2005年07月01日

グノーシスから見たドラクエ7

グノーシスの一例として、ドラクエ7について考察してみよう。
(以下激しくネタばれ)

グノーシス派のうちキリスト教の異端派は,以下のような思想を持っていた。
・エデンの園を作ったり,大洪水を起こしたり,バベルの塔を破壊した神様(要はヤハウェ)は偽者
・エデンの園は偽の楽園,無知な人間をだますためのもの
・知恵の実を食べたのは,真実へ近づこうとしたため。エデン追放は偽神がそれを妨げようとしたため。
・真の神は知恵の実という手助けはしたが,人間同士が切磋琢磨し真実に近づくことを望んでいるため,これ以上現実世界に影響を及ぼさないだろう。
そしてその偽者の神のことを「デーミウルゴス」(Demiurrugos)という。

ここで,ドラクエ7のストーリーを思い返してもらいたい。
・エデンの園創造:石版分割(人間に魔王という存在を知られないため。石版の封印を全て解かなければ最後の石版の封印が解除できない)
・大洪水:グラコス
・バベルの塔:ダークパレス(飛空石でしか侵入できない,各国の首長が「偽」神に会うために参列するための建造物)
他いろいろ類似点がある。

グノーシス派とは,「人類は単なる神の被創造物ではなく,神性が潜んでいる。人間はそのことを認識(=グノーシス)しなければならず,そうすることで真の神による救済の日は近くなる」と考えている,キリスト教の異端派。
言うまでもなく,ドラクエの世界はキリスト教の世界であり,グノーシス的世界観をそのままゲームに持ってきたのは興味深い。

そしてラテン語に,次の単語がある。

arrogans(オロガーンス)…傲慢な。不遜な。転じて,神を超えた存在になろうとした堕天使ルシファーの別称。Arrogo(オルゴ,意味は「そばに置く」)が語源。

整理してみよう。
・ルシファーは性別を自由に選ぶことができた
→ オルゴデミーラの第一形態がオカマだったのにはこういう伏線がある。

・サタンは蛇の形態をしている。これは蛇がアダムとイブに知恵の実を授けた罰として足を奪われたことを使った,悪魔王なりの皮肉。
→ ゆえに最終形態は足が無い。

・悪魔王サタン=ルシファーとしている宗派は多い
・ルシファーの追放理由は7大罪の一つ「傲慢」=オルゴ。


以上から
・前半の「オルゴ」は傲慢を意味し,ルシファーの別称。すなわち,悪魔王サタンを示す。
・後半の「デミーラ」はグノーシス派の「デーミウルゴス」から。
・そのままとも考えうるが,一応発展的仮説。デーミウルゴス(Demiurrugos)をアナグラムするとオルゴデミルス(Orgodemirus)。これをラテン語式に女性格変化主格に戻せばOrgodemira,すなわちオルゴデミーラ。(なぜ女性形かは不明。中性なら納得いったんだが…ちなみに中性だとOrgodemirumになる)
を導ける。また,この観点から物語全体を考察してみると

・知恵の実=石版。禁忌を破ることで真実に近づく。
・主人公の救世主自覚。メシア。キリスト。
・キリストがマリア,ヨゼフと血がつながっていないように,主人公も両親(ボルカノ・マーレ)と血がつながっていない。
・両親の名前。ボルカノ(=volcano,英語他で火山の意),マーレ(=mare。ラテン語で海の意)。
・主人公たちを導いたのは水の精霊。水の天使ガブリエルはマリアに受胎告知をした天使。これも重なる。四天使=四大精霊?
・総合すると,主人公=アダム+キリスト。
・今作の売り文句が「人は誰かになれる」。すなわち,グノーシス派の標榜する「アイデンティティの認識」と合致。

がいえるだろう。気になった人は,ドラクエ7を再プレイしてみるといいかもしれない。
この記事へのコメント
キーファオルゴデミーラ説を調べててたどり着きました。
面白かったです!
主人公キリスト+アダム説も面白い
Posted by ゼフィー at 2022年10月18日 11:26