2007年10月12日
第116回「ドイツ・ロマン主義絵画 −フリードリヒとその周辺」ハンス・ヨアヒム・ナイトハルト著、相良憲一訳、講談社
84年初版の若干古い本ではあるが、サブタイトルの通り、フリードリヒを中心として、その前後の画家たちの略歴、画風、フリードリヒとの関連について、ほぼ時系列的に書かれている。こうして読んでいけば、フリードリヒやルンゲが登場する下地はそれなりに準備されていたのだなあということは確認できる。と同時に、フリードリヒとダールやカールスの違い、フリードリヒ以後の画家へはフリードリヒ的画風がいかに「廃れていったのか」も確認できるだろう。
フリードリヒは旧弊したバロック的風景画の駆逐には成功したが、その強すぎる近代性ゆえに自分も駆逐してしまった。その結果フリードリヒの跡を継いだ風景画家たちが描いたのは、フリードリヒの香りをほんの少し残しながらも、基本的には古典主義や自然主義であり、感傷趣味の強い絵画だった。
しかし、これらがまったくロマン主義じゃないかと言われるとそれは違うと思う。むしろフリードリヒの絵画はロマン主義の中でも「象徴主義」すぎるのであって、彼のみを真正なるロマン主義に据えるのも何か間違った話ではないだろうか。と同時に、センチメンタリズムの強いポスト・フリードリヒ絵画も、十分ロマン主義の範疇に入れてしまっても、大枠の分類としては間違っていないのではないだろうかと思うのである。
ドイツ・ロマン主義絵画―フリードリヒとその周辺
フリードリヒは旧弊したバロック的風景画の駆逐には成功したが、その強すぎる近代性ゆえに自分も駆逐してしまった。その結果フリードリヒの跡を継いだ風景画家たちが描いたのは、フリードリヒの香りをほんの少し残しながらも、基本的には古典主義や自然主義であり、感傷趣味の強い絵画だった。
しかし、これらがまったくロマン主義じゃないかと言われるとそれは違うと思う。むしろフリードリヒの絵画はロマン主義の中でも「象徴主義」すぎるのであって、彼のみを真正なるロマン主義に据えるのも何か間違った話ではないだろうか。と同時に、センチメンタリズムの強いポスト・フリードリヒ絵画も、十分ロマン主義の範疇に入れてしまっても、大枠の分類としては間違っていないのではないだろうかと思うのである。
ドイツ・ロマン主義絵画―フリードリヒとその周辺
Posted by dg_law at 12:00│Comments(0)│