2008年06月12日

第二回、東方・アカイイト系列作品元ネタ比較

本日秋葉原に行って『アオイシロファンブック』を買ってきたので、献花台の前を通りがかった。いまだにマスコミがテレビカメラを構えてスタバっていて、容易に近づきがたいとは。ちょいと離れたところで黙祷。


さて、『アオイシロ』が出たのでこの記事を書く気になったわけだが、実際問題あまり関係が無い。参った。地霊殿待ちかも。かなり強引な話の展開をしているので、ただの薀蓄語りじゃないかと言われればそれまでなことになっている。それでも読んでやろう、という気のある人だけ先へどうぞ。以下、当然関係する全作品のネタばれ有。


ちなみに前回。



一番つながりがあるのは妖々夢だろう。片や西行の娘ならば、もう片方は義経の双子の妹と来た。どっかで出会っている可能性すらある。西行法師が懸想し、出家の直接的原因となったと言われているのが待賢門院。その息子、後白河天皇の即位にかかわる衝突が保元の乱であり、その保元の乱で後白河天皇側について勝利を得たのが義経の父義朝、敗北を喫したのがその弟為朝である。

その為朝は天下無双の武芸者、特に弓を得意とすることで有名で、朝廷からも危険視されて伊豆大島に流された。しかし持ち前のカリスマ性で伊豆諸島を征服し平清盛に反攻。最後には朝敵とされ征伐されたが、沖縄にまで落ち延び琉球王国建国の祖となったという民間伝承がある(一説には、琉球王国宮廷が日本国内での地位を上げるためにでっちあげたという話。詳しくは日琉同祖論で調べてみるといい)。『アオイシロ』はこの民間伝承を採用している。なお、『八犬伝』で有名な滝沢馬琴もこの伝承を用いて、為朝が主人公の小説『椿説弓張月』を執筆した。ここにも「椿」の文字が入っているというのは、憎い演出だと思う。

ついでに言えば天叢雲は壇ノ浦の戦いの際紛失されたということになっているところを、実は暗躍するV系の人の存在に気づいた義経とコハクが持ち去って、義経は奥州平泉へ、コハクは琉球の為朝のところへ落ち延びた、という風に変更したのが『アオイシロ』である。で、まあ天叢雲となれば慧音を出さないわけにはいかないわけだが、国符「三種の神器 剣」との関連はもはや言うまでも無いだろう。

彼女の別のスペカである「エフェメラリティ137」もこっそり関係している。ナミは作中、魂に対して魄が大きすぎる(=降霊のために空虚な器となっている)自分のことを「玉依姫」と称していたが、オリジナルの玉依姫といえば神武天皇の母親なわけで、神武天皇の享年といえば137歳、とつながってくるわけだ。東方ファンには言うまでもないことかもしれないが、玉依姫は儚月抄にも登場している。

仮に『アオイシロ』ルールを採用するとすれば、天叢雲を持っても大丈夫そうな東方キャラは誰だろうか。同じく『アカイイト』ルールを採用して、月人=石長姫の子孫と考えるならば、輝夜や永琳にとってはむしろ相性最悪なのかもしれない。逆に、慧音は皇統だったりして。妹紅は、不比等が確か皇統とは血縁関係が無いので、意外にも非適格者。そもそも中臣家は渡来人の家系だったような。あ、八坂さんちの皆様は多分全員大丈夫やね。

もう一つの天叢雲適格者の条件である、混沌への耐性という面で行くと、バーローが持ってても大丈夫だったということは、レミリア・フラン辺りが持ってても大丈夫なのかも。クロウクルウの元ネタがケルト神話なので、元々は起源が同じである北欧神話系な彼女らも大丈夫でしょう。レーヴァテインも天叢雲も似たようなもんだ。さすがに無理があるか。東方に「混沌を操る程度の能力」なキャラが出てきたら、そいつは確実に大丈夫だ。まあ、紫様が似たような能力な気はするが。

大きく扱いが違うのは、河童に関して。東方では人間よりの妖怪であり、幻想郷のエンジニアであるが、『アオイシロ』においては零落した水神一般、もしくはそれらの使役する式神、魍魎の類ということになっている。ただ、『アオイシロ』でも河童膏の話が出たり、エンジニア的な側面は否定していないかも。


あー、とりあえずそんなところかな。また何か思い出したら追記することにしよう。あと何か気づきましたらコメント欄のほうによろしくお願いします。皆様からのご指摘を心からお待ちしております。


(追記)
早速、東方信者のこめから「天叢雲適格者の認定がおかしい。もっとちゃんと儚月抄を読め」とお叱りをいただいたので、がんばることにする。だって難易度Lunaticなんだもん……あれ……

まず大幅な訂正点として、永琳は確実に天叢雲適格者。月詠命血縁者って、一気に高貴な存在になってしまったなぁ。それ以前に、八意思兼(の関係者もしくは本人)なんだから、ここで考察している二シリーズの全キャラの中で最も血が濃いんじゃないの?という考え方も出来る。うーむ、奥が深い。まあ、輝夜や他の月人は、月詠命の血がかなり薄まっているだろうし、やはり天敵なんじゃないかな。

加えて、小説版儚月抄の第四話を読む限り、妖怪の山の連中は昔石長姫を祀っていたようなので、天敵の部類に入る。それでなくとも東方の天狗の起源を猿田彦と考えるなら、彼は国津神なのでやはりアウト。あとは伊吹萃香を酒呑童子と同一視するとどうなるか、くらい。ヤマタノオロチの子孫という説を採用するならば、萃香は適格者の部類に入るだろう。もっとも、彼女が《剣》をぶんぶん振り回している様子は全く想像できないが。

もう一つ訂正しておくと、よく考えなくても諏訪子様はアウト。その子孫である早苗もきっとアウト。結局八坂さんちで使えそうなのは神奈子様だけの様子。意外と東方キャラって、皇統の血縁多いのね、とか思ったりした。

そういえば小説版儚月抄の第三話には浦島伝説まで登場していた。そうか、瑠璃光世界は月の都だったのか(違。でも『アオイシロ』の卯良島伝説って、どっちかといえば桃太郎伝説由来なので、水江浦嶋子よりは吉備津彦命のほうが関係深そうだ。しかし、浦島伝説を語る玉依姫と豊玉姫というのもシュールな光景である。お前ら元ネタの血縁者やんけ。

まあ、所詮クロスオーバー的な話なんで矛盾なんてどっかで出てくるわけで、あんまり厳密な話をするつもりは無いということことで終わっておく。

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