほしいと思って見ていたが,あまりにもフランスが強すぎた。攻撃陣の顔ぶれが豪華すぎるが,GKクルトワの鉄壁が勝ち上がることに目立っていった。よく日本はこの人相手に2点入れたよね……前回のノイアーはとにかく前に出ていってシュートの体勢に入る前につぶしてしまうという感じだったが,今回のクルトワは未来予知でもしてるのかという超反応の連続で楽しかった。

・クロアチア
人口約450万人の小国がここまで躍進,とは言われるものの,それで言えばウルグアイも人口約350万人,一人あたりのGDPも約2万ドルで似たようなものであり,そう不思議な結果でもなかろうかなと。決勝以外は全然試合を見ていない上に,決勝は一方的にフランスにやられていたので,あまりコメントがない。

・フランス
グループリーグから最後まで終始とんでもなく強かった。4年前のドイツ並に負ける雰囲気が無く,最後まで戦いきった。最も光っていたのは当然ムバッペ(エムバペ)。とにかく早い上に足元も上手で手がつけられない。当然グリーズマンはじめ前線からディフェンスまで他の選手もすばらしく,穴がない。それでも目立ったのはやっぱりムバッペだったのは,ワールドカップとはそういうものだということで。それにしても全体的に若く,ほぼこのメンバーでまた4年後も行けそうなのだが,そうすると今回のドイツみたいなことになりそうな気もして,なかなか今後の舵取りが難しい。優勝国だからこその悩みか。
  
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2018年07月21日

三十六歌仙特集

佐竹本三十六歌仙絵「柿本人麿」出光美術館の「人麿影供900年 歌仙と古筆」展に行ってきた。1118年に柿本人麻呂を歌仙として奉る影供が始まったことから,今年がその900周年である。そこで,日本人がいかに柿本人麻呂を中心とする三十六歌仙を奉ってきたかを展示品で説明しているのがこの企画展である。

そういう企画展なので断簡・古筆が多めかと思いきや,歌仙たちの肖像画が多めの展示となっていて,私でもかなり楽しめるものであった。当然ながら柿本人麻呂を描いた絵が最も多かったが,柿本人麻呂はリラックスして寝そべったような体勢で描かれることが多く(今回の画像もそれ),それが詩仙こと李白の造形から来ていることや,その体勢が実質的に三十六歌仙の集合絵において彼のアトリビュートとして機能していること等の説明がなかなかおもしろかった。画家としては土佐派や住吉派が意外と少なく,かわって多かったのが岩佐又兵衛である。これは出光美術館が多く持っているという事情か。三十六歌仙図は複数の画家で何作か出ていたが,どれを見ても描き分けに苦労してそうな様子がある。やはり36人は多い。その中でアトリビュートが体勢によって完全に確立されていてわかりやすいのが柿本人麻呂で,さすがに特別扱いされているのもよく見て取れる。

作品単品では,俵屋宗達の「西行物語絵巻」の第一巻が展示されていて,久しぶりに生で見ることが出来た。東方信者なので,どうしたって西行の娘が蹴飛ばされている例のシーンはテンションが上がってしまう。西行自身が書いたとされる『中務集』の展示もあった。また,企画展の主題の都合上,日本の作品だけかと思いきや,比較例として伝趙孟頫の「陶淵明図」が展示されていた。これもいい作品である。本展覧会で最も年代が新しい作品として鈴木其一のものが展示されていたが,例によって天地にまではみ出して描く作風で大変鈴木其一らしいものであった。彼の「36人も画中に書いたらそれだけで画面が埋まっちまうよ。模様は画面外に描こう」という声が聞こえてきそうである。

最後に,書について。私は全くの門外漢でそもそも崩し字が読めないが,古筆手鑑「見努世友(みぬよのとも)」はさすがにちょっと感動した。指定は国宝である。古筆の断簡を集めて1冊の書としたものであるが,「見努世友」は保存状態が良く,三十六歌仙の多くを含む平安時代から室町時代にかけての古筆が229枚収集されている。これはその貴重さがよく伝わってきて,門外漢が見てもおもしろかった。
  
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2018年07月20日

ホレス・ウォルポールもいい言葉を残してくれた

・官僚の忖度、背景に内閣人事局 異を唱えれば「クビ…」(朝日新聞)
→ 官僚主導から政治主導へという意義は理解できるが,その結果がモリカケ問題を始めとする忖度の嵐だとするなら,さすがに弊害の方が大きいというのがこの短期間で証明された形である。官邸主導の体制は揺り戻しが必要であろうが,安倍政権である限り手を付けられなそう。上手くバランスが取れないものか。


・あれ?修復したら地味に? 鎌倉時代の十二神将像公開へ(朝日新聞)
→ 修復としてはかなり珍しい事例。原色で派手に塗ったのはいつ頃のことなのかが気になる。かなりよく残っているので,江戸・明治時代の修復ならこれはこれで貴重だったようにも。昭和の修復ならはがしちゃっていいだろうが。
→ 気になってお寺のHPを見てみたが,まだ写真が差し替わっていなかった。栃木県鹿沼市の真言宗の寺で,今回修復されたもの以外にもいろいろと持っている。金堂が茅葺なのは非常に珍しい。医王寺の建物は日光東照宮の写しだそうで,よく似ている。建物も綺麗な朱塗りで,おそらく近年に塗り直したものと思われるが,これならなおさら修復前の十二神将像の方があっていたような気も。


・山梨県の威信かけ高校教科書の用語削減案に「信玄の名消すな」の大合唱(産経新聞)
→ あの動きは高校の世界史・日本史に限ったものであり,小中学校の歴史から武田信玄が消えるわけではないので,日本人の常識や観光への打撃はほとんど考えられない。用語削減案への反対者がそれに気づいていないわけはなく,対話する気が無いのか何なのか。気づいていないなら議論以前の問題で頭が悪すぎる。なお,実際には「武田氏」ならば日本史用語に残留している(ちゃんと戦国時代に)のだが,それではダメなのだろうか。
→ それはそれとして言うなら,実は武田信玄は上杉謙信や伊達政宗と比べると多少なりとも擁護しうる。分国法の制定である。分国法は例のリストでも重要語として掲載があり,日本の戦国大名の内政の特徴を説明するために必要である。各勢力の分国法に共通する喧嘩両成敗や分割相続の禁止は後世の日本社会に影響を与えている。武田信玄の制定した「甲州法度」は,今川氏親の「今川仮名目録」や朝倉孝景の「朝倉孝景条々」と並ぶその代表例だが,武将本人の知名度の点でで武田信玄は優位であろう。現在のリストでは分国法の代表例や制定者が1つも入っていない。分国法の代表例というところから攻めていったほうが幾分有意義な議論になると思われる。


・美術史の1ページに『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』を加えよう。「ウツシエ」に似た遊びが18世紀に存在した!? ゲーム画面からあふれでるロマン主義の“崇高”(電ファミニコゲーマー)
→ ゲームの紹介記事なのに,あまりにも完璧なロマン主義美術の説明がなされているのでびっくりした。なるほど執筆・監修者が専門。「読者の中にも近代美術史を勉強している学生がいるかもしれません。その学生は、絶対に『ゼルダの伝説 BotW』をプレイすべきです」とは言うが,むしろ近代美術史を勉強している学生は絶対にこの記事を読むべき。わかりやすい上に,自分の勉強しているものがどういう形で現代につながっているかという点でも良い説明となっている。
→ ロマン主義美術の説明,とりあえず「断崖、山岳(中略)サルヴァトール・ローザ!」を引用しとけば何とかなる感ある。大体最後のサルヴァトール・ローザしか覚えてなくて「なんとかかんとかからのサルヴァトール・ローザ!」になりがちなのは近代西洋美術史学徒の鉄板ネタだったりする。
  
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2018年07月18日

やっぱり孫子・クラウゼヴィッツが多い印象

全ガンダム大投票 40th | NHK
→ 見ている作品が虫食い&00以降は見ていない勢だけども,結果も出ていることだしコメントしておこう。好きな作品1〜3位は出来レース感あるが,3つとも30代の票の割合が高くないのがおもしろい現象。一番ガンダム見ている世代だろうから,どうしても票が分散したか。総投票数の内訳を見ると20・30・40代の投票数はほぼ同じなので,票が分散すれば存在感は薄まる。結果的にGガンやWあたりが8・9位に落ち着いている。2002年放映のSEEDはもはやGガンやWと同じ枠かと思っていたが,まだ20代の人気が高い模様。私は何に投票したか,全然覚えていないが,0083と0080に投票したような気がする。
→ モビルスーツも納得のランキングだが,無印ガンダムが10位ぎりぎりというのはちょっと意外かもしれない。6・7・8位が百式・キュベレイ・サザビーというのは因縁じみたものを感じる。グフ・カスタムが14位とは渋い。15位のケンプファーは作中での活躍具合を考えると過剰評価だが,かっこいいもんな。ゴッドガンダムは異様に低い。Wのガンダム勢と比べても低いのでちょっと驚いた。私はデンドロビウムとゲルググと,あと何に入れたんだっけかな。割と重武装MS(MA)好きですわ。あとGジェネで活躍したMSにはどうしても愛着が湧く。
→ キャラは古い作品からの投票がシャアとアムロに集中したか,作品やモビルスーツ,ソングに比べると上位にSEED以降の作品のキャラが多い。そして全体的に女性キャラが弱い印象。ハマーン様の9位が最上位。また,作品別にするとシャアは無印が最上位に来るが,アムロは逆シャアが最上位になるのはちょっと不思議であり,興味深い。
→ ソングスは森口博子が強かったが,納得の結果である。こちらも若いファンの票が分散したか,古い作品が上位に来ているか。フリージアが強いのはキャラ部門の3位と同じ匂いがする……その次が10位のUCのRE:I AMまで無い。


・『儲かる歴史学』関連ツイートまとめ(Togetter)
→ 一人の市井の歴史好きとして言えば,通俗的な歴史本への歴史学からの指摘は行われるべきだと思う。たとえば「塩野七生はああ書いているが,近年の古代ローマ研究から言えばこう」というような指摘はそれ自体非常に面白いコンテンツである。正しい最新の研究の成果は知りたいし,それをチョイスしなかった塩野七生の思考もトレースしうるので(彼女の場合は最新の研究を追っていないという単純なオチが多そうだが)。有象無象の物はともかく,司馬遼太郎・塩野七生レベルの小説家なら,文学研究として十分に成り立つのでは。作者が亡くなっていたり,刊行からかなり経っている今であっても。
→ より学術的な側面から言えば,市井に司馬史観や,より通俗的な俗説孫子の兵法・クラウゼヴィッツのようなもの,さらにひどく南京虐殺否定論のようなものが蔓延して後から困るのは学者の側と思われるので,蔓延して困るものは有象無象だからと放置せずに批判しておいた方が学者のためであると思う。それが業績たりえないから誰も手を付けないなら,それは学者の世界の側の問題ではないか。無論,それでも通俗的な理解の需要・供給は絶えないだろうが,形に残る公的な指摘があるかないかは大きな違いであるように思われる。
→ ついでに。何度もこのブログ上では書いているが,本来であれば大学入試世界史へのツッコミも市井の歴史好きに過ぎない私がやるべきものではなくて学者の皆さんが各々の専門分野で分業してやるべきものであってですね……その意味で,東南アジア史・海域アジア史で延々とそれをやっている桃木先生はやっぱりすごいと思いますよ。他も続いてよ。


・頬付氏/哮りのゆるキャン
→ 作中に他のカップリングもあるのに,なでリンに漂うガチ感は,やっぱりキャラ造形の影響だろうなぁ。なでしこは対人距離が近すぎるし,リンちゃんはイケメンすぎて彼氏面してるし(※独善的な解釈によるものです)。
→ ポスト「リズと青い鳥」時代にこの件を振り返ると,どうしたって斉藤恵那のポジションと傘木希美のポジションはだぶるわけで,剣崎後輩がもっと(なでしこ張りに)ぐいぐい来る子だったら……とか考え出すと心がかきむしられるのでこの話やめよっか。
  
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2018年07月17日

「イタリアっぽい絵画」という概念

・足りない数百票、勝手に白票扱い 甲賀市、衆院選で不正(朝日新聞)
→ 結果が変わらんとしてもこれは民主主義のルールから言えば最悪な事件で,これが技術的な事情(あえてこう言う)で本邦で起きたというのは衝撃的である。
→ こんなのまともな教育を受けてきていたら民主主義の制度破壊になるというのはわかるはずで,よほど隠蔽しきれる自信が無いとやらないはずである。それが,おそらく実行者の一人か近い人が情報提供して発覚したというのは,さすがに良心が痛んだか。何から何までひどすぎる一件だが,最後の最後で救われた。


・サイゼリヤ店内の絵画と、日本人が感じる「イタリアっぽさ」の関係(Buzzfeed)
→ イタリア・ルネサンスの二大潮流というとフィレンツェとヴェネツィアだが,なぜだか日本の美術教育ではフィレンツェだけが扱われる。その理由は記事中で書かれている通り。それがこうして「イタリアっぽい絵画」のチョイスという形で,全くイタリアと関係がない絵画を巻き込みつつ,サイゼリヤの壁面に現れるのはおもしろい現象。別に批判しているわけではないのだから,サイゼの広報の返事も知りたいところである。
→ なお,これは記事中にもある通り高校世界史も同じで,加えてバロック以降のイタリアは無かったことにされている。その不自然さについては拙著(1巻)でもコラム3で論じているので,お持ちの方はこの記事をあわせて読み直してもらえると幸いかもしれない。そして高校世界史の他分野でこういう偏向があると烈火の如く怒る人でもここには怒らない。知らないだけだと思うので,せめて自分で啓蒙していきたい。
→ それはそれとするなら,サイゼの壁の絵画のチョイスはけっこう好きで,その辺の私の感覚は世間的一般の日本人のセンスと多分それほどずれていないのだと思う。印象派も好きだし。ミーハーなのです,どこまで行っても。
→ ところで,聞かれている「美術史研究者のめりさん」は昔からのTwitterのフォロワー(片思い)で,近日単著も出たようで,その出世っぷりがちょっと嬉しい。昔のネタだとこれとかこれとかの作者。


・猫がわざわざ餌置き場の水入れから遠い場所の水を飲みにくるのはなぜか、というお話「これ不思議だった」(Togetter)
→ 我が家の猫もそうで,よく花瓶の水や洗面所の水を飲みに来ていた。飼い猫に普遍的な現象だったとは。長年疑問だったが,氷解した。なるほど。なお,水道から出たての水でもガブガブ飲んでいたので,カルキの味が嫌だったということは無いと思う。花瓶の水なんて時間が経ちすぎてかえって汚れていたので,汚れもおそらく関係なく。まあ,うちの猫に限った話かもしれないが。


・中国、国家主席の任期撤廃改憲案 習氏、長期政権狙う(朝日新聞)
→ 中国は小平(1979〜89/93年)・江沢民(1989/93〜2002年)・胡錦濤(2002〜12年)とおおよそ約10年で最高指導者が交代し,それぞれ退任後は(隠然たる影響力を発揮したにせよ)第一線から退いていた。無論のことながら中国の独裁体制は崩れるべきだと思っているが,終身で個人が独裁するよりは優れたシステムだと思っていた。ここでそれが崩されつつあるのは残念である。
→ もっとも,中国の最高指導者は必ずしも役職通りではないことに注意が必要。江沢民以後の3人は共産党総書記・国家主席・軍事委員会主席の3つを兼ねることで最高指導者として振る舞ってきたが,小平なんかは軍事委員会主席しか就任していない。この時期の党総書記は胡耀邦・趙紫陽だが,彼らは最高指導者とはみなされていない。そして党総書記と軍事委員会主席には元々任期なんて無い。そこら辺は権力闘争次第らしい。
→ 実際,習近平さんはいつまでやるつもりなのだろうか。個人崇拝を強めていることからして長くやりたがっているのは間違いなかろうが,前述の通りであるので国家主席の任期だけ撤廃してもあまり意味はなく,意外とあっさり降りる,あるいは降ろされる(生命を奪われない形で)可能性も。
  
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2018年07月07日

非ニコマス系動画紹介 2017.9月下旬〜2017.10月中旬




今更ながらに見た傑作縛りプレー。コマンダーの強さを再確認しつつ,その上での縛りの絶妙さを楽しめる。演出もすばらしい。Part8では「シャール効果」が命名された。part18が破壊するもの戦,その後にエンディングと真・破壊するもの戦がある。




超絶長いドラクエ11でもRTAで頑張れば13時間くらいで走れるんだなぁと。やっぱり自動でレベルアップするのがポイントであった。



『ヤマノススメ』で知ったけど,良い歌だよねこれ。



私も聖地巡礼したけども,本当にアニメの再現度は高かった。非常に巡礼しがいのある場所なので皆さんもどうぞ……と言いたいが気軽にできる巡礼ではない。



『花咲くいろは』は見ていないけど,ぼんぼり祭りは行ってみたいなと思えた。やっぱり経緯がおもしろすぎる。



原作者によるシルヴィお絵描き。この子は多分世界で一番頭を撫でられた二次元キャラではないだろうか。シルヴィにこんなドレスを着せることができて感無量なプレイヤーは多かろう。
  
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2018年07月05日

ここ3年くらいで見た映画の感想

ここ3年くらいで見た映画で,そのうち感想をきちっと書こうと思って1行だけ感想を書いて放置していたもののうち,諦めたものを放出しておく。諦めた理由も書いておけば,それなりの読み物にはなろう。ジャンル等は完全にバラバラ。

・『グランド・ブダペスト・ホテル』
傑作。ブダペストと名前はついているが,現実の世界ではなくそれを模した架空の世界である。舞台は明らかに東欧で戦間期。戦果を逃れて西アジアから貧しい移民の少年が高級ホテルのベルボーイとして雇われたが,ひょんなことから奇矯な性格のコンシェルジュ(立場としてはほとんど支配人)に気に入られてしまう。しかし,そこからトントン拍子に出世するストーリー等ではなく(それはそれで間違っていないのだが),ホテルの上客のマダム(支配人の愛人)の死とその遺産を巡って非常に錯綜したストーリーが展開する。その背景に,忍び寄るファシズム,貧富の格差に人種差別といった問題が見え隠れし,それだけに奇妙な親交でつながったコンシェルジュとベルボーイの不思議な年の差コンビの友情が光る。で,やっぱりそのサスペンスなのかコメディなのかわからない謎のストーリーに上手く社会問題をねじ込んだ辺りが傑作たる所以で,その辺の感想を描きあぐねていたところ,法華狼さんの短くも優れたレビューを読んでしまい,満足して自分のレビューを放棄した。2014年当時,アメリカでは大ヒットし,アカデミー賞も美術賞他4つもとってるのに,意外なほど日本ではヒットしなかった印象。


・『清須会議』
コメディ路線の三谷幸喜がまじめな歴史物を書こうとしたと思われる作品……なのだが,ぶっちゃけて言うとそんなに面白くない。というよりも三谷幸喜の良さが死んでいて,つまらないとまでは言わんけどこれなら他の人でも作れるだろうと思えてしまう。この後『真田丸』の制作がスタートしたわけだが,これをベースに作られても困る……と思っていたのが最初の方の『真田丸』を見ていなかった理由である。結果的に『真田丸』はかなりコメディ寄りに戻っていて,それがヒットした要因と考えると,本作は必要な犠牲だったのかもしれない。


・『超高速参勤交代』&『超高速参勤交代R』
1作目は一捻りある時代劇という感じで,まずまずおもしろかった。知恵と勇気で困難を乗り越え,お色気あり殺陣ありコメディありで最後は反権力(将軍は悪くないが側近が悪いというのも日本らしい)・勧善懲悪である。要素要素は王道ながら,そこに超高速での参勤交代という意味不明要素を突っ込んだことで上手く回った感がある。一方,二作目の『R』は駄作と言わざるをえない。1作目の美点がことごとく殺されている。タイトルに反して参勤交代自体は文字通り高速ですっとばされ,コメディ色が後退して殺陣が増えた結果,普通の時代劇になってしまった。これは個人の趣味の話になるが,私は理想化された土壌主義(農本主義)が嫌いで,これが邦画を殺しているとすら思っている。どうせやるなら『のぼうの城』くらい振り切れてくれればまだ納得できる。なにゆえ出来の悪い時代劇はそろって戦国〜江戸時代の農村を賛美するのか。そこに領民を慈しむ領主を登場させるのか。大体最後は村祭で武士と農民がそろって踊るシーンで締めくくられるのか。疑問で仕方がない。


・『君の名は。』

3年ずれてるのに気づく要素なんていっぱいあったやろ,という最大のツッコミどころを除くと,意外と嫌いではない作品。ただし,伝奇的な設定については整合性がとれているのとは別の問題で,外に投げざるをえない事情を察することができるとはいえ,小説に丸投げしていたのはどうかと思う。RADWINPSは当時普通に存在を知らなかったので,BUMPじゃね?って思ってしまったことを今更ながら懺悔しておく。あと,日本映画史上に残るほどのヒット作になるとは全く思っていなかった。新海誠は『はるのあしおと』でファンになって,それなりに大体見てる程度には好きだが,遠くに旅立っていって寂しい気持ちは正直に言ってある。
  
Posted by dg_law at 02:05Comments(4)

2018年07月03日

2018上半期ニコマス20選

2018年上半期ニコマス20選_ポータル

今回も参加します。

<総評>
自分が全然ニコマス動画を見てなかっただけかもしれないが,ジャガm@sの嵐が過ぎ去ると寂しい半年だったようにも。選出は9本。5本を割ったらその期から不参加かな。


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Posted by dg_law at 04:45Comments(3)