2010年01月15日
センター試験に潜む悪魔
さて、センター試験が明日に迫ったわけだが、ブログの読者に受験生はほとんどいないと思われる。
ちょっと懐かしい話をしようか。センター英語では長文がいくつか出題され、うち一つの第5問は必ず会話文である。そしてこの第5問の会話文はやたらと奇抜なものが多く、受験生をしばしば混乱させることで、一部業界では有名である。たとえば2005年には天気図を気象学的にはありえない形で描き、2006年には登場人物のOwenが「僕の車は白くてタイヤ4つなのさ!」という珍妙な会話をし、それぞれ受験生を失笑させた。
しかし、センター試験の伝説的英雄といえば、この方しかおられない。そう、Pat様である。彼(女)の初登場は、2000年実施のセンター試験、もちろん英語の第5問である。その年、PatはEmiと謎のテレビゲームをプレイしていたのであった。そのクソゲー具合はシャレになってないレベルであり、しかもPatの説明も下手である。設問自体も奇問極まりない。公平中立良問を目指しているセンター試験とはとても思えない水準のものであった。
極めつけは2003年のセンター試験である。当然のように過去問数年分を解いてきていた多くの受験生は、英語第5問を見て戦慄した。そこにPat様が登場したからだ。悪夢である。そして彼はパワーアップして帰ってきていた。キャンプのリーダーを任されたのに、バーベキューの配置をありえない指示を出して部下に修正され、虫刺されスプレーの位置は鞄もポケットの位置も全部違う、という記憶障害を発生させ、受験生を混乱の渦に巻き込んだ。3年前のゲームの説明といい、Pat様は計り知れない頭脳をもってらっしゃる。実はよくよく読めばthe other oneがポケットではなく鞄であることはわかるのだが、それでもこれは明確に悪問だと思われる。
Patという名前は英語によくあるとはいえ、これだけ騒がれたのだからさすがにもう出題されないだろうと思っていた全国の受験生に、さらなる追い討ちが襲い掛かる。事件は2007年度に起きた。なんとリスニングに登場するという奇襲。風邪を引いたPat様が女医に薬を受け取るシーンで、問題自体は普通だったが、過去問を解いてきた標準的な受験生に限って腹筋にダメージを負う、という姑息な技の前に、もはや難易度は大した要素ではなかった。しかし、Pat様に必要なのは風邪薬ではなく頭の薬である。何よりPatの代名詞がsheになっており、Pat様性転換なされるの巻、であったことが最大の驚きであろう。(無論、マジレスするとPatrickとPatriciaの双方のニックネームがPatで共通しているだけの話なのだけれど。)
そして、2010年。明日、Pat様はご出現なさるのだろうか。周期的には、出てもまったくおかしくはないのだが。
ちょっと懐かしい話をしようか。センター英語では長文がいくつか出題され、うち一つの第5問は必ず会話文である。そしてこの第5問の会話文はやたらと奇抜なものが多く、受験生をしばしば混乱させることで、一部業界では有名である。たとえば2005年には天気図を気象学的にはありえない形で描き、2006年には登場人物のOwenが「僕の車は白くてタイヤ4つなのさ!」という珍妙な会話をし、それぞれ受験生を失笑させた。
しかし、センター試験の伝説的英雄といえば、この方しかおられない。そう、Pat様である。彼(女)の初登場は、2000年実施のセンター試験、もちろん英語の第5問である。その年、PatはEmiと謎のテレビゲームをプレイしていたのであった。そのクソゲー具合はシャレになってないレベルであり、しかもPatの説明も下手である。設問自体も奇問極まりない。公平中立良問を目指しているセンター試験とはとても思えない水準のものであった。
極めつけは2003年のセンター試験である。当然のように過去問数年分を解いてきていた多くの受験生は、英語第5問を見て戦慄した。そこにPat様が登場したからだ。悪夢である。そして彼はパワーアップして帰ってきていた。キャンプのリーダーを任されたのに、バーベキューの配置をありえない指示を出して部下に修正され、虫刺されスプレーの位置は鞄もポケットの位置も全部違う、という記憶障害を発生させ、受験生を混乱の渦に巻き込んだ。3年前のゲームの説明といい、Pat様は計り知れない頭脳をもってらっしゃる。実はよくよく読めばthe other oneがポケットではなく鞄であることはわかるのだが、それでもこれは明確に悪問だと思われる。
Patという名前は英語によくあるとはいえ、これだけ騒がれたのだからさすがにもう出題されないだろうと思っていた全国の受験生に、さらなる追い討ちが襲い掛かる。事件は2007年度に起きた。なんとリスニングに登場するという奇襲。風邪を引いたPat様が女医に薬を受け取るシーンで、問題自体は普通だったが、過去問を解いてきた標準的な受験生に限って腹筋にダメージを負う、という姑息な技の前に、もはや難易度は大した要素ではなかった。しかし、Pat様に必要なのは風邪薬ではなく頭の薬である。何よりPatの代名詞がsheになっており、Pat様性転換なされるの巻、であったことが最大の驚きであろう。(無論、マジレスするとPatrickとPatriciaの双方のニックネームがPatで共通しているだけの話なのだけれど。)
そして、2010年。明日、Pat様はご出現なさるのだろうか。周期的には、出てもまったくおかしくはないのだが。
Posted by dg_law at 18:07│Comments(4)│
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この記事へのコメント
07年度受けたのにネタが全く分からないとは。
リスニングでのPatも覚えていませんし、まして彼(彼女)をフォローできるほど過去問もやっていませんでした。
こういった入試関連の話(に限りませんが)を取り上げられているのを見るたび思うのですが、さすがに真面目な人は真面目なのだなぁと改めて感心します。
私も明後日、Pat様がご出現なさったかチェックしてみようかと思います。
リスニングでのPatも覚えていませんし、まして彼(彼女)をフォローできるほど過去問もやっていませんでした。
こういった入試関連の話(に限りませんが)を取り上げられているのを見るたび思うのですが、さすがに真面目な人は真面目なのだなぁと改めて感心します。
私も明後日、Pat様がご出現なさったかチェックしてみようかと思います。
Posted by 山口 at 2010年01月16日 20:35
残念ながら今年のセンター試験英語には、Pat様はご光臨なされなかったようです。
しかし、今年のセンターの悪魔は、古文にひそんでいた……詳しくは別記事であげようかと思います。
>さすがに真面目な人は真面目なのだなぁと改めて感心します。
どちらかと言えば、どうでもいいことに対して全力で真面目なのではなかろうかとw。
当時からこういうのは気になりましたねぇ。ISDNなネット回線でPatをぐぐって、まとめサイトを発見したときは爆笑しました。
勉強しろよ、当時の俺。
しかし、今年のセンターの悪魔は、古文にひそんでいた……詳しくは別記事であげようかと思います。
>さすがに真面目な人は真面目なのだなぁと改めて感心します。
どちらかと言えば、どうでもいいことに対して全力で真面目なのではなかろうかとw。
当時からこういうのは気になりましたねぇ。ISDNなネット回線でPatをぐぐって、まとめサイトを発見したときは爆笑しました。
勉強しろよ、当時の俺。
Posted by DG-Law at 2010年01月16日 22:50
記事に吹いたwww
センター試験の文章を,あんまりちゃんと読んだことがなかった
のだがそんな愉快な人物がいたとは……。センター試験恐るべしw
古典も期待してるぜ(・∀・)
センター試験の文章を,あんまりちゃんと読んだことがなかった
のだがそんな愉快な人物がいたとは……。センター試験恐るべしw
古典も期待してるぜ(・∀・)
Posted by カシンの化身 at 2010年01月17日 10:35
センター英語はけっこうはっちゃけているのだよ。
古文のほうもさっき書いてきたので、どうぞお楽しみください。
古文のほうもさっき書いてきたので、どうぞお楽しみください。
Posted by DG-Law at 2010年01月17日 16:50