2007年10月14日
第117回「風景画家フリードリヒ」ヘルベルト・フォン・アイネム著、藤縄千艸訳、高科書店
これも日本語版の初版は91年だが、ドイツ語版は1950年初版、執筆はなんと1938年のすごく古い本。フリードリヒの知識を得るためというよりは研究史を抑えるために読んだ。日本語版の本の紹介にもそう書かれているが、よくナチス政権下でこれだけの本を書けたものだ。戦後の執筆と言われてもまったく違和感が無い。
こういう古い研究書を読むとおもしろいのは、現在の基本的な解釈との違いが見えてくることだ。具体的にはこの本だと、現在では《氷海》と判断されている絵がこの本だと《難破した希望号》という、《氷海》の準備段階の絵画と判断されている。これは後に《希望号》のほうらしきものが発見されたからなのだが、いかに美術史が物に依存した学問かよくわかる事例だと思う。
それでも、歴史的状況やフリードリヒの伝記的な記録、作品の基本的な解釈などきれいにまとめられており、大変読みやすかった。ロイスダールやルンゲとの比較はおもしろい。案外、研究の時系列にそって、これを一冊目に読んでみるのも損ではないかもしれない。上記の《氷海》のように大幅に現在と解釈が違う場合は訳注がついているので、勘違いする心配はあまり無いだろう(とは言っても、現在カールス作疑惑がかけられている作品も、普通にフリードリヒ作として紹介されていたりはするが)。
……amazonに該当書なし。117回目にして初めて。まあ、今までけっこうマニアックな本も含めて全部あったことのほうがおかしいんだけどね。
こういう古い研究書を読むとおもしろいのは、現在の基本的な解釈との違いが見えてくることだ。具体的にはこの本だと、現在では《氷海》と判断されている絵がこの本だと《難破した希望号》という、《氷海》の準備段階の絵画と判断されている。これは後に《希望号》のほうらしきものが発見されたからなのだが、いかに美術史が物に依存した学問かよくわかる事例だと思う。
それでも、歴史的状況やフリードリヒの伝記的な記録、作品の基本的な解釈などきれいにまとめられており、大変読みやすかった。ロイスダールやルンゲとの比較はおもしろい。案外、研究の時系列にそって、これを一冊目に読んでみるのも損ではないかもしれない。上記の《氷海》のように大幅に現在と解釈が違う場合は訳注がついているので、勘違いする心配はあまり無いだろう(とは言っても、現在カールス作疑惑がかけられている作品も、普通にフリードリヒ作として紹介されていたりはするが)。
……amazonに該当書なし。117回目にして初めて。まあ、今までけっこうマニアックな本も含めて全部あったことのほうがおかしいんだけどね。
Posted by dg_law at 12:00│Comments(0)│