2008年08月24日
実は科博に初めて入った

展示は最初、科博らしく金の化学的特性の説明から始まった。そこで同体積のアルミ・銅・銀・金の延べ棒を持ち上げられるコーナーがあったのだが、確かに金が一番重い。また、120kgの金に触れるコーナーもあったが、さすがに巨大だった。多分、二度と触れることはあるまい。「金はやわらかいので強く触らないでください」とやたら警備員が叫んでいたが、触ってみた感じ確かに鉄や銅とは違った。一見してお子様向けのコーナーだったが、化学式がどーのこーのというキャプションもあり(AUCl3なんて物質が存在しうるんだね)、けっこうおもしろかった。大人と言えども、金は縁遠い存在だ。
次のコーナーは金の採掘と自然金について。さすがは金、他の金属と違って自然でもほとんど酸化してない。化学的にはそうなんだが、いざ見せられるとそこに驚いた。あと、言われてみると黄銅鉱や黄鉄鉱とは輝きが全然違う。これにはだまされたくはないな。
そして、日本美術史における金利用へ。ここからは得意分野なわけだが、コネが無かったか保険金が足りなかったか、複製品が多かった。特に華籠なんて隣の東博に本物置いてあるんだから貸してやれよw、と思って後から東博行ったら常設展に本物が鎮座しておられた。なんかすごくもったいない気がする。また、さすが科博というべきか、映像はガンガン使っていた。
次のコーナーが120kgの金塊と並ぶこの展示のメインだと思うのだが、北島康介本人から借りてきたアテネ五輪のときの本物の金メダルが展示してあった。その両側には白川英樹教授のノーベル物理学賞の金メダルと、ワールドベースボールクラシック優勝の王監督の金メダルが飾ってあった。これは非常にみごたえがあった。よく本人のところに交渉しに行ったもんだと思う。太っ腹な人たちに感謝。あと北島選手、北京でも金メダルおめでとう。
最後に、コロンビアのスペイン入植前の文明による黄金文化が展示されていたが、ぶっちゃけ具象という名の抽象芸術なので、こう言ってはなんだがどうでもいいと言えばどうでもよかった。要するにピカソはアフリカの原始芸術見て感動してたよね、という話である。しかし、一応この企画の趣旨はコロンビアとの友好なのだから、このコーナーが無いとそもそも企画が成立していないのではあるが。
最後に、金は枯渇しそうだよ、都市鉱山大事だよ、という話。科博らしい上手な締めだったと思う。とりあえず俺は浮いていたので、カップルか親子連れでどうぞ。子供はすごく多かった。常設展はちらっと入ったけど見る気がしなかった。あれは完全に子供向けだ。
写真は世界で二番目に大きく、現存するものでは最大の自然金の金塊だそうで。25kg。
Posted by dg_law at 12:00│Comments(0)│