2006年09月21日
第75回「また・荒巻の世界史見取り図」荒巻豊志著 東進ブックス・株式会社ナガセ
年甲斐も無くおもしろそうだから買ってしまった参考書。5巻構成らしいので、これが4冊目ということはあと1冊出ることになる。このシリーズの特徴はまず、ウォーラースティンの「近代世界システム論」に基づいた世界史解釈をし、それを高校生レベルに下げて解説していること。故に切り口が鋭くそれでいてわかりやすい。そして地図を大事にする。地理感覚なくして世界史は語れない。
1巻は前近代ヨーロッパ史、2巻は近代ヨーロッパ史。3巻はなぜか近現代アジア史ときて、この4巻は前近代アジア史である。なぜ3巻と4巻が入れ替わってしまったのか?それは著者自身「今までそれほど難しいと思ってなかった分野だったけど、参考書を書いてみて覚える単語量の多さに驚いた」と後書きで述べているように、前近代アジア史とはやたら覚える単語だけが多くて世界史概観的には大して重要ではない。ゆえに受験生には嫌われ、加えて論述にはめったに出ないというジレンマがある。
そんな中で、この本はがんばったほうだと思う。洪水のような、単答にしか出ないような単語群の中、なるべく世界システム論に関連付けて語り、世界史をおもしろく演出しようとしている努力が随所に見られる。しかしすでに受験が終わった自分が読む分にはこういった気楽な感想でいいが、受験生としてはやや読みづらい本に仕上がっているかもしれない。がんばって5巻も早く出して、完結させてほしい。
荒巻のまた世界史の見取り図―大学受験世界史 (前近代アジア編)
1巻は前近代ヨーロッパ史、2巻は近代ヨーロッパ史。3巻はなぜか近現代アジア史ときて、この4巻は前近代アジア史である。なぜ3巻と4巻が入れ替わってしまったのか?それは著者自身「今までそれほど難しいと思ってなかった分野だったけど、参考書を書いてみて覚える単語量の多さに驚いた」と後書きで述べているように、前近代アジア史とはやたら覚える単語だけが多くて世界史概観的には大して重要ではない。ゆえに受験生には嫌われ、加えて論述にはめったに出ないというジレンマがある。
そんな中で、この本はがんばったほうだと思う。洪水のような、単答にしか出ないような単語群の中、なるべく世界システム論に関連付けて語り、世界史をおもしろく演出しようとしている努力が随所に見られる。しかしすでに受験が終わった自分が読む分にはこういった気楽な感想でいいが、受験生としてはやや読みづらい本に仕上がっているかもしれない。がんばって5巻も早く出して、完結させてほしい。
荒巻のまた世界史の見取り図―大学受験世界史 (前近代アジア編)
Posted by dg_law at 14:56│Comments(0)│