2005年11月13日
真珠の耳飾りの少女
絵じゃなくて映画のほう。
感想だが、映画としては微妙。無用な描写が多かった。自分が理解できてないだけなのかもしれないが、伏線なのかなと思ってみていると全然関係なかったり。そもそも少女の恋人役として精肉店の跡取り息子が出てくるのだが、こいつの存在理由がよくわからない。確かにラストでちょっと出番が必要なわけだが、恋人である必然性を感じない。少女の聖性を表現したいなら、むしろ逆効果だった。
だがほめるべき点もけっこうある。まず絵画一枚、それもこのような名画からこれだけのストーリーを想像し映画にしたという試み自体に賞賛したい。これは歴史物全体に言えることだが、記録に残っているデータや伝承に残っているその人の性格や容姿に反しないという鉄則さえ守れば、あとはどんな妄想でも繰り広げて構わないと思う。その意味でこの映画は非常に正しい。フェルメールの像を崩さず、少女以外の登場人物は実在の人物を使い、かつ想像のぎりぎりの範囲で物語を仕上げている。
もう一つは、芸術家としてのフェルメールの描き方。多分この監督さんは、芸術家の像に何か確かなビジョンを持っているんだと思う。芸術を解する者への温かさ、芸術以外のものごとへの無関心さ、それでいて機械にはなりきれない人間臭さ。ここまできちんと描けているのは見事だと思った。
絵に興味があれば、どうぞ、という程度。
感想だが、映画としては微妙。無用な描写が多かった。自分が理解できてないだけなのかもしれないが、伏線なのかなと思ってみていると全然関係なかったり。そもそも少女の恋人役として精肉店の跡取り息子が出てくるのだが、こいつの存在理由がよくわからない。確かにラストでちょっと出番が必要なわけだが、恋人である必然性を感じない。少女の聖性を表現したいなら、むしろ逆効果だった。
だがほめるべき点もけっこうある。まず絵画一枚、それもこのような名画からこれだけのストーリーを想像し映画にしたという試み自体に賞賛したい。これは歴史物全体に言えることだが、記録に残っているデータや伝承に残っているその人の性格や容姿に反しないという鉄則さえ守れば、あとはどんな妄想でも繰り広げて構わないと思う。その意味でこの映画は非常に正しい。フェルメールの像を崩さず、少女以外の登場人物は実在の人物を使い、かつ想像のぎりぎりの範囲で物語を仕上げている。
もう一つは、芸術家としてのフェルメールの描き方。多分この監督さんは、芸術家の像に何か確かなビジョンを持っているんだと思う。芸術を解する者への温かさ、芸術以外のものごとへの無関心さ、それでいて機械にはなりきれない人間臭さ。ここまできちんと描けているのは見事だと思った。
絵に興味があれば、どうぞ、という程度。
Posted by dg_law at 23:28│Comments(0)│