2022年08月28日

『「センター試験」を振り返る』を読む(2)実施概要編

・『「センター試験」を振り返る』(大学入試センター,2020年)
(1)から。予告通り,第三部の全年度の実施概要から,世界史A・Bの出題ミスに関する項目だけ拾い上げてみることにした。出題ミスのみで,問い合わせがあったこと等はどうでもいいものが多かったため省略している。こうして並べてみると1980年代前半の共通一次の開始直後は私大のようなミスが頻発しており,ノウハウが蓄積するまでの苦労が忍ばれる。共通一次が創設された理由の一つが「難問・奇問のあふれる大学入試に対する模範を示すこと」であったのだが,とはいえ当時は理想とすべき良問像そのものが固まっておらず,最初期の共通一次は現在で言うところの私大っぽい問題も多く,それも含めての試行錯誤期間だったと振り返ることができよう。

〇1980年の世界史,5
<問題>下線部 銑イら誤っている箇所を一つ選べ。【64】

7世紀後半に朝鮮半島の統一に成功した新羅は,唐の諸制度を受容し,中国風の郡県支配による中央集権国家をめざした。この国では骨品制と呼ばれる独自の身分制度が行われ,その都があった慶州には,仏寺・王陵・古墳など新羅文化をしのばせる多くの遺跡が今に残っている。

<解答解説>
手持ちの資料に1980年の問題がなかったのだが,ある友人が調べてくれて判明した。 銑イ全部正しいので,正解が無い。大学入試センターは即日で「誤りがない場合は⓪をマークせよ」という問題訂正を出したが,訂正が全試験室に到達した時刻が試験時間終了間際だったため,解答番号[64]については全員に点を与えることとした,とのことである。気になるのは新羅が郡県制であったかどうかはおそらく当時であっても範囲外ということである。なお,調べてみると,当初は州郡県制が採用されていたが,統一後に州が形骸化して実質的な郡県制となった。しかし,州郡県制時代の州は州府のある郡を州直轄地としていたため,形骸化後もその旧直轄地の郡だけは州と呼ばれていたらしい。非常にややこしい。これも踏まえて考えると,この出題ミスの要因は,
・とりあえず全部正しい文章を作って後から1箇所を誤りにするつもりが作業を忘れ,検討チームが「が正解なんだろう」と思い込んでそのまま校了した。
・共通一次の最初期なので範囲外を出してはダメと言う鉄則が守られておらず,かつ作問者が中途半端な知識で「新羅は統一後も州郡県制」と誤解したままを誤りとして作成し,検討チームも同様の思い込みでスルーしたまま,校了してしまった。
のいずれかであろうと思う。性善説(誤用)で考えるなら前者の方が可能性が高いだろうか。


〇1983年の世界史,第2問の問8
<問題>2 問8 次の文 銑い里Δ舛ら,誤りを含むものを一つ選べ。

 〜廚中国を統一したのち,遼は始めて華北の一部を領有した。
◆〜廚寮硝綿を支配していた西夏は,チンギス=ハンの軍に滅ぼされた。
 遼の支配下にあった女真(女直)族は,金を建てて遼を滅ぼした。
ぁ.侫咼薀ぁ瓮魯鵑蓮す餽罎鮓気板蠅瓩晋紊貌鄙廚鯡任椶靴拭

<解答解説>
◆Ν・い論喫犬如き,誤文=正解だが,それ以前の問題として「始めて」は「初めて」の誤植である。試験時間中に受験生から指摘があり,即座に訂正となった。いずれにせよ誤文だから正解が変わらずに済んだのではないか。それにしてもインターネットの無い当時で,よく訂正が間に合ったものだ。試験時間の序盤で指摘された上に,よほど手際が良かったのだろう。


〇1985年の世界史,第3問の問10
<問題>3 問10 下線部(編註:ビルマ,マラヤ連邦)について述べた次の文 銑い里Δ舛ら,誤りを含むものを一つ選べ。

 ‖萋鷦\こβ臉錣了,ビルマは日本の軍政下におかれた。
◆‖萋鷦\こβ臉錣了,マライは日本の軍政下におかれた。
 ビルマとマラヤ連邦は,同じ年に独立した。
ぁ.泪薀簣∨は,のちにマレーシアとシンガポールに分離した。

<解答解説>
 Ν△論喫検きはビルマ独立が1948年,マラヤ連邦独立が1957年なので誤文=正解。い癲ぅ泪薀簣∨にシンガポールが含まれないので誤文=正解。マラヤ連邦にシンガポールとボルネオ北部が合体してマレーシアとなり,その後シンガポールが分離した。マラヤ連邦にシンガポールが含まれていないというのは早慶レベルの知識であるが範囲内ではあるので,よくできる受験生ほど困ったのではないかと想像される。約35年前の早慶受験生の心情やいかに。大学入試センター当局から・い諒数正解を認める旨の発表があったとのこと。


〇1986年の世界史,第3問の問8の点字の問題文
<問題>3 問8 下線部┐亡慙△靴董(ハ)の地域(編註:地図中の山東省の位置に(ハ)と印字されている)にある膠州湾について述べた次の文 銑い里Δ舛ら,正しいものを一つ選べ。
(選択肢は省略)

<解答解説>
本問について,点字では漢字が表現できず,地図を表示できないため,「膠州湾」と「広州湾」が区別できないという指摘が入ったらしく,点字版は「コウシュウ」から「ニカワのコウシュウ」に変更するという訂正があった。点字に限定した問題の訂正であり,極めて珍しい。厳密に言えば出題ミスではないが,記録の意味で記載しておく。


〇1992年の世界史,第2問
<問題>2 1368年に建国した明では,永楽帝が1402年に遷都を行い,また使節を南海に派遣するなど対外的な積極策をとった。

問1 下線部,寮睫世箸靴得気靴い發里髻ぜ,劉 銑い里Δ舛ら一つ選べ。

 …弘造ら洛陽への遷都であり,これによって黄河中・下流域を制圧した。
◆〕賤曚ら南京への遷都であり,漢民族の建てた王朝として初めて長江以南に都を置いた。
 開封から臨安への遷都であり,これによって経済的に発展していた江南をおさえることができた。
ぁ‘邉から北京への遷都であり,漢民族の中国統一王朝として初めて北京に都を置いた。

<解答解説>
素直に考えればい正解だが,永楽帝の遷都は1402年ではなく1421年である。受験生がよくやる勘違いで,1402年は靖難の役が終わって永楽帝が南京政府を滅ぼした年であるが,実際にはその後すぐに北京に遷都したわけではなく,しばらくは南京にいた。確かにほとんどの教科書は大体この約20年をひとまとめに説明してしまうので,いかにも1402年に遷都したかのような印象を持ってしまう。だが,世界史の専門家がしていい勘違いではないだろう。大学入試センター当局から全員正解にした旨の発表があったとのこと。


〇1998年の世界史B,第4問の問8
<問題>4 問8 下線部┐亡慙△靴董ぅ凜Д肇淵爐瞭販運動について述べた文として誤っているものを,次の 銑い里Δ舛ら一つ選べ。

 ‘販運動を支える人材育成のため,19世紀末から東遊(ドンズー)運動が盛んになった。
◆.侫.鵝瓮椒ぁ瓮船礇Δ蕕蓮ぐ歐群颪魴訐し,反仏闘争を推進した。
 陳独秀らが結成したインドシナ共産党は,独立運動の主体となった。
ぁ‖萋鷦\こβ臉鏝紂ぅ凜Д肇淵爐量餌臆鯤闘争は,インドシナ戦争へと展開していった。

<解答解説>
「19世紀末から」が「20世紀初頭から」の誤り=正解。△論喫検は陳独秀が誤り=正解。い論喫検というわけで Νの複数正解である。大学入試センターから,論喫犬料枋蠅任△辰燭設定ミスであった旨の発表があり,複数正解となった。東遊運動はファン=ボイ=チャウが1904年に維新会を結成し,翌年に本人が来日し,同時期に日露戦争で日本が勝利したことで活発になった。そのため1905年に始まったとするのが通念である。出題ミスという判断は妥当であり,このような私大のような出題ミスをセンター試験が出していたのは,全く知らなかったので驚きであった。私は本問を受験生時代に過去問として解いているはずだが,全く記憶にない。赤本等は収録時に問題文を勝手に修正する癖があるので,20世紀初頭に直っていたのかもしれない。


〇2003年の世界史B,第2問の文章A
<問題>2 A 古代ギリシア・ローマではできる限り正確な世界地図を作ろうとする試みがなされた。下図は,2世紀ごろ活躍したアレクサンドリア出身の〔   佑僕獲茲垢襪箸気譴訝録泙任△襦C羸い貌ると〔   佑涼録泙亘困譴蕕譟ぅリスト教の世界観を投影した「世界図」が作られるようになった。しかし,13世紀になるとイタリアでは,商業の発達に伴い,実用的な地図が作製されるようになる。その後ルネサンス期に〔   佑涼録泙再発見され,それが印刷術によって普及したこと,そして大航海時代が到来したことなどによって,ヨーロッパにおいて正確な地図を作る本格的な試みが始まった。

問1 〔   佑凌擁は,天動説を体系化して,後のヨーロッパの天文学に大きな影響を与えたことで知られている。この人物の名として正しいものを,次の 銑い里Δ舛ら一つ選べ。

 .廛襯織襯灰
◆.廛肇譽泪ぅス
 エウクレイデス
ぁ.團織乾薀

<解答解説>
素直に解答するなら△離廛肇譽泪ぅスが正解だが,プトレマイオスはアレクサンドリアで活躍したが出身地は不詳である。「アレクサンドリア出身」という表現はあやういのではないかという指摘が当時にあったらしく,「プトレマイオスをアレクサンドリア出身とする教科書があったのでこれによったが,学術的には確認できなかった」として,「出身」の部分を事後的に削除とする措置がとられた。アレクサンドリア出身という事実が完全に否定されたわけではないので,問1を出題ミスとせず残したのは問題のない判断だったと思われる。本問も厳密には出題ミスではないが,事例として面白いので紹介しておく。


〇2008年の世界史A,第2問の問9
<問題>2 問9 下線部に関連して,原子力発電や核実験について述べた文として正しいものを,次の~い里Δ舛ら一つ選べ。

 仝胸厠枠電は,19 世紀に実用化された。
◆.▲瓮螢合衆国のスリーマイル島で,原子力発電所の事故が起こった。
 日本とアメリカ合衆国は,1963 年に部分的核実験停止(禁止)条約に調印した。
ぁ|羚颪蓮1980 年代に初めて核実験に成功した。

<解答解説>
,20世紀半ばの誤り。い1960年代の誤り。△正文=正解。が審議の対象で,部分的核実験禁止条約は一般にアメリカ・イギリス・ソ連の締結によって成立したとされるが,調印したかどうかで言えば,成立直後に多くの国が調印している。当然に日本も1963年の当年のうちに調印しているから,もまた正文=正解になってしまう。ここはの文は「に調印した」を「を成立させた」と変えるか,日本の部分を2008年当時にPTBT未加盟国に変えるべきであった。大学入試センターから◆Νいずれも正解とした旨の発表があった。

2015年・2020年の出題ミスはブログに取り上げた通り。2004年から2014年まで世界史Bはノーミスだったことから,2015年の出題ミスは「まさかセンター試験が」というような取り上げられ方だった覚えがある。しかしこうして振り返ると実はこの期間以外は5年に1回くらい何かしらあったということがわかった。
〇2015年:2015年度センター試験地歴の「やらかし」について
◯2020年:2020受験世界史悪問・難問・奇問集 その3(国立大)


その他の事件簿も相当に面白い。長くなるのでここに書き連ねるのは避けるが,1983年のココア缶破裂事件,1985年の数学「昭和の米騒動」事件,2005年の偶然の的中事件と英語のありえない天気予報事件,2019年英語リスニング「羽根ニンジン」事件(これはp.42でも作成秘話が語られている)辺りが好き。ココア缶破裂事件はなんというか牧歌的である。大学入試センターがこれだけ細かく話題を拾っているのには驚いたが,ここまでネタを拾っているのにPat様には触れていないのは不思議といえば不思議かも。あとは現代文・古文で話題になったものには触れていないので,そういう拾い方なのかもしれない。  

Posted by dg_law at 21:00Comments(2)

2022年08月27日

『「センター試験」を振り返る』を読む(1)論考編

・『「センター試験」を振り返る』(大学入試センター,2020年)
気づいていなかったのだが,令和2年(2020年)12月,翌月に最初の共通テスト本試験を控えたタイミングで,大学入試センターが『センター試験を振り返る』という本を発行していたことに先日気がついた。インターネット上で公開されているので,誰でも閲覧可能である。これがけっこう面白い。以下,気になった点を羅列しておく。長くなったので記事を2つに分け,(2)は明日更新する。


p.45から始まる論考1「ボーダレス化する高大接続」。高大接続の難しさは高校教育と大学教育の大きな違いに起因し,欧米諸国ではその接続期間として予備教育期間がとられる(ただし欧州では進学予備課程として中等教育の末期に,アメリカでは大学学部教育に置かれていてタイミングが異なる)。日本の場合はアメリカの制度に近いものの,実際には学部学科がおおよそ決まった状態で入学するために学部教育が予備教育として機能していない(進学振り分けがある東大はまだしもアメリカ型に近い)。そのために高大接続改革がより困難になっている……という指摘は的を射たものだろう。そういう事情から入試が実質的な高大接続を一身に背負うことになってしまった。そう言われると,本来数年かけるべき接続のその重荷を入試という極めて短期間のものに背負わせようとしたこと自体が無理筋であったという筆者の主張には同意する。

そのような情勢の中で1970年代に共通一次が構想され,高校教育課程の達成度を図るのが一次試験,学部教育の適性を図るのが二次試験と切り離された。このために一次試験に対する大学側の関心が薄まり,一次試験は高校が実施主体であって大学ではないという意識が醸成された。筆者の「『共通一次試験』は高校の試験だと誤解する人々がいるが,共通一次は高大接続を意識した‘大学の試験’である」という指摘は重い。このために,2010年代に始まった改革では,センター試験に代わる共通試験では高校教育課程の達成度を測る「基礎」と,大学入学者を選抜する目的の発展の二段階に変えようという構想があったところ,基礎レベルのものは実質的に実装されなかった。受験生に二種類の一次試験を課すのは負担が大きすぎた。結果的に発展段階のものだけが残り,これが現在の大学入学共通テスト,いわゆる共通テストである。私は共通試験の二段階構想が当初にあって,早々に企画倒れになったことまでは知っていたが,その背景にこのような問題意識があったことは知らなかったので勉強になった。であれば確かに,共通テストの構想段階において「共通テストの発展レベルに大学入学者選抜機能を持たせるのであるから,国公立大の二次試験は小論文や面接のみでよい」という暴論がまかり通っていたのも多少は理解できる(この共通テスト導入に関する諸問題は拙著の3巻でもコラム2で詳述しているので,ご興味ある方は参照してほしい)。実際に共通テストがセンター試験よりも少し難しいことも,この頃の議論を引きずっているところがあるだろう。

高校教育課程の達成度を図るのが一次試験,学部教育の適性を図るのが二次試験という切り分け自体は私には誤った発想と思われず,便宜的ではあれども,結果的によく棲み分けていると思う。それよりも「一次試験」に対するというよりも「高校教育」に対する大学側の無関心こそが問題の中核にあるのではないか。これは,日頃に世界史の私大や国公立二次試験を解いているからこそ実感する。結局,大学側が高校教育への無関心を改めない限り,高大接続は上手くいかない。


p.77からの論考2「センター試験問題の作成と課題」。p.100からの4節では,センター試験の過去問からピックアップして,寄せられたクレームとそれへの対処・反論が述べられている。ここで注目すべきはやはり,弊ブログでも扱ったpp.107-108の「ムーミン事件」(2018年・本試験・地理B)の顛末である。
・センター試験「ムーミン事件」雑感
この顛末は端的に言ってひどい。「舞台ということで,「関わりが深い」といった意味を表したかったのであろうが,それをマスコミなどが杓子定規にとって」等と述べているが,「舞台」を「関わりが深い」という意味で解釈する方が読解力に問題があるとは思わなかったのだろうか。百歩譲っても,「問題文の文言が『舞台』では,杓子定規にとられる可能性がある」という指摘が検討段階で確実に出ていたはずであり(出ていないなら検討部会が機能していない),それを無視して強行した時点で大学入試センターにはマスコミなどに「杓子定規」という批判をする資格がない。何よりまずいのは「なお,この問題は,五分位図を見るとかなり適正と言える形と正答率を示しており,特に問題を外すといった措置を取ることはなかった」という部分である。上掲の通り,当時に私が批判的に総括した通りであり,選抜機能があれば事実誤認があっても出題ミスではないという独自の論理が大学入試センターにはあることが露見している。ついでに言うと当時の報道で「作問者,検討者の確保に苦労している状況なので,彼らの負担を増やしたくない」という理由が本問を出題ミスと認めない大きな理由として挙げられていたが,本論考はこの点に触れていないのは少し不誠実である。

p.117からは問題の難易度の安定性についてが考察されている。注目すべきはp.118の図表15・16やp.119の図表17で,浪人生は少数精鋭化していると言われているが,それが長期的な傾向としてデータで示されている。00年代前半に受験生だった身としては,90年代にはそこまで差がなかったことに驚いている。ただし,後述するように現役生には分厚い記念受験層が含まれていて,彼らの得点が低いために現役生平均点は実態よりも相当に低い可能性がある。本論考ではできればそこまでデータを分析してほしかったところ。


p.129からの論考3「センター試験志願者の受験行動と学力特性」では,共通一次からセンター試験への切り替わりでアラカルト方式が採用された結果,私大専願層や未出願層(完全には一致しないがほぼ記念受験層)が急激に増加したことと,国公立大受験者層も含めた分析が示されている。p.147の表が面白い。男女比で見ると,国立専願で男性が突出して多いのは理系が多いためだろう。女性の方が多いのは未出願層のみで,こんなところでもジェンダーバイアスが垣間見えてしまう。地域で見ると,私立専願は都市圏で突出して多く,逆に未出願は地方に多い。未出願層が約13万人,全体の20%を超えているというのは予想以上に多くて驚いた。本論考でも示されている通り,高校はセンター試験を高校教育達成度テストとして使いがち,あるいは記念受験させがちという推測で当たっていると思う。確かにセンター試験(・後進の共通テスト)は論考1の通りに高校教育の達成度を図るものであるが,これまた論考1の末尾に書かれている通り,センター試験はあくまで大学入学者のための試験であって,高校3年生全般の達成度を測る試験ではないから,そのような使われ方は想定されていない。

論考4は特に感想がなかったのでパス。(2)では,第三部の全年度の実施概要に触れる。  
Posted by dg_law at 22:36Comments(0)

2022年08月24日

ニコ動の動画紹介 2022.2月上旬〜2022.2月下旬



どうしてこんなことに。




全滅の仕様がFF6を一番破壊しているのではないかという疑問から始まったこの企画。全滅できないと極限低歩数がかなり増えるので,疑問は正しそう。




ドラクエ5の美点である仲間モンスターを投げ捨てる感じの縛り……とおもいきや,ホイミンが大活躍するのが面白い。そのホイミンを仲間にするためのにせたいこう戦が苦行だった。なお,このうp主は比較的珍しい娘萌えであってそのアピールが激しいが,実際に娘がホイミンに次いで活躍するプレーでもある。あとドラクエ5ってボスの経験値だけでレベル20を超えるのは知らなかった。




ドラクエ11無印PS4版は12時間くらい,3DS版で7時間が限界だったので,11Sになってとんでもなく縮んだという印象。Steam版の機能と特有のバグが強くて面白い。




おやつ氏。最初のイカ戦でチャートにミスがあってめちゃくちゃ苦戦した(Take641)のが笑った。近年の「ひたすら楽して」シリーズとしては全体的にTake数が多い気がする。




傭兵団を率いて中世ヨーロッパ風の田舎を旅行し,野盗を討伐したり地域社会の争いに介入したりするゲーム。戦闘はTRPG。けっこう面白そう。




月川氏。上半期20選ノミネート。失恋ソングが似合う女だよ夏葉は。



チャノ氏。上半期20選選出。お天気ヤクザシリーズの新たな傑作(怪作)。SideMのアイドルの皆さん,お疲れ様です……  
Posted by dg_law at 12:00Comments(0)

2022年08月23日

中国麻雀にリーチだけ入れるとフリテン無いのが強すぎるか……とかは考えたりした

・ゼロから学ぶ! 麻雀漫画を楽しむため”だけ”の麻雀講座(銀河孤児亭)
→ 「最後に」でご自身で白状しているように,麻雀漫画を楽しむ"だけ"の知識を入れるには本記事は長すぎるが,真の狙いである日本麻雀のゲーム性についての説明としては非常に良い記事だった。麻雀漫画を楽しむということは自然と麻雀のゲーム性を成り立たせる要素の分析になる。確かに日本の麻雀の特徴はフリテンと放銃一人払いとリーチによって形成された対人戦要素・心理戦にあると思う。このうちリーチが毛色がちょっと違うというのもわかる。基本的に上がることよりも振り込まないことの方が重要なゲームであるので,リーチは無防備になると同時に「攻撃は最大の防御」とも捉えられる行動であり,リーチの多義性は麻雀の行動選択,しいてはプレイヤー心理描写に深みを与えている。
→ 中国麻雀はフリテンが無い代わりに,順子の食い替えや必須牌の残枚数確認・競合回避・速度比較のため捨て牌の確認が必要なところは対人戦要素だと思う。 そのために結局捨て牌は注視するし,プレイヤー同士の相性とかが出るなというのは何度か打ってみて思ったところ。


・「ぐるぐる巻きのネコにおかゆを与える様子」を描いた絵画はたくさんあるけど、どういう意味があるのか?(Togetter)
→  多様に解釈できる寓意で難しいが,面白い。出自が低俗な喜劇で何かしらを揶揄しているのはそうらしい。後段の専門に近い歴史家の指摘にあるように,時代が下るに連れてそうした黒い風刺的な意味合いが薄れて,別のものを揶揄していたり,猫っ可愛がりを揶揄していたり,単に猫がかわいいという要素の方が前に出てきたりしているっぽい絵も増えているらしい。であれば尚更個々の解釈には慎重になるべきだろう。
→ それにしても出てくる範囲が広い。16世紀のイタリアから19世紀前半のフランスやアメリカまで。ほとんど知らないネタだったけど,ここまで広範囲に観測できるならけっこう流行していたネタだったと思ってよさそう。


・「勉強以外、なんの取り柄もない」東大卒&京大卒のアイドル『学歴の暴力』が歌う高学歴の苦悩 (fumufumu news -フムフムニュース)
→ 「処理能力は比較的あるほうだったので、特にパズルのように解ける数学は得意でした。だから東大に入るのは、そんなに大変ではなかったです」という発言に東大生の情念を感じて笑ってしまった。頭が良いとはどういうことかを考えてしまうことがあり,自分の脳が偶然大学入試に適性があっただけで実は汎用性が無いのではないかという疑念や,その中でも情報処理能力に異常に偏っている東大二次に特化した脳なのは自分の能力に対する過剰ブランディングになるのではないかという葛藤,私は割とわかるし,東大OBにはそこそこ普遍的に理解されそう。そこを逆手に取って過剰ブランディングされた自分をセルフプロデュースしていこうという発想は割りと好き。
→ それにしても東大女子は,大学当局の増やそうという必死の努力に反して学部生の女性比率が20%前後から増加しないという悲しい状況も含めて,いろいろと他者から視線をぶつけられてしんどそうな感じはある。だからこそ増加しないという悪循環も多少はありそう。自分がいた文科三類・文学部だとそういう雰囲気も薄かったのでそういうのに気づいたのは卒業してからだったりするのだが,他の科類・学部だとまた雰囲気が違ったのだろうか(というようなことを過去の記事で書いたような気がしていたが見つからなかった)。
→ 当人たちのキャラが立っていて,歌詞は面白いんだけど,曲が残念な感じはする。良い作曲家がついたら伸びるのかも。当人たちが伸ばしたいと思っているかはまた別問題として。  
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2022年08月21日

教育関係のニュースへのコメント(情報科目とか総合選抜型入試とか)

・「情報」が国立大入試で必須化、6教科8科目制に 「大学教育を受ける上で必要な基礎能力」(IT MediaNEWS)
→ 情報の教科書は読んだことがあるが,メディアリテラシー,基礎的なネットワーク知識や画像処理等に加えてプログラミングにも触れていて,普通に役立ちそうな知識・理解が多い印象。入試科目として必須にするのもありだと思う。なお,この国立大学協会の発表後に,各国立大学の個別の発表でもやはり採用する発表が次々になされた。
→ 心配なのは,増やすのはいいけど,その分どこかを削ってあげてほしいということだ。受験生の時間的余裕はすでに限界だと思う。ただでさえセンター試験から共通テストに変わって,数学を中心に難易度が上がっている。……というと古典を減らそうという声が聞こえてきそうだが,共通テストはそもそもアラカルト方式なので各大学の判断で古典を採用しないということはすでに可能である。個別の大学の判断としてなら別にそれでもよいと思うが,実際に古典を削る大学はなさそう。個人的な考えとして,理系も文系も理科・地歴公民を1科目に減らすというのは割りと現実的な解決策ではないかと思う。まあ,理系は二次試験で理科二科目課されることが多いので,大した負担減にはならないかもしれないが,それを言うと情報自体が理系の方が親和性が高い科目で文系の方が負担増が大きいとは思うので。
→ あるいは1000点満点を維持しつつ,各科目の難易度を下げるというのもありなのではないか。これはセンター試験に戻して難易度を下げようと言っているのではなくて,共通テストの方向性のまま難易度を下げるのはどの教科・科目もそれほど難しくないと思う。
→ なお,共通テストの情報のサンプル問題はすでに公開されている。興味がある人は解いてみるといい。情報科目については教員不足が懸念されていて,その意味での高校間格差が強くなりそう。同様の問題は地理総合も抱えているので,なんというか高校の管理職級の先生方も大変だなぁと(他人事)。


・共通テスト問題、試験中にSNSで流出か…東大生2人が知らずに解答返信(読売新聞)
→ よりによって世界史B。確かに地歴は東大生なら秒で解ける問題が多くて時間あたりの得点が高いという意味では効果的な教科選択ではあるが,大学入試の試験会場は警戒がけっこう厳重なので,よく撮影・やりとりができたなと思った。
・共通テスト不正に加担させられそうになっていた話(いちむら|note)
→ この手口は読んでいて怖くなった。共通テストは日時がかっちりしすぎているので気づきやすいけど,この人自身が疑っていた予備校の模試や資格試験だと,解くのを依頼される側がここまで疑うのは難しい(※ 現在では消えているが1/27当時の元記事には筆者の方が数学オリンピック予選で同様の手口で不正に加担させられた話も載っていた。数学オリンピック予選はオンラインとのことで,それは尚更不正を疑うのは難しかろう)。共通テストだけの問題ならまだしも世に存在する広範囲の試験で応用が効いてしまう手口なので,けっこう深刻である。依頼される側が疑わしい依頼には乗らないというのを徹底する,斡旋サイト等が注意喚起するというくらいしか対策が思いつかない。Yahoo知恵袋で聞かれていた時代が牧歌的に思える。


・成績が最もいいのはAO入学者 東北大、早稲田大の内部資料で判明(朝日新聞EduA)
→ AO(総合選抜型)入学者の方が大学在学中の成績が良い傾向があるのはけっこう有名な話で,総合選抜型批判は安易にできない。学力が重視されない,文化資本による抜け道という批判がされがちだが,近年は総合選抜型入試でもそれなりに学力も見ているし,まともにやっている入試だと合格するには高い意欲や,それこそ”まっとうな文化資本”が必要なので,大学在学中の成績が良い傾向が出るのは割りと納得する。
→ 個人的な本記事の見どころは一般入試組の成績が振るわない方の分析で,「大学合格が目標になっていて、入学してから伸びしろがない」,つまり入試が過酷すぎる燃え尽き症候群というのは鋭い指摘で,実際にあると思う。特に本記事で挙げられている早稲田大や東北大学といった,総合選抜型の入学者が「抜け道」と(的外れ気味の)批判をされてしまうような大学の一般入試だと余計にそうだろう。
→ それはそれとして,早稲田大理事の「一般入試に問題があれば大ナタを振るわなければいけませんが、大学全体や学部として一般入試を問題視しているという声を聞いたことはありません」という発言は相当にどうかと思う。どう考えても早稲田大の一般入試は問題がありすぎるので,学内でも問題視されていないならその方が問題では。地歴公民によらず,あの出題ミスの量だぞ……大ナタ振るってくれ。
→ ただし,日本の社会風土だと大学の評価は偏差値に拠りがちで,その偏差値は一般入試による評価であることから,現状の社会風土のまま一般入試の定員が減らされて総合選抜型に回されるのは問題がある。一般入試の定員が減ればそれだけ偏差値が上がるので,そこで大学の価値を上げることが可能になってしまう。総合選抜型の入学者が増えれば偏差値社会は脱せられるという主張を見かけることがあるが,そう簡単に変わらず,むしろこの種のマッチポンプに利用される危惧を先にすべきだろう。  
Posted by dg_law at 00:00Comments(2)

2022年08月19日

高校世界史の知識が完璧に役立つ珍しいニュース

・英与党・保守党、200年近く維持した選挙区の議席失う 野党・自由民主党が補選で圧勝(BBC)
→ 200年近く選挙区を維持していたこと自体,200年にも渡って国政選挙をしていたことの証であるわけで,流石はイギリス,国政選挙の歴史が長い。200年前というと1832年の第1回選挙法改正の頃かと思って記事を読み進めると,「この選挙区は1832年の成立以来、常に保守党が議席を維持していた」とのことなので本当に1832年の第1回選挙法改正直後の選挙であった。それは本当に歴史に重みがありすぎる。
→ 第1回選挙法改正は日本の高校世界史でも必ず教えられる極めて重要な政治改革で,大雑把に説明するなら,人口増加や人口移動を考慮せず固定されていた選挙区を人口比例で割り振り直したことと(これにより「腐敗選挙区」が消滅した),選挙権の資格を緩和して有権者数が約1.5倍に増加させた(全人口のうち約3%から約5%が有権者になった)ことを骨子とする改革であった。この増加分に産業資本家が多かったために,この後イギリスでは産業資本家に有利な政治改革が進められることになり,次の1867年の第2回選挙法改正で労働者階級にも選挙権が拡大する。最終的に1969年に第5回選挙法改正があって現在の18歳以上男女普通選挙となった。この間のあらゆる歴史的出来事に耐えて保守党が勝っていたのだから,今回の失陥は歴史的出来事と言っていい。なお,第1回選挙法改正直後の1832年選挙の結果は英語版Wikipediaに詳細な記事があり,探してみると確かにToryが議席をとっている。
・1832 United Kingdom general election(Wikipedia)
→ そんでもって奪ったのが労働党ではなく自由民主党というのも,微妙に時代がかっていてちょっと面白い。1832年の頃というと自由民主党ではなく自由党,どころかそれがホイッグ党と呼ばれていた時代であり,労働党は存在すらしていない。自由民主党は一時期50〜60議席を持っていてキャスティングボートを握っていたが,ここ10年ほどは10議席前後に凋落していた。彼らにとっては貴重な1議席である。


・江戸時代の春画に"寝取られBLを妄想しつつ猫とうたた寝をする女性"というものがあった(Togetter)
→ 2018年のまとめ。作品は喜多川歌麿《見るが徳 栄華の一睡》。確かに山賊の汚さや股間の乱れ,受け役の優男っぷり等からはそうした解釈は可能そう。面白い解釈ながら素人解釈の可能性があるので明確な典拠が欲しいが,ボストン美術館の紹介ページからカタログレゾネで辿ろうとすると発行部数が少ないか古いかで図書館で探すのが難しそう。自分は挫折した。一応,ボストン美術館の作品紹介ページを貼っておく。興味と時間がある人は引き継いでほしい。
・Dream of the Young Woman, from the series Profitable Visions in Daydreams of Glory (Miru-ga-toku eiga no issui)


・結婚相談所に出没する結婚する気のない婚活男がなぜ発生するのか書いておこうと思った(N=1)(増田)
→ このパターンに近いものは自分の身近でも見かけるので,N=1でもなんでもなく,けっこう多いのかもしれない。当人の結婚する気の無さを親族が見極められないのよな。 他の人のブコメにもあったが,これは親族がお金を出しているパターンも多そう。


・「東方Project」霊夢の“ボイス”がローソンで流れ、ファンがざわつく。「コンビニで博麗を名乗る女性」異変の背景とは(AUTOMATON)
→ 神主が「公式でアニメ化しない」と発言していることもあり,霊夢に固定された声優はついていない。一方で二次創作が自由に行われているために,二次創作のゲームやアニメでは頻繁に霊夢に声優がついている。その上,そうした二次創作のゲームがSteamなりPS4なりでプレイできたり,神主公認でスマホゲーになっていたりするので,もはや霊夢に声優がついていること自体は全く珍しいことではなくなってしまった。『東方ダンマクカグラ』もそうしたスマホゲーの一つであり,特に神主に近い人達が運営している。しかも,こうした事情で博麗霊夢の声優が固定されておらず,霊夢を担当したことがある声優はかなり多い。ニコニコ大百科がよくまとめているので参照されたい。私自身,これといったイメージの声優はいない……ということを記事の内容に補足の説明を追加しておきたい。
→ というような経緯は現役で界隈の動向を追っているファンならは知っているところであるが,それでもコンビニで博麗霊夢の声が流れるのは確かにまた一つ一線を越えたという感じがして,私もまあまあ驚いた。また,立ち絵なしに声だけで霊夢を名乗るというのが違和感の元という感想もわかるところで,声優が固定されていないキャラ特有の現象という点では興味深い。実際のCMはこんな感じ。

→ なお,『東方ダンマクカグラ』はサービス終了が決定している。このCM騒動から1年も経たずに終わってしまうことになった。どうも人気はあったがマネタイズに失敗したようで,そう聞くともったいない。  
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2022年08月09日

せめて豊根村には食べに行ってみるべきか

・「漫画村」を“ほう助”した広告代理店「エムエムラボ」「グローバルネット」に1100万円の賠償判決、『魔法先生ネギま!』の赤松健さんが提訴(ねとらぼ)
→ 先日参議院議員となった赤松健氏だが,立候補前にはこういう活動もしていた。ネット広告は広告代理店が複雑に仲介していて責任の所在を追及するのが難しいとされていたが,それゆえに本件は漫画村と直接つながっていない広告代理店を訴えて勝訴している点が画期的な成果だろうと思う。氏は政治家としても海賊版に絡むネット広告の問題にかかわっていくのだろうか。


・平成元年発売のテトリスの世界大会が 今大変なことになっている(slappin' Notes)
→ 展開が予想外すぎて面白い。レトロゲームが近年に革新的な技術が発見されて突然盛り上がるという現象としてはFF6やDQ3を彷彿とさせる。それがコントローラーの持ち方に発展するところはパズルゲームっぽいなと思ったが,DQ3のRTA何でもありも現実世界での行動速度が重要な戦いの領域に入ってたな。ゲーム内の速度なりハイスコアなりを突き詰めると,どうしても(コントローラーの直接操作以外での)出力する実空間の側に戦いが移っていくというのは一定の割合のゲームで発生しそう。


・ソ連は娯楽少なく…声優ジェーニャ「アニメは二つ。チェブラーシカとヌー・パガジー」(朝日新聞GLOBE+)
→ 良い記事だった。ご年齢を全然知らなかったのだが,思っていたよりも年上であった。ソ連崩壊時に10歳くらいなら,かなり記憶があろう。共産趣味に対する苦言は別の媒体で見覚えがある。単純にロシア人だからかなと思ったが,体験があるならそれは一言申さずにはいられまい。
→ 今は日本人男性とご結婚されていて,長女がもう5歳,育児と声優業を両立させていた。『ガルパン』は早いところ次の作品を出してクラーラの出番を……


・キャビアって本当においしいの? 宮崎の「国産キャビア」を食べて、社長に話を聞いたらめちゃ面白いことが発覚した(ソレドコ)
→ 私の地元の近く,愛知県豊根村でも2012年からチョウザメの養殖を進めていて,2018年以降には「チョウザメが村の人口を超えました」と宣伝されるようになった。そしてチョウザメ料理で観光を盛り上げようとしているのだが,キャビアの生産は今年2022年になってやっと始まったところであった。ひどく時間がかかったのは技術的に難しいのかなと思っていたところだったので,キャビアがとれるまでに約10年,完全養殖には約20年かかるというのを知って納得した。その10年ジャストでキャビアがとれただけ豊根村はがんばっていると言えるのかもしれない。完全養殖まではまだ10年かかる。
→ 豊根村の他にもいくつかの自治体でチョウザメの養殖を始めたというニュースをちらほら聞くようになっていて,2003年の岩手県がキャビア生産の最初というのはなんとなく不思議な感じはしない。ちょっと調べてみると日本全国の山間部でチョウザメが養殖されていて,遠くない未来にかなり競合しそうで怖い。  
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2022年08月08日

いつまで草ではなくwを引っ張れるだろうか

・いちフェミニストが温泉むすめに願うこと(増田)
→ 3記事に及ぶ大作の旅行記と,温泉むすめという企画への批評。私は温泉むすめがそこまで好きなコンテンツというわけではなくて,行った温泉地にポップがあれば写真を撮るか程度の付き合いではあるが,けっこう共感するところが大きい。結果的に無意味または逆効果な設定が削られて,こうした騒動の中ではそれなりに意味があった,良い地点に落ち着いた部類のものだったのではないかと思うところは同感である。
→ 自分も温泉巡りが以前からの趣味だったので温泉むすめは立ち上げからさほど時間の経っていない2017年4月頃から一応知っているが,目を離している隙にキャラがどんどん増えていて,一人一人の原画が違う割に急速に増やしているなという印象だった。似たようなところは初期のデレマスや艦これにもあったが,あれらと違うのは,デレマスは完全なオリキャラ,艦これは元ネタとキャラの距離がそれなりに遠いのに対して,温泉むすめは元ネタとの距離が近い。その割に不用意で運営の熱意が先行していると思うことは,コンテンツを横目で見ていて思った。そういう私自身でさえ,あの騒動で消えた30歳で見えなくなる設定等は知らなかったので,その辺の設定はさしてオタクを惹くこともなく,本当に可燃材料でしかなかったのだろう。
→ 温泉むすめは金と人手が足りなくて設定のセンス・アイデアの古い部分を改修できなかったまま展開だけが急拡大したのだろうと考えている。増田の気にしている「温泉と酒はセット」という発想はおっしゃる通りにその典型例で,飲兵衛のキャラがいてもよいが,それなら学生という設定との食い合わせは悪く,神様にしてしまえば解決というなら,今度はその温泉街で育ったという設定との食い合わせが悪い。その辺は練って,多様性ある視点から検討してからコンテンツを拡大させるべし,オタクでもその辺の古臭さが気にかかる人はいる……という教訓を残してくれたと思うので,後続のコンテンツには参考にしてほしい騒動だったとここでは結論付けたい。温泉むすめ自身,設定を修正して軌道修正を図っている感じはするので,長い目で見守りたいたところ。


・「うぽつ」が定着し始めたのは2011年、「草」が流行り出したのは2016年──約56億のコメントデータからニコニコ動画15年の歴史を振り返ってみた(ニコニコニュース)
→ 印象よりもwwwの衰退時期が最近だった。なお,自分はいまだもって草と略すのに抵抗してwを使っているが,別にそこまで強い矜持があるわけではなかったりする。あまりにもwを連打しにくいので,衰退にスマホの普及の影響はあると思う。ただ,スマホの普及はもっと以前から進んでおり,たとえば総務省の調査で言えば2013年時点でスマホ普及率が50%を割っているのは50代以上と12歳以下に限られる。この3・4年のタイムラグは「草」が発明され,普及するのにかかった時間ということだろうか。2021年にはその草がランク外になっているのも興味深い。逆にwwwが復活している。
→ 記事で不自然に触れられていないが,「!?」はガチムチ的なアレの影響だろう。本体は衰退したが定型コメントだけ残ったか。「ん?」も例のアレで生まれたものだと思う。一方でさっぱりわからないものもある。「bbaa」「hhgg」「mm」はググっても「ググってもわからなかった」というページしか出てこなかったので,皆考えることは同じらしい。


・BLACK LAGOON第12集刊行記念!キャラクター人気投票
→ 投票があったことを知らずに終わってから結果を見たのだが,結果が非常に面白い。普通に1位がレヴィかと思っていた。とはいえバラライカでも不思議ではなく,二人の差がわずか29票で,この二人で全体の40%ほどを占めているからいい勝負だったのだろう。3位にエダが来ているのは少し意外で,この並びならロベルタが来そうなイメージだった。エダさん人気あるんだな。あとは8位のルマジュールが意外と高かった。まだキャラがそんなに掘り下げられていないが,単純に見た目がめちゃくちゃかわいいのは大きいか。4位の張さんが男性に限れば1位なのはすこぶる納得で『BLACK LAGOON』のダンディズムを代表するキャラの面目躍如である。ダッチは張さんに票をとられたか,あと素性の胡散臭さが悪影響を及ぼしていると思われ,主要キャラにしては得票が少ない。ベニーも低いが,ベニーはまあ人気が出るキャラ造形ではないので……それにしても誰だっけ?というようなキャラに負けているのはちょっとかわいそう。  
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2022年08月06日

早稲田大・文学部&文化構想学部・世界史の入試問題で掲載された西洋美術作品リスト

<序>
大学受験では,大学・学部・日程ごとの傾向をつかむことが重要とされ,こと世界史においてそれは記号選択や論述の量といった出題形式と,出題される時代・地域・分野の偏りと解される。中世・近世ヨーロッパ史の出題が確実にある一橋大や,中国史の出題割合が高い名古屋大や立命館大などがその代表例であろう。その中で今回クローズアップするのは,早稲田大の文化構想学部・文学部では西洋美術史を扱った出題が必ず存在し,多くの作品の図版が掲載されるという点である。しかも,ほぼ必ず最後の大問にまとまって置かれているところまで定型で,これは極めて特徴的である。文化史の出題が多い傾向を持つ入試問題自体がさほど多くない中,さらに細分化された西洋美術史から必ず出題されるというのは類例を見ない。文学部に進む者は中国思想を志そうが社会学を志そうが西洋美術史は必ずたしなんでおくべしという強い意識が見られる。なお,例のモノクロで青磁・白磁を判別させる問題が出たことがあるように,東洋美術史の作品掲載も無いわけではないが,数年に一度程度であり,西洋美術史に比べると格段に出題頻度が劣る。早稲田大の文化構想学部・文学部の入試問題において西洋美術史は特権的な地位を占めている。

そこで,完全な興味本位で本稿は入試問題で掲載されている西洋美術史の作品をリストアップしてみることにした。注意点として,本稿は実際の問題を分析しているわけではない。たとえば2022年の入試問題では《ヴィーナスの誕生》の作品名が問われているが,これはボッティチェッリという作者名のみがヒントで,《ヴィーナスの誕生》の図版は掲載されていない。本稿ではこうした文字のみの出題をカウントしていない。こういうのまでカウントして「〇〇が出やすい!」という分析をするのは高校教員や予備校講師の皆様の仕事なのでそちらに譲りたく,本稿の目的ではない。また,受験生が本リストを暗記するのは推奨しない。たとえば,このリストにはテオドール=ルソーやプッサンの名前が登場するが,これらは直接出題されたわけではなく,関連して別の画家や様式が問われている。つまり,彼らを知らなくても解答に支障がない。とはいえ,掲載されている作品の時代・地域・様式に関連した出題が多く,明確な相関関係があるので,本リストが受験対策として役立たないわけではない。大雑把な傾向をつかむことはできよう。


<調査対象とリスト>
調査期間について。早稲田大学の文学部系統は長く第一文学部と第二文学部であったが,実はどちらも地歴で受験ができなかった。2003年に第一文学部で小論文に代わって世界史または日本史が課せられるようになった。また2007年に組織改編があって第二文学部が廃止となり,文学部と文化構想学部の二学部体制となって,どちらの学部も世界史または日本史が必須となった。このため調査範囲は2003年以降の(第一)文学部と,2007年以降の文化構想学部になる。したがって全20年間・36日程分である。直近5年以内の掲載のものは赤色,第一文学部時代の掲載は緑色,残った2007-17年の掲載は黒色とした。例によって,livedoorブログの設定の都合でExcelの表を直接貼り付けられないので,文字データがほしい人のために,はてなブログの方にもリストを貼っておく。様式分類などは半ば便宜上そうした画家もいるので,「なんでマネが印象派なんだよぶっ◯すぞ」というような文句はご容赦いただきたい。それも含めて趣味的なまとめである点はご理解いただけると幸いである。良い絵がいっぱい載ってるなーという感じで読んでほしい。

以下のリストを見てもらえばわかる通り,緑色がほとんどなく,つまり第一文学部時代は作品を掲載する傾向は無く,文学部・文化構想学部体制になってから生まれたということがわかる。また,赤字になっている作品が多いことから推測できるように,実は作品を大量に掲載するようになったのは2017年度以降である。最後の大問で西洋美術史の作品を載せる伝統自体は15年ほどの伝統があるものの,直近6年ほどで傾向が少し強まったと言えるかもしれない。

早大・文学部・西洋美術史作品リスト1


早大・文学部・西洋美術史作品リスト2


<分析と感想>
ぱっと見でイタリア=ルネサンス・17世紀オランダ美術・印象派・キュビスムの4つが圧倒して多い。このうちキュビスム以外は教科書上の扱いも比較的大きく,他大学でも出るから不思議ではないが,キュビスムは完全に「傾向」と言える。この4つの中でも印象派作品の掲載は目立ち,ポスト印象派も含めると36日程で21枚の掲載で,特に直近5年は文学部か文化構想学部のどちらかで必ず(ポスト)印象派が掲載されている。適当な(ポスト)印象派の絵画が見たければ,文学部・文化構想学部の問題冊子の最後のページを開けばよさそうだ。

画家別に言えば,最多はマネの8枚,次点がピカソとミケランジェロの6枚である。ビザンツ様式から6枚掲載されているのもかなり多い。作品別で見ると3枚が最高で複数の作品が該当する。6枚掲載のミケランジェロが《アダムの創造》と《ダヴィデ像》に偏っていることに注目に値する。教科書的によく載っているのは《最後の審判》であるが,易しすぎるから避けられているのだろうか。同様にピカソも教科書的には《ゲルニカ》しか習わないが,4作品掲載と散っている。これも《ゲルニカ》は易しすぎるという判断だろうか。

8枚登場のマネは《笛を吹く少年》が3枚とやや多いのが面白い。もちろん《笛を吹く少年》もマネの代表作であるが,美術史上でより重要なのは《草上の昼食》と《オランピア》である。まあ,マネの場合は以前論じたような状況であるので,美術史上の重要性に比してどの作品も大して教科書や資料集に載っていないから,何を載せても大差は無いのだが……それにしても,《モニエ通りの舗装工事》のようなマイナーな作品を用いているのは相当に出題者のこだわりが現れている。実際の入試問題を解いてみると《モニエ通りの舗装工事》はパリ市大改造を行ったセーヌ県知事「オスマン」を問うための素材で,実際の出題は西洋美術史に全くかかわっていないから,本当に載せたかっただけなのではと思う。(なお,作問者と思しき方が『CE建設業界』という日本土木工業協会の機関誌の連載記事で《モニエ通りの舗装工事》を取り上げていたのを見つけたので,かなり強い思い入れがありそう。)

逆に明らかに少ないのが18世紀末から19世紀半ばの美術,新古典主義・ロマン主義・写実主義・自然主義あたりである。私もリストアップしてみて,ダヴィド・アングル・クールベが36日程で各1枚しか掲載されていなかったことに驚いた。写実主義・自然主義は印象派からすると隣接する様式であるから,余計に少なさが目立つ。

美術史学やそれに類する研究室にいる教員の専門分野は,早稲田大のホームページを見ればわかる。彼らの専門分野を総合すると,ビザンツ美術,ロマネスク美術〜バロック期のイタリア美術,印象派〜20世紀美術というところになる。ここから考えるとイタリア=ルネサンス,印象派,キュビスムの掲載が多いのは当然で,ビザンツ様式が多いのも納得がいく。一方, 17世紀オランダ美術の掲載が多いのは教員の専門分野と全く重ならない面白い現象である。美術史上の重要性から言えば別におかしくはないとはいえ,その理屈だと新古典主義〜自然主義が少ない理由に説明がつかない。教員のどなたかが「専門分野ではないけど大好き」だったりするのだろうか。

最後に,その他に個別に興味深い作品を取り上げておく。まず,古代ギリシアの《エルギン=マーブル》。これは2022年に出題され,例の企画で難問に分類した。この他に,教科書・資料集にあまり載っていない作品を直接出題したために難問判定が下されたのはベラスケスの《ブレダの開城》で,2012年の出題。これは作品を知らないとベラスケスかルーベンスかの判断は不可能だろう。とはいえ作品がマイナーすぎて難問になったのはこれらと後述するコルビュジェの合わせて3つだけで,この特徴的な西洋美術史の出題からの難問は比較的少ないと言える。アンドレイ=ルブリョフは15世紀前半に活躍したロシアの代表的なイコン画家であるが,タルコフスキーが映画化したことの方が有名かもしれない。

ユディト=レイステルは17世紀のオランダで活躍した女性画家で,2022年の問題に登場した。この年の文化構想学部のこの大問のテーマが女性画家であったためで,ヴィジェ・ルブランとベルト=モリゾも同様に2022年である。この大問は解いていて面白かったので,またこういう出題を期待したい。なお,ユディト=レイステルの作品は2018年の上野の森美術館のフェルメール展で来日しているので,本ブログの読者でも見たことがある人が意外と多いのではないか。ロマン主義の掲載が少ないのは前述の通りだが,にもかかわらずカスパー=ダーヴィト=フリードリヒが出ているのはちょっと嬉しい。2021年の文化構想学部の掲載で,出題は「この画家は文学史上のハイネと同じ様式に分類されている」というヒント付でロマン主義を問うものであった。言うまでもなくフリードリヒ単体では範囲外なので,詩人ハイネのヒントがなければ難問であった。《雲海を見下ろす散策者(雲海の上の旅人)》は『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』のパッケージ絵のアレ。

ディエゴ=リベラはメキシコ壁画運動の画家で,受験世界史ではシケイロスの方が見るから非常に珍しい。メキシコ壁画運動は以前は範囲外だったのだが,慶應大があまりにもシケイロスを出題したために教科書に掲載されるようになり,範囲内になってしまった。このディエゴ=リベラが出題された時も「ディエゴ=リベラやシケイロスが壁画運動を展開した国はどこか」という出題であった。岡本太郎が2018年の文学部,ディエゴ=リベラが2019年の文化構想学部の掲載なので,この2年間は早稲田大の一部で局所的なメキシコ壁画運動ブームだったのだろう。コルビュジェは2017年の出題で,2016年に国立西洋美術館が世界遺産になったことを受けての時事問題である。厳密に言えば範囲外だと思われるが,時事ネタだからセーフにするかどうか悩み,結局収録にしたという経緯があったのを覚えている。正答率がどの程度だったかは今でも気になっている。  
Posted by dg_law at 21:31Comments(2)

2022年08月03日

ニコ動の動画紹介 2021.12月下旬〜2022.2月上旬





最近このシリーズでしかリムワの実況を見ていないのだけども,リムワもどんどん要素が増えて複雑になっているような。それでもシステムの穴を突き続ける側もすごいのだけども。



ピロ彦氏による,2021年冬のRTAinJapanで披露された,わずか30秒でドラクエ3をクリアしたチャート。ファミべで「カセットを抜いてもCPUが動作し続ける」指示を出す方法が革命的。



ひっしー氏による,ピロ彦氏のチャートをツインファミコンを使ってさらに早くしたもの。





民安ともえさんの歌ってみた。ニコニコにこんな凝った動画を投稿してたんだなぁ。



なぜかネオエクスデスが納得の行く造形に。このグランドクロスはずんだが飛んできそう。



マチカネタンホイザのMMD。かわいい。




市川氏。一人放クラ。



メカP。上半期20選選出。まさかこのネタが2年も引っ張られると思わなかったんよ。



十六夜カズヤP。伝統芸能。にしてもこのパジャマはセクシーすぎるので……  
Posted by dg_law at 12:00Comments(0)