2005年07月12日

ちなみに自分は魏延使い

英語1で気が滅入ってる人も多いだろうと思うので、今日はゲームについて語ろうと思う。今日のネタは三国無双シリーズである。

自分はこのシリーズがとても好きだった。真三国無双1はPS2の限界に挑んだ意欲作だった。発売当時は、あの大群衆の中武将一人で切り込んでいくのが爽快だった。敵武将のHP回復システムがやや悪かったのが、ものすごくネックだったが、それ以外には致命的な欠点もなく、新作にありがちなボリュームが少なすぎるとか登場キャラが少ないだとか、そういった文句を除けば、不思議なくらい文句の少ない革新的な作品だった。

真三国無双2は、本当に不朽の名作だと思う。1のいいところを残したまま、武器システムを取り入れ、登場人数を倍近くまで増やし、ステージ数も3倍以上に増えた。敵武将のHP回復システムも改善され、すばらしいゲームバランスになった。過度ではない萌えも、ゲームのリアリティを崩さない程度でよかったと思う。(個人的には無くても良かったが)

ではなぜ過去形かというと、2の猛将伝あたりから様子がおかしくなった。まず、最強ではあるにしろ、けしてメインではないはずの呂布の台頭。あいつは確かに三国志最強だが、あんなにかっこよくないはずだ。加えて、過度の萌え混入。この二つが決定的にリアリティを欠如させた。何より自分をがっくりさせたのは、ゲームバランスの崩壊。いや、この言い方は語弊があるか。呂布が弱くなった。

呂布が呂布たる由縁は、相当鍛え上げた武将であっても倒せないから呂布なのである。初期値ならばもう逃げるしかない。ところがこの作品あたりから、他の武将よりは少々強いくらい、張飛や関羽一人分くらいの強さになってしまった。虎牢関の三騎討ちはなんだったんだろう。もはや鬼神とは呼べない。


3は、なんだか方向性を見失ってる気がする。2で取り入れて好評だった部分を発展させた結果、1から2に受け継がれた良さが消えてしまった。まず、マップが全体的に小さくなって、爽快感が薄れた。武器が十段階になって、武将の成長よりも武器の収集のほうが重要になった。隠し武器を増やしすぎて、史実と脈絡の無いイベントから隠し武器が出現するようになって、ますますリアリティが薄れた。

さらに女性キャラが追加。加えてマイナーキャラの追加。実際戦場に出ていかったり、史書にどんな武器を使ったか残ってないから想像の範囲と言えば聞こえはいいが、これまたあまりにも三国志と脈絡の無い武器やら衣装多すぎ。個人的には張コウや大喬のように、ネタキャラは各勢力1〜2人くらいがちょうど良かった。

この後に三国無双Empiresという、正規の三国志シリーズと三国無双を合体させたような作品が出てきたが、「だったら正規シリーズをやれよ」という気持ちがしてやってない。実際戦闘バランスが激しく悪く、評判があまりよくないと聞いた。4は話を聞く限り2と3の中間のようなゲームで、やや無双らしさを取り戻したらしいが買っていないのでわからない。というか3のせいでもはや買う気が起きなかった。


視点を変えて戦国無双。これは別物と考えたほうがいいだろう。無双としてみるなら失格である。「多対多」でときどき一騎打ちなったりするからおもしろかったわけで、ずっと「一対多」「一対一」の場面が多すぎる。大体城攻めの時は自分しかいないとかありえない。任務がうざくて爽快感に欠ける。

ただ、ゲームとしてみるなら十分おもしろい。まず、どんなにありえない格好でもなんだか許せる。現実にも慶次みたいなありえない奴がいたから納得できてしまうのだろう。まだキャラ数が少ないせいもあってか、隠し武器の由来も納得できる。日本神話由来でそろえたところもおもしろかった(阿国の隠し武器が木乃花咲耶由来とか笑った)。特に、任務を遂行することで時間軸が進んでいくシステムも、無双として考えなければ目新しくて面白いと思う。だからやっぱりこれは別のシリーズと考えたほうがいいだろう。

以上語ったように、無双は路線を間違えたと思う。このまま進んでいくなら、「戦国無双2」は買うかもしれないが、他の場合はおそらくもう買わないだろう。できるなら、シリアス路線で次は出して欲しいものである。

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