2007年09月13日

第113回「フリードリヒ【氷海】」ペーター・ラウトマン著、長谷川美子訳、三元社

あまり専門書をこのリストに載せることはしないつもりだったが、何かの間違いでフリードリヒに興味を持った人のためにこれは載せておく。卒論を書くならまずはモノグラフを3冊ほど読め、と言われ手を着けた一冊目の本。と言ってもモノグラフと言えるほど伝記の体裁はとっておらず、C・D・フリードリヒの代表作の一つ《氷海》について、美術史の基本的な作業の結果が書かれている。

《氷海》をどう分析しているかというと、ある特定の分野による攻め方ではなくて、非常に多岐に渡る戦い方をしている。単純に氷の図像が持つ意味から迫ってみたり、フリードリヒの持っている政治的状況に触れてみたり、フリードリヒの触れていた自然科学の知識から切り込んでみたり、といった感じだ。ゆえに、一冊目に読んだものとしては次へのステップになりやすくておもしろかった。

訳者解説も詳しく、最初の一冊としてはかなり良いものを読んだように思う。参考文献や画像も充実していた。そもそもフリードリヒを扱った本は日本語では少ないので、今後も紹介していく所存。



フリードリヒ『氷海』―死を通過して、新しい生命へ


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この記事へのコメント
色々ぐぐってたらこんなサイトを。一応直リンは避けます。
ttp://art.pro.tok2.com/F/Friedrich/Friedrich.htm
色々拝見したのですが、私も好きになれそうです。
「雪の中の修道院の墓地 Cloister Cemetery in the Snow」
が個人的にツボりました。
どこのブラックメタルバンドのカヴァーですか、みたいな絵ですが
これが焼失済みなのは哀しすぎる……
Posted by 紅茶 at 2007年09月13日 18:55
ドリアンですか。そこも画像が多くて便利です。
サルヴァにないときなんかはよく使ってますよ。

>どこのブラックメタルバンドのカヴァーですか、みたいな絵ですが
フリードリヒは画風の関係上、そういうのは多いですw

フリードリヒの焼失済が多いのはナチスの破壊とWW2の空爆のせいなんですよね……
フリードリヒはドイツ愛国者でそういう絵も多いというのに、残念なことです。
Posted by DG-Law at 2007年09月14日 16:11