2008年11月10日

らくえん レビュー

浪人生でヲタクな主人公が、ひょんなことからエロゲ制作会社に入り原画家としてデビューすることになってしまった、という話。あらすじでわかるとおり、ヘビーなエロゲーマー御用達で、「重症を自認するなら、必ずやれ」としばしば言われている作品。そして、プレイしてみてその理由はよくわかった。確かにこれは、エロゲと業界に対する知識と愛が無ければ、おもしろくないゲームだろう。エロゲを他人に勧めるときの心境はまさに「堕落する準備はOK?」。ええ、何人も堕落させた覚えが僕にもあります。

シナリオは、日常パートとエロゲ制作時に関しては非常におもしろかった。ヲタネタをふんだんに使ったテンポのいい会話は読んでて気持ちいい。エロゲ制作の話も、「あーリアルやわー」と苦笑しながら読める。ただ、キャラの個別の話は若干作り込みが甘い。可憐はあんなに話を広げる必要が無かったし、紗絵はもう少し何とかできたんじゃないかと思う。

しばしば原画があわないと切られる本作だが、私的には問題なかった。ただ、今の売れ線の絵でないのは確かで、作中の主人公の絵がこの原画の絵と重ね合わせていると、壮大な自虐ギャグに見えなくも無い。音楽と演出はかなり凝ってて好感が持てる、特に演出面は技術的に難しいことをやっているわけでもなく、どちらかといえば単純なタイポグラフィと音声の有効活用に過ぎないのだが、これが効果的にきく。『Forest』に近い演出のように思われる。

このゲームで一番文句を言いたいのはシステム面。既読判定はいい加減だし、Hシーン回想も無い。何より、一回セーブデータがぶっ壊れてインストールし直させられたためにそこでかなり気力が萎えた(ちなみにtxtlogの故障だったので再インスコは全くの無意味であった)。しっかりしろよパスタソース。


まあ日常パートを楽しむだけでも十分元のとれるゲーム。80点。



以下、クリア順。


可憐

あんなに超大富豪にする必要は感じなかった。ムーナス続行のための資金が必要だったなら、普通に日本在住のちょい富豪ぐらいにしておけばリアリティがあったのではないだろうか。それと、彼女はやはり、カントクと結ばれるのが似合っていると思う。


みか

EDを見るに、これが正史なのかな、と。特にひねりのあるシナリオというわけではなかったが、これはこれでおもしろかった。主人公にとっては、一番堕落してないという意味で幸せなED。これもまた一種の「らくえん」。


紗絵

ほとんど記憶に残ってない。原因の一つは途中でセーブデータが壊れたからなんだが、それ以上に、個別シナリオにインパクトが無かったのが悔やまれる。NTR属性は持ってもないし嫌いでもないので、尚更。


亜季

このシナリオももう少し練れたんじゃないかと思う。演劇部になって旅立っていく辺りは、辻褄もあってるし亜季の心情もわかるんだが、展開が早すぎたかなーと。その後エロゲ声優に戻ってくるのもひどく唐突。あと、服越しフェラエロス。




一番好きなシナリオ。主人公が、堕落していっているつもりで、自覚の無いまま実は血反吐をはくところまで追い詰められていくシーンの描写が非常に巧みで、このゲームのハイライトではないかと思う。その後の杏との生活も、堕落っぷりがこのゲームらしくていい。永遠ならぬ、「らくえんはあるよ、ここにあるよ」。


ぼくのたいせつなのもの

いかにも売れ線な設定と絵だよなぁw。いろんなレビューで「なんでこれ単体で出さなかったんだ」という人がちらほらいるのは笑える。ところで、ミニミソフトのテーマ「せつなさと萌えと純愛。そしてほんのちょっぴりのユーモア。」は、ひょっとして、すたじおみりすのパロディなんだろうか。




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この記事へのコメント
つまらんレビューだ
Posted by   at 2012年06月24日 05:29
ご期待に添えず申し訳ありません。
Posted by DG-Law at 2012年06月25日 14:54