2009年06月17日

祝福のカンパネラ 余談

以下は比較的本編とは関係の無い妄想。長くなりすぎたのでレビュー本体から分離。


ついでに。ノストラム(Nostrum)地方は「我々の」「祖国の」という意味を持つラテン語系の言葉である。人物名については、レスター・メイクラフト(Leicester Maycraft)は英語で、レスターは一見不可解なつづりに見えるが実はイギリスの地名である。シェリーもナーガンも英語圏の人名。ラングバーズはつづりがちょっとわからないが、響きからして英語圏なのだろう。Langburseとかそんな感じじゃなかろうか。チェルシー・アーコット(Chelsea Arcot)も言うまでもなく英語。なんというか、ここでも世界の覇権を握ったのは英語だったか。神の都だしなぁ。

しかし、Verrittiという名前の響きはどう考えてもイタリア語系で、ファビウスもフィオーレももろにイタリア語で、Fioreは「花」、ファビウスは普通の人名ではあるがこじつけるなら古代ローマの名将にいる。メイクラフト一家が元々エルタリア在住ではないこともふまえるに、エルタリアだけがノストラム地方で独自の言語文化なのだろうと考えたほうがすんなりいく。エルタリア(Ert'Aria)自体の意味は多分特に無い。しいて言うならAriaは旋律を意味する「アリア」だろう。なお、ガーネットは意外なことに英語でしか通じない単語らしい。彼女は元々ラングバーズの方に住んでいた竜王なのかもしれない。

対照的に、プランブリーズ(Print'brise)はフランス語として直訳すると「春のそよ風」になるので、これが正解。アニエス・ブーランジェ(Agnes Boulange)はまずAgnesとつづってアグネスと読まない奇怪な言語は数少ないということと、ブーランジェはフランス語にしか存在しない姓。ミネット(Minette)はフランス語で「子猫」。プランジェンヌが甘いお菓子好きなことからしても、完全にフランスがモティーフである。こちらは完全に統一されている。

おもしろいのは、アヴリル(Avril)もアバディーン(Aberdeen)も英語圏な人名だが、フランス語語源の言葉である。ついでに言えば、アヴリル・ラヴィーンも元々はカナダ系フランス人。ミリアム(Miriam)は聖人の名前ゆえに万国にあるのでなんとも言えないが、少なくともつづりは英語のようだ。実はニック・ラジャック(Nick La'juck)もどっちにもありうる名前のようだが、これは偶然のことだろう。

トルティア(Tortilla)姉妹はスペイン語系。サルサ(Salsa)もリトス(Ritos)も独特の語感である。彼女らも故郷を離れて遠いエルタリアまで来ているという設定なので、故郷のほうがスペインモティーフなのだろう。

さて、一人だけひどく発音が吹っ飛んでる子がいるわけだが、ニナ・リンドベルイ(Nina Lindberg)はスウェーデン語である。"ラングバーズ語"読みをするなら「リンドバーグ」。彼女のエルタリアに来る以前、というよりもベルリッティ大公に拾われるまでの経歴は完全に謎に包まれているわけだが、HPの世界観の設定に「エルタリアでは北方との交易もある」と書いてあるにもかかわらず、そのことが本編ではほとんど触れられなかった。要するにニナさんは北方からの移民なのだろう。どういう経緯でファビウスさんに見出されたのかが非常に興味深いわけですが、さすがに補完してくれないだろうなぁ。

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この記事へのコメント
ワリアギ親衛隊みたいな形で北方との交流があった、とかヴァイキングの子孫とか。
ニナさん骨太っぽいし、親父さんがトルケルみたいな奴でも驚けない……
妄想ってたのしいね!
Posted by 紅茶 at 2009年06月19日 00:14
確かに骨太っぽいw
言われてみるとあの地味なメイド服も、それっぽく見えるから不思議です。
もはやニナさんの設定がどんなのでも驚かないでしょうねw
果たして、エルタリアの歴史には何があったのか。

ところで、書いてから思ったんですが、北方じゃない可能性もあるんですよね。
エルタリアよりもラングバーズやプランブリーズのほうが南に位置している時点で地球とはかなり地形が違うみたいですし。
でも、ニナさんのイメージは北方だなぁ。
Posted by DG-Law at 2009年06月19日 23:46
こういう考察大好きです。
楽しませていただきました。
Posted by (・ω<) at 2011年12月03日 21:02
ありがとうございます。
また書けそうなエロゲをクリアしたら,何か書こうかと思います。
Posted by DG-Law at 2011年12月04日 08:31