2008年08月08日
前髪の長い男たち
昨日のパラノイアでも少し出てきたことだが、言われてみるとエロゲの主人公の顔出しが普通になってきたような気がする。主人公に感情移入して読む場合に、明確な主人公のグラフィックがあるのは不都合だという理由で顔はあいまいにごまかす、というのが通例だったような気がする。しかし、逆にそれは主人公も物語の登場人物の一人として扱う場合に不自然が生じる。そして、主人公を特別視しない物語のエロゲが増えてきたことによって、主人公の顔を隠すかどうかは使い分けが進むようになった、と考えるのが自然であると思う。
鍵ゲーは多くがアニメ化されていて、その過程で顔がついてしまっているので微妙だが、基本的に『ONE』『Kanon』『CLANNAD』は「顔なし」で、『MOON.』『AIR』『智代アフター』『リトバス』は「顔付き」主人公である。そうして見るとわかりやすい。(以降鍵ゲーネタばれ注意)前者三つは、プレイヤーに主人公の追体験をさせるものであるのに対して、後者四つは確かにプレイヤーの位置が俯瞰的である。『AIR』なんて最後はプレイヤーが烏になってるし、『智代』は、実は智代の追想だったことが最後に明かされる。『MOON.』はそもそも主人公が女の子であるという特殊な事情もある。
ageの作品群もおもしろい。『君のぞ』では孝之の顔が無い。しかもそのことに関して、ファンブックで思いっきり笑いのネタにしていた(たとえば、主要キャラの好みの男性のタイプに「前髪の長い男性」と書いてある)。逆に『マブラヴ』では、はっきりと武の顔を描いているだけでなくCVまでつけてしまった。確かに、『君のぞ』は孝之の物語だけど、『マブラヴ』は世界の物語である。
『かにしの』は主人公の顔が出てこないが、うまいなと思った。分校と本校であれだけ性格が違うのに顔が同一だったらさすがにとまどう。似たような例で、『はにはに』の主人公も顔が出てこなかった。顔をあえて見せないのには、そういう使い方もある。抜きゲーだと顔出し率が一気に下がるが、elfの有名なおじさんたちはかなり有効な使い方をしてると思う。
エロゲ以外でもこの話は使える。しばしば言われるのはドラクエの主人公は顔がクローズアップされないけど(出てこないわけじゃない)、FFの主人公は特徴的である、という主張。ドラクエは明らかにプレイヤーを主人公に投影させてるけど、FFは物語主導である。ドラクエはそれをかなり意識的にやってると思う。7が一番顕著で、そりゃまあ物語の主題がグノーシスだったわけで。他のスクエニの作品だと、サガシリーズは主人公が特徴的で、主人公が複数いて選択できるものも多い。同じ開発二部でも、聖剣シリーズは主人公が割と無個性だったかな。
鍵ゲーは多くがアニメ化されていて、その過程で顔がついてしまっているので微妙だが、基本的に『ONE』『Kanon』『CLANNAD』は「顔なし」で、『MOON.』『AIR』『智代アフター』『リトバス』は「顔付き」主人公である。そうして見るとわかりやすい。(以降鍵ゲーネタばれ注意)前者三つは、プレイヤーに主人公の追体験をさせるものであるのに対して、後者四つは確かにプレイヤーの位置が俯瞰的である。『AIR』なんて最後はプレイヤーが烏になってるし、『智代』は、実は智代の追想だったことが最後に明かされる。『MOON.』はそもそも主人公が女の子であるという特殊な事情もある。
ageの作品群もおもしろい。『君のぞ』では孝之の顔が無い。しかもそのことに関して、ファンブックで思いっきり笑いのネタにしていた(たとえば、主要キャラの好みの男性のタイプに「前髪の長い男性」と書いてある)。逆に『マブラヴ』では、はっきりと武の顔を描いているだけでなくCVまでつけてしまった。確かに、『君のぞ』は孝之の物語だけど、『マブラヴ』は世界の物語である。
『かにしの』は主人公の顔が出てこないが、うまいなと思った。分校と本校であれだけ性格が違うのに顔が同一だったらさすがにとまどう。似たような例で、『はにはに』の主人公も顔が出てこなかった。顔をあえて見せないのには、そういう使い方もある。抜きゲーだと顔出し率が一気に下がるが、elfの有名なおじさんたちはかなり有効な使い方をしてると思う。
エロゲ以外でもこの話は使える。しばしば言われるのはドラクエの主人公は顔がクローズアップされないけど(出てこないわけじゃない)、FFの主人公は特徴的である、という主張。ドラクエは明らかにプレイヤーを主人公に投影させてるけど、FFは物語主導である。ドラクエはそれをかなり意識的にやってると思う。7が一番顕著で、そりゃまあ物語の主題がグノーシスだったわけで。他のスクエニの作品だと、サガシリーズは主人公が特徴的で、主人公が複数いて選択できるものも多い。同じ開発二部でも、聖剣シリーズは主人公が割と無個性だったかな。
Posted by dg_law at 12:00│Comments(2)│
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普段からさんざ言っている主人公について。
顔あり、顔なしとは直接関係はないが、主人公が主人公でない場合にはやはり顔なしが多いように思われます。
狂言回しに顔は必要ないですからね。
では、顔なしで主人公である場合は?
それはたとえるならのび太のようなタイプ...
狂言回しと主人公【三毛猫艦橋】at 2008年08月09日 22:56
この記事へのコメント
物語を自分で作っていくという感じのシステムの場合には、
感情移入ができやすいように無個性で作られるのかもね。
聖剣シリーズならLegend of manaだったり、ロマサガ2も最初の
イントロのレオン、ジェラール時代以降の自由にイベントを
進められるようになった時代の皇帝は、無個性に近かったな。
一応、顔とクラスくらいはあるが、固有のセリフがほとんどねぇ。
逆に、聖剣3とかロマサガ3とかは逆で、主人公もイベントも
マルチだが、やはりそれぞれのストーリーがあるゆえに、各キャラの
顔とか性格がクローズアップされているのかもな。
ところで、ロマサガ2のヴィクトール(ジェラールの兄だっけ?)が
クジンシーと一騎打ちする場面で、ヴィク様が「流し斬りが・・・
完全に入ったのに・・・」といった意味がいまだによくワカランチンっすよ。
ソウルスティールと関係なく倒せるんじゃねーの(゚∀゚)カッカッカとか
いうツッコミは無しなのかね?ただ端に、ヴィク様の流し斬り2発じゃ
倒せなかったという話なのではないかね?こんなこと言ったらイジメかね?
感情移入ができやすいように無個性で作られるのかもね。
聖剣シリーズならLegend of manaだったり、ロマサガ2も最初の
イントロのレオン、ジェラール時代以降の自由にイベントを
進められるようになった時代の皇帝は、無個性に近かったな。
一応、顔とクラスくらいはあるが、固有のセリフがほとんどねぇ。
逆に、聖剣3とかロマサガ3とかは逆で、主人公もイベントも
マルチだが、やはりそれぞれのストーリーがあるゆえに、各キャラの
顔とか性格がクローズアップされているのかもな。
ところで、ロマサガ2のヴィクトール(ジェラールの兄だっけ?)が
クジンシーと一騎打ちする場面で、ヴィク様が「流し斬りが・・・
完全に入ったのに・・・」といった意味がいまだによくワカランチンっすよ。
ソウルスティールと関係なく倒せるんじゃねーの(゚∀゚)カッカッカとか
いうツッコミは無しなのかね?ただ端に、ヴィク様の流し斬り2発じゃ
倒せなかったという話なのではないかね?こんなこと言ったらイジメかね?
Posted by カシンの化身 at 2008年08月08日 21:44
サガはロマサガ3以降ずっと個性があるから、ロマサガ2以前とは区別すべきかもしれないね。
FFも4以降は全然違うし、スクウェアに何があったんだろう。
>ヴィクトールの流し斬り
イベントバトルにつっこんだら負けだと思うよw
まあ、ファイナルアタック的なものじゃないかな、あのライフスティールは。
FFも4以降は全然違うし、スクウェアに何があったんだろう。
>ヴィクトールの流し斬り
イベントバトルにつっこんだら負けだと思うよw
まあ、ファイナルアタック的なものじゃないかな、あのライフスティールは。
Posted by DG-Law at 2008年08月09日 02:44