2008年10月28日
百合の中心的な人物についての考察
以下、濃厚な百合話。ついでにアイマス、東方、アカイイトネタ。
一般に百合とは一対一で成立するものであってハーレム展開は少ないが、元々は百合が主眼ではない作品だと、あらかじめ用意されたカップリングは少なく(いわゆる公式カプ)、その大半は読者、プレイヤーの勝手な深読み、妄想の類に委ねられる(それを自覚していない百合厨は見ていて痛々しい)。特に東方やアイマスはその傾向が強い。公式カップリングがほとんど用意されていないに等しいからである。
そして各人の妄想をネットや同人誌で「こんなんどう?」と披露していくうち、界隈にはおおよそ王道のカップリングというものができていく。そしてそれらを総合していくと結果的に中心的な人物が浮かび上がり、結局はハーレム化するという展開が多い。一般的には東方なら霧雨魔理沙であり、アイマスなら菊地真にあたる。二人の共通点は「一見して男前、でも中身は乙女」である。
だが、私はこの集団意識に異議を唱えたい。何も、この風潮自体が悪いと言っているわけではない。私だってアリマリもパチェマリもゆきまこもみきまこも好きである。ただ、本当に魔理沙と真が中心人物か、もう一度考えてみる必要がある。確かに売られている同人誌やニコニコ動画上で見るカップリングでは魔理沙や真がいるカップリングが多いが、さきほど挙げた四つのカップリングにそのほとんどが集約される。フラマリはまだあるが、にとまりですらほとんど見ない。
実は、作られるカップリングの種類なら魔理沙より霊夢のほうが多い。霊夢は言うまでも無いだろう。魔理沙は当然として、永夜抄以前はレイアリのほうが主流だったのは有名な話で(妖々夢での会話だけを聞けばそれもうなづける)、結界組は鉄板だし萃香との組み合わせも多い。何よりもレイレミを忘れてはならない。最近ではレイサナが圧倒的に増えてきたうえに、レイアヤまで出現した。本当のジゴロは霊夢のほうであろう。
アイマスはまだ発展途上段階だが、はるちは、やよいおり、ちはやよい、はるゆき等拡散の様相を呈し始めた。今後伸びやすいのは千早と雪歩を中心としたカップリングだと思う。他人と結びつきやすい要素が多いからだ。
私が思うのは、とある一作品における百合妄想が成熟してくると、カップリングの中心もシフトしてくるということだ。「一見して男前、でも中身は乙女」というキャラは非常にカップリングが組みやすい。なぜなら女が男に惚れる心理と何らかわらないところから始まって、女同士の恋愛に行き着くという、ある種「たまたま(惚れたのが女の子だった)理論」にも通じるものがある。これはこれで悪くはない、いやむしろおいしいシチュエーションだが、単調ではある。
それに比べると、(要素的な意味で)完全な女×女はやはり広がりがある。やはり完成している分霊夢のほうが考察しがいがある。結界組は友人でもあり親子でもある。レミリアやアリスといった西洋系と巫女さんという組み合わせはミステリアスであるし、アリスは旧友というつながりがある。レミリアや萃香の場合「なつく」という言葉が非常に象徴的だ。レミリアも萃香も霊夢より比較にもならないほど年上なのにそれが成り立つのは幻想郷という練られた設定の下だからである。フラマリが遊び友達という感じがするのに比べればそれはさらに際立つ。魔理沙でさえ霊夢の前では「男前」という要素が薄い。
アカイイト/アオイシロで見てもおもしろい。アカイイトの主人公は羽藤桂ちゃんで、極めて女の子らしい女の子であった。それを固める女の子たちはどちらかと言えば男勝りであることが多い。特に烏月さんはそうであろう。だがあれは、桂ちゃん主人公だからこその完璧なハーレムであった。
それに対しアオイシロは小山内梢子という、「一見して男前、でも中身は乙女」側の人間であり、案の定単調になるのを避けるべく難しい舵取りをしいられたように見える。ゆえにミギーのキスは強引になったし、ナミシナリオは物語の中核であるにもかかわらず投げっぱなしに近くなったし、カヤさんは登場自体がかなり遅い。コハクさんのシナリオが一番おもしろかったのは、キャラが一番特殊であったことと無関係ではないだろう。ただ、アカイイトはそれをわかってて桂ちゃんを設定し、なおそれでもアオイシロの主人公に梢子を据えたのだとすれば、そのチャレンジ精神は買いたい。
最後にあえてアカイイト/アオイシロを出してみたのだが、今までの話はあくまでも百合が主眼に置かれていない作品においての話である。最後にまとめてみると要するに、そういった作品での百合社会(と言ってしまっていいだろうか)が成立し始めると、成立段階においてはまず「男前」なキャラが中心に来て、成立カップリングが増えるようになる。そのままある程度その社会が成熟すると、カップリングの成立は拡散しだすか、その中心がより女×女にシフトしだす。というのがこの考察での結論である。
微妙に明日に続く。
そして各人の妄想をネットや同人誌で「こんなんどう?」と披露していくうち、界隈にはおおよそ王道のカップリングというものができていく。そしてそれらを総合していくと結果的に中心的な人物が浮かび上がり、結局はハーレム化するという展開が多い。一般的には東方なら霧雨魔理沙であり、アイマスなら菊地真にあたる。二人の共通点は「一見して男前、でも中身は乙女」である。
だが、私はこの集団意識に異議を唱えたい。何も、この風潮自体が悪いと言っているわけではない。私だってアリマリもパチェマリもゆきまこもみきまこも好きである。ただ、本当に魔理沙と真が中心人物か、もう一度考えてみる必要がある。確かに売られている同人誌やニコニコ動画上で見るカップリングでは魔理沙や真がいるカップリングが多いが、さきほど挙げた四つのカップリングにそのほとんどが集約される。フラマリはまだあるが、にとまりですらほとんど見ない。
実は、作られるカップリングの種類なら魔理沙より霊夢のほうが多い。霊夢は言うまでも無いだろう。魔理沙は当然として、永夜抄以前はレイアリのほうが主流だったのは有名な話で(妖々夢での会話だけを聞けばそれもうなづける)、結界組は鉄板だし萃香との組み合わせも多い。何よりもレイレミを忘れてはならない。最近ではレイサナが圧倒的に増えてきたうえに、レイアヤまで出現した。本当のジゴロは霊夢のほうであろう。
アイマスはまだ発展途上段階だが、はるちは、やよいおり、ちはやよい、はるゆき等拡散の様相を呈し始めた。今後伸びやすいのは千早と雪歩を中心としたカップリングだと思う。他人と結びつきやすい要素が多いからだ。
私が思うのは、とある一作品における百合妄想が成熟してくると、カップリングの中心もシフトしてくるということだ。「一見して男前、でも中身は乙女」というキャラは非常にカップリングが組みやすい。なぜなら女が男に惚れる心理と何らかわらないところから始まって、女同士の恋愛に行き着くという、ある種「たまたま(惚れたのが女の子だった)理論」にも通じるものがある。これはこれで悪くはない、いやむしろおいしいシチュエーションだが、単調ではある。
それに比べると、(要素的な意味で)完全な女×女はやはり広がりがある。やはり完成している分霊夢のほうが考察しがいがある。結界組は友人でもあり親子でもある。レミリアやアリスといった西洋系と巫女さんという組み合わせはミステリアスであるし、アリスは旧友というつながりがある。レミリアや萃香の場合「なつく」という言葉が非常に象徴的だ。レミリアも萃香も霊夢より比較にもならないほど年上なのにそれが成り立つのは幻想郷という練られた設定の下だからである。フラマリが遊び友達という感じがするのに比べればそれはさらに際立つ。魔理沙でさえ霊夢の前では「男前」という要素が薄い。
アカイイト/アオイシロで見てもおもしろい。アカイイトの主人公は羽藤桂ちゃんで、極めて女の子らしい女の子であった。それを固める女の子たちはどちらかと言えば男勝りであることが多い。特に烏月さんはそうであろう。だがあれは、桂ちゃん主人公だからこその完璧なハーレムであった。
それに対しアオイシロは小山内梢子という、「一見して男前、でも中身は乙女」側の人間であり、案の定単調になるのを避けるべく難しい舵取りをしいられたように見える。ゆえにミギーのキスは強引になったし、ナミシナリオは物語の中核であるにもかかわらず投げっぱなしに近くなったし、カヤさんは登場自体がかなり遅い。コハクさんのシナリオが一番おもしろかったのは、キャラが一番特殊であったことと無関係ではないだろう。ただ、アカイイトはそれをわかってて桂ちゃんを設定し、なおそれでもアオイシロの主人公に梢子を据えたのだとすれば、そのチャレンジ精神は買いたい。
最後にあえてアカイイト/アオイシロを出してみたのだが、今までの話はあくまでも百合が主眼に置かれていない作品においての話である。最後にまとめてみると要するに、そういった作品での百合社会(と言ってしまっていいだろうか)が成立し始めると、成立段階においてはまず「男前」なキャラが中心に来て、成立カップリングが増えるようになる。そのままある程度その社会が成熟すると、カップリングの成立は拡散しだすか、その中心がより女×女にシフトしだす。というのがこの考察での結論である。
微妙に明日に続く。
Posted by dg_law at 12:00│Comments(2)│
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この記事へのコメント
同意
まさに今のテレビCMがその流れ
と言うか一見して男前と言うのは百合ではない
ただのオナベとのノーマル恋愛
宝塚もレズとは言えない
ニューハーフとつきあったからってホモとはいえないだろ
まさに今のテレビCMがその流れ
と言うか一見して男前と言うのは百合ではない
ただのオナベとのノーマル恋愛
宝塚もレズとは言えない
ニューハーフとつきあったからってホモとはいえないだろ
Posted by B at 2011年05月23日 19:02
今のテレビCMの流れは全くわかりませんが,上述の通り,私はそこまでラディカリストでもないです。
男前百合もそれはそれで,と。
上での論旨は要するに「男前百合が全盛であるうちは,(百合的に考えて)その同人界隈はまだまだ未成熟だなぁ」ってことと,「男前キャラ中心の百合(史)観による同調圧力には異議を唱えたい」ってことです。
なので,下段の4行の内容は(口が悪いですが),貴方の言いたいことはわからないでもないですよ。
男前百合もそれはそれで,と。
上での論旨は要するに「男前百合が全盛であるうちは,(百合的に考えて)その同人界隈はまだまだ未成熟だなぁ」ってことと,「男前キャラ中心の百合(史)観による同調圧力には異議を唱えたい」ってことです。
なので,下段の4行の内容は(口が悪いですが),貴方の言いたいことはわからないでもないですよ。
Posted by DG-Law at 2011年05月25日 09:55