2009年08月09日

エリン・ブロコビッチ

貧乏職無し離婚歴二回三人の子持ちの女性が、弁護士事務所に事務員として雇われ(実際には押し入ったに近いが)、ある公害問題を解決させ、米国史上最高額の和解金で調停させることに成功した、という話。実在の話を元に制作された。

ジュリア・ロバーツ演じるエリンはともかく破天荒な女性である。ともかく口が悪いし短気。礼儀も何もあったもんじゃないし、反骨精神の塊で、弁護士事務所で働いている癖に反知識人的。アメリカだったからマシだったのかもしれない。日本だったらこのサクセスストーリーはさらに困難なものになっていただろう。

一方で、"三児の母"の色気さえも武器にするしたたかさと、他人のために本気になれる情熱の強さは、確かに彼女の武器であった。本人も言っているように彼女には知識も教養も無いが、頭の回転は間違いなく速い。一度しゃべりだすと止まらないし、的確に相手の弱点を突く非常にいやらしい話し方だ。気になったことを最後まで調べつくす執念もあるし、細かいところに気付く鋭敏さもある。この映画に関してエリン・ブロコビッチ本人は「私はいつもブラのひもを肩から外に出していたようなことはしなかったわよ」とは述べているが、逆に言えば実際にあんな感じだったってことだ。恐ろしい。

こうなると、エリン本人も偉大だがジュリア・ロバーツも称えなければならない。でもまあ、『プリティ・ウーマン』も『ノッティングヒルの恋人』も、ストーリーはともかく(どっちも眠かった)演技は悪くなかったから、やはり彼女は名優なのだろう。『エリン』が最も良い出来だったのは間違いないが。



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