2020年04月27日

最近読んだもの・買ったもの(『戦争は女の顔をしていない』他)

・『戦争は女の顔をしていない』1巻。
→ 言わずと知れたスヴェトラーナ・アレクシエーヴィチの名著の漫画化。読む機会がなく原典未読だが,どこかで隙を見つけて読みたいところ。
→ 何より本人からよく許可が取れたなということと,漫画の人選がかわいい絵柄の小梅けいとという点で二重に驚きがある。それに比べると監修が速水螺旋人なのは順当オブ順当であるが,その本人が書いていたことが興味深い。
・『戦争は女の顔をしていない』コミック版について、個人的補遺(MINITRUE)
>ところで、発売前から「コミック版は『可憐な女性兵士のけなげなエピソード集』『泣けて感動する話』として『消費』されてしまうのではないか」と危惧するご意見がありました。発売後もよくお見かけします。これはまったく正当な懸念です。
→ というのは私でさえ思いつくところで,この監修者の解説なしには全く成り立ち得ない企画であろう。以下に続く文章はなかなかに重い。意義を考えれば個人のブログではなく書籍自体にこの文を載せるべきだったとは思うが(一応近いことはあとがきに書いている),公開してくれたことに感謝したい。
→ 実際に本書で描かれているソ連軍女性兵士たちの語る価値観は,インタビュアーとの間に大きな溝があり,平時に生きる人間からすれば「理解していない」で「そう簡単にわかってたまるものではない」ことに当たる。これが戦争なのだという,まさにその溝を示す意味で小梅けいとのかわいすぎる絵柄が活きてくる。こんな優しそうなお婆ちゃんが,昔の自らの殺人を語るというギャップ。これを企画したやつは奇才。

戦争は女の顔をしていない 1
小梅 けいと
KADOKAWA
2020-01-27




・『ヴラド・ドラクラ』3巻。内乱の決着,メフメト2世からの貢納値上げ要求,ヴラド3世の回想,イロナとの結婚,ダン・ダネスティとの決着,ブクレシュティの完成,メフメト2世との決戦へ。
→ 1・2巻と同様に,これもCall of Historyにすでに書評あり。イロナとの結婚についてはここが詳しい。アルブの反乱をあっさり終わらせたのは,よほどメフメト2世を描きたかったものと思われ,それだけにメフメト2世の人物描写は面白い。彼の西洋趣味を使って,人質だったヴラドとの友誼があったとする創作は上手い。ただ,あまりにもかっこよすぎて,このときのメフメト2世は一度即位して失敗して父に帝位を返上しており,かなり落ち込んでいる時期であるはずなので,かえってちょっと違和感があるかも。
→ 非常に細かいところで驚いたことに,ヴラドらワラキア陣営がメフメト2世を呼ぶ時には「スルタン」,オスマン帝国側の人間が呼ぶ時には「皇帝(パーディシャー)」となっている。どころか,オスマン帝国の使節もワラキア公の前では「皇帝(スルタン)」と呼んでいる。つまり,本作にはオスマン皇帝の表記が3種類あることになる。これは実際の認識を反映していて,オスマン帝国内ではスルタンは皇族を指すもので皇帝だけを指す言葉ではなかった。代わりに使われていたのがパーディシャーで,これを訳すならまさに君主とか帝王・皇帝になる。諸外国は当然他のイスラーム教国家と同じように君主=スルタンと認識していた。こういうところに考証の成果が出ている歴史漫画は良い。
→ ついでに言うとメフメト2世の征服後も安直にイスタンブルと表記せず,コンスタンティノープル呼びで通しているのも面白い。実際にはオスマン帝国が改称したという事実は無く,長らく両方の呼び方が使われていて,徐々にイスタンブルが定着していった。本作の時系列はまだ1460年頃であるし,視点が基本的にはずっとワラキア公国であるから,コンスタンティノープル呼びが続くのは不自然ではない。無論,本来は英語ではなくオスマン語やギリシア語,ルーマニア語の方がより実際に近いが,日本人読者のほとんどにそれら言語の素養がないことを考えるとやりすぎになってしまう。


・『東方三月精』3巻(完結)。
→ 完結編の中編は『東方天空璋』と『東方紺珠伝』のスピンオフ,アフターストーリーのような感じ。天空璋でチルノが主人公だったことをここで活かしてきた。『東方鬼形獣』でも地獄は出てきたし,次の黄昏シリーズくらいで話がいろいろ合流しそう。
→ もうちょっと続くものかと思っていたので,突然終わった感じがしている。『東方三月精』は(松倉ねむ版を除けば)3シーズンとも3巻で完結しているが,今後もこのリズムで行くのだろうか。比良坂真琴は巻末で「名は体を表すということでしょうか(笑)」とコメントしていた。  

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2020年04月25日

権力欲には勝てないのだなぁ

・アダルトゲームが人気洋菓子店「エス・コヤマ」外観を無断使用(神戸新聞)
→ 作品はゆずソフトの『喫茶ステラと死神の蝶』とのことなので変な扱われ方はしないと思うし,オタクにもスイーツ好きはいるわけで,エロゲというだけで毛嫌いしないでほしいと思う。同時に,聖地巡礼するオタクが全員静かで礼儀正しいとは限らず,無断で店内を写真撮影したり騒いだりという面倒事が起きると思われ,その意味でブランド価値を毀損する危惧は間違いではないから,個人的にはこの抗議が不当とは思われない。法的に根拠が無くても使用を差し控えるお願いを出すのは正当ではなかろうか。なお,結局ゆずソフト側が引いて別の背景になったらしい。
→ こういうトラブルを回避しようとすると自然と公共施設の方が便利で,結果的に旧古河邸や旧岩崎邸が酷使されることに。関西だったら神戸異人街になるのかな。


・「革命の英雄」が独裁者に変わった国――ニカラグア、裏切られた人々の声(Yahoo!ニュース)
→ 成り上がった革命家が腐っていくのはよくあることとはいえ,サンディニスタ民族解放戦線の英雄がそうなってしまうのは悲しい。どこで間違えたかと言えば,もう少し前ならいざしらず,1979年の段階でキューバやソ連に接近したこと自体がすでに政治の舵取りとして致命的なミスではなかったか。ソモサ政権を支援していたアメリカがしゃしゃり出てくるのもどの面下げてとは思うが。そして例によって出現するチャベス政権のベネズエラも本当に余分なことしかしない。
→ なお,直近の課程の世界史用語集では,ニカラグア革命は頻度,サンディニスタ民族解放戦線は収録なしである。前の課程ではサンディニスタ民族解放戦線も載っていた。重要度が下がっていることとこの革命の顛末は無関係と思われるが,逆にこの展開ではまあ消えていってもしょうがないとは思う。むしろその意味ではチャベス政権は間違いなく世界史的な意義の大きな出来事で,高校世界史に載せていいだけの大きさがあり,かつすでに現代社会ではなく世界史の範疇に入ってきていると思うのだが,思いの外動きが鈍い(山川の『新世界史』には記載有り)。


・原爆と戦った軍医の話(ジャンプルーキー!)
→ 完結済。面白かったので紹介しておきたい。コマの外に原文の肥田舜太郎氏の文章やその他の資料が載っていることで,漫画の迫真性が増しているのは意外と見ない仕掛けと思う。まさに原爆の記憶を風化させない漫画だ。12話が清書されて単行本化されたら私は買う。


ココアちゃんの実家の町! ご注文はうさぎですか??〜Dear My Sister〜聖地巡礼 エズ村編(休憩中のメモ)
→ 長らく探していたので,ようやく見つけたのは嬉しい。やはり特定している人がいたか。自分もフランス南部かイタリア北部の港町だと思っていて,映画を見終わった直後にGoogle Mapで沿岸部を虱潰しに探す作業をやってみたが,不毛すぎて途中でやめてしまった。ニース近郊は外れてもなかったので少し安心した。
→ しかし,これは金銭的にも物理的にも異様に難易度が高い。『ごちうさ』は聖地がストラスブール・コルマール・ニース近郊・パリ・ブダペスト・ウィーン・プラハと散っており,日本からだと完全制覇の難易度がヤバい。
→ 記事中にストラスブールとニースのトラムの違いの記述があるところは,いかにもごちうさ聖地巡礼勢の記事と感じられて面白い。確かにここに行く人はほぼ100%先にストラスブールには行っていると思われるので,有益情報だろう。  
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2020年04月21日

クッキーを焼き続けてもうすぐ7年

・政府、「ローマ教皇」に呼称変更(時事通信)
・「ローマ法王」「ローマ教皇」という二つの呼称について(カトリック中央評議会)
→ やっとか,という感想。法王は仏教色が強すぎるのだが,明治から戦前の日本は仏教用語を他の宗教に援用していた歴史の名残だろう。なお,ググってみると「教皇」の呼称もかなり古く,陸羯南が使っていた記録があるそうだ。するとこの併存の解消には100年以上かかったということになる。
→ また,外務省の言い訳がよくわからない。教皇庁は前から教皇と呼んでほしいと言っていたはずなのだが。とはいえ,正常化されるのは良いことで,あわせてマスコミも教皇呼びになった。とはいえ,これが市井に定着するのはまだ何年か,あるいは何十年後かの話で,時間はかかるだろう。


・「趣味の歴史修正主義」を憂う / 大木毅 / 現代史家(SYNODOS)
→  萌えミリ受容の際に義務的に気をつけるべきこと,として読んだ。歴史を扱う以上は趣味であっても気をつけないといけないところはある。萌えミリに限った話ではなく,時代が古くても同じ。調べが追いつかないのはしょうがないとしても(それこそ趣味ではあるので),その方が受けるから,その方が面白いからという理由で注釈なしにそっちを採用するのは,そろそろ躊躇するようになる風潮にはなってほしい。これは俗説を採用するなという話ではなく,重点は「注釈なしに」にあることは,これ以上言辞を重ねずとも伝わるところだろう。
→ こういうのは一気に説が塗り替わるということがめったにないものの,「けれども、ゆっくりでも堅実な歩みこそが、ひそやかに広まる歴史修正主義への、もっとも効果的な処方箋であると信じる。」という筆者の言葉には強く賛同したい。


・「クッキークリッカー」ガチ勢に聞く、ババアと過ごした6年間 「クッキーを焼くのに感情っていらないんです」(ねとらぼ)
→ そんなに真面目にクッキーを焼いていたわけではないけど(現在1sexdecillionを超えたところ),一応クッキークリッカーを6年ずっとやっているので,かなり親近感が湧いた記事。畑の完成は苦痛だよね。畑の最終形態はやっぱり一面のGolden Colverだよね。Black cat's pawの実績は当初は狂気だと思ってたけど,今見たら普通に3万枚もGolden Cookieをとってたよね。
→ 2人目の途中でツールやチートについての話題が出ていて,「自分に合うスタイルで遊ぶのが一番」という発言があるがこれはおっしゃる通り。人力だと厳しすぎる実績がいくつかあるし,いろんなところにツール前提の遊びが仕込まれているので,純粋に人力でやっている人は尊敬に値するが,ツールやチートを使っていても特に怒られない風潮がある。なお,わざわざ全実績を即時で開放する関数まで用意されている(RuinTheFunという名前なのが良い)。私は2017年くらいまでは完全人力でやっていたが,あまりにも不毛だったので「チートはしないけど自動クリックツールは使うよ派」に転向した。
→ そう,「要素が増えるたびに「そろそろネタ切れだろ」って思うんですけど、次のアップデートではちゃんと新しい笑いを提供してくれる」のは確かで,新しいアップデートがなんだかんだ言っても割と笑えるので続いているところがある。フラクタルエンジンのネタ切れ感からのJavascriptコンソールが来て爆笑したのはクッキークリッカープレイヤー共通の思い出だろう。多分,今だったら「Fortune Cookies系のUpgarde集まらないんだけど?」がプレイヤーの共通体験になっていると思う。あと,フレーバーテキストが一々面白いのはクッキークリッカーの美点で,新しいアップデートで何が一番楽しみって新しいアイテムやイベントのフレーバーテキストである。「作者のセンスを見届けるためにも、クッキーを焼き続けたいですね。」に同感である。  
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2020年04月19日

クワガタムシ他の昆虫を絵画に仕込むこと

・ある絵画にクワガタムシが描かれたのはなぜかという議論(Togetter)

この件について。こういう静物画は17世紀のオランダだと珍しくないが,ドイツだと珍しいかも。とはいえ,昆虫を仕込むのは,実はヨーロッパの古典絵画で普遍的に見られる。昆虫を描くのは技量の誇示とだまし絵的効果が相場であるが,大概はハエを選ぶ。もちろん静物画に仕込むのはいわゆるヴァニタス,物はいつかは腐るのだという教訓の意味合いもあろうが,他のジャンルにも昆虫は闖入するし,象徴的意味合いだけでは説明がつかないものも多い。

たとえば,カルロ・クリヴェッリの聖母子の絵。一応,この絵では説明に「The apples and fly are symbols of sin and evil」とあるので,象徴的意味合いが込められているが,これにしたってどう考えても「こんなところに,場にそぐわないハエがいる」というだまし絵的効果をねらっているのは明白であり,そんなちょい役であるにもかかわらずやたらとリアルで影まで描いているという念の入れようは技量の誇示としか言いようがない。次に,ペトルス・クリストゥスの修道士の肖像画になると,もはや象徴的意味合いが後退している。デューラーの絵にも同じ仕掛けのためにハエを描いたものが何点かある。その上で言えば,クワガタという選択は確かに珍しい。好きだったのか何かの象徴か。Togetter中で紹介されているが,クワガタムシを描いた絵画だけを集めた画集があるようで驚いた。西洋美術史学,層が厚すぎて何でも特集になる。

クワガタムシはおいといて,ゲオルク・フレーゲル(Georg Flegel)の方は,1566年オロモウツ生まれ,1597年フランクフルトで親方の資格を得て1638年に死ぬまでここで活動。ドイツの初期の静物画家としては重要とされているので,そこそこ有名らしい。私も知らない画家だったが,確かに盛期オランダの静物画ですって言われてもだまされるくらいに上手い。英語版Wikipediaを信用するなら,オランダに移動してユトレヒトの聖ルカ組合に入っていたかもしれないと言われているらしいので,画風から言えば納得感がある。ただし,その説自体はかなり疑わしい(ドイツ語版WikipediaにもRKDにもその記述が無い上に,当人に移動するメリットもあまりない)。一応,花の絵に長けていた弟子のヤーコプ・マレルがユトレヒトで活動していたのは確かなようなので,つながりが全く無かったわけでもなさそう。ちょっとマイナーな画家を調べる時のWeb Gallery of ArtとRKDのサイト便利すぎるな?

さて,ゲオルク・フレーゲルの他の絵を探してみるに,Togetter下段で出てくるトンボの他にカナブン,カミキリムシ,テントウムシも描いているし,当然のようにハエの作例もあったので,フレーゲルさんは単純に昆虫好きだったのではというのが結論で良さそうである。昆虫ではあるのでヴァニタスの添え物としての寓意はあれど,ハエではなく他の昆虫という点に理由を見出すのは難しそう。なお,ポスターを売っているサイトではあれ「This skilful painter Georg Flegel is well-known for his unique work Still Life With Stag Beetle.」という表現は見つかった。

西洋美術史学の研究の広さ・深さを考えると,ドイツ語文献なら確実にゲオルク・フレーゲル単体の研究があるはずだが,さすがにそこまでは調べる気力が無かったので,私の中ではこの件はここまで。興味ある人は調べてみてほしい(&報告してほしい)。
  
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2020年04月14日

ニコ動の動画紹介 2019.3月上旬〜2019.4月上旬




バグにバグを重ねた集大成みたいなバグが出てきた。ここから1年経過した現在でさえまだ終わりが見えないのは,すごいというよりも怖い。こそどろ一匹狼の抹殺はちょっと感動した。



そもそも体験版ROMが世の中に出回っているやな……初めて知った。



ゲーム開始前にサブフレームリセットを繰り返す荒業で,オープニングからエンディングに直結。サブフレームリセットもここまで来たか。



ドラクエ2の方が多少複雑で,ゲーム内操作があった。改竄されたセーブデータの上でもシドー撃破フラグが立っていないのは面白い。



原理自体はOP抜けによるイベントすっ飛ばしを知っていれば不思議ではないが,再加入時の処理等が面白い。



この回も良い。レミ神子がはかどる。





20選入れそびれ。whoPの本領発揮。恐ろしいまでの細かいポイントへのチェック,そして愛の重い押し方。



諸先輩方にケンカを売っていくスタイル,嫌いじゃない。タグの「怒りのdestination」で大笑いした。




上半期20選選出。すごすぎて&かわいすぎてもう何がなんだか。メイキングもおまけ動画もすばらしい。



上半期20選選出。最高の一発ネタ。どこから湧いたその発想。



上半期20選選出。いつもながらに頭がおかしい(褒め言葉)。それはそれとして「こが雪」は名カップリングですわ。  
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2020年04月13日

やっぱりバームロールですよ

・好きなブルボン総選挙2019(デイリーポータルZ)
→ バームロールに投票した。しっとりしていて飲み物なしで食べられるのが良い。あとボロボロこぼれない。職場で仕事しながら食べていると,こぼれるのは死活問題なのだ。その点で最悪なのはルーベラ。ルマンドもけっこうヤバい。レーズンサンドも良いが,あれは他のお菓子とのジャンル違いを感じる。
・好きなブルボン総選挙 選挙結果 やはりルマンドは強し(デイリーポータルZ)
→ 知名度の問題でもっとルマンド一強かと思ったら,意外とバームロールが僅差の2位で私は満足である。「好きすぎて他部署に用意してあったのを残業時に完食して問題になったくらい好き!」のコメント,弊社じゃないよな。
→ レーズンサンドはやっぱり知名度と,このラインナップに並べられる違和感に負けたのでは。ルーベラが6位なのは意外。チョコやクリームじゃないとダメなのだろうか。知名度を考えてもチョコリエールには勝つと思っていた。逆にチョコリエールが3位なのは大躍進。


・「悪気はなくても仕事は増える」よかれと思ってやったことが後々組織の首を絞めるかもしれない、という話に納得の声多数(Togetter)
→ これはわかりみ半分。確かにその通りで,どこかで前例主義に反論して,要不要を判断してカットしていかないと業務は肥大化する。
→ 一方で,実は「不要不急だが定期的に誰かがやらないといけなかった仕事」である可能性がそれなりにあって,廃止するとそれはそれで「察しが良いせいで貧乏くじを引く人」に押し付けることになることになったりも。で,その察しが良い人は押し付けられたことに不満を感じて辞めていくので,けっこう繊細な判断は必要な話だったりする。Togetter冒頭のたとえの窓拭きなら,これは例えとしては正しく,確かに定型の業務としては廃止してしまって,一年に一度の大掃除の日にでも誰かがやれば十分だろう。しかし,これがコピー機の用紙追加なら……コピー機が2台あったなら……という想定を考えてみれば,察しの良い人が困る前に定期化の必要があるというのも理解してもらえると思う。


400年前の洋剣 謎解きを進めてみれば(NHK)
→ 火縄銃さえ国産化したのだから,いわんやレイピアをや。ただ「滋賀県甲賀市の小さな神社」にあるというのが面白い。技術的には可能でも,火縄銃と違って武器としての意味は無いので,美術品として発注されたか,職人がお遊びで作ったか。日本刀と同様の手法の鍛造であるのに実用レベルではないというのもかえって珍しい。
→ 「つばに刻まれた双頭の鷲の文様」というと,当時の日本に来航していたのがスペイン・ポルトガル船ということから考えてもハプスブルク家に近い人間がモデルのレイピアの所有者だったと思われ,贈答品として持ち込まれて加藤嘉明に下賜された,とか。年代を考えると間に徳川家康が挟まっているかもしれない。まあ,こんなのは研究者の方はすでに思いついているだろうから,ここから先の詰めで具体的な人物が見当たらなかったりするのだと思う。研究の進展を期待したい。  
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2020年04月12日

見知らぬ宛名でAmazonから荷物が届いたらどうするか

ちょっと不思議な事件に遭遇したので,書き残しておく。今から何ヶ月か前の話である。

ある日,帰宅すると郵便受けに全く見に覚えのない郵便物が届いていた。Amazonで購入したことになっていたが,当然ながら買った覚えもない。大きさ30cm程度の小包みで,段ボールではなく厚紙の袋による包装であった。住所は正しいが,宛名は間違っているのがポイントで,これは単純な配送ミスではない。ググると,多種多様なAmazonの配送ミスの報告が見つかるが,厳密に言えばAmazonのミスでもないからか,このパターンは見つからず。誤配送の原因としては,前の住人が引っ越したのを忘れて配送させてしまった(あるいは引っ越しを知らされていない友人からのサプライスプレゼントだった)というものがまず推測されうるが,私がこの家に住み始めてすでに10年以上経過しているから,その線は薄い。次の可能性として,部屋番号の書き間違えの線で考えて大家さんに確認するも,「この姓の住民はいない」「記憶の限り,最近いなくなった住民ということもない」ということであった。うちのアパートは民泊や又貸しがありうるとも考えづらい。とすると,この辺はアパートが乱立しているから,部屋番号はあっていて番地が間違えてしまったという可能性も浮上する。そうなると個人ではどうしようもない。

住所が正しい以上は配送者にミスはないのだが,配送者を確認しようにもなんと未記載。そんなことある? と思うかもしれないが,あるのである。証拠写真を撮っておけばよかった。悪名高いデリバリープロバイダの仕業かもしれないが,過去の経験上それでも「デリバリープロバイダ」とかなんとか入っているので,本当に配送者の名前がどこにも無い小包みとなると初めてであった。開いて中を確認しようかと思ったが,万が一犯罪絡みの物体だと巻き込まれかねないので,やめておいた。振ってみた感じだとシャカシャカと鳴っていて,小さい粒状のものが大量に入っているように思える。サバゲー用の銃弾かなにかだろうか。

大家さんは「どうせ大したものじゃなさそうだし,とられてもいいやの精神で,アパートのロビーに置いといてみれば? このアパートの住民のものだったらそれで気づくでしょう」と言っていたので,「心当たりある人は持っていってください」の張り紙を貼って実行してみた。しかし,一週間経てども変化なし。これはどうしようもないなと思い,最終手段としてAmazonのカスタマーサービスに電話した。対応自体は丁寧であったし,お詫びとしてAmazonポイントをくれたが,Amazonとしても比較的レアケースだったようで,経緯の説明自体は割とスムーズだったのだが,電話が途中で長らく保留になった。上長に確認していたか,ちょっとした緊急会議にでもなったのだろう。結局20分ほどの電話の末,最終的には「そのまま廃棄していい」「もしよければ着払いでAmazonの倉庫に返送してほしい」と言われた。単純な親切心で後者を選択。なお,後者を選んでも追加のAmazonポイントがあったりするわけではないので,親切心以外のインセンティブが全く無い。大概の人は面倒で前者を選ぶと思われる。

ちょっと驚いたのは,Amazonとしては,住所さえあっていれば,誤配送された人の勝手で捨てていいということだ。しかも本当に捨てるかどうかAmazon側が確認しないので,実際にはその人が自分の持ち物にしてしまう可能性もある。法律論には詳しくないのだが,要するに誤配送された人が事実上の所有権を得ることになるわけで,大丈夫なのだろうか。本当は着払いでの返送を義務化するべきなのだろうが,かなり面倒であるので実際にはやってくれる人が少なそう,という推測は簡単に成り立つので,Amazonとしても仕方なく前者の選択肢を用意しているということと思われる。

そういうわけで,その電話の翌日に最寄りのクロネコヤマトに行って,カスタマーサービスの人から送られてきたメールに記載されたAmazonの倉庫宛に(ちなみに千葉県市川市だった),着払いで返送した。なお,Amazonは自分が顧客に物を送ってくるときはデリバリープロバイダを使ってくるくせに,返送はゆうパック・佐川・ヤマトの3択を指定された。伝票には「注文していない商品が届いた」というメモ書きを付してほしいという指定だったので,ヤマトの受付の人に書いてもらった。これにして一件落着である。その後どうなったのかは特にAmazonから報告がないのでわからない。正しい宛名に届いたのかはちょっと気になっている。プライバシーがあるから難しいと思うが,どちらかというとAmazonポイントではなくその結果が知りたかったところではある。
  
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2020年04月07日

最近読んだもの・買ったもの(『がっこうぐらし!』他)

・『がっこうぐらし!』12巻(完結)。治療の鍵が学園沿いの川の水とわかり,学園に戻って治療,ランダルと交渉に成功,3年後へ。
→ 展開は概ね予想がついていた通り。単行本1巻の巻末についていた資料はちゃんと活かされた。一方で,ランダルがなぜゾンビ化細菌を研究していたのか,ランダルが核兵器を運用しうるほどの軍事力を持ち得たのはなぜか,という辺りの設定は開陳されていない。一応,本作はこれで完全に終わりというわけではないことが巻末の作者コメントで触れられているので,それを期待したい。あとまあ,ランダルの人たちだって川の水くらい調べてるでしょ……とは正直思わないではない。そこのオチの浅さで評価を下げている人が多いようで,読んだ時にそうなるだろうとは思った。
→ 展開が過酷過酷&過酷だったので,最後のユキの「わたしはここにいるよ」はさすがに胸を打った。アニメのOPの歌詞でも「わたしたちはここにいます」というフレーズが強調されていたが,本作のテーマは一貫して存在を主張することの尊さであった。最初期の本作は,以前は学校が楽しくなかったユキが幻覚・妄想を見ていたのがストーリーの主要部分であった。ゾンビは息苦しい学校生活の明らかな比喩であったから,この主張は重い。思春期の悩みは,大人から見れば些細であっても当人には,それこそ世界の命運がかかっているくらいに重い。本作はその悩みが本当に世界の命運につながってしまったので,恋愛要素のないセカイ系だったように思われ,ゾンビを使って個人の悩みと世界の命運をつなげたのは面白い仕掛けだった。

がっこうぐらし! 12 (まんがタイムKR フォワードコミックス)
原作/海法紀光[ニトロプラス] 作画/千葉サドル
芳文社
2020-01-10




・『千葉サドル画集 After School』。
→ 260ページ中220ページが『がっこうぐらし!』。残りはほぼ『アイドルマスターシンデレラガールズ あんさんぶる!』。『がっこうぐらし!』については充実度が高く,コミックス特典のカラー原稿やアニメの円盤の特典絵は当然として,きらファンの絵や,アニメ放映時のTwitterの放送宣伝イラスト,きらら展2018への寄稿絵,実写版の宣伝絵まで入っている。
→ 端から端まで読んで,千葉サドル先生は本当に上手いなという感想しか出てこない。線がはっきりしていて細かくて,色使いがカラフルで,基本的には可愛い寄りなのに不思議と色気があるという特徴からすると,『ごちうさ』のKoi先生に割と近い。ただし,『ごちうさ』は肌の露出を抑えているが,『がっこうぐらし!』は割と容赦なく水着や下着を書くので,よりかわいさと絵の色気のギャップが強く,そこがまた面白い。『がっこうぐらし!』というきらら系の異端児には丁度いい絵柄だったとも言えよう。






・『ゆるキャン△』9巻。伊豆キャン旅行回(後編)。
→ 志摩リンが言った抜け駆け温泉はここ:西伊豆町沢田公園露天風呂。海辺なので海が見えるように,というよりも海に接するように風呂を設計するのが伊豆半島の流儀らしい。
→ 大室山は半月ほど前に行ってきたのだが,強風でリフトが止まっていて,登山も禁止であったので全く入山できず。残念であった。作中の描写の通り,そしてこの9巻の表紙の通り,2月に山焼きをするので見事な禿山になっていた。原作再現ならわさびアイスをここで食うべきであったのだが,さすがに寒かったのと,私は辛いものが苦手なので回避した。現地民の飯田さんが「富士山と大室山は祀られている神様が姉妹なんですよ」と言っていたので,調べてみるとたしかに磐長姫だった。「大室山の山頂で富士山を褒めるとたたりがある」というのもあながち間違いではなさそうである。
→ 伊豆キャンの途中くらいから志摩リンの大垣への苦手意識が薄まってきていて,大垣もそれをわかっていて志摩リンにうざがらみするようになってきているのが見ていて楽しい。志摩リンも孤独が好きなだけで口下手ではなく,内心でツッコミ入れるのは好きなので,むしろ大垣に絡まれると口に出してツッコミを入れられるようになっている。良い傾向だ。というか,その辺の空気の読み方が上手い大垣が偉い。


・『アルテ』12巻。イレーネ(ことカタリナ・デ・アウストリア)の語る狂女王フアナの話,解剖の見学,肖像画の完成,イレーネの出立。
→ イレーネはフアナを見て15歳まで育ったので,愛が深くまっすぐな人間になった。その激しい内面を描くのが肖像画である……という,肖像画はにじみ出る内面を描くもの(であるから後に歴史画に次ぐヒエラルキーを獲得することになる)という西洋美術の定義に沿った話になっていて,9巻の歴史画の話に続いて肖像画の話もヒエラルキーに沿って消化した。本作は本当に西洋美術の基礎の紹介に適した漫画になってきた。
→ イレーネの語りについて。時の教皇ハドリアヌス6世は実際にカルロス1世の家庭教師をやっていたことがあるらしい。このハドリアヌス6世はオランダ出身で,この次の非イタリア人教皇は455年後のヨハネ・パウロ2世である。また,イレーネは自分が近々結婚すると言っているが,本作の年代は1522-23年であるので,彼女が結婚した1525年まではまだちょっと時間がある。本巻の最後で反乱の陰謀ありということで急遽帰国しているが,そこで延期になる理由が語られるのかも。なお,1522-23年頃のカルロス1世はイタリア戦争と宗教改革でそんな反乱の兆しどころではない。ひょっとしたら,史実を多少改変してコムネロスの反乱を持ってくるのかもしれない。  
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2020年04月06日

最近読んだもの・買ったもの

・『乙嫁語り』12巻。スミスの中央アジアへの旅路withアリー・ニコロフスキ・タラス,ペルシアまで。ペルシアでのアニスとシーリーンの様子。
→ スミスが巡礼者の写真をとっていた。『乙嫁語り』は極力イスラーム要素が出てこないように設計されているが,これは文化的に面白いので取り上げたのだろう。前にペルシアではおそらく同じような理屈でイスラーム建築も登場しているので。この時代はちょうど汽船のインド洋航路が整備されていた時代で,沿岸部は随分とメッカ巡礼(ハッジ)に行きやすくなった時代ではあるが,出発がイランの内陸部だとまず汽船が出航しているような港に行くまでが大変で,それほど難易度は下がっていないのだろう。
→ スミスの主要な研究分野が言語調査ということが明かされた。実際には生活・風俗全般調べているが,確かにここまでの描写でも言葉の意味や由来をカルルク等に随分と尋ねていたような気がする。
→ スミスのご実家の様子も初めて描写された。ファーストネームがヘンリーということもやっと判明した事実では。金銭的余裕がある中上流家庭であることはわかっていたが,父親は下院議員のようだ。この父親に対して,ヘンリー・スミスがタラスさんとの結婚を認めさせる説得回はいつかやってくるのだろうか。


・『ゴールデンカムイ』20巻。杉元一行は樺太からの帰還行。登別温泉のトニ一行と第七師団の戦い。鯉登少尉の過去編。尾形逃亡。
→ アシㇼパを戦争に駆り立てたくない杉元は,アシㇼパを抵抗のシンボルとして担ぎ上げたい土方一行から離れて第七師団の側に。そのために金塊の謎を解いたらこの争いから速やかに離脱する。網走監獄編と樺太編を経て,杉元の最終目標が綺麗に定まった。
→ 登別の奥の温泉としてカルルス温泉が取り上げられているが,この名はチェコのカルロヴィ・ヴァリから来ている(ドイツ語名のカールスバートを,当時の日本人がカルルスバードと呼んでいた)。現在では僻地ではあれ,さすがに道路が通っていて普通に行けるっぽい。『ゴールデンカムイ』聖地巡礼ガチ勢でも探訪した人は全然いないようだ。マイナー温泉地だしなぁ。
→ 『ゴールデンカムイ』をここまで読んできた読者ならこの鯉登少年誘拐事件があからさまに狂言誘拐とわかるところで,作者が隠そうともしてないのが面白い。鯉登少尉が真相を知ってどうするのかという展開までは推測できる。そして尾形はもう散々活躍したのにまだ活躍の場が残されているという。アシㇼパを殺人犯にしないためにも一度は蘇生すると思っていたが,逃亡するとは。完全にアシㇼパ・杉元の対極となる人物で,思っていた以上に主要人物になった。


・『ゆるキャン△』8巻。伊豆キャン旅行回(前半)。
→ 10巻も大井川沿い旅行回なので,ここ最近は静岡方面進出が激しい。
→ 志摩リンの祖父,孫が好きすぎて8巻の最初の方はものすごく笑ってしまう。趣味が同じ,というか自分の影響で始めてしまった孫なんてかわいすぎるのは非常によくわかるのだが,わざわざ愛知から山梨までバイクで会いに来る・新品の物を「使ってない」と言って渡す・足りない部品があるとわかるや否やすぐに買いに行く・早起きして孫と一緒に出発,とサービスが良すぎて,かっこつけたがっているのが全く無に帰すぐらい言動がわかりやすい。これが見た目がめちゃくちゃダンディなのだからギャップが。これに比べると志摩リンはまだ素直なんだなぁとか。
→ 志摩家が4人でツーリングする話,めちゃくちゃ読みたい。読みたくない?
→ 志摩リンが「登山者用のキャンプ場は一度泊まってみたいかな」とか言っていたので,これは『ヤマノススメ』とのコラボ不可避ですわ。
→ 初日に入った日帰り温泉はここらしい:堂ヶ島温泉 海辺のかくれ湯 清流。作中だと夕方に入っていたが,実際には立ち寄り湯の場合12-14時西伊豆に行く機会があれば寄ってみたい……いや,これは『ゆるキャン△』の聖地巡礼を主目的にしないと他の行く機会が生じなさそうな地域だ。  
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2020年04月05日

スクエニRPGのおすすめ縛りプレー動画 part2

約3年前。そこで見落としていたものと,この3年で増えたものをピックアップ。例によって,際限がなくなるのと,作るとしたら別に作りたいのでTASは除いている。


〔ドラクエ1〕


ぅな〜氏。全裸縛り。呪文はホイミ系のみ。さすがに1はそれほど難易度が高くなかった。ぅな〜氏の特徴の丁寧な編集が光る。


〔ドラクエ2〕


ぅな〜氏。前半のしんどさに比べて後半は意外とすんなり。そしてシドーよりもハーゴンが強かったりと,ドラクエ2の意外な側面の見えた縛りプレーだった。


〔ドラクエ3〕


アズみ氏。現在連載中。厳しい縛りではなく,割とのんびりした動画。


〔ドラクエ5〕


TT氏。途中で「続きは生配信のみ」となったのである意味未完結。ドラクエ7に続き,重厚な縛りだったので惜しい。途中まででも十分に楽しめる。



〔ドラクエ6〕


ドラクエの中では比較的難易度が高い6だが,ボスが多くて最少戦闘勝利回数でもかなりレベルが上がる&この縛りだと終盤加入のテリーとドランゴが強い&強い装備がイベントやカジノで頻繁に手に入るというわけで,なんとかなってしまった。メガザルのうでわはチート。


〔ドラクエ8〕


ドラクエ8の長さを考えるととんでもない苦行で,実際完結まで長い時間がかかった。OPすり抜けバグによりイベント進行順はぐちゃぐちゃになっているが,存外破綻せずに最後まで行った。武器防具は貧弱ながら,ルーラ→くちぶえ→デスルーラで1歩も歩かずにレベル上げは可能であるため,戦闘にはさして困っていなかった。


〔FF8〕


stay氏。「〆脳勝利回数(51回)」はともかく,「10時間以内でクリア」がミソ。ご存じの通りFF8はイベントが長く,そこでかなりプレイ時間が削らっれるため,この制限によりじっくりカードゲームをやる時間がなくなっていて,低レベルながら強い魔法をジャンクションして突破,というのが難しくなっている。じゃあリミット技無双かというと,プレイ時間が短いと準備に手間をかけられないというジレンマ。FF8の縛りプレーというと,どういう縛りを課してもカード変化で強力魔法をジャンクションするかリミット技無双かのいずれかになりがちなところ,上手いこと縛ってその中間を行ったこの縛りプレーはなかなかすごいと思う。



shellfall氏。「コマンド入力回数」は要するに戦闘中のキャラの行動回数のことで,お察しの通りカウンターを手に入れてからが本番。珍しい縛り方だが,他のFFにも応用できそう。



shellfall氏の最小コマンド入力回数に対して更新案を提案したstay氏による更新動画。有言実行はえらい。




stay氏。FF8でノーダメージかつその他もろもろという縛りプレー。完走済。HPJ(という名の手軽な特殊技)・カードバトル(という名の大量に精製される魔法)・デュエル・ショットも縛っているので,過剰な縛りというように見えて,実にいい塩梅だった。これでオメガまで倒しちゃうんだからお見事。FF8も存外懐が広い。強烈に縛ったらカードバトルするしかないというわけでもないというのが収穫だった。



shellfall氏。現在連載中だが,終わりかかっている。可能な限り鍛えてからストーリーを進めていく縛り。最終的には全員全ステータス255まで鍛えている。



〔ロマサガ2〕


おやつ氏。「30勝」ではなく「30戦」というところがポイントで,ロマサガ2のシステムを考えるとこの辛さがわかる(part1の後半で説明されている)。少ない貴重な戦闘では行動加算点を稼ぐために猛烈に全員で素振り(またはフェイント・パリィ・集気法),という他のゲームでは見られない光景が繰り広げられる。



〔ロマサガ3〕


体術,鍛えるのは大変だけども鍛えるとカウンター,相手の体力を下げる逆一本・ナイアガラバスター,こちらのステータスが上昇するタイガーブレイクと使える技が多くて戦略の幅が広い。最終盤,タイガーブレイクをうちまくるモニカ様が可愛く見えてくること請け合い。



カタリナの小剣縛り一人旅。分身技こそ無いものの,反撃技のマタドールと回復技のナースヒールが強く,盾が持てるのも長所。武器種類固定の一人旅の中では比較的楽だった部類か。これより楽そうだったのは槍くらいだった。槍は武器自体が種類豊富で強いし,反撃技の風車と分身技のラウンドスライサーがあるし,盾を持てないくらいしか欠点がない。少し辛そうだったのは斧で,分身技のヨーヨーがあり盾を持てるが,反撃技がないのが欠点。意外と片手剣縛りの動画が見当たらなかったが,あれは縛るまでもなく楽なので……




棍棒縛り。しかもこの作者はあえてエレンの初期設定を得意武器なし・螢惑の星にして虚弱とした。棍棒は武器攻撃力が最高でも30と弱く高威力で乱発できる技も少なく分身技もない一方で,武器固有技(回復技・即死技・ステータスアップ技)が多く,一応反撃技もあり(発動率が他の反撃技より低い),1戦闘に1回しか使えない必殺技がある(居合抜き・抜刀燕返し)と,かなり特殊な武器であった。結果的に武器欄4つをどう使うか,また仕込み杖の抜きどころはいつかという他には無い工夫が必要になる点が見所。無敵振り逃げ戦法も使えば,真・破壊するものをMAXステータスでなくても撃破可能。棍棒の評価を上げざるを得ない。

残るは大剣のみだが,いまだに完走者がいないという厳しさ。反撃技はあるが弱い,盾が持てない,回復技が無い,分身技が無い,武器のバリエーションがあるわけでもないという弱点だらけであるので,不可能なのかも。



術のみ縛り。ロマサガ3の術は使い勝手が良い一方で攻撃威力が低いので,パーティーバトルの場合は非常に有効だが,一人旅だと火力不足がついて回る。しかも技と違ってレベルが上がっても術は威力がそれほど上昇しないので,終盤ほど辛い。それでも何とか真フォルネウスも破壊するものも倒せた。一応,朱鳥術以外はクリア者がいて,朱鳥術も真フォルネウスまでは撃破しているので,術一人旅もできなくはないっぽい。999の自動回復さえ攻略できればなんとかなるということと,真フォルネウスは破壊するものと同じくらいハードルが高いということは,武器縛りと術のみ縛りでよくわかった。



コマンダーの強さを再確認しつつ,その上での縛りの絶妙さを楽しめる。演出もすばらしい。Part8では「シャール効果」が命名された記念回。




カタリナ主人公で最低戦闘回数25回に,真・四魔貴族の1体を加えた26回勝利戦闘だけで破壊するもの撃破を目指す。part8の「ロマサガ3一人旅の歴史」が熱いし,現在ではこの動画もその歴史の一部となっている。



アズみ氏。基本的に反撃とアイテムだけで攻略していく。装備や技術,パーティー人数等は自由なので難易度はそこまで高くない縛りだが,それでもこんなに楽になるのかという工夫の数々がおもしろかった。ロマサガ3の反撃技はやはり強い。ボストンカウンターは中でも強い。



こちらは正当防衛の縛りに加えてほぼ一人旅で即死技・アイテムの使用もなし。かなり厳しい縛り方だったが,それでもクリアできてしまった。ロマサガ3の柔軟性とプレイヤーの努力は偉大。



アズみ氏。仲間キャラを仲間にして装備をかっぱぐ,通称追い剥ぎ行為だけでアイテムを収集してラスボスまで倒す。主人公は交代技を使ってミューズ。武器も防具もひどいが,どちらかというと防具の方がひどい。謎のバグでフェイタルミラーを無傷でやり過ごす戦法の発見は地味にすごい。



ロマサガ3縛りプレーの隠れた傑作。火星の砂や精霊石の威力と精霊石の入手の難しさを考えるとほとんど正気の沙汰ではないが,見事に真・破壊するものまで完走した。縛りの厳しさとプレーの特異さで言えばもっと伸びていい動画。


〔サガフロ1〕


おやつ氏。メカがいるパーティは強い。アセルス編はしんどそうだった。しかし,全体的にTAKE数が少なめで,意外と何とかなってしまうようだ。


〔サガフロ2〕


パティパティ―氏。サガフロ2をやりこんだプレイヤーでも驚くほどの,斧の不遇っぷりがどんどん明らかになっていく縛りプレー。サガフロ2が(ラスボス以外)比較的ぬるいゲームとはいえ,この縛りは厳しかった。ロマサガ3の大剣とはまた違った厳しさが。



これもパティパティ―氏。補助術の強いサガシリーズでの定番縛り,補助術禁止。サガフロ2の場合はエッグ以外はそこまで厳しくないという。そして,それでも斧縛りの方が厳しそうだった。サガフロ2の斧の存在意義とは。


〔聖剣伝説LOM〕


レベル1のノーフューチャーモード縛り。クリア自体はめちゃくちゃ無理ゲーに見えて,聖剣LOMは武器改造が異様に強いので,武器改造が可能になってからはそこまで苦戦していなかったりする。むしろ実況主のトークと聖剣LOM考察が面白い。  
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2020年04月04日

Microsoft Solitaire Collection:攻略のポイントと感想

Microsoft Solitaire CollectionのAchievement(実績)を全て解除した。

Microsoft_Solitaire_Collection


以下,それぞれのゲームの攻略のポイントと感想。ルールの説明はほとんどしていないので,そこはご容赦いただきたい。

<Klondike>
Classic Solitaireとも呼ばれているように,昔はこれだけを指してSolitaireと呼んでいた。Klondikeという名前はカナダの川の名前で,その流域で起きたゴールドラッシュの際に広まった遊びだからとのこと。個人的には5つのゲームの中では3番目に好き。前は3枚ドローより1枚ドローの方が好きだったが,さすがに長いことやっていると1枚ドローはゲームのパターンが少なくて飽きてきた。3枚ドローの方がゲーム性は高い。

〔上級以上の攻略ポイント〕
・2や3は安易に山札から場札に降ろさない方がいい。場合によっては1スートを徹底して先に消化させることを要求されるが,その時に他のスートの2や3があると邪魔になる。
・フリーセルやスパイダーとは逆に,場札の空きはなるべく作らない方がいい。重要なのは山札から重要なカードを引いた時に降ろせる枠の広さであるので。場札の空きはキングを下ろす時にしか役に立たないし,キングを降ろさないと手が先に進まなくなる状況になる前に,ほとんどの場合,自然と場札に空きはできる。
・3枚ドローのゲームは,他のソリティアの上級以上でもそうだが,鍵になるカードがある。クロンダイクの場合は場札の奥の方に埋まっているか,3枚ドローの2枚めか3枚めにある。それが無いとゲームが途中で進まなくなって手詰まりになる。そのカードをいかに発掘するかが工夫のポイントになるのだが,そもそもそのカードがどれなのかがわかりにくいのがクロンダイクのゲーム性が際立つ点になっていて,逆に言えばそのカードが特定さえできれば,最初からやり直せば攻略できることが多い。詰まる原因になるカードを見つける勘は結局のところ経験による気はする。
・他のゲームにも言えることだが,私はわちゃわちゃ手元を動かしながら正解を探していくのが好きなので,手数制限をされると強い拒否感を覚える。最悪の場合,正解のルートを見つけたらそれを暗記して最初からやり直せばクリアはできるわけだが,そこまでしてゲームをやりたいかと言われると……

〔特殊なAchievement〕
◯金塊探し:新しい山札を引く前に,すでにある山札から5枚以上のカードを処理する。1枚ドローの初級でやってればそのうち勝手にクリアしている。
◯氷の城:12枚あるJ・Q・Kを一度も動かさないままクリアする。これも初級でやってればそのうち勝手にクリアしている。


<Spider Solitaire>
1スートはあまりにもゲーム性が無いのであまり好きではなく,4スートは逆に複雑すぎて上級やエキスパートであっても手順がほとんど固定されていて自由度が無い。2スートが一番面白いと思う。2スートなら,5つのゲームで2番目に好き。2スートの上級ばかりやっていたらレベルが70を越えていた。

〔上級以上の攻略ポイント〕
・クロンダイクとは全く逆で,いかに早く場札の空きを作るかが上級攻略最大の鍵。フリーセルと異なって移動に制限が無いので,空きが1つでもあればカード移動の自由度が一気に高くなる。空きが2つできればエキスパートでも勝ったようなもの。
・5つのゲームでは最も運ゲー要素が高く,詰まったらさっさとやり直すのがよい。この辺は場札が最初から全部見えているフリーセルや,手札が一巡したら大体の全容がわかる他の3つとは様相が全く異なり,山札がどこに降ってくるかで全然難易度が変わってくるスパイダー特有の現象と言えよう。
・エキスパートは非常に性格が悪く,そこにそれだけは落ちてきてほしくないという感じで山札が降ってくるので,逆に裏をかいて手を進めると意外と詰まらないかも。
・クロンダイクでも書いたが,上級やエキスパートではやはり鍵となるカードがあって,たとえばエキスパートだと6とか8とかの特定の数字が最後の山札配給でやっと8枚中3枚降ってくる(残りの5枚も場札の奥深くに眠っている)なんてことがザラにある。これもいかにどれが”手札に無い”か早めに察知して,それが終盤まで配給されないという前提で,見えている場札を整理していくと手詰まりになることが少なくなる。意外と工夫の幅が大きいのがスパイダーの良いところで,これ絶対に無理でしょという状況でも工夫し続けると突破口が見つかったりするので,根気よく考えてみるとよいだろう。
・手数制限はクロンダイク同様に嫌い。クロンダイクやフリーセルはともかく,スパイダーでそれはゲーム性に逆行するだろうとすら思っている。

〔特殊なAchievement〕
◯神秘:場札を一度も動かさないまま,全ての山札を降ろしてからゲームスタートしてクリアする。悪魔みたいな発想の実績である。1スートの初級でも運が悪いと絶対にクリアできないので,純粋な運ゲーに近い。上級をクリアできる腕があるなら,何度か初期配置ガチャを繰り返せばクリアできるパターンが見つかると思う。


<FreeCell>
ソリティアで一番好きなゲームはこれ。なのだけれど,他のソリティアに比べると,トランプのゲームというよりも数独あたりにゲーム性が近いと思われ,トランプとしてはどうなのかと思うルールの数々を思わないではない。Win10になるまでは,ゲーム番号を指定して#1から順にずっとやっていた。高校からの10年以上の蓄積で#1000は完全に越えていたと思うが,何番までやったかは記憶がない。特定のスートの1か2を最後まで場札にとっておいて,最後に一気に自動で消化されるカードの枚数が多いと気持ちいい,というこだわりがあるプレイヤーは多かろうと思う。


〔上級以上の攻略ポイント〕
・スパイダーと同じで,いかに早く場札の空きを作るかが上級攻略最大の鍵。フリーセルは,ゲーム名の通り,左上にあるセルの空きの量で一度に動かせるカードの枚数が変わってくる。場札に空きがあると,セルの空き以上に動かせる枚数が増えるので,セルを埋めてでも場札の空きを作るべきである。たとえば,以下は説明のために適当に作った状況だが,

freecell説明用1


この状態では,セルの空き通り+1の4枚までしか移動できないので,左から4列目の6〜2の5枚を一番右の7に移動させることができない。しかし,右から2列めのハートの4をセルに移して場札を空けると,

freecell説明用2


一度空いている場札に3枚置くことができるので,一度に移動できる枚数が6枚まで増え,前述の移動が可能になる。(なお,その後はスペードの8をハートの9の上に移動,スペードの4の上にセルからダイヤの3を降ろし,最右列のハートの7以下6枚をスペードの8の上に移動……と続くのだが,このゲームについて言ってしまえばダイヤの3はさっさと右上のホームセルに入れてしまって,次いで左から2列目のクローバーのキング以下3枚を空き場札に降ろしてしまい,クローバーの1を解放させる定跡に反した手順の方がおそらく最終的には早い。これは中級なのだが,中級以下だと深く考えずにすぱすぱホームセルに入れていった方が早いことがよくある。)

場札は2つ・セルが2つ空いていれば,ほぼどんな移動でも可能になるので,その状況が作り出せればエキスパートでも勝ったも同然になる。「とりあえず1箇所でも場札を空けて,後のことは空いてから考える」は初級からエキスパートまで共通の鉄則で,このシンプルなノウハウと,じゃあどうやってまず場札を1つ空けるのかの工夫が次第に難解になっていくのがフリーセルの魅力であると思う。

・例によって手数制限は嫌いだが,他のゲームに比べるとマシで,これはそれこそフリーセルの競技性がトランプよりも数独や詰将棋によっているから,手数を減らすのは自然な発想と思われるのが拒否感が薄い原因かもしれない。フリーセルだけは他のトランプのゲームにある「詰まりポイントになる特定のカード」が存在していない,というのも際立つ特徴だろう。


〔特殊なAchievement〕
◯仮出所中:フリーセルを2枠までしか使わずにクリア。初級なら割とすんなりクリアできる。
◯警備勤務:全ての場札が常に7枚以下の状況を保ってクリア。初級が上級並の難易度になる。気をつけないとすぐにルール違反してしまうので注意。数の小さいカードはさっさとホームセルに送ってしまって,場札の総枚数を減らしてしまうとクリアしやすい。


<Pyramid>
5つのゲームの中では4番めに好き。最初は運ゲーに感じて割と嫌いだったのだが,コツをつかんだら上級やエキスパートでもクリアできるようになった。

〔上級以上の攻略ポイント〕
・他のゲームと同様に,鍵になるカードがある。ピラミッドはゲームの性質上それが把握しやすい。注意点は2つで,「場札の中に4枚とも存在している」または「場札の山の頂点付近に2・3枚固まって存在している」。たとえば,

pyramid説明用


この山札なら,中級までと同じやり方で進めていくと,おそらく1が不足して3段目中央のクイーンが消せなくなって詰む。これを回避するためには最下段の一番左の1を,下から2段目右から3番目のクイーンで消すことが必要になり,そのために真っ先に消すべきは最下段真ん中の8とジャック,ということになる……という算段がぱっと見でつけられるようになると,ピラミッドは攻略しやすい。(なお,この後を実際に進めてみたが,やはり1とクイーンは山札同士で消化していかないと最後で詰んだ。)
・山札同士で消化できるならそれに越したことはなく,一段掘れば山札同士で消せそうなら,手前の札は消さずに残しておく方が,多くの場合でうまくいく。例えば上掲の画像なら,それこそ2段目のクイーンは1段目の1で消した方がいいので,手札にクイーンが出てきてもそれで消化しないほうがいい。ただし,必ず毎回そうなるというわけではなく,場合によっては逆に,例えば下から2段目の一番左の2で最下段中央のジャックを消さないと手詰まりになるからクイーンの発掘を待たないほうがいい,というような状況も発生する。その選択を,山札と手札の順番を見ながら吟味するのがピラミッドのゲーム性だと思う。


〔特殊なAchievement〕
◯念入りな発掘作業:山札のみを使って3枚以上のカードを処理する。初級でやっていれば確実に起きる。
◯宝庫:捨札(手札の右側)の上から3枚のカードを使って山札を処理する。これも適当にやっていればそのうち自然と実績解除可能。


<TriPeaks>
5つのゲームの中では一番嫌い……というか苦手なやつ。デイリーチャレンジでこれがエキスパートだとちょっとやる気が無くなる。コツがつかめそうでつかめていない感じ。

〔上級以上の攻略ポイント〕
・あまり人にアドバイスできる立場ではないのだが,そんなに分岐が多いわけではないので,総当りで削っていくのが良さそう。分岐の重要なポイントになるカードがやはりあって,そのカードを覚えておくと,やり直しの際にあまり悩まずに済むかも。
・当たり前と言えば当たり前なのだが,基本的には手前の段から消していった方がよく,手札から合わせられる候補が多い方が消しやすいので,消せば表向きになる奥のカードの枚数が多いものは優先順位が高い。とはいえ,上級以上だと確率が等価で完全な運ゲーになったり,裏をかかれたりするパターンが増えてきて,やっていてイラッとするのだが……

〔特殊なAchievement〕
◯ピークジャンパー:それぞれの山の頂点を最後の3枚にしてクリアする。初級でやっていればそのうちクリア可能。カード運に強く左右されるので,ねらってのクリアは無理。
◯探検リーダー:山札を引かずに14枚連続で場札を消化する。これは初級ならすぐにクリア可能。
  
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