2009年12月16日

シネ☆MAD 3rd 感想

見た順番がそのまま評価高い順という珍しい結果に終わったので、出勤前にさっくりと書いておく。


3A07



説明不要の大傑作。できればニコマス民以外にも見てほしいが、その場合は「これはほぼ全部ゲーム画面でもなくMMDでもなく、自作の3D映像」ということを念頭に入れておいてほしい。セバスチャンPの見事な3Dもさることながら、七夕PのPV、RAPのシナリオ、全てが高水準であり、まさに完璧な合作であった。ちょっと話題になってた劇中曲でありサブタイトルのMemories are hereは名作百合ゲー『カタハネ』の曲。というか、今回のシネ☆MADは百合色が強かった気がするが、この曲を使った3A07が一番真っ当な恋愛劇をやっていたというのはおもしろい偶然である。

(ネタバレ)どこで泣いたって、個人的には集中治療室の廊下の場面。真は壁をたたき、春香は千早に泣き崩れ、千早は必死にこらえていたが紙一重で決壊、いつの間にか春香と立場が逆転してる。律子は小鳥さんに促されるまで気丈に振舞う。それぞれの個性がしっかりと出たシーンで、非常によく作ってある。千早が決壊したシーンで一緒に決壊した。他にも、向日葵畑は太陽のあずさを意識してるだろうし、何より桃邪気P以後にこれを作るのは相当の勇気が必要だったと思う。実際に公開直後は重ねて見た人も多かったわけで。一つの壁を打ち破ってくれたという意味でも、偉大な作品である。(ネタバレ終わり)


CROSSLIFE



製作スタッフ陣を見て百合にしかならないのはわかっていたがw、予想以上に激しかったので大満足である。ただ、選択肢とスキップ機能を利用した擬似的一本道ギャルゲー風の構成にしたのは一長一短だったかと。かなりの人数がシステムを理解せずに、もしくは順番がわからずに途中で脱落していたのが非常にもったいない。加えて、時系列が前後しすぎていて単純にわかりづらかった。アクセサリーの有無や千早の態度を見ていれば理解はできるのだが……。しかし、なんだかんだ言いつつもこれだけ絵的にもストーリー的にも綺麗な百合をアイマスで見せられるとは思わなかったわけで、やはり私はこの作品が好きである。

で、はるちはわっほいなお風呂シーン付のディレクターズカット版はいつ(ry



プラネットラヴ



各所での評価の通り、二番目に出来が良かったのはこの作品。(三番目以降は意見が分かれるようで、私はCROSSLIFEを推す)。1話でやよいのアンテナ引っこ抜かれて血が吹き出たところで笑ってしまい、完全に引き込まれた。最後の超展開は別に気にならないレベル。アイマス公式からすると完全に架空設定だが、千早と美希のキャラをうまく使っているため違和感が無い。2本のPVの出来もよく、むしろこのPVの出来ではシネ☆MAD3rd随一であった。さすがはでっぶるPである。あと、これも百合臭あふれててごちそうさまでした。



Twilight Stage



シナリオ的な関連性は無いが、パロディが多いのでシュタゲプレイヤー推奨、とのこと。オーディションバトルという、最もアイマス本編に近いことをやった。シュタゲパロディなせいもあってシナリオは非常に中二病。だがそれがいい、と来るか、やっぱりあいませんでした、となるかは個人差のあるところだろう。まあ、比較的後者だった自分が何書いても言い訳にしかならないが。シナリオのテンポは良かったし、ピジャPの絵も雰囲気によくあっていた。



JHS 2nd



タイトルが実は英語で「中二」ということで、こちらも似たような系統の話ではあるのだが、あまりにもぶっ飛んでて理解の範疇を超えた。今ひとつ世界観が把握できないまま終わってしまった。何より、シナリオのテンポが悪すぎて間延びしており、どこにつれていってくれるのか不明瞭なまま展開してしまったのが欠点だったのではないかと思う。



春香歌姫綺譚



これに関しては、途中わかむらPが入院し、とりあえず優等生さんが絵を描き溜める中、スケジュールが立たないまま締め切りが来てしまい(何せ原作のゲームさえ『大神』に定まっていなかった模様)、やっとわかむらPが復帰したので、そこから超音速で白梅Pがシナリオを整えわかむらPが編集して完成した作品である。これ以外にももう1チーム出場辞退をしているため、今更2チーム辞退ということにもできなかったのだろう。ここに合作の難しさ、イベント企画の難しさが露呈されてしまった。

そのような経緯であるので評価は難しいが、厳しいことを言えばやはり完成度は最も落ちる。そもそも春香が主人公ではなく、むしろ美希であったことからして、突貫工事がうかがえる。



全体として、3A07が全部持ってったのはいいけど、イベントとしては(1stや2ndと比較しても)あまり盛り上がらなかったという印象。実際、あまり再生数の伸びが良くない。各作品の1話は2万再生ほどだが、最終話は5千再生強に落ち着いてしまっている。運営は悪くなかったが、出揃った作品がそこまで……という気もする。せめてプラネットラヴ級の出来のものがもう一つ出ていれば、かなりイベント全体の印象が違っていた。4thがあるのかどうかは知らないが、運営はめげずにまた企画してもらいたい。


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