2009年08月02日
見えないところに霊夢
いろいろ読んだので。
・グリモワールオブ魔理沙。神主がこのタイミングで(忙しいだろうに)、しかも書籍タイプの新刊を出してくるとは思わなかった。これはおもしろい。全く攻略にはなっていないが、弾幕から見る東方の世界観理解への一助にはなるだろう。演劇タイプ、バグタイプ、とか。「ネットで攻略方法は検索できるんだから、これからのゲーム関連書籍はこういったものになるんじゃ」という神主の言葉にも同感である。
それはそれとして、挿絵を担当されたみどりのにわの守姫武士さんはパチュマリ好きとして冬コミくらいに知って、そこからは追っているサークルさんで、今回の挿絵担当という話も全く知らず買って開いて最初の挿絵を見て驚いた。今までの秋☆枝さん、TOKIAMEさん、くらっしゅハウスの比良坂さんetcに比べると圧倒的に知名度に差があるわけで、なんという大出世。フルカラーだし、弾幕描写も悪くないのでこの点でも満足である。それにしてもパチェには気合が入ってた気はするが。しかし、ここのサークルは今までそんなに混んでなかったんだが、これはこの夏コミやばいのでは。案の定誕生日席ではあるもののほとんど島中と言っていい配置だし。
・マリみて最新刊『リトルホラーズ』。内容は短編集で雑誌からの再録、加筆が大半だそうで、雑誌コバルトを読んでいる人からすればどうやら出て当然の最新刊だったらしい。そういう事情を知らなかった私としては「たった半年で復活かよ、いつもの倍かかっただけじゃんw」などと思ってしまった。なお、まだ再録の済んでいない短編は残っているが話の雰囲気が違ったので見送ったらしい。ということは、遠くない未来にもう一冊短編集が出るかもしれない。あとがきに「たまればまたこのパターンは有りかな」と書いてあるし。
リトルホラーズということで一応ホラーという体裁はとっているが、本格的に怖い話はなく(まあそれは『マリみて』の雰囲気に合わないだろう)、まあ気味が悪いといおうかとりとめのない話というか、どう反応して良いのかわからない不思議な読後感の短編集であった。シュールとまで言っていい話もある。
つなぎとして間に入っていたマリみて本筋の話は、ちょっと無理があるような気はするけどつなぎっていつもあんなもんか、というくらい。奈々ちゃん主人公というのは良かった。それぞれ学年の上がった既存キャラたちはこう見えるのかと。祐巳はしっかりしてきたように見えて本質的には変わってないといういつものクオリティ。瞳子は役者ですな、実に良い。乃梨子は天然。志摩子さんは影薄いからもう少し出番欲しかった。そして、由乃の扱いひどいなぁw。ここまで考えなしだったっけ?
・もやしもん8巻。ビール編。正直に言って自分も地ビールにそこまで惹かれる理由がない。ビールにそこまでこだわりがなく、居酒屋での最初の一杯の生中で十分満足してしまう。理由はいくつかあって、そもそも穀物系統のお酒よりも果実酒のほうが好きだから。胃が小さいのであまりビールばかり飲むとそれで腹が膨れるので。特に生中の圧迫感は異常である。それらを除いても、やはり日本のすっきりとしてキンキンに冷えたビールをあまりにも飲みなれてるなぁと。癖がなくて、辛口の日本酒に近いと思う。
それはそれとして(二回目)、おいしいってことが一番大事なのであって、薀蓄で飲むものじゃないということには同意できる。ただ、一方で薀蓄も付加価値としては認めるべきだと思う。ワインも薀蓄で飲んでるところは無きにしも非ずだろう。しかし、商品のラベル貸しで、アサヒビールとサッポロビールはよく参加してくれたもんだ。これは地ビールが参加するよりもよほど好印象を残したと思う。サントリーとキリンの広報はまだまだ目が行き届いてない。
・狼と香辛料10巻。最新刊ではない。あまりこういう読み方ばかりをするのは自分でもどうかと思うのだが、もう一種の職業病と化しているので書き残しておくことにする。時期の推定としては前にも書いたが13世紀頃であると思われる。イスラームとの十字軍が終わり、北方十字軍が盛んであったこと。北欧やロシアには異教が残っていること。商業ルネサンスが終わり、香辛料や黄金を輸入する南方の諸都市が栄えていることなどがその根拠として挙げられる。その上で、パッツィオは北イタリア、リュビンハイゲンはプラハかアウクスブルク、クメルスンやテレオはドイツやポーランドのどこかだろう。
しかしおもしろいのはここから現実の地理とは大きく異なった動きをする。レノスやケルーベはスラヴやゲルマンというよりはラテンな響きのする名前だし、レイノルズにキーマン、エーブと来たらイギリスなんじゃないかと。ウィンフィール王国はもろにブリテン島ですな。中世イングランドといえば大陸側のほうが領土が大きかったくらいだし、ケルーベがウィンフィール王国領ではないようだけど、言語がイギリス系でもおかしくはない。もっとも、中世の英語は今の英語と似ても似つかぬものである、ということはこの際忘れることにするが。
ルウィック同盟はハンザ同盟なんだろう。実際にハンザ同盟は一時期、王位を左右するほどの権力、軍事力を持っていた。史実では新大陸の発見や西欧各国の王権伸張で、ハンザ同盟の側が衰退していったし、イングランドは商業重心の西進や羊毛需要の増大で勢力拡大を果たす。しかし、こちらの世界では逆に羊毛が暴落し暗君を輩出した結果、ハンザ同盟に乗っ取られそうと来た。これは本当におもしろいし、実際にありえたかもしれない歴史の展開だ。もし現実でそうなってたら、北欧一帯に大ハンザ共和国連邦でも出来てたんだろうか。妄想が広がる。
まあ、そういうことを言い出したら、中世なのにホロがジャガイモを食ってるのはおかしい、という指摘をするべきなんだろうけど。
・グリモワールオブ魔理沙。神主がこのタイミングで(忙しいだろうに)、しかも書籍タイプの新刊を出してくるとは思わなかった。これはおもしろい。全く攻略にはなっていないが、弾幕から見る東方の世界観理解への一助にはなるだろう。演劇タイプ、バグタイプ、とか。「ネットで攻略方法は検索できるんだから、これからのゲーム関連書籍はこういったものになるんじゃ」という神主の言葉にも同感である。
それはそれとして、挿絵を担当されたみどりのにわの守姫武士さんはパチュマリ好きとして冬コミくらいに知って、そこからは追っているサークルさんで、今回の挿絵担当という話も全く知らず買って開いて最初の挿絵を見て驚いた。今までの秋☆枝さん、TOKIAMEさん、くらっしゅハウスの比良坂さんetcに比べると圧倒的に知名度に差があるわけで、なんという大出世。フルカラーだし、弾幕描写も悪くないのでこの点でも満足である。それにしてもパチェには気合が入ってた気はするが。しかし、ここのサークルは今までそんなに混んでなかったんだが、これはこの夏コミやばいのでは。案の定誕生日席ではあるもののほとんど島中と言っていい配置だし。
・マリみて最新刊『リトルホラーズ』。内容は短編集で雑誌からの再録、加筆が大半だそうで、雑誌コバルトを読んでいる人からすればどうやら出て当然の最新刊だったらしい。そういう事情を知らなかった私としては「たった半年で復活かよ、いつもの倍かかっただけじゃんw」などと思ってしまった。なお、まだ再録の済んでいない短編は残っているが話の雰囲気が違ったので見送ったらしい。ということは、遠くない未来にもう一冊短編集が出るかもしれない。あとがきに「たまればまたこのパターンは有りかな」と書いてあるし。
リトルホラーズということで一応ホラーという体裁はとっているが、本格的に怖い話はなく(まあそれは『マリみて』の雰囲気に合わないだろう)、まあ気味が悪いといおうかとりとめのない話というか、どう反応して良いのかわからない不思議な読後感の短編集であった。シュールとまで言っていい話もある。
つなぎとして間に入っていたマリみて本筋の話は、ちょっと無理があるような気はするけどつなぎっていつもあんなもんか、というくらい。奈々ちゃん主人公というのは良かった。それぞれ学年の上がった既存キャラたちはこう見えるのかと。祐巳はしっかりしてきたように見えて本質的には変わってないといういつものクオリティ。瞳子は役者ですな、実に良い。乃梨子は天然。志摩子さんは影薄いからもう少し出番欲しかった。そして、由乃の扱いひどいなぁw。ここまで考えなしだったっけ?
・もやしもん8巻。ビール編。正直に言って自分も地ビールにそこまで惹かれる理由がない。ビールにそこまでこだわりがなく、居酒屋での最初の一杯の生中で十分満足してしまう。理由はいくつかあって、そもそも穀物系統のお酒よりも果実酒のほうが好きだから。胃が小さいのであまりビールばかり飲むとそれで腹が膨れるので。特に生中の圧迫感は異常である。それらを除いても、やはり日本のすっきりとしてキンキンに冷えたビールをあまりにも飲みなれてるなぁと。癖がなくて、辛口の日本酒に近いと思う。
それはそれとして(二回目)、おいしいってことが一番大事なのであって、薀蓄で飲むものじゃないということには同意できる。ただ、一方で薀蓄も付加価値としては認めるべきだと思う。ワインも薀蓄で飲んでるところは無きにしも非ずだろう。しかし、商品のラベル貸しで、アサヒビールとサッポロビールはよく参加してくれたもんだ。これは地ビールが参加するよりもよほど好印象を残したと思う。サントリーとキリンの広報はまだまだ目が行き届いてない。
・狼と香辛料10巻。最新刊ではない。あまりこういう読み方ばかりをするのは自分でもどうかと思うのだが、もう一種の職業病と化しているので書き残しておくことにする。時期の推定としては前にも書いたが13世紀頃であると思われる。イスラームとの十字軍が終わり、北方十字軍が盛んであったこと。北欧やロシアには異教が残っていること。商業ルネサンスが終わり、香辛料や黄金を輸入する南方の諸都市が栄えていることなどがその根拠として挙げられる。その上で、パッツィオは北イタリア、リュビンハイゲンはプラハかアウクスブルク、クメルスンやテレオはドイツやポーランドのどこかだろう。
しかしおもしろいのはここから現実の地理とは大きく異なった動きをする。レノスやケルーベはスラヴやゲルマンというよりはラテンな響きのする名前だし、レイノルズにキーマン、エーブと来たらイギリスなんじゃないかと。ウィンフィール王国はもろにブリテン島ですな。中世イングランドといえば大陸側のほうが領土が大きかったくらいだし、ケルーベがウィンフィール王国領ではないようだけど、言語がイギリス系でもおかしくはない。もっとも、中世の英語は今の英語と似ても似つかぬものである、ということはこの際忘れることにするが。
ルウィック同盟はハンザ同盟なんだろう。実際にハンザ同盟は一時期、王位を左右するほどの権力、軍事力を持っていた。史実では新大陸の発見や西欧各国の王権伸張で、ハンザ同盟の側が衰退していったし、イングランドは商業重心の西進や羊毛需要の増大で勢力拡大を果たす。しかし、こちらの世界では逆に羊毛が暴落し暗君を輩出した結果、ハンザ同盟に乗っ取られそうと来た。これは本当におもしろいし、実際にありえたかもしれない歴史の展開だ。もし現実でそうなってたら、北欧一帯に大ハンザ共和国連邦でも出来てたんだろうか。妄想が広がる。
まあ、そういうことを言い出したら、中世なのにホロがジャガイモを食ってるのはおかしい、という指摘をするべきなんだろうけど。
Posted by dg_law at 16:00│Comments(0)│