2009年01月16日
さかあがりハリケーン レビュー
まるねこラインと言われつつ、ライターが木緒なちという若干の変化球的な本作。評価としても、どうしてもまるねこラインの過去作品、とりわけ『こんにゃく』とはどうしても比較されることが多い、というか、木緒さんががんばって似せている部分も多いので、どうにも比べざるをえない。
シナリオとしては至って普通の学園物。『パルフェ』の里伽子シナリオ以外くらいの水準と考えてくれればいい。共通ルートの学園祭開催まではちょっと強引なところもないわけではなくて、少し減点。特に、高校時代の三分の一くらいを高校の学園祭につぎ込んだ自分としては、物言いの付くところは多い。また、共通ルートの前半(OPムービーまで)が一番丸戸に似ている部分なので、丸戸嫌いだと逆に鼻に付くところがあるかもしれない(まあ木緒嫌いという人はいないと思うけど)。
日常会話のレベルは割と高く、比較的笑える。パロディネタが的確で適度なので、良いテンポを作り出す一環になっている。戯画作品からのパロディは当然として、「こいびとどうしですることすこしずつ」って、SiriusはVA系列じゃないかw、とか。エロゲ以外からのパロディも多いが、わかりやすいネタが多く困ることはないと思う。
そういえば、言われているほど主人公は空気ではない。かといって、ハリケーンと呼べるほど暴れているわけでもない。『こんにゃく』の航に比べるとインパクトは薄いし、『パルフェ』の仁ほどの男気も無い。どっちかといえば普通のエロゲの主人公だが、決してへたれてはないので合格。むしろ周りのヒロインがハリケーン、というのには同感。皆、キャラ立ってるよなぁ。はずれや空気が全くいない(あ、でもヤスは正直微妙だったかも)。エロゲ批評空間で見た「台風の真ん中は目だから無風」「台風は周囲ほど強風」というコメントは的を射ている。特にハルと涼は暴風、手が付けられません。また、見方によっては主人公が成長した結果無風化した、と言えなくもない。ネタバレになるので、以下は続きで。
ねこにゃんの原画レベルが『こんにゃく』から飛躍的に上昇していてよかった。立ち絵の破壊力がとんでもない。一人につき一つは狙ってる立ち絵がある。バリエーションも豊富。ゆかりルートラストの某シーンでは、一枚絵を使わず立ち絵で表現したところに思わず喝采の拍手。確かにあそこは、あの立ち絵じゃないとダメだ。ねこにゃんは『ショコラ』『パルフェ』の頃は正直不安になる絵も多かったけど、これなら安心できる。今なら胸を張ってねこにゃん最高と叫べる。本人曰く「アイマス曲聞いて4年間がんばった」というのも報われる。
Hシーンが一人二回ほどで比較的濃い。和姦好きなら使えると思う。システムはいつもの戯画システムで文句の付けようがない。本当に使いやすい。BGMはいつも通りのまるねこライン。目立ちはしないけど雰囲気は出てる。戯画システムの、切り替わるたびにBGM曲名が表示されるのはけっこう気に入ってる。OPEDともに名曲。意外とEDがいい、これはスルメ曲。
声優は知っての通り、むちゃくちゃ豪華で全員上手。もう水○かおりとミ○ゴスとチアキ○グと風音に田口宏子なんて、メンタンピン三色ドラ5くらいツボを突いている(私的にドラ5がミン○ス)。ただ、○橋さんの声がちょっと出しづらそうなのが気になった。もっと涼宮茜よりの雰囲気でもよかったと思う。○ンゴスはHシーンうまくなったな。
攻略は奈都希をトップバッターに。柚→ハルと涼→ゆかりは固定で、逆をやるとさっぱりわからない伏線ともったいないネタバレがある場合がある。どっちの二人を先にやるかは自由。自分は奈都希→柚→ハル→涼→ゆかり、の順番で攻略。特に難しい選択肢はなし。ただし、簡単すぎてバッドエンドの入口が見当たらないかも。共通ルートの話の都合上、シナリオ全体としては奈都希がメインヒロインということになるだろうか。しかしそこはまるねこラインらしいというか、もう一つの重大な伏線はやはり香奈子・里伽子の路線たる涼ではあるのだが。時間は共通ルートで5時間ほど、個別に入ってからは2時間はかからないくらい。
個別ルートの感想。珍しくネタバレはしてないので隠さない。
奈都希……はいはいツンデレツンデレ。金髪ツインテールの呪いともいう。業界で粗製濫造されている中、良質ではあったと思う。見飽きたって思えなかったから。個別ルート終盤のデレっぷりが危険。時期がもう少し早ければ、『いちゃラブ大全』に収録されていても全然おかしくなかった。○アキングはこういう演技もできるんだなぁ。
柚……『こんにゃく』の海巳と『FORTUNE ARTERIAL』の陽菜を足して二で割った子。いや、後者は単に田口宏子分かもしれないけど。なんていうか……何この、俺のドS成分がふつふつと湧き出てくる子は。ゆじゅでじゅかわいいよゆじゅでじゅ。最近では珍しい、食べ物でキャラ立てしてる子で、キーアイテムは食パン。シナリオはぶっちゃけ何も起きない。
ハル……『こんにゃく』の茜ポジション。しかし、まさかこの展開が来るとはwwwwwww、いや、ありだと思うよ個人的にはこういうのも。奈都希ルートを先にやっておくと、親世代の心境が理解できてなお良い。某シーンでは、私も吟次にもらい泣き漢泣きですよ。
涼……クールなんだけどお茶目。こういう子大好き。どうも、ミンゴス(あ、言っちゃった)が好きというよりも、好きなキャラのCVがミンゴスという気はする。結果、相乗効果で俺の嫁、と。まるねこラインで考えるなら、キャラが香奈子さんにだぶらないこともない。シナリオはオーソドックスな。クールな子っていうとこういうシナリオでしょう。
ゆかり……お姉ちゃん系幼馴染。S成分は中の人分か?wシナリオは涼が終わってれば大体想像がつくと思う。ネタバレなしではあんまり語るところはないかなぁ。
んで、以下はネタバレ。
シナリオとしては至って普通の学園物。『パルフェ』の里伽子シナリオ以外くらいの水準と考えてくれればいい。共通ルートの学園祭開催まではちょっと強引なところもないわけではなくて、少し減点。特に、高校時代の三分の一くらいを高校の学園祭につぎ込んだ自分としては、物言いの付くところは多い。また、共通ルートの前半(OPムービーまで)が一番丸戸に似ている部分なので、丸戸嫌いだと逆に鼻に付くところがあるかもしれない(まあ木緒嫌いという人はいないと思うけど)。
日常会話のレベルは割と高く、比較的笑える。パロディネタが的確で適度なので、良いテンポを作り出す一環になっている。戯画作品からのパロディは当然として、「こいびとどうしですることすこしずつ」って、SiriusはVA系列じゃないかw、とか。エロゲ以外からのパロディも多いが、わかりやすいネタが多く困ることはないと思う。
そういえば、言われているほど主人公は空気ではない。かといって、ハリケーンと呼べるほど暴れているわけでもない。『こんにゃく』の航に比べるとインパクトは薄いし、『パルフェ』の仁ほどの男気も無い。どっちかといえば普通のエロゲの主人公だが、決してへたれてはないので合格。むしろ周りのヒロインがハリケーン、というのには同感。皆、キャラ立ってるよなぁ。はずれや空気が全くいない(あ、でもヤスは正直微妙だったかも)。エロゲ批評空間で見た「台風の真ん中は目だから無風」「台風は周囲ほど強風」というコメントは的を射ている。特にハルと涼は暴風、手が付けられません。また、見方によっては主人公が成長した結果無風化した、と言えなくもない。ネタバレになるので、以下は続きで。
ねこにゃんの原画レベルが『こんにゃく』から飛躍的に上昇していてよかった。立ち絵の破壊力がとんでもない。一人につき一つは狙ってる立ち絵がある。バリエーションも豊富。ゆかりルートラストの某シーンでは、一枚絵を使わず立ち絵で表現したところに思わず喝采の拍手。確かにあそこは、あの立ち絵じゃないとダメだ。ねこにゃんは『ショコラ』『パルフェ』の頃は正直不安になる絵も多かったけど、これなら安心できる。今なら胸を張ってねこにゃん最高と叫べる。本人曰く「アイマス曲聞いて4年間がんばった」というのも報われる。
Hシーンが一人二回ほどで比較的濃い。和姦好きなら使えると思う。システムはいつもの戯画システムで文句の付けようがない。本当に使いやすい。BGMはいつも通りのまるねこライン。目立ちはしないけど雰囲気は出てる。戯画システムの、切り替わるたびにBGM曲名が表示されるのはけっこう気に入ってる。OPEDともに名曲。意外とEDがいい、これはスルメ曲。
声優は知っての通り、むちゃくちゃ豪華で全員上手。もう水○かおりとミ○ゴスとチアキ○グと風音に田口宏子なんて、メンタンピン三色ドラ5くらいツボを突いている(私的にドラ5がミン○ス)。ただ、○橋さんの声がちょっと出しづらそうなのが気になった。もっと涼宮茜よりの雰囲気でもよかったと思う。○ンゴスはHシーンうまくなったな。
攻略は奈都希をトップバッターに。柚→ハルと涼→ゆかりは固定で、逆をやるとさっぱりわからない伏線ともったいないネタバレがある場合がある。どっちの二人を先にやるかは自由。自分は奈都希→柚→ハル→涼→ゆかり、の順番で攻略。特に難しい選択肢はなし。ただし、簡単すぎてバッドエンドの入口が見当たらないかも。共通ルートの話の都合上、シナリオ全体としては奈都希がメインヒロインということになるだろうか。しかしそこはまるねこラインらしいというか、もう一つの重大な伏線はやはり香奈子・里伽子の路線たる涼ではあるのだが。時間は共通ルートで5時間ほど、個別に入ってからは2時間はかからないくらい。
個別ルートの感想。珍しくネタバレはしてないので隠さない。
奈都希……はいはいツンデレツンデレ。金髪ツインテールの呪いともいう。業界で粗製濫造されている中、良質ではあったと思う。見飽きたって思えなかったから。個別ルート終盤のデレっぷりが危険。時期がもう少し早ければ、『いちゃラブ大全』に収録されていても全然おかしくなかった。○アキングはこういう演技もできるんだなぁ。
柚……『こんにゃく』の海巳と『FORTUNE ARTERIAL』の陽菜を足して二で割った子。いや、後者は単に田口宏子分かもしれないけど。なんていうか……何この、俺のドS成分がふつふつと湧き出てくる子は。ゆじゅでじゅかわいいよゆじゅでじゅ。最近では珍しい、食べ物でキャラ立てしてる子で、キーアイテムは食パン。シナリオはぶっちゃけ何も起きない。
ハル……『こんにゃく』の茜ポジション。しかし、まさかこの展開が来るとはwwwwwww、いや、ありだと思うよ個人的にはこういうのも。奈都希ルートを先にやっておくと、親世代の心境が理解できてなお良い。某シーンでは、私も吟次にもらい泣き漢泣きですよ。
涼……クールなんだけどお茶目。こういう子大好き。どうも、ミンゴス(あ、言っちゃった)が好きというよりも、好きなキャラのCVがミンゴスという気はする。結果、相乗効果で俺の嫁、と。まるねこラインで考えるなら、キャラが香奈子さんにだぶらないこともない。シナリオはオーソドックスな。クールな子っていうとこういうシナリオでしょう。
ゆかり……お姉ちゃん系幼馴染。S成分は中の人分か?wシナリオは涼が終わってれば大体想像がつくと思う。ネタバレなしではあんまり語るところはないかなぁ。
んで、以下はネタバレ。
主人公の思考回路は最初「楽しければそれでいい」「倫理コードがなぜ存在するかわからない」「自分が楽しいことなら万人が楽しいに違いない」というものだったが、このままで世の中を回せるはずがない。序盤の主人公の行動は、無鉄砲で無思慮でバカでしかない。お前本当に文化祭やる気あんの?責任って言葉知ってる?というレベル。人によっては不快なくらいだろう。自分自身割とそうだった。
しかし、彼は少しずつ挫折しそのたびに少しずつ思考を変えてきた。通すべき筋を知れば遊びを公的にするべく文化祭実行委員会を立ち上げ、最低限守るところを守らないと危険だということを知ればきちんと謝り、周囲の賛同が無ければ企画は動かないことを知って他人の意見を聞くようになった。要するに、文化祭の企画運営を通して彼は明確に成長したのだ。そんな主人公だからこそ、ハルルートで妊娠が発覚したときは潔く行動できたし、大概のルートで行うことになる卒業式の運営もばっちり仕切ることが出来た。確かに行動に勢いは減ったかもしれないが、行動に伴う不快さも減った。
これが丸戸のゲームなら、仁にしろ航にしろ妙案をひらめいて危機を突破したところだった。その過程で自然と周囲が付いてきた(その意味で巧の母親にして「台風一号」の沙由美は間違いなく丸戸ゲーの主人公、ひょっとしてそういうかぶせ?)。しかし、木緒は成長物語にもっていった。いやらしい言い方をすれば、単純に丸戸的発想ができなかったのかもしれない。
しかし、それでもかまわないと思う。ユーザーだって、丸戸の劣化コピーは求めていない。序盤(特に体験版部分)はまるねこラインを思わせるために、かなり丸戸っぽく仕上げた。また、まだキャラが大きく動いていないこともあって、似せるのも技術的に比較的楽だった。しかし中盤以降は、自分の動かしやすい主人公像に塗り替えるとともに、同時に主人公像の変化を成長物語に仕立てているのだ。ここは木緒の技量を大いに認めるところではないだろうか。実際、「丸戸らしい」という評価は見ても、「丸戸の劣化コピー」というレビューは読んだことがない。
しかし、「主人公は後半つまらなくなった」というのはよく読む。これはAct2が短かったことに加え、卒業式イベントの運営を明確に描かなかったため(無いルートもあった)、成長後の主人公の「賢く行動する姿」「台風の目としての主人公」がユーザーの印象に残ってなかったからではないだろうか。どうせならそこまでやってほしかった。そこまでやれば、成長物語としては満点だった(ゲーム全体の評価とは別として)。
あんまり何度もやられても困るが、「まるねこラインで丸戸以外の名のあるライターが書いたらどうなるか」という実験的意味合いにおいて、おもしろい結果であった。
しかし、彼は少しずつ挫折しそのたびに少しずつ思考を変えてきた。通すべき筋を知れば遊びを公的にするべく文化祭実行委員会を立ち上げ、最低限守るところを守らないと危険だということを知ればきちんと謝り、周囲の賛同が無ければ企画は動かないことを知って他人の意見を聞くようになった。要するに、文化祭の企画運営を通して彼は明確に成長したのだ。そんな主人公だからこそ、ハルルートで妊娠が発覚したときは潔く行動できたし、大概のルートで行うことになる卒業式の運営もばっちり仕切ることが出来た。確かに行動に勢いは減ったかもしれないが、行動に伴う不快さも減った。
これが丸戸のゲームなら、仁にしろ航にしろ妙案をひらめいて危機を突破したところだった。その過程で自然と周囲が付いてきた(その意味で巧の母親にして「台風一号」の沙由美は間違いなく丸戸ゲーの主人公、ひょっとしてそういうかぶせ?)。しかし、木緒は成長物語にもっていった。いやらしい言い方をすれば、単純に丸戸的発想ができなかったのかもしれない。
しかし、それでもかまわないと思う。ユーザーだって、丸戸の劣化コピーは求めていない。序盤(特に体験版部分)はまるねこラインを思わせるために、かなり丸戸っぽく仕上げた。また、まだキャラが大きく動いていないこともあって、似せるのも技術的に比較的楽だった。しかし中盤以降は、自分の動かしやすい主人公像に塗り替えるとともに、同時に主人公像の変化を成長物語に仕立てているのだ。ここは木緒の技量を大いに認めるところではないだろうか。実際、「丸戸らしい」という評価は見ても、「丸戸の劣化コピー」というレビューは読んだことがない。
しかし、「主人公は後半つまらなくなった」というのはよく読む。これはAct2が短かったことに加え、卒業式イベントの運営を明確に描かなかったため(無いルートもあった)、成長後の主人公の「賢く行動する姿」「台風の目としての主人公」がユーザーの印象に残ってなかったからではないだろうか。どうせならそこまでやってほしかった。そこまでやれば、成長物語としては満点だった(ゲーム全体の評価とは別として)。
あんまり何度もやられても困るが、「まるねこラインで丸戸以外の名のあるライターが書いたらどうなるか」という実験的意味合いにおいて、おもしろい結果であった。
Posted by dg_law at 22:54│Comments(0)│