2009年06月17日
祝福のカンパネラ レビュー
さて、どう書いたものか。「甘かったです、ごちそうさま」が第一声としてふさわしいだろうか。
個人的に比較対象としたいのは『こいびとどうしですることぜんぶ』である。あっちはあっちで悪くなかったのだが、どうにもこうにも人間味に欠けた部分が気にかかって、あっちのレビューで評した人口甘味料がけっこう自分なりにうまい表現だったりした。じゃあ『カンパネラ』はどうだったかというと、わざとらしい部分がなかったかと言えばそういうわけではないものの、随分とごまかしている。これはかなり自然な、くどくない甘みに近い。
シナリオはザ・ご都合主義&王道。気にしたら負けである。しかし一つ注文をつけると、それならそれで妙な理屈はこねないで、こまけぇことはいいんだよ!にしてしまったほうがすっきりとした流れになったのではないだろうか。設定を複雑にするなと言っているわけではない。エール関連に関してはよくこれだけ練ったもんだと思う。別の、もっとシリアスなゲームに転用できそうだ。
しかし、それとオチの付け方というのは全く別物であって、ミネットやチェルシーのシナリオは「なんとかする」ための弁解が過ぎたかなーと。そのために随分とシナリオが間延びしており、これは眠いと言われても、言い訳できない。しかも所詮ご都合主義のための弁解に過ぎない文章であるため、読んでて大して楽しくないという。その分、ご都合主義には違いないにしても、アニエスやカリーナのシナリオはまだ多少はすっきりしていた。王道という面でも少し文句が出る。別に王道そのものは悪くないんだけども、表現がどうにも古臭いというか、もうちょっとひねられなかったのか。青臭すぎてちょっと笑ってしまった。一人ずつ集合とかどこのロマサガ3だよ。それをエロゲでやられても。
シナリオ面において最も重要なのは、レスターさんのキャラクター。レスターさんイケメンすぎ爆発しろ、の一言で済ませてしまってもなんら問題はないのだが、一応いろいろ言おうとしてみると、シェリーさんが「自分好みに育てた」という設定がけっこう言い訳としてうまく機能しているなぁと。くどいくらい「よく考えて行動しろ」と言われるわけだが、単純に繰り返しているわけではなくて、本当にレスターさんがしっかり考えてから行動しているように見える。その結果はまあご都合主義であるにせよ、レスターさんがしっかり考えてからの行動が、結果に結びついているのはよかった。もっとも、結びつけるための超展開もいくつかあって、若干本末転倒気味には見えたのだけれど。とりあえず、私はレスターさん大好きです。この主人公像は良い。
このように数々の文句はありつつも、文章は非常に丁寧に書かれたものだと思う。結果が全てと言いつつも、そういった努力が見える文章だから、そんなに叩く気が起きないんだよなぁ。レビュアーとしては良くないのかもしれないけど。
ビジュアル、音楽は文句なし。特に、立ち絵の破壊力がとんでもない。まさに外れがない。決めポーズ的な立ち絵は用意されていてしかるべきで、パースが崩れているものなんぞ一枚絵以上に論外なわけだが、本作の立ち絵は全弾勝負と言っても過言ではない。それもサブキャラやゴーレムに至るまで。こ〜ちゃはロリ得意で年上苦手と言っていて、確かにチェルシー、シェリー辺りはやや苦手そうに見える。だが、カリーナは悪くない。この辺りの年齢層が境界線ということか。まあ、ガーネットやミネットが一番しっかり描けている辺りやっぱり、ロリコン乙。
逆に不必要だったものは、あの3Dの戦闘。あれ自体が悪かったというよりも、全く盛り上がらない。ほのぼのしていること自体は悪くない。ゲームの雰囲気上、そうせざるをえない。しかしエフェクトの平凡さが最大の戦犯だろうか、シリアスシーンでもあの戦闘方法というのは緊張に欠ける上に単純なインパクトとしても大分弱い。あれだけは本当に必要なかった。
総じて、『はぴねす!』からの進化と停滞の両方を感じさせてくれる作品。進化という面では、オーガストの『はにはに』から『明け瑠璃』や、Navelの『シャッフル』から『リアリーリアリー』への進化を彷彿とさせる。が、『明け瑠璃』が一応シナリオゲーとしても成立しえたことや、『リアリーリアリー』がネタ方向に突っ切ってしまっているのに比べると、まだまだ中途半端さが否めず、まさにこの中途半端さが『はぴねす!』から抜け出せなかった、ういんどみるの弱点であり、ある種の人にはまだ凡百のエロゲ扱いされてしまう原因ではないだろうか。79点。プレイ時間はけっこうかかった。おまけまで含めて、30時間くらい?
さて、こうなると次の一手が楽しみだ。がんばれ、萌えゲーメーカー諸氏。シナリオゲーにはない、独特の味わいがあるというところを見せて欲しい。
以下、ネタバレぞーん。クリア順に。
個人的に比較対象としたいのは『こいびとどうしですることぜんぶ』である。あっちはあっちで悪くなかったのだが、どうにもこうにも人間味に欠けた部分が気にかかって、あっちのレビューで評した人口甘味料がけっこう自分なりにうまい表現だったりした。じゃあ『カンパネラ』はどうだったかというと、わざとらしい部分がなかったかと言えばそういうわけではないものの、随分とごまかしている。これはかなり自然な、くどくない甘みに近い。
シナリオはザ・ご都合主義&王道。気にしたら負けである。しかし一つ注文をつけると、それならそれで妙な理屈はこねないで、こまけぇことはいいんだよ!にしてしまったほうがすっきりとした流れになったのではないだろうか。設定を複雑にするなと言っているわけではない。エール関連に関してはよくこれだけ練ったもんだと思う。別の、もっとシリアスなゲームに転用できそうだ。
しかし、それとオチの付け方というのは全く別物であって、ミネットやチェルシーのシナリオは「なんとかする」ための弁解が過ぎたかなーと。そのために随分とシナリオが間延びしており、これは眠いと言われても、言い訳できない。しかも所詮ご都合主義のための弁解に過ぎない文章であるため、読んでて大して楽しくないという。その分、ご都合主義には違いないにしても、アニエスやカリーナのシナリオはまだ多少はすっきりしていた。王道という面でも少し文句が出る。別に王道そのものは悪くないんだけども、表現がどうにも古臭いというか、もうちょっとひねられなかったのか。青臭すぎてちょっと笑ってしまった。一人ずつ集合とかどこのロマサガ3だよ。それをエロゲでやられても。
シナリオ面において最も重要なのは、レスターさんのキャラクター。レスターさんイケメンすぎ爆発しろ、の一言で済ませてしまってもなんら問題はないのだが、一応いろいろ言おうとしてみると、シェリーさんが「自分好みに育てた」という設定がけっこう言い訳としてうまく機能しているなぁと。くどいくらい「よく考えて行動しろ」と言われるわけだが、単純に繰り返しているわけではなくて、本当にレスターさんがしっかり考えてから行動しているように見える。その結果はまあご都合主義であるにせよ、レスターさんがしっかり考えてからの行動が、結果に結びついているのはよかった。もっとも、結びつけるための超展開もいくつかあって、若干本末転倒気味には見えたのだけれど。とりあえず、私はレスターさん大好きです。この主人公像は良い。
このように数々の文句はありつつも、文章は非常に丁寧に書かれたものだと思う。結果が全てと言いつつも、そういった努力が見える文章だから、そんなに叩く気が起きないんだよなぁ。レビュアーとしては良くないのかもしれないけど。
ビジュアル、音楽は文句なし。特に、立ち絵の破壊力がとんでもない。まさに外れがない。決めポーズ的な立ち絵は用意されていてしかるべきで、パースが崩れているものなんぞ一枚絵以上に論外なわけだが、本作の立ち絵は全弾勝負と言っても過言ではない。それもサブキャラやゴーレムに至るまで。こ〜ちゃはロリ得意で年上苦手と言っていて、確かにチェルシー、シェリー辺りはやや苦手そうに見える。だが、カリーナは悪くない。この辺りの年齢層が境界線ということか。まあ、ガーネットやミネットが一番しっかり描けている辺りやっぱり、ロリコン乙。
逆に不必要だったものは、あの3Dの戦闘。あれ自体が悪かったというよりも、全く盛り上がらない。ほのぼのしていること自体は悪くない。ゲームの雰囲気上、そうせざるをえない。しかしエフェクトの平凡さが最大の戦犯だろうか、シリアスシーンでもあの戦闘方法というのは緊張に欠ける上に単純なインパクトとしても大分弱い。あれだけは本当に必要なかった。
総じて、『はぴねす!』からの進化と停滞の両方を感じさせてくれる作品。進化という面では、オーガストの『はにはに』から『明け瑠璃』や、Navelの『シャッフル』から『リアリーリアリー』への進化を彷彿とさせる。が、『明け瑠璃』が一応シナリオゲーとしても成立しえたことや、『リアリーリアリー』がネタ方向に突っ切ってしまっているのに比べると、まだまだ中途半端さが否めず、まさにこの中途半端さが『はぴねす!』から抜け出せなかった、ういんどみるの弱点であり、ある種の人にはまだ凡百のエロゲ扱いされてしまう原因ではないだろうか。79点。プレイ時間はけっこうかかった。おまけまで含めて、30時間くらい?
さて、こうなると次の一手が楽しみだ。がんばれ、萌えゲーメーカー諸氏。シナリオゲーにはない、独特の味わいがあるというところを見せて欲しい。
以下、ネタバレぞーん。クリア順に。
ミネット。呼称"パパ"が危険であるということは、アルルゥで十分に実証済みである。シナリオは可も不可もなくご都合主義でまとめられた。……いやでも、もうちょっとなんとかならんかったのか。別にタイマンだけが喧嘩の華でもあるまいて。超展開ですらない。「生まれてきてくれて、ありがとう。」、もうこの一言で十分。
アニエス。まず何よりも水橋ボイスやべぇ。脳が溶ける。『さかハリ』でかすれてた分、堪能させてもらった感じ。単純にキャラとしてみても、こういう子は好きである。一部の人には話したことがあるが、リアル方向の古傷のせいで理系の女の子がかわいく見える病気にかかっているので。要するに、東方のにとりと同じですな。二章中盤からのいとおしさは異常。何このかわいさ死んでしまう。ダメだこの恋する乙女早く何とかしないと。シナリオは……ニックの漢気に全俺が泣いた。ニックは報われないなぁ。ボイスは入れ忘れられるしw。アニエスのビジュアル面での文句を一つだけ。なぜHシーンで乳が膨らむ。解せぬ。
カリーナ。お前はぴねすからの出張キャラだろう、杖がしゃべれるようになったときには思わず吹いた。それはそれとして、幼馴染なお姫様なんだがそんなことよりも万年発情しすぎ。これが最大のキャラ付けになっていると言っても過言ではない。猥談になると一番耳年増だったりとか、この点での演出は細かい。二章以後の破壊力はアニエス並で最高峰。ファーストキスのシーンで泣いてるカリーナに泣いた。これは重い。意味的な意味で。やっぱりカリーナがメインヒロインで間違いないと思う。あー、もうなんか、いいなこいつら。バカップル死ねとか言う気力すら湧かない。シナリオは最も良かった。全編あれでいいのです。
他どうでもいいこととして、本作はパロディが少なかったのではあるがゴッドゴーレムにはくそワロタ。ハイパーモードとかもろじゃん。あと、さりげにモンテッキアが萌えキャラ。これはいつかレスターにフラグが(ry
チェルシー。自分の直感では、殿子、涼、湊と比べると、千早度は二番目くらい。いや、殿子が千早すぎたんだけど。銀月良い曲。でも相変わらずHシーンは下手である。二章後半以後はやっぱりすごかった。シナリオ?神剣すごいですね。それほどでもない。ビジュアル面に関して、私服が私服に見えない。あれはどう見ても軍服。賛同してくれる人てーあげてー。あと、ミネットさん空気読んでください。いや、そこで空気を読まないのがミネットか。
ニナさん。まず、単純なメイド服ではなく、どちらかと言えば使用人然とした服装のデザインにした点を高く評価したい。彼女には言いようがない魅力がある。ここまで自分を殺して引っ込むのはけっこう珍しいタイプかも。クエストをこなしていくとどんどん緩んでいくのが笑える。そうだよね、彼女もレスターハーレムに入る資格あるよね。それだけにあのシナリオはほろりときた。あれはあれでいいと思うし、ああいうEDだからこそのニナさんではある。それでもあえて言おう、FDでは幸せにしてあげてください。ほんと頼む。いや、だからこそのここで同人誌の出番か。夏コミに期待だぜ。
サルサ、おばか可愛い。リトス、ルートに入ってからがかわいすぎるだろう。典型的なツンデレすら存在しない本作においては、唯一のデレるキャラかもしれない。この双子の掛け合いに関してだけは、このライターはエロゲ業界でも堂々と一級品を名乗っていい。腹筋崩壊系というよりはテンポの良い漫才、まさにこれ。
その他。ニックはもっと報われるべき。報われないネタはハチ以来のお家芸か。シェリーさん。人外設定がところどころから読み取れなくもないんだけど、実際のところは?これもFD次第か。ガーネット。最初はアッキーってだけで聞いてたけど、普通に大好きなキャラになった。というかロリババアなんだからそりゃそうだろうという読者の声が聞こえてきたがスルーすることにしたい。最後にアヴリル。いや、どうしてもこれはレンの面影がちらつくよね、しょうがない。そして今引き続いてやっている『さくらシュトラッセ』にもまたいるわけですが……まあ使いやすいですよね黒猫。「逆さ人形」こと黒アヴリルでさらに魅力加点。これにはあらがえない。
余談。皆良い子達なんだけど、俺の嫁を選べと言われたら、やっぱりチェルシーかニナのどちらかか。サブキャラを含むならここにガーネットとアヴリルが参戦。
アニエス。まず何よりも水橋ボイスやべぇ。脳が溶ける。『さかハリ』でかすれてた分、堪能させてもらった感じ。単純にキャラとしてみても、こういう子は好きである。一部の人には話したことがあるが、リアル方向の古傷のせいで理系の女の子がかわいく見える病気にかかっているので。要するに、東方のにとりと同じですな。二章中盤からのいとおしさは異常。何このかわいさ死んでしまう。ダメだこの恋する乙女早く何とかしないと。シナリオは……ニックの漢気に全俺が泣いた。ニックは報われないなぁ。ボイスは入れ忘れられるしw。アニエスのビジュアル面での文句を一つだけ。なぜHシーンで乳が膨らむ。解せぬ。
カリーナ。お前はぴねすからの出張キャラだろう、杖がしゃべれるようになったときには思わず吹いた。それはそれとして、幼馴染なお姫様なんだがそんなことよりも万年発情しすぎ。これが最大のキャラ付けになっていると言っても過言ではない。猥談になると一番耳年増だったりとか、この点での演出は細かい。二章以後の破壊力はアニエス並で最高峰。ファーストキスのシーンで泣いてるカリーナに泣いた。これは重い。意味的な意味で。やっぱりカリーナがメインヒロインで間違いないと思う。あー、もうなんか、いいなこいつら。バカップル死ねとか言う気力すら湧かない。シナリオは最も良かった。全編あれでいいのです。
他どうでもいいこととして、本作はパロディが少なかったのではあるがゴッドゴーレムにはくそワロタ。ハイパーモードとかもろじゃん。あと、さりげにモンテッキアが萌えキャラ。これはいつかレスターにフラグが(ry
チェルシー。自分の直感では、殿子、涼、湊と比べると、千早度は二番目くらい。いや、殿子が千早すぎたんだけど。銀月良い曲。でも相変わらずHシーンは下手である。二章後半以後はやっぱりすごかった。シナリオ?神剣すごいですね。それほどでもない。ビジュアル面に関して、私服が私服に見えない。あれはどう見ても軍服。賛同してくれる人てーあげてー。あと、ミネットさん空気読んでください。いや、そこで空気を読まないのがミネットか。
ニナさん。まず、単純なメイド服ではなく、どちらかと言えば使用人然とした服装のデザインにした点を高く評価したい。彼女には言いようがない魅力がある。ここまで自分を殺して引っ込むのはけっこう珍しいタイプかも。クエストをこなしていくとどんどん緩んでいくのが笑える。そうだよね、彼女もレスターハーレムに入る資格あるよね。それだけにあのシナリオはほろりときた。あれはあれでいいと思うし、ああいうEDだからこそのニナさんではある。それでもあえて言おう、FDでは幸せにしてあげてください。ほんと頼む。いや、だからこそのここで同人誌の出番か。夏コミに期待だぜ。
サルサ、おばか可愛い。リトス、ルートに入ってからがかわいすぎるだろう。典型的なツンデレすら存在しない本作においては、唯一のデレるキャラかもしれない。この双子の掛け合いに関してだけは、このライターはエロゲ業界でも堂々と一級品を名乗っていい。腹筋崩壊系というよりはテンポの良い漫才、まさにこれ。
その他。ニックはもっと報われるべき。報われないネタはハチ以来のお家芸か。シェリーさん。人外設定がところどころから読み取れなくもないんだけど、実際のところは?これもFD次第か。ガーネット。最初はアッキーってだけで聞いてたけど、普通に大好きなキャラになった。というかロリババアなんだからそりゃそうだろうという読者の声が聞こえてきたがスルーすることにしたい。最後にアヴリル。いや、どうしてもこれはレンの面影がちらつくよね、しょうがない。そして今引き続いてやっている『さくらシュトラッセ』にもまたいるわけですが……まあ使いやすいですよね黒猫。「逆さ人形」こと黒アヴリルでさらに魅力加点。これにはあらがえない。
余談。皆良い子達なんだけど、俺の嫁を選べと言われたら、やっぱりチェルシーかニナのどちらかか。サブキャラを含むならここにガーネットとアヴリルが参戦。
Posted by dg_law at 14:38│Comments(0)│