2010年03月11日
しろくまベルスターズ レビュー
いいんですよ、クリスマスイヴだから奇蹟の一つや二つくらい起きる。
PULLTOP藤原々々ラインのゲーム。そしてその系譜を見事に受け継いでいる。雰囲気の良さもキャラの良さも、そしてシナリオのテーマさえも。絵も音楽もクオリティが高く安定している。また、シナリオがちょっと中だるみするという受け継がなくていい欠点まで受け継いでいる。逆に主人公像は新しい。『かにしの』の本校編は根本的に違うので例外中の例外としても、その他を見渡してもちょっといないタイプのような気がする(一部ルートでは草津拓也化するが)。まっすぐだけどおバカすぎず賢すぎず、仕事(と酒)への情熱を持った青年。けっこう真っ当にかっこいい。
個人的な感想としては、シナリオの出来としてななみ>きらら>硯>りりか。ななみルートは09年エロゲー史に残してもいいくらい出来が良い。なぜ当時もっと騒がれなかったのだろうと思うくらい。PULLTOP信者の間でしか話題にならなかったせいで見えなかった、とかそういうことなのだろうか。キャラの好みとしては、硯に尽きる。ただの「人見知り系清純派」のキャラで終わらせず、なかなか起伏のあるキャラとして描けていたのが実に良かった。よだれかわいいよよだれ。その他、個別ルートに関してはネタバレなしには書けない部分が多いので、格納後に。
クリア後、ざっと他人のレビューを読んで思ったのは、確かにサンタ専門用語をあえて説明せずにシナリオを突っ切ったのは英断だったが、英断すぎて「わかんねーよ」「これって深く考えたら負けってことだよね」というレビューが非常に多かった。いやいや、ちゃんと設定されてるんですよ、あえて説明してないだけで)(元ネタ集(1)参照のこと)。これだけ反発を食らうなら、共通ルートで説明すべきだっただろうな、とはいろんなレビュー読み終わってから思った。
『かにしの』とほぼ同様の出来として、87点。世間的な評価はここからもう5点ほど低いようだが、前述の通り「サンタのシステムがわからなかったから深く読むことを放棄した結果」だとしたら、それは悲しいことである。なお、中だるみと書いたが眠くなるほどのものでもないので、そこはご安心願いたい。しかし、長いことは間違いなく、共通で4時間ほど、個別も1ルート5〜6時間は優にかかるので、じっくり読んでコンプしようとすると20時間は軽く越えるだろう。実は『うみねこ』EP6を除けば、85点を超える点数を付けたのは08年の夏にプレイした『ジャンゴ』『キラキラ』以来で1年7ヵ月振りということが発覚した。ここ2年はけっこう割と大当たりを引いてなかったということにさっき気付いた。
PULLTOP藤原々々ラインのゲーム。そしてその系譜を見事に受け継いでいる。雰囲気の良さもキャラの良さも、そしてシナリオのテーマさえも。絵も音楽もクオリティが高く安定している。また、シナリオがちょっと中だるみするという受け継がなくていい欠点まで受け継いでいる。逆に主人公像は新しい。『かにしの』の本校編は根本的に違うので例外中の例外としても、その他を見渡してもちょっといないタイプのような気がする(一部ルートでは草津拓也化するが)。まっすぐだけどおバカすぎず賢すぎず、仕事(と酒)への情熱を持った青年。けっこう真っ当にかっこいい。
個人的な感想としては、シナリオの出来としてななみ>きらら>硯>りりか。ななみルートは09年エロゲー史に残してもいいくらい出来が良い。なぜ当時もっと騒がれなかったのだろうと思うくらい。PULLTOP信者の間でしか話題にならなかったせいで見えなかった、とかそういうことなのだろうか。キャラの好みとしては、硯に尽きる。ただの「人見知り系清純派」のキャラで終わらせず、なかなか起伏のあるキャラとして描けていたのが実に良かった。よだれかわいいよよだれ。その他、個別ルートに関してはネタバレなしには書けない部分が多いので、格納後に。
クリア後、ざっと他人のレビューを読んで思ったのは、確かにサンタ専門用語をあえて説明せずにシナリオを突っ切ったのは英断だったが、英断すぎて「わかんねーよ」「これって深く考えたら負けってことだよね」というレビューが非常に多かった。いやいや、ちゃんと設定されてるんですよ、あえて説明してないだけで)(元ネタ集(1)参照のこと)。これだけ反発を食らうなら、共通ルートで説明すべきだっただろうな、とはいろんなレビュー読み終わってから思った。
『かにしの』とほぼ同様の出来として、87点。世間的な評価はここからもう5点ほど低いようだが、前述の通り「サンタのシステムがわからなかったから深く読むことを放棄した結果」だとしたら、それは悲しいことである。なお、中だるみと書いたが眠くなるほどのものでもないので、そこはご安心願いたい。しかし、長いことは間違いなく、共通で4時間ほど、個別も1ルート5〜6時間は優にかかるので、じっくり読んでコンプしようとすると20時間は軽く越えるだろう。実は『うみねこ』EP6を除けば、85点を超える点数を付けたのは08年の夏にプレイした『ジャンゴ』『キラキラ』以来で1年7ヵ月振りということが発覚した。ここ2年はけっこう割と大当たりを引いてなかったということにさっき気付いた。
・りりか
Hシーンが8回もあるうえに黄金水漏らすわアナルあるわで、完全にエロ担当扱いされがちなりりか。あのレゲーラッシュも、両方丸谷ではなくさいろーの趣味らしい。これでシナリオがおもしろければ問題なかったんだが、全ルートで一番微妙な出来というところまで、シリアーナ・ド・レイの系譜をつながなくても良かったのに。中だるみ感はやや大きいが、眠くなるほどのものでもないのは、救いというべきだろうか。
実力の伴ったエリート。最初は大きな左遷に戸惑ってふてくされ、周囲を見下す。この過程で嫌いになった人がけっこういるようで残念だが、次第にエリートコース帰還のためにはチーム全体の質向上が必須であるということに気付き、自分の中での折り合いをつけていく。共通ルート2,3話のこの辺の描写はけっこう細かくておもしろかった。個別ルートでは、りりかが効率主義になった理由が語られる。この辺のエリートに関する意識は、まがいなりにも東大生であった自分としてはかなり共感できるところが多かった。叩かれやすい「エリート意識」なるものではあるが、一長一短なのである。
・きらら
お前実は草津拓也だろ!wというくらい主人公の性格が変わってしまったが、丸谷の芸風ではある(今回丸谷の担当は共通ときららルートのみ、ななみはさいろー)。もうちょっとあわせてほしかったかなという気も。わかってたことではあるが、サンタ三人と比べて町密着型のシナリオ。これも『ゆのはな』の焼き直しという感じしかしないが、正直に言って出来が良かった。伏線の張り方と回収が絶妙。ギャグっぽく見えて伏線、というのはKEYのやり方によく似ている。そのあざとさもKEYに近いか。『主よ、人の望みの喜びよ』のシーンは思わず涙ぐんだ。ああいう演出には弱い。
サンタの話になってしまうと「サンタとしての生き方」にどうしても焦点が当たってしまうが、本ルートでは拓也冬馬自身が、おとぎ話の住人・トナカイとしての自分と、町に住む一人の住人としての自分について思考を重ねることになる。これだけ高度に人生の夢と現実について描き出したエロゲはなかなか無い。金で解決できることは金で解決する、そのために吝嗇家になるという姿勢にはけっこう賛同する。あわせて、人の温かみと切なさを感じるシナリオだった。
・ななみ
一番おもしろく、一番泣けるシナリオに仕上がっていたのはそのバランスの良さにあったと思う。きららルートでは町に寄りすぎ、硯・りりかルートでは話があまりにも本人たちやサンタチームに縛られすぎていた。そこをうまく調整して打開したのがななみシナリオで、「サンタとは町に息づき、幸せを配る」というノエルの理念を最も体現していた。それでいて、ななみの家族の話にも結び付けてしまうとは、まさに伏線の妙と言っていいだろう。このような観点からみても、このシナリオは非常に出来が良い。なお、このシナリオの冬馬は別格的にかっこいい。
しかし、北都南のロリっ子はいつでもキーキャラだなぁと思った次第。残りのサブキャラでは、きららルートにおける丘じいさんは、本ルートではジョーさんであった。一度夢破れた人が、もう一度夢を見てもいい、そんな温かみがありがたい。七香もこれに近い配置。その意味では、星野なみさんがみすずさんと似たようなポジションではある。いろいろな意味できららルートと表裏一体のシナリオであった……いや、冬馬の性格まで変えなくても、とは思うけどw。
・硯
これだけ御剣ヒロ氏の担当。やはり力量が一つ落ちるかなという淡々としたテキストではあるが、他ルートがやたらと長く冗長なところが無いわけではないので、逆にすいすいと進んで気分が良かったところはある。怪我の功名というか、棚から牡丹餅というか、思わぬ利点となっていた。安直に硯の引っ込み思案だけで最後まで引っ張られたらダメシナリオになっていたが、そうはならなくて安心した。ただ、「笑顔」を届けると言っても、それって「幸せ」を届けるのと何が違うん?という話ではある。その意味でも、硯シナリオは淡白であり、やはりななみ・きららのシナリオと比べると一段落ちる。
ところで、硯の趣味がプラモというのもやはり御剣ヒロ氏の趣味だったりするだろうか。あと書いておくべきこととしては、ちょっと七原ことみのHシーンが下手だったかなというのがあるが、まあ気にしないで済む範囲だろう。サンタ先生が攻略できないのはバグであります。『かにしの』の三嶋鏡花が攻略できないのと同じくらい重大なバグです。
Hシーンが8回もあるうえに黄金水漏らすわアナルあるわで、完全にエロ担当扱いされがちなりりか。あのレゲーラッシュも、両方丸谷ではなくさいろーの趣味らしい。これでシナリオがおもしろければ問題なかったんだが、全ルートで一番微妙な出来というところまで、シリアーナ・ド・レイの系譜をつながなくても良かったのに。中だるみ感はやや大きいが、眠くなるほどのものでもないのは、救いというべきだろうか。
実力の伴ったエリート。最初は大きな左遷に戸惑ってふてくされ、周囲を見下す。この過程で嫌いになった人がけっこういるようで残念だが、次第にエリートコース帰還のためにはチーム全体の質向上が必須であるということに気付き、自分の中での折り合いをつけていく。共通ルート2,3話のこの辺の描写はけっこう細かくておもしろかった。個別ルートでは、りりかが効率主義になった理由が語られる。この辺のエリートに関する意識は、まがいなりにも東大生であった自分としてはかなり共感できるところが多かった。叩かれやすい「エリート意識」なるものではあるが、一長一短なのである。
・きらら
お前実は草津拓也だろ!wというくらい主人公の性格が変わってしまったが、丸谷の芸風ではある(今回丸谷の担当は共通ときららルートのみ、ななみはさいろー)。もうちょっとあわせてほしかったかなという気も。わかってたことではあるが、サンタ三人と比べて町密着型のシナリオ。これも『ゆのはな』の焼き直しという感じしかしないが、正直に言って出来が良かった。伏線の張り方と回収が絶妙。ギャグっぽく見えて伏線、というのはKEYのやり方によく似ている。そのあざとさもKEYに近いか。『主よ、人の望みの喜びよ』のシーンは思わず涙ぐんだ。ああいう演出には弱い。
サンタの話になってしまうと「サンタとしての生き方」にどうしても焦点が当たってしまうが、本ルートでは
・ななみ
一番おもしろく、一番泣けるシナリオに仕上がっていたのはそのバランスの良さにあったと思う。きららルートでは町に寄りすぎ、硯・りりかルートでは話があまりにも本人たちやサンタチームに縛られすぎていた。そこをうまく調整して打開したのがななみシナリオで、「サンタとは町に息づき、幸せを配る」というノエルの理念を最も体現していた。それでいて、ななみの家族の話にも結び付けてしまうとは、まさに伏線の妙と言っていいだろう。このような観点からみても、このシナリオは非常に出来が良い。なお、このシナリオの冬馬は別格的にかっこいい。
しかし、北都南のロリっ子はいつでもキーキャラだなぁと思った次第。残りのサブキャラでは、きららルートにおける丘じいさんは、本ルートではジョーさんであった。一度夢破れた人が、もう一度夢を見てもいい、そんな温かみがありがたい。七香もこれに近い配置。その意味では、星野なみさんがみすずさんと似たようなポジションではある。いろいろな意味できららルートと表裏一体のシナリオであった……いや、冬馬の性格まで変えなくても、とは思うけどw。
・硯
これだけ御剣ヒロ氏の担当。やはり力量が一つ落ちるかなという淡々としたテキストではあるが、他ルートがやたらと長く冗長なところが無いわけではないので、逆にすいすいと進んで気分が良かったところはある。怪我の功名というか、棚から牡丹餅というか、思わぬ利点となっていた。安直に硯の引っ込み思案だけで最後まで引っ張られたらダメシナリオになっていたが、そうはならなくて安心した。ただ、「笑顔」を届けると言っても、それって「幸せ」を届けるのと何が違うん?という話ではある。その意味でも、硯シナリオは淡白であり、やはりななみ・きららのシナリオと比べると一段落ちる。
ところで、硯の趣味がプラモというのもやはり御剣ヒロ氏の趣味だったりするだろうか。あと書いておくべきこととしては、ちょっと七原ことみのHシーンが下手だったかなというのがあるが、まあ気にしないで済む範囲だろう。サンタ先生が攻略できないのはバグであります。『かにしの』の三嶋鏡花が攻略できないのと同じくらい重大なバグです。
Posted by dg_law at 23:53│Comments(0)│