2007年05月29日
六本木トライアングル(2)
そしてもう一つ見てきたのが、新国立美術館展のモネ展。これに関しては興味と値段のつりあいから言って正直行こうかどうか迷っていたのだが、母が金を出すなら行こうということで。
中はあからさまな水増し用の現代芸術を除けば予想通りだった。その現代芸術はマーク・ロスコやイヴ・クラインのような系統のもので、一応モネの影響を受けて描かれたものだから置いたらしいのだが、そんなことを言えばそういった現代芸術家で印象派の影響の薄いものなんてまずいないと思うのだが。
今回の個人的な最大の収穫は、普段あまり見ることの無い印象派にたどり着く前の「自然主義画家」モネである。1874年《印象 −日の出》がやはり一つの出発点であり、このとき彼は34歳だった。20代の彼の絵を見ると完全な自然主義の画家であって、これをコローとか言われたら俺きっとだまされる。30代の前半くらいになってくるとなんか部分的に筆触分割が始まっていて、進化の様子が伺えておもしろかった。
その流れは彼の生涯続くのか、晩年の彼の絵はかなり抽象化が進んでいて「これは………かろうじて睡蓮………?」という感じの絵が多い。「西洋美術史の歴史は具象から抽象への歴史であるという見方もできる」というのは誰だったかの有名な言葉だが、モネの画家にしてはやたらと長命だった人生は、まさに美術史の王道をひたはしるものだったのかもしれない。
サントリー美術館は新装開店の直後だというのにスカスカだったのに対し、国立新美術館はいまだに死ぬほど混んでいた。間違いなくダヴィンチより混んでた。とりあえず、お前らモネを見るのもいいけどたまにはロシア国立美術館展のことも……思い出してあげてください……
中はあからさまな水増し用の現代芸術を除けば予想通りだった。その現代芸術はマーク・ロスコやイヴ・クラインのような系統のもので、一応モネの影響を受けて描かれたものだから置いたらしいのだが、そんなことを言えばそういった現代芸術家で印象派の影響の薄いものなんてまずいないと思うのだが。
今回の個人的な最大の収穫は、普段あまり見ることの無い印象派にたどり着く前の「自然主義画家」モネである。1874年《印象 −日の出》がやはり一つの出発点であり、このとき彼は34歳だった。20代の彼の絵を見ると完全な自然主義の画家であって、これをコローとか言われたら俺きっとだまされる。30代の前半くらいになってくるとなんか部分的に筆触分割が始まっていて、進化の様子が伺えておもしろかった。
その流れは彼の生涯続くのか、晩年の彼の絵はかなり抽象化が進んでいて「これは………かろうじて睡蓮………?」という感じの絵が多い。「西洋美術史の歴史は具象から抽象への歴史であるという見方もできる」というのは誰だったかの有名な言葉だが、モネの画家にしてはやたらと長命だった人生は、まさに美術史の王道をひたはしるものだったのかもしれない。
サントリー美術館は新装開店の直後だというのにスカスカだったのに対し、国立新美術館はいまだに死ぬほど混んでいた。間違いなくダヴィンチより混んでた。とりあえず、お前らモネを見るのもいいけどたまにはロシア国立美術館展のことも……思い出してあげてください……
Posted by dg_law at 12:00│Comments(0)│