2008年08月20日

時をかける少女(細田監督版)

話題になっていたのでようやく見た。むしろ研究室的に見ろと言われた。それもそのはずで、主な舞台は東博こと東京国立博物館であるからだ。


以下、ネタばれ。ストーリーに関しては、素直におもしろかった、とだけ。うだうだ考えずに見る価値のある映画。青春ドラマっていいよね。




登場した美術作品のうち、はっきりとその姿が確認できるのは三点だけである。その詳細については既に様々なブログで挙げられているが、『玄奘三蔵像』、『白梅ニ椿菊図』、『隠岐配流図屏風』の三点である。このうち東博に実在するのは『玄奘三蔵像』のみで、『隠岐配流図屏風』は本来アメリカのキンベル美術館にある。架空の特別展「アノニマス(逸名の画家)展」で借りてきたもの、という設定だろう。『白梅ニ椿菊図』は実在しない。アニメーターの方と演出の方が描いたものとのこと。道理で全く見たことが無いはずだ。

その他、東博の建物全景にエントランス、展示室に学芸員の作業場と、かなりリアルに作られている。自分も実際東博の裏の裏まで見たことはないが他の美術館のものなら見ているのでなんとなく想像が付くが、あれはかなり綿密に取材していないと描けるものではない。驚異的なのは、当時東博で本当にやっていた特別展である「ベルリンの至宝展」のビラがちらっと出てきたこと。これには思わず感動した。

しかし、実際にタイプリープできるとして、帰れる保証が怪しいとして、たった一品を見たいがためにわざわざ時間跳躍をするか?という疑問を抱いた方も多いと思うが、美術ヲタなら間違いなくこう言う、「俺だったらする」。安土城障壁画が見れるならタイムリープの一度や二度余裕ですよ。そのまま信長に仕えて帰ってこなかったりして。本能寺の変阻止したり。あ、それはタイムリープの規約違反か。



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この記事へのコメント
>「俺だったらする」。

まぁ、オタだったら当然ですわなぁ。
私だって、生で戦艦見れるなら躊躇しないと思いますよ。
Posted by 三毛招き at 2008年08月20日 23:59
そうですよね。

まあ、見たいものがありすぎて、絶対やみつきになると思いますがw
Posted by DG-Law at 2008年08月21日 09:54