2009年01月11日

ハローグッバイ!

マリみて最終巻(?)を読了。コミケ期間中に読み終わってはいたのだが、感想を各タイミングをすっかり逸していた。以下ネタばれ有。


最終巻の内容自体はなんてことはない。今まで抱えていた伏線は、残っていたのが黄薔薇の菜々ちゃんにいつロザリオを渡すのかくらいなもので、あとは既に回収し終えていた。だから最終巻の課題は卒業式当日をいかに描くかというだけだったし、実際その通りだった。卒業式は意外なほど淡々と進んでいった。旧三薔薇様の登場は前の巻でわかりやすい伏線が張ってあったし、三人で送辞をやるのも、予想しえたとまで言うつもりはないが、大きなサプライズというわけではなかった。

「祐巳・祥子編は終幕」と書いてあるだけあって、最終巻は紅薔薇中心だった。一応祥子と令の話も載っていたし、由乃から菜々へロザリオが渡されるシーンもあったのだが、やはりハイライトは黒いリボンの授受だったと思う。まあそれはそれとしておもしろかったが、白薔薇好きとしてはどうにも不完全燃焼な最終巻だった気がしないでもない。『マリみて』はそもそも紅薔薇中心で祐巳が主人公なんだからしょうがない、と考えるのが素直な読者像なんだろうが、『マリみて』の一巻は無印じゃなくて「チェリーブロッサム」であって、真の主人公は乃梨子、だと思ってるひねた読者には、乃梨子の影が薄すぎて、正直に言えば寂しい。


わざわざ「祐巳・祥子編は終幕」と書いてあるということは、ひょっとして続くんだろうか。主人公を瞳子に移して(それとも希望的観測として乃梨子に戻して?)。そうなると個人的にはかなり嬉しい。作中の進行スピードが遅すぎて物語が間延びしていたり、そのせいで一巻一巻の内容は薄いときもあったりはしたが、やはりこのリリアン世界の雰囲気は好きで、まだ志摩子にも乃梨子にも、他のキャラたちにも愛着があるわけで。乃梨子の卒業までとは言わないから、祐巳の卒業まではやってほしいと思う。発刊ペースを落として(今野先生が速筆過ぎるのか、三ヶ月に一冊は異常)、コバルト本誌に載った短編集を削れば、案外と長持ちするんじゃなかろうか。集英社的にもおいしいと思うのだが。

最後に、ちょっとした愚痴。東京のど真ん中たる文京区には独立U局が入らないせいで、マリみて四期が見られない件。埼玉でも神奈川でもいいから、映ってほしかった。三期のOVAで「チャオソレッラ」までいったみたいで、四期は「特別でないただの一日」から始まったわけだが、1クールで「あなたを探しに」までやってしまうのだろうか。どうせなら2クールやって最終巻までいってほしいものだ。


この記事へのトラックバックURL