2008年12月19日

エロ漫画はエロゲになりうるか?

成年漫画(エロ漫画)に付き纏う大きな三つの壁
成年漫画(エロ漫画)に対して大衆周知に成功したエロゲ」というコメント


この話題もおもしろそうなので食いついてみる。実際私がエロ漫画を読み始めたのは一昨年くらいのことであり、歴史は浅い。でもそこから数はかなり読んだと思う。なぜそれ以前は読んでなかったのか、という理由をばっちりと挙げてくれているのが、一つ目の記事の「三つの壁」である。


正直に言って、どっぷりとヲタク業界につかり日々エロゲの処理に追われていた私でさえも、読み始める前までは偏見がなかったと言えば嘘になる。別にエロゲが高尚なものだとは思ってないし抜きゲも好きだ、しかもエロ同人誌もすでに所有していた。にもかかわらず、だ。なんというか、この偏見というのは、割とそれ以前の問題なのだ。過去の私自身のみならず、私のリア友たちを見ていてもかなり当てはまることなので、この偏見はかなり根深いものではないか。ちなみに、この偏見を取り払った作品こそ、初めて買ったエロ漫画『夏蟲』である。これがおもしろかった。

夏蟲 (TENMA COMICS LO)
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二つ目の壁も、かなりめんどくさいものだった。エロゲならば雑誌があるし、それ以上にレビューサイトが充実している。数十作クリアしていくうちに、好みのブランドに好みのライター、好みの原画家くらい簡単に脳内にリストアップできるようになる。エロ漫画の場合、この数十作(冊)までが非常に長い。どれから読めばいいのやらさっぱりわからない上に、エロゲ以上に絵と嗜好による選りすぐりが激しい。私はいまだもって奇乳・爆乳だけは馴染めないのだが、こう言ってはなんだがエロ漫画はエロゲ以上にギャグみたいな体型が多い。それでなくとも玉石混交なのに、他人からのお勧めなしに自力だけで「これは趣味があわない」「これは絵がちょっと」等と選別していくだけで、労力は尽きる。(まあ購入の壁は、個人的にはなかった。)

話を下の記事の方面に移すが、出身がエロゲーマーのヲタとしては、エロゲのような界隈の親切さは他分野に比べて大変に便利で、乱暴に言ってしまえば「インフラが整っている」。地雷回避や名作探しだけではなくて、簡単にレビューが見つかるので、自分もレビューを書きやすい。ブログ持ちとしてはこれも非常にありがたい効果だったりする。

それに比べると、「共有度が低い印象」というのは的を射た言葉である。「誰もが知ってるエロマンガ」というのは要するに、「普段エロ漫画を読まないヲタク」でも本の名前か作者の名前は知っているというレベルのものであって、正直に言ってまだまだ少ない。「キャノン先生トバしすぎ!」や「少女マテリアル」は両方読んだけど、「キャノン先生」のほうはエロ漫画界隈の内部受けしすぎたかなという気がするし、「少女マテリアル」は異例すぎてまだ判断は難しい気がする。

注記として。あくまで私が見たところは今のエロゲ界隈と比べて、の話なので、無理にエロ漫画界隈がこちらに近づいた構造になる必要は感じない。ただ、エロゲ界隈のほうが「居心地がいい」のはなぜか、というのを確認したのみである。今後、この界隈がどうなっていくのかはわからないけれども、居心地がいいに越したことは無いと思うので、推移を見守りたい。また、これらはストーリーが良いエロ漫画が出てくれば解決する問題か、や、それらが増えるべきかという話とは全くの別ものである。(エロゲの場合は偶然葉鍵ブームからそういう方向へ向かったのは確かだが)


ついでに。個人的な今年の当たりは、少女マテリアルと独蛾を除くならこの二冊。ロリコン乙。

たいらんと・ぱにっしゅ (TENMAコミックス RiN)
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しゃるうぃーげーむ? (TENMAコミックス LO)
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