2010年02月24日

ニコニコは本編削除である意味終わってた

ニコニコ動画はどこで道を間違えたのか(ニュー速VIPブログ)

悪いけどこれに関してはニュー速民の立場を支持する。ある意味でのニコニコ動画は、本編削除の嵐で終わってしまったのだと思う。昔「ニコマスは特区(笑)」という言葉もあって、あれというのはバンナムがニコマスを特別視しているのかどうかという議論の途上でわかむらPが「特区なわけがない」と発言したところから生まれた言葉だったが、ニコニコ全体で見れば御三家というのはやはり特区的なところがある。よほどのことがなければ公式から削除されることはないし、東方はともかくクリプトンとバンナムはニコニコのほうを向いて全く商売をしていないかというと、それは否定されるところだろう。

これも誰かが言っていた言葉だが、御三家というのは規模の大きさはもちろんとして、制作者間のコミュニティが緊密であることや作者名明示やタグ整備といった文化が根付いているからこそ、その後他のジャンルが隆盛してもいまだ御三家と呼ばれている。なかでも東方もボカロもその本格的な発展は08年からだが、アイマスはその当初からニコニコに存在し、御三家でも最も歴史が古い。

しかし、本来であれば御三家が特区のような扱いされることがおかしいのであって、他ジャンルがブーム的に到来しては廃れていく流れは、完全に素材不足が原因である。MAD、特に音と映像を組み合わせて作るものは、音源と映像の両方が公式であることは少なく、片方は全く別の作品から持ってくることが多い。そうすると大体において映像が公式で音源が非公式というパターンになると思うが、ゆえに映像の側で削除されるとそのジャンルは復活が非常に困難になる。それに、意外と指摘されていないことだが、MADとは見る側にも共有知識を要求するが本編が削除されると「外部で見てください」ということになり、実はこれが最大の障壁である。

これによって「ひぐらし」も「らきすた」も「KYM」もジャンルとしては死んだし、ドナルドもヴェルオリもKBCもそもそもが素材不足すぎた。何よりニコニコ全体が息苦しくなって、だから僕は特区のニコマスに逃げ込んだ。それもまた否定できない。もちろん、ジャンルとしては死んでいても単発ではおもしろいMADが浮上してくるし、その後のアニメMADでも一時期ランキングを席巻するんだけどやっぱり続かない。たまにおもしろいMADが出てきたと思っても内容にあまり踏み込まず、音MAD的なおもしろさを発揮したものやネタに走ったものが多いのも、素材不足が原因。御三家が強いのも、他ジャンルの人間にキモイだのなんだの言われながらも、素材そのものの持つ笑い以外の要素、特に感動できるものを用意したMAD作品が多く存在していて、それが一発に強い作品を地盤で支えているから。裏御三家がそこそこ長続きしてるのも、素材が多いし削除されず、しかもその素材が映像面で強いから。修造なんていまだに素材が増えている。これ以上の理由はない。


誤解のないように言っておくが、今のニコニコにそんなに不満があるわけではない。しかし、βやγの頃を知ってか知らずか(上記のような発言に関して)「懐古乙」としか思えない人種は、はっきり言ってニコニコ全体が一番おもしろかった時期を知らなかったか楽しめなかったかどちらかであって、そんな彼らにはちょっと哀れみを感じる。実際のところ、βやγの頃は自分の友人の誰しもが見ていたが、今プレミアムになってまで追っているのは私ともう2,3人だけで、当時思われていたような拡大には失敗した。そして出来たのが今のニコニコ、と私は認識している。



(追記は格納。某所に対する応答なので読みたい人だけどうぞ。)

(追記)2/25 18:47
いくつか聞き捨てならないものも含めて興味深いリアクションがあったので、本人が読んでくれるかどうかは別として(こちらの応答を求めてない可能性もあるため)、応答しておきたい。


まず、私は本稿においてあくまで現象面とその受容について簡潔に分析・叙述しているのみであって、法律面・倫理面での話をしているわけではない。混同されてもこちらが困る。

次に、本編削除は規定路線であったかどうかについては当時から長い論争があった。今となっては「規定路線だった」と見るのが適当であろう。しかし、それによってやはりニコニコは趣を大きく変えたのであり、いくつかのジャンルを終了させたに過ぎないという意見にはやや賛同できない。終わったことで否定的なイメージを与えたいわけではなく、まさに「終わりは始まり」なのだ。

三つ目。多くの一過性のジャンル・素材は、良質な作品あれば単品としてランキングに浮上してくる、という主旨のことは本文にもちゃんと書いておいたのだが……。それと、ニコマスがいくつかの面において衰退しつつあることは否定しないが、「取り残されつつある」という表現は初めて見たなぁ。俺たちはいつだって最先端だぜ。

四つ目。ニコニコ四天王の一角を狙う企業が誕生してくれるのが、ニコニコ動画全体にとっては最も良い流れではあると思う。ただ、どうも御三家隔離したいらしい運営には悪夢のような気がするし、誕生した瞬間「アレ」カテゴリ送りにされそうなのが……

最後に。バトルドームの時代は永久に来n(ry。いや、一応「わずかな素材を見つけてシリーズ」タグは好きなタグの一つで、バトルドームも伯方の塩も、ハロー大豆の歌もけっこう見てた。けっこう逆説的な存在ですよねぇ。彼らは。


(追記の追記)2/26 18:29
別にニコニコ動画はMAD流通の場としか見ていないわけではない。でも、自分の主眼がMAD流通に向いていて、この文章が出来たのは認めざるをえないところで。MADじゃなくても良いものは、確かにいっぱいある。

スターもつけたけど、政治カテゴリはどうにかならんのでしょうか。毎週R-18と最下位を争ってる理由の一つは間違いなくアレ(週刊ニコラン参照のこと)。

初めから書いておけと言われても……書く必要がなかったから書かなかっただけであって。この本文のどこの行間を読めば法律面・倫理面の話をしているのだろうか。ある一面から語っていることを別の側面からケチをつけるのは、典型的な詭弁ではないか。

この記事へのトラックバックURL

この記事へのコメント
ふざけ気味のブコメに反応してもらえるとはw

本編が残ってるのって,確かにMADの流行にとっては必要ですよね.
元ネタをそのまま見に行けるのは,やっぱり強い.
後発のMAD作者さんが生まれる素地が残りますもんね.

バトルドームは,今くらいの流れでも十分に楽しめているのでw
大流行しないからこそ一過性のブームになっていない,ってのが
面白い素材だなあと思っております.
Posted by RDG(爽快P) at 2010年02月27日 01:12
ブコメに反応するのはちょっと掟破りかなと思わなくもなかったので、こちらは内心ほっとしてたりしますw

>後発のMAD作者さんが生まれる素地が残りますもんね.
結局コミュニティが形成されるかどうかまでが鍵ではあると思うんです。御三家がまとまった強みも、制作者が膨大な数にのぼるまで増え続けたことにあるかなと。

上でも書きましたが、最初から一過性にしかなりえないことが分かりきっている素材の場合、逆に比較的長続きしてたりするんですよね。
伯方の塩も擬人化されたときにはもうブームの最高潮は過ぎてたような気はしますが、そこからもけっこう生き残ってましたね。
Posted by DG-Law at 2010年02月27日 19:06
東方は少し前からそれなりに人気があったのですが、ニコニコによってさらに人気が加速したと私は考えております。
東方は2002年頃に知ったのですが、2002〜2004年頃に多少の広がりを見せています。ちょうどいいデータが以下にあるので参照してください。
http://v.thwiki.info/vote7/result_anq.html
これは、東方のキャラ投票や楽曲投票が行われた結果です。この先は投票者アンケートなので何か討論するときのデータとして使っていただければいいかと思います。
公認ではないが、前に製作者でもあるZUN氏も投票をおこなったことあるところです。
ちなみに1〜6回の投票結果のデータも観覧することが可能なので以下で見てみるといいかもしれません。
http://thwiki.info/?%BF%CD%B5%A4%C5%EA%C9%BC%B7%EB%B2%CC
2008
Posted by ななし at 2010年03月01日 12:15
申し訳ないのですが,東方の流行についてはこのブログでも過去何度か取り上げて語っています。
興味がおありでしたらお読みください。
第7回人気投票についても,私自身投票を行っています。
(こちらの記事をどうぞ。
私自身の投票先について http://blog.livedoor.jp/dg_law/archives/51793238.html
キャラ部門の分析 http://blog.livedoor.jp/dg_law/archives/51796414.html
音楽・アンケート部門の分析 http://blog.livedoor.jp/dg_law/archives/51796440.html


その上で,過去の記事で書いた私の見解を要約しておきますと(とは言いつつも割と一般的な見解ではありますが),
第一次東方ブームは萃夢想,永夜抄によって引き起こされた04〜05年頃。
ただし,ニコニコ動画誕生(ないしその前年のIOSYSの東方アレンジ参入)そのものをもって第二次東方ブームの開始とするのは,誤りです。
Posted by DG-Law at 2010年03月01日 13:59
確かに東方もボカロも07年から存在し,それなりの規模ではありましたが,
「東方もボカロもその本格的な発展は08年からだが」と本文で書きました通り,ニコニコ動画の顔というほどのものではありませんでした。
MADの数が増大し,ランキング動画が誕生,タグの整備などが進み,「御三家」としての態をなしてきたのは08年頃。
特に,二次創作ネタの同人への逆輸入や同人イベントへの若年層(ニコ厨)流入による大混乱の始まりは,08年の例大祭ないし夏コミと見るのが妥当でしょう。
Posted by DG-Law at 2010年03月01日 14:03
私は、靈からの東方の流れを考えているため誤差が出ると思います。
紅から考えると、永〜萃はただのノイズになりますが、靈から考えると第一次ブーム到来があったと考えてもおかしくはないと思います。
Posted by ななし at 2010年03月02日 09:55
うーん、靈異伝からから考えれば、そりゃWin版になったことそのものが最大の爆発ではあるのですが、それをブームと呼ぶのは抵抗がありますね。
同人全体、もしくはヲタ界隈全体での存在感が格段に増していたわけではないですから。
(時間的な相対ではなく、空間的な相対。その作品がヲタ界隈全体でどれだけの影響力を持っているかという話。)
旧作→紅魔郷→妖々夢までの流れは、弾幕シューターの中で知名度が上がっていき、音楽アレンジが作られ始めた時期、に相当するのでは。
ゆえに、靈異伝から考えたとしても、あまり解釈の変わらないものかと思います。

第一次、第二次ブームはシューターじゃないけど話題だからやってみたら世界観にどはまりした、さらにはやってないけどキャラの名前は知ってる、という人が爆発的に増えたからこそそう名づけるにふさわしいのではないでしょうか。それが良いことかどうかは別として。
Posted by DG-Law at 2010年03月02日 19:43
なりほど。
影響を主に重視しているからか。
私の場合、発展を重視をしていたから違う見解になるのか。
ちなみに影響に重視をすると大筋で同意出きるところはあります。
では、東方全体の発展を重視するとどういう見解になるのか聞いてみたいです。
Posted by ななし at 2010年03月02日 22:31
東方全体の発展、と一言に言ってしまうと指すものが大きすぎて焦点がぼやけてしまいますが、
界隈の量的巨大化に話を限定するなら、影響を重視した視点とさして変わらないものになるかと思います。
なぜなら、外から人が入ってくることで規模を拡大してきたのが東方界隈であるので、結局影響力が規模の拡大に最も貢献したと言えるでしょう。


具体的な数字の話をすると、先ほど出された投票数を見ると、
第1回や第2回は数百規模ですが(03年春・秋)、第3回と第4回は4〜5千(04年秋と05年冬)、そして第5回が1万2千ほど(08年初頭)と、
明らかに2・3の間と、4・5の間で急拡大していることが読み取れます。
これは前述の第一次・第二次ブームと時期的に重なります。
もっとも、これを言いだすと近年は第6回は2万2千(09年初頭)、第7回は3万3千票(10年初頭)と、伸び続けているんですが。

Posted by DG-Law at 2010年03月03日 16:19
もう一つ、コミケ・例大祭のサークル参加数を。
こちらは二次創作主体なので必ずしも界隈の盛り上がりをダイレクトに示してるとは言いがたいものの、わかりやすいデータではあります。

http://addb.jp/?Diary/2008-12-17
http://d.hatena.ne.jp/efemeral/20100227/1267279729#
http://dic.nicovideo.jp/a/%E5%8D%9A%E9%BA%97%E7%A5%9E%E7%A4%BE%E4%BE%8B%E5%A4%A7%E7%A5%AD

一点補足すると、C65はサークルカットで別のものを書いておきながら頒布は東方本だったというサークルが数十あったとのことです。
実際にはC65→C66ではあまり数が増えていないということになります。
やはり急拡大といえるのは、倍々で増えたC67(04年夏)からC69(05年夏)と、
C75(08年冬)以降ということになるでしょう。
C73→C74でそれほどサークル数が伸びなかったのは、当時から不思議がられていた記憶があります。
もっともこの年はその代わりに、C74の直前に開催された例大祭が1千サークル突破を達成しているところを見るに、
いかにC74の落選率がすさまじいことになっていたかという想像はつきます。
まあ、例大祭5でも、当選率6割だったという話を聞きますが……恐ろしい世界ですね。

こちらも人気投票同様、C75以降は現在まで大きく伸び続けていますね。
第二次東方ブーム(東方バブルとも言う)は、いつ終わりを迎えるのでしょうか。「そろそろ」と言われて大分経ちますが……具体的にはもう1年以上?


規模以外の話をしているのでしたら、申し訳ありません。
私も興味ある話題ですので、具体的におっしゃってください。
Posted by DG-Law at 2010年03月03日 16:20
私も、言い方が悪かったですが、色々なデータを使った考察とても面白いです。

しかし最後にある通り、いつ終わりを迎えるかというのが見えないとありますが、ブームの終わりをいつか迎えると思いますが、日本国内が落ち着くかまだブーム中に今度は海外のブームがありそうだということです。

具体的にどの国・地域でブームもしくは、人気があるかと言われたら、台湾と答えます。

なぜならば、台湾で東方のイベントが開かれている(日本でいうとコミケがある)ことと、東方オンリーのイベント(例大祭もしくは紅楼夢)が開催されているということです。

そのほかの地域でありそうと思うのは韓国・中国・タイ・フランスと答えます。これらの地域は、日本でいうところのコミケや、東方オンリーイベントである例大祭もしくは紅楼夢のようなイベントが開かれています。

それ以外では私もいつできたか分からないですが、英語の東方wikiがすでに存在しています。

http://touhou.wikia.com/wiki/Touhou_Wiki

また、他の主要言語のwikiもいつくか存在するようです。

また、ようつべにも外国人がUPした動画が結構あります。
ようつべから東方知ったという外国人の人もいるみたいで、東方って何?と英語でコメをするとたいていの人が英語の東方wikiのアドレスを教える光景がよくあります。

私も詳しくは知らないですが、東方が好きな外国人が集まるフォーラムのようなホームページが存在することを聞いたことがあります。

今後、どのようになるのか全く分からないということです。
Posted by ななし at 2010年03月04日 13:12
何年か前から海外でも東方人気投票やってますよね。
つべやニコ動でも稀にMADを見ますね。
特に台湾の方はかなりの数が例大祭でサークル参加/一般参加なさってますね。
距離的に近いというのは大きい。

現状、台湾以外の海外は特に大勢に影響はないかと思いますが、広まるってことは良いことですね。
Posted by DG-Law at 2010年03月04日 15:58