2006年03月11日

チャレンジ・ザ・東大入試(2)

二日目の午前、社会。

日本史
大問1:古代、奈良時代。東大の大好きな律令制度から。日本の律令制は氏姓制度との混ざり物だったことから、藤原氏的なもの=律令制度、大伴氏的なもの=氏姓制度くらいかけておけば、6割くらいの点数は来るんじゃなかろうか。もっとも奈良時代の藤原氏が律令官人として、能力の高さから出世したとはとても思えないし、あの史料から読みとれるとはまったく思えないのだが、自分だけか?

大問2:中世、平安末期。ごく普通。これは受験生なら解いておけ。

大問3:近世、琉球。すごく珍しい、超良問。なんだよ、こういう問題作れるんじゃん。冊封体制と列強の重圧にさいなまれる、19世紀中国周辺の衛星国特有の悩みを理解できるかどうか。日本は東アジアで唯一冊封体制の外側にいた国なので、日本という枠組で問題を考えても答えは出てこない。15〜19世紀の300年に、世界はどう動いたのか。事実上、世界史履修済みであることが条件の問題、社会が二科目受験の東大だからこそ出題できる問題だ。難易度は非常に高いが、これが解けてこそ地歴のエキスパートだと思う。

大問4:近代、鉄道。Aはマニアックな問題、1906年鉄道国有化を知ってないとどうしようもない。Bも同様。松方(デフレ)財政という言葉が出てくるかどうか。Cも非常に難しい。大戦景気にはすぐ気づくだろうが、原内閣のやったことなんてもう覚えてない。四大綱領を書けた受験生が何人いたか、興味深い。

今年はちょっと改心したのか、それとも日本史学の底点が西洋史に近年勝ったことない状態を改善したいのか、大問2と3は良問だった。つまらない。良問にはなったけれど、相変わらず世界史、地理に比べると解く気力をなくす難易度。それでもいい方向に向かってるんじゃないか。


地理:相変わらずあんまり難しくないが、難化したことは確か。特に大問3の日本の産業構造はけっこう解きづらかったのではないだろうか。


世界史
大問1:大論述。大雑把に言って,主権国家体制と勢力均衡から集団安全保障体制へ。毎度言っているが、相変わらず答えの要約が問題文に載っている。あれを膨らませれば、それが答えになる。今回は時代さえも特定されているので尚更。
大問2:小論述、インド洋貿易について。こういった問題はばらばらに考えるのではなく、連問として考えるのが鉄則。この場合は三問とも国際関係に重点を置いている。(1)の政治的側面とは、言うまでも無くガズナ朝とゴール朝。文化的側面はスーフィズムだ。スーフィズムのようにわかりやすいものが、異文化には受けるのである。(2)は英仏百年戦争について。基本的には事実の列挙でいい。ベンガルが争いの中心だったことを留意。(3)は4行でまとめるのがやや難。書ける内容が多すぎて、取捨選択に困ることだろう。イギリスを軸にするとまとめやすいと思う。具体的には、英仏の対立から英露の対立へ。3Bと3C政策の対立を経てWW1後エジプト独立。そしてナセルのスエズ運河国有化宣言からとうとうイギリスは影響力を失う。

大問3:単語。アッシリアの首都ニネヴェとその位置をいきなり聞くとは、受験生をびびらせようとする魂胆が見え見えだ。でもちょっとマニアックすぎないか?あとは大したものは無いと思う。管理人は全問わかった。


まだ世界史は二次も満点を狙えそうだ。良問がそろっていい感じ。やたらと国際関係にこだわった設問が多かった気はする。


この記事へのトラックバックURL