2006年12月14日
第88回「中国の美術」古田真一・山名伸生・木島史雄編 昭和堂
3年の前期に中国水墨画の授業をとるもさっぱりわからず、てこ入れのために買った本。装丁がいかにも「興味はあるけど前提知識のあまり無い人」向けであることを示していたので、著者は知らない人ばかりだが信頼して購入した。
内容は多岐に渡り、水墨画や墨蹟だけでなく陶磁器など幅広く扱っており、広範な入門書といえる。著者が複数の本にありがちな特徴の難易度にかなりのばらつきがあるというのが最大の難点。形式などもばらばらでなんらかの統一をとってほしかった。まあ自分にとっては、一番知りたかった水墨画関連がちょうど良い難易度だったのでたいして困ることはなかった。
逆に最大の美点はどこかというと、きちんと中国美術の見方の基礎を書いているところであり、単なる作品紹介、美術史のおさらいで終わらなかったところだ。こういう部分が、さっぱりわからないけど興味はあるという人にはありがたい。特に墨蹟の見方について具体的に書かれていたところがすばらしい。おそらく著者自身が、この分野のとっつきにくさを自覚しているから、書けたのだろう。
ページ数は230程度で字も大きいが、本自体も大きいうえに情報量としてはぎゅうぎゅうにつまっているので、一周読んだだけでは覚え切れなかった。何周か読むのが、この本の正しい読み方だろう。索引や参考資料が詳しいのもありがたい。また、それなりに美術史的な読み方や中国史の知識は必要なので、まったくまっさらな人はもっと簡単な本をお勧めする。
中国の美術―見かた・考えかた
内容は多岐に渡り、水墨画や墨蹟だけでなく陶磁器など幅広く扱っており、広範な入門書といえる。著者が複数の本にありがちな特徴の難易度にかなりのばらつきがあるというのが最大の難点。形式などもばらばらでなんらかの統一をとってほしかった。まあ自分にとっては、一番知りたかった水墨画関連がちょうど良い難易度だったのでたいして困ることはなかった。
逆に最大の美点はどこかというと、きちんと中国美術の見方の基礎を書いているところであり、単なる作品紹介、美術史のおさらいで終わらなかったところだ。こういう部分が、さっぱりわからないけど興味はあるという人にはありがたい。特に墨蹟の見方について具体的に書かれていたところがすばらしい。おそらく著者自身が、この分野のとっつきにくさを自覚しているから、書けたのだろう。
ページ数は230程度で字も大きいが、本自体も大きいうえに情報量としてはぎゅうぎゅうにつまっているので、一周読んだだけでは覚え切れなかった。何周か読むのが、この本の正しい読み方だろう。索引や参考資料が詳しいのもありがたい。また、それなりに美術史的な読み方や中国史の知識は必要なので、まったくまっさらな人はもっと簡単な本をお勧めする。

Posted by dg_law at 03:45│Comments(0)│