2009年03月22日

次は切子を見に行く

色絵金彩春秋図耳付花瓶江戸東京博物館の薩摩焼展を見に行ってきた。なんというか吹っ切れたかのように美術館に行っているわけだが、やはり自分にとってはストレス解消なんだなぁと改めて思う。これで三月場所が東京だったならそのまま相撲を見ていったのだが、大阪でやってるんだからしょうがない。自転車で神田川沿いをずっと走っていったんだが、すごく良い気候で、花粉を除けば過ごしやすい季節になったもんだと思う。思わずコートを脱いでしまった。国技館では某専門学校の卒業式をやっていて、両国駅周辺は意外と混んでいた。

で、今まで薩摩焼なんて大して見る機会も無かったので知らなかったのだが、土の色のせいか焼き方のせいか、どこか色がついていて全くの白地というわけではない。加えて貫入(釉薬のひび割れ)が激しいのが特徴らしく、砧青磁を至高として見る自分としては終始違和感をぬぐえなかった。しかもそこにごてごてと金と赤で装飾するため、こう言ってはなんだが、同じような装飾なのに伊万里と比べるとどこか野暮ったささえ感じる。しかも、絵としては大変上手なので尚更残念な感じがする。順序としては逆なんだろうが、失敗したマイセンのような。

そろそろ鹿児島県民に怒られそうだが、だからこそ逆に蛇蝎釉の茶碗はおもしろかった。貫入の激しさを全面に押し出し、見た目にもでこぼこしている感触が感じ取れる。あとは、宋胡録(すんころく)という模様のものも珍しかった。タイの影響を受けたものだそうだが、またしてもこう言ってはなんだが、確かに熱帯的な模様に感じられた。

最後に、併設展として現代の薩摩焼が展示されていたが、2007年制作のものもあり、かなり新しい作品の混じった展示であった。どうやらフランスに巡回したものの帰りらしい。こちらのほうは随分とセンスがよくなっていて全く野暮ったさが無くなっていた。しかし、一方でこれは薩摩焼なんだろうか、現代工芸一般に共通する部分が強いような、そんな気がしないでもなかった。

いろいろ注文はつけたがそれは自分の中での陶磁器に対する要求が高いからであって、内心としてはけっこう満足した展覧会であった。小腹が空いたので、美術館出たところにあった甘味処であんみつを食べた。うまかった。


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