さすがに1年経過したり新展開が起きたりする前に書いておかねばなるまいと思われるので,旅行の記事を消化していく。しかし,それこそ放置しすぎて時間が経っているので,当時の情景を忘れている部分もあるので簡潔に。まずは昨年のゴールデンウィークに行った『ゾンビランドサガ』の聖地巡礼から。
〈初日:佐賀到着・かつみ屋・ガタリンピック会場〉
新幹線で佐賀到着からレンタカーを借り,急いで移動して,昼飯は
『グルメランドサガ』漫画版『ゾンビランドサガ』でお勧めされていた
かつみ屋へ。
なお,このクイズ正解者がいた。すごい。店はやや狭く少し待った。ただし,うどんであるので回転率は良い。名物の鶏の皮を使った「すどりかま玉うどん」は絶品と言ってよく,濃いめの味のかま玉うどんに鶏皮の食感が実によくマッチしていた。もう一回佐賀に行くことがあればまた行きたい。
昼食後はさっさと移動してガタリンピック会場こと七浦海浜スポーツ公園へ。
この日は快晴,5月上旬にしては随分暑く,夏の気候と言っていい状況であったので,着替えをちゃんと持ってきていれば泥まみれになって遊びたかったところ。残念ながら長期旅行で身軽な格好をすべく下着以外の着替えが無かったのでそれはできなかった。そのような気候であったからすでに家族連れやカップルがざぶざぶとやっていて楽しそうだった。周辺施設を散策したが,ゾンビィたちが水浴びをしたと思しきそのままの場所は見つからず。それっぽい場所はあったので,配置は作品都合でちょっとずらしたということなのだろう。なお,こういう聖地巡礼ねらいの作品では後発であることもあり,佐賀県自体がこういうところでノリが良い気風であるのもあり,このスポーツ公園をはじめとした至るところで,
こんな感じのパンフレットが配布されていた。地元住民の理解度も高く,
これだけの浸透度はガルパンの大洗に近いものを感じた。しかも大洗よりも広範囲な県単位なので尚更すごい。あれからさらに半年経った今もまだ熱気は続いているのだろうか。
この日の観光はこれで終わりで,宿は嬉野温泉へ。一泊目は
入船荘。施設や食事は普通だったが,謎の忍者押し(肥前夢街道忍者村という近隣のテーマパークと提携しているのが理由らしいがそもそも佐賀に忍者のイメージが無い)だったり,風呂の洗い場がなぜか一面畳だったりというユニークさはあった。温泉は美人の湯として有名なだけあってぬるぬるしている感じ。長距離移動の疲れと翌朝の朝が早いことから早々に就寝。
<二日目:ドライブイン鳥・唐津駅前・アルピノ・鏡山展望台・唐津市歴史民俗資料館・華翠苑>
この日の移動はかなり激しい。朝食を軽く済ませて早々に出発。
「ドライブイン鳥・伊万里本店の混み方はさやわか御殿場店並」と事前に聞いていたので,開店前から並んでおくべきだろうということになった。実際,ツイートを見ての通り,10時半の時点で明らかに一周目にはなれない人の量の列があった。しかし店が広かったので回転は良く,11時開店で12時には席に座れたからまずまず良いタイミングだったと言えよう。もっとも,我々が座れた時点で外はとんでもないことになっていたが……
味よし,値段は安く量は多く,三拍子そろっている。聖地巡礼としてはやき鳥と鳥めし両方食べねばならず,一番定食を4人分頼んだらやっぱりちょっと多かったよね。仲間4人の中に健啖家がいるので完食できた。なお,店内には『ユーリ on ICE』のポスターも貼られていた。これはここに限ったことではなく,佐賀県基本的にどこも『ゾンビ』と『ユーリ』は並べて押しているという印象。特に唐津市はこの傾向が強かった。
次は唐津駅前に移動して,例の広場とアルピノ見学。アルピノ隣接のお土産コーナーは概ね大洗まいわい市場のような感じで,ゾンビランドサガグッズコーナーが一角を占めていた。例の「ライブイベント中に発生した建物倒壊に関するお詫びとお知らせ」の嘘告知も,ここに貼られていた。「原因:積雪荷重にイベントホールが耐えきれずに,倒壊」は何度見ても笑う。そのアルピノでは,
・思ってたよりも狭い
・思ってたよりも駅から近い
という二点でギャップを修正できた。なるほど,これだけ近ければあんな悪天候でも見に来る人いるわ。逆に狭すぎて,よく人気絶頂期のアイアンフリルがあそこでライブやってくれたな,とは思った。こうした認識の修正も聖地巡礼の醍醐味の一つと言える。なお,この日は唐津焼市をやっていた。
今回の旅行は『ゾンビランドサガ』の聖地巡礼に徹したので有田にも伊万里にも行かなかったので,まともに陶器を見たのはここだけかも。
そのまま唐津市内を移動,虹の松原と唐津城を通り過ぎて(唐津城は宿題になってしまった),鏡山展望台へ。サキがチキンレースをやった駐車場と,巽がさくらを説得した「絶対に見捨ててやらん」展望台がある場所である。行ってみてわかったことが2つ。
・駐車場の下は実際には崖ではなく,池。落ちても多分死なない。
・展望台からの光景は絶景ながら,概ね畑でありアニメのように民家の光であふれるという夜景にはなりえない。
前者はともかく,後者はけっこう面白い改変だと思った。
アニメだと手前に民家からの光,後景に虹の松原と海の闇という感じだったが,多分これ,実際にはけっこう一面闇になると思う。これは唐津市に住宅街や繁華街が無いというわけではなく,この画像の左側,方角で言えば鏡山展望台から西側の方向はけっこう良い夜景になると思う。あくまで鏡山展望台の正面側は一面畑と松林というだけである。確かに,眼前にそんなに民家がないと巽の檄が映えない。
この展望台の近くにある商店で「ゾンビランドサガ聖地巡礼証明書(非公式)」が配布されているので,巡礼者は受け取るとよいだろう。
最後に唐津市歴史民俗資料館へ。ゾンビィたちの住処である。
良い建物なので中に入れないのは残念。上手く補修して長く残してほしい。建てられたのは1908年,設計は
曽禰達蔵。それで知ったのだが,
曽禰達蔵も辰野金吾も唐津市出身であった。さりげなく明治日本の大偉人を輩出しとるやんけ……もっとも,その割に唐津に(というか佐賀に)全然彼らの作品が無いのだが。帰宅後に調べたら曽禰はこの資料館(旧三菱合資会社唐津支店本館)くらい,辰野金吾も
旧唐津銀行と武雄温泉の楼門くらいだった。事前に知っていれば旧唐津銀行も行き先に入れていたのだが。佐賀県,佐賀の七賢人以外の偉人もちゃんと宣伝しよう。
それはそれとして,閉館していることもあってこんなに人が集まる場所になることを想定していなかったのだろうが,明らかに巡礼熱に対して近隣の駐車場がキャパオーバーしており,近隣住民がちょっと迷惑そうだった(親切にも駐車を誘導していただいた)。巡礼者はちょっと遠くに止めて徒歩で行くべきかもしれない。なお,地元住民とこんな会話があった。
なんかこれがバズってしまい,彼の携帯はこの後の通知がすごかった。通知で電池が死ぬって本当にあるんやな。俺が,俺達がゾンビィだ!
最後に嬉野温泉に戻ってきて華翠苑へ。
ちょっと良いホテルなだけあってさすがに施設も食事も大変にすばらしかった。いろいろブランド牛を食べてきたが,佐賀牛も他のブランドに全く負けず美味である。
〈三日目:嬉野温泉観光・呼子・帰宅〉
詰め込んだ旅程の最終日は,午前中に嬉野温泉観光。ゴールデンウィークのど真ん中だっただけあって,さすがに巡礼者多数,同業者だらけであった。シーボルトの湯や足湯何かの写真を撮りつつ散策。Twitterにアップする許可を取り忘れたので掲載できないのが大変に惜しいのだが,
例の足湯に巽幸太郎のコスプレイヤーがなんでもない風に座っていたので,写真を撮らせてもらった。特にイベントがあるわけでもなく,撮影目的というわけでもなく,単にコスプレして風景に馴染んでいる人がいたのはけっこう面白かった。豊玉姫神社では例のなまずにタッチ。
この白いナマズの像以外には特に何も見所がないが(絵馬はご想像の通りです),そのためにかえって住宅街から隔絶された閑静な雰囲気をまとった神社で,私はけっこう好きになった。また,『ゾンビランドサガ』の聖地巡礼とは全く関係ないが,この神社の近くにある瑞光寺もなかなか立派なお寺で良いところなので,ついでに寄ると良いだろう。
旅の最後に,『ゾンビランドサガ』とはさして関係ないが,呼子へ。これまたゴールデンウィークのど真ん中だったために,呼子までの道路がとんでもない渋滞になっていて,全く動けないに近い状態にまで陥った。新幹線が予約してあったので離脱時間が決めてあったためかなり焦っていたが,主要なルートを外れてみると案外すんなり到着した。迂回してみるものである。また,渋滞で止まっていた時に,気晴らしと様子見を兼ねてトイレに出かけてみたが見つからず,警察署に入って「公衆トイレって近隣にあります?」と聞いてみたところ,そのまま警察署のトイレを貸してもらえた。さすがに警察署の中でトイレに行ったのは人生で初めてであった。「渋滞大変でしょ?」と話しかけてくるなど,佐賀の警察はフレンドリーであった。
そういうわけで呼子には着いたものの当然ながらどの店も満席の2時間待ち。店で食うのは諦めて市場を眺めていたら,いけすのイカをその場でさばいて刺し身にしてくれる売り方をしていたのでこれを1匹購入,近くの休憩所のテーブルにはこれ用の醤油まで備え付けられているサービスの良さ。完全にこれで正解だった。このイカは刺し身だけ,醤油だけで十分美味。
これにて全旅程が終了。佐賀駅まで戻ってレンタカーを返し,新幹線で東京まで帰還した。前述の通り,『ゾンビランドサガ』の聖地巡礼に徹した結果,それ以外は呼子くらいしか行っていないので,陶磁器巡りの旅は行ってないし,旧唐津銀行は存在自体を帰ってから知った。この辺はまた,二度目の聖地巡礼か,また何かの用事で北九州に行った時に回収したい。