2006年07月06日

EU2総括

EU2とVicを比べた場合、様々な違いがあった。この違いというのがいかにも近代と前近代の違いといった感じで、考えてみるとおもしろい。

一番違うのは間違いなく内政面。Vicは超忙しいが、EU2は悲しくなるほど暇。Vicはゲーム時間が85年だが(パッチで105年になる模様)、EU2は実に400年。ゲーム速度が4倍になるくらいのほうがいいのかもしれない。

地域差も全然違う。Vicは基本的に北米・ヨーロッパ最強。アジアは物量こそすごいものの、技術力の差でおいつけない(日本例外)。南米はヨーロッパの次に楽。重要物資と人口に欠けるが、とりあえず文明化してるだけマシ。アフリカは語るまでも無い最弱さだった。EU2では打って変わって、ヨーロッパは技術発展著しいものの無駄な戦争過多で富国強兵している暇が無い。一方アジアは平和な上にVicほどの技術格差も無いので非常に楽。中国かムガールなら世界統一を目指してもいいだろう。逆にVicでは楽な南北アメリカは完全に開拓地で、そもそも国が無い。あってもインカ帝国とか、戦争には全く向かない。

政体の違いもおもしろい。Vicでは君主が交代してもせいぜい国威が上昇するだけで政治に影響は無く、むしろ重要なのは与党政党である。与党によって大きく税率や内政改革のできる幅に制限を食らう。EU2ではまず政党という概念が無い。君主の能力が政治の全てで、暗愚な君主を輩出すると冗談抜きで一代で国が傾く。

外交もそれに伴って大きく異なる。Vicでは政体による。絶対君主は大きな制限をもらうし、共和政は関係改善や同盟締結にボーナスがつく。EU2では外交を左右するのは政体ではなく、むしろ宗教である。プロテスタントとカトリックでは同盟が難しいなど、自由な外交にはかなり弊害が出る。宗教って何それおいしいの?というVicとは大きな違いだ。

またVicでは外交の基本が技術交換、土地交換、軍事同盟の締結にあるのに対し、EU2では婚姻政策と相手国の平和的併合が基本。主権国家体制の成立による違いだろう。技術格差が国力に直結するようになったというのも、Vic時代の特徴かもしれない。


そして注目したいのは、スタックペナルティ(軍隊待機時における損傷)。Vicでは南米の奥地やサハラ砂漠のど真ん中、ロシアの冬将軍でも無い限り、兵数は減っていかない。自国の民族の兵士を使っている限りも逃亡兵は出ない。逆にEU2はこの点で相当悲惨である。ヨーロッパのど真ん中といえど、ある一定人数を越える兵士を領邦におくとどんどん減っていく。たとえば15世紀のザクセンでは、4万人を超えて兵士を置くともう損耗していく。そして戦争が始まるとすぐに逃亡兵が出るため、信頼できる兵士など全くいない。

ただし、EU2でも陸軍技術開発を推し進めていくと19世紀に入る頃には軍隊アイコンが変わり、Vicのような軍隊に生まれ変わる。目に見えて時代が進んだのがわかりこれが嬉しい。しかも超強い。


以上のように比較という形でEU2を振り返ってみた。時代の違いがゲームシステムによく現れていておもしろかったと思う。しかしやはり時代そのもののインパクトとして、Vicのおもしろさには勝てない。はまるかと言われたら、戦争だらけですぐに飽きそうな気もするし。

それならそれでEU2のデータをVicにコンバートして続行できないものかと思うのがプレイヤー魂という奴で、なんとそういうツールが配布されていたりする。現在、ザクセンプレイデータのコンバートに成功。夏休みになったらVicも完走するつもりである。

この記事へのトラックバックURL