2010年10月28日
俺たちに翼はない レビュー
抜群におもしろかった。今年やったエロゲでは『しろくまベルスターズ』とベストエロゲ1位の座を争っている。
物語は,渋谷:池袋=3:1で混ぜたような大都市,ギバラこと柳木原を舞台に繰り広げられる一見して群像劇なのだが,実は……という話。目新しいものの,これがエロゲで初めての試みというわけではない。歴戦のプレイヤーなら○○と××足して二で割るとこうなるな……などと考えながらプレーしたのではないだろうか。また,その核心を特に隠す気は無いようで,勘の良い人なら第2章(つまり二人目の話)で,悪い人でも3章の途中までには気付くだろう(今回私は悪い人だったので,ガチでわかんなかった)。また,3章末には早くもネタバレしてしまっている。それだけシナリオに自信があるということだと思うし,実際におもしろかった。6章まであるが,核心が一応伏せてある3章までとそれ以降では,まるでゲームが異なる。シナリオのオチとしては,この類ならばエロゲ以外を見てもよくある話で,珍しいものではない。前半のテンションの高さの割に超展開オチを期待すると拍子抜けすることになるだろう。
シナリオのぶっ飛びっぷりに目がかすみがちだが,テキストも抜群によく,非常に滑らかである。シリアスにもギャグにも大活躍で,眠くなることはまずないだろう。また,音楽や背景CGも美麗でかつ随所にネタが仕込んであり,飽きさせない。演出も凝っている部類と言っていい。キャラは大体全員立っている。攻略不可能キャラも含めて悪い子は基本的にいない。プレイ中は「なんだよこいつうぜーな」と思っても,終盤までには大体嫌いじゃなくなっている。その意味で,実は一番しんどいのが第1章で,ここを切り抜ければあとは途中で投げ出すことはそうないと思われる。コンプリート前提のゲームでもあるので,時間はかかるが一気にやり通してしまいたい。伏線の張り方が細かく,特に群像劇らしく日付が重要になってくるので,短期間でやらないと張られた伏線をスルーしたままクリアしてしまうことにもなりかねない。私はたっぷりねっちり一ヶ月かけてのんびりクリアしたらわけがわからないことになった。
以下は比較的どうでもいい指摘を二つほどする。まず,ギバラの街,すなわち本作の背景について。都民ならツッコミどころありすぎだろう。渋谷・新宿ユーザーなら気がつくものは非常に多い。スペイン坂(と思しき場所)なんてある意味地元ネタすぎて笑ってしまった(どのくらいまんまかというと,このエロゲについて全く知らない友達が見てもわかるレベル)。もういくつか例を挙げると,アルバトロス正面からドコモタワーらしきものが見えているわけだが,渋谷のセンター街からドコモタワーは見えないはずである。方角的にもおかしい。どうでもいいが,あのドコモタワーをネタにしたエロゲも,本作が初出ではない。某「森」もそうである。
また,タカシの通学路になっている歩道橋はまんま渋谷駅東口出たところの大歩道橋だが,現実で真上を通っているのは電車ではなく首都高である。同様に,隼人の工事現場らしき風景も,渋谷駅から東口を出て首都高沿い(青山学院方向)に歩いていくと見えてくる。というよりも,都内ではよく見る風景すぎて首都高の真下なら大概ある(六本木にもこんな風景ある)。加えて,パル姐さんがクレープ屋を開いている平和通りだが,平和通りという地名は日本全国どこにも存在するものの,山手線圏内で存在するのは新宿と池袋である。池袋のほうはなんてことない商店街だが,新宿のほうは西部新宿駅を出てコマ劇のほうに歩いていったあたり……ということでいろいろ察して欲しい。パル姐さん,そんなところでクレープ屋は確かにみ○じ○料要りますわな,等々。都民なのに見落としてた人はぜひ,3章を再プレイしてほしい。
さて,西又の絵にも触れておくが,正直違和感はあったもののいたる絵と々でプレイしているうちに気にならなくなる。立ち絵にいたっては良い出来と言ってよい。よく見ると一つの服装につき腕と顔しか動いておらず厳密には種類が少ないが,そんなことは気にならないほど表情差分が多く,手を抜いている感は全く感じない。ただし,私服のセンスの飛び方は正直擁護が難しく,京と鳴はまあわざととしても他はなぁ……日和子がああいう設定なのは,ひょっとして雀孫からの配慮なのか,とか要らぬ邪推をした。正直,鳴も逃げただろうとしか思えない。小鳩はシリアスなシーンであの服装は吹くので勘弁して欲しかった。ああでもコーダインはそれなりに良かったか。ひょっとして彼女の人気の一因はそれか。まあ,立ち絵は良いとして,一枚絵のほうの擁護はする気にもならない。パース崩れすぎやろ……。あとこれは立ち絵にも若干いえることだが,基本的に顔の角度と身体の角度のズレがおかしい。もう全部正面絵で書け。
散々文句を言ったが,シナリオに調和する絵ではあって,そこには満足した。実際,エロゲにとって一番大事なことはそこである。絵だけ見たければ画集でいいわけで,文章,音楽,演出といかに相乗効果を発揮するかという点において,失点は無かった。御大,長年やっているだけはあると思う。
90点弱。時間としては共通ルートが長く,ここで20時間弱かかるが個別は短い。フルコンプまで約30時間くらいか。読むのが早いと相当縮まるかもしれない。システム回りは非常に快適で,スキップは文章スキップもあるし,章ごとスキップする機能もある。以下,各ルートネタバレ。
物語は,渋谷:池袋=3:1で混ぜたような大都市,ギバラこと柳木原を舞台に繰り広げられる一見して群像劇なのだが,実は……という話。目新しいものの,これがエロゲで初めての試みというわけではない。歴戦のプレイヤーなら○○と××足して二で割るとこうなるな……などと考えながらプレーしたのではないだろうか。また,その核心を特に隠す気は無いようで,勘の良い人なら第2章(つまり二人目の話)で,悪い人でも3章の途中までには気付くだろう(今回私は悪い人だったので,ガチでわかんなかった)。また,3章末には早くもネタバレしてしまっている。それだけシナリオに自信があるということだと思うし,実際におもしろかった。6章まであるが,核心が一応伏せてある3章までとそれ以降では,まるでゲームが異なる。シナリオのオチとしては,この類ならばエロゲ以外を見てもよくある話で,珍しいものではない。前半のテンションの高さの割に超展開オチを期待すると拍子抜けすることになるだろう。
シナリオのぶっ飛びっぷりに目がかすみがちだが,テキストも抜群によく,非常に滑らかである。シリアスにもギャグにも大活躍で,眠くなることはまずないだろう。また,音楽や背景CGも美麗でかつ随所にネタが仕込んであり,飽きさせない。演出も凝っている部類と言っていい。キャラは大体全員立っている。攻略不可能キャラも含めて悪い子は基本的にいない。プレイ中は「なんだよこいつうぜーな」と思っても,終盤までには大体嫌いじゃなくなっている。その意味で,実は一番しんどいのが第1章で,ここを切り抜ければあとは途中で投げ出すことはそうないと思われる。コンプリート前提のゲームでもあるので,時間はかかるが一気にやり通してしまいたい。伏線の張り方が細かく,特に群像劇らしく日付が重要になってくるので,短期間でやらないと張られた伏線をスルーしたままクリアしてしまうことにもなりかねない。私はたっぷりねっちり一ヶ月かけてのんびりクリアしたらわけがわからないことになった。
以下は比較的どうでもいい指摘を二つほどする。まず,ギバラの街,すなわち本作の背景について。都民ならツッコミどころありすぎだろう。渋谷・新宿ユーザーなら気がつくものは非常に多い。スペイン坂(と思しき場所)なんてある意味地元ネタすぎて笑ってしまった(どのくらいまんまかというと,このエロゲについて全く知らない友達が見てもわかるレベル)。もういくつか例を挙げると,アルバトロス正面からドコモタワーらしきものが見えているわけだが,渋谷のセンター街からドコモタワーは見えないはずである。方角的にもおかしい。どうでもいいが,あのドコモタワーをネタにしたエロゲも,本作が初出ではない。某「森」もそうである。
また,タカシの通学路になっている歩道橋はまんま渋谷駅東口出たところの大歩道橋だが,現実で真上を通っているのは電車ではなく首都高である。同様に,隼人の工事現場らしき風景も,渋谷駅から東口を出て首都高沿い(青山学院方向)に歩いていくと見えてくる。というよりも,都内ではよく見る風景すぎて首都高の真下なら大概ある(六本木にもこんな風景ある)。加えて,パル姐さんがクレープ屋を開いている平和通りだが,平和通りという地名は日本全国どこにも存在するものの,山手線圏内で存在するのは新宿と池袋である。池袋のほうはなんてことない商店街だが,新宿のほうは西部新宿駅を出てコマ劇のほうに歩いていったあたり……ということでいろいろ察して欲しい。パル姐さん,そんなところでクレープ屋は確かにみ○じ○料要りますわな,等々。都民なのに見落としてた人はぜひ,3章を再プレイしてほしい。
さて,西又の絵にも触れておくが,正直違和感はあったもののいたる絵と々でプレイしているうちに気にならなくなる。立ち絵にいたっては良い出来と言ってよい。よく見ると一つの服装につき腕と顔しか動いておらず厳密には種類が少ないが,そんなことは気にならないほど表情差分が多く,手を抜いている感は全く感じない。ただし,私服のセンスの飛び方は正直擁護が難しく,京と鳴はまあわざととしても他はなぁ……日和子がああいう設定なのは,ひょっとして雀孫からの配慮なのか,とか要らぬ邪推をした。正直,鳴も逃げただろうとしか思えない。小鳩はシリアスなシーンであの服装は吹くので勘弁して欲しかった。ああでもコーダインはそれなりに良かったか。ひょっとして彼女の人気の一因はそれか。まあ,立ち絵は良いとして,一枚絵のほうの擁護はする気にもならない。パース崩れすぎやろ……。あとこれは立ち絵にも若干いえることだが,基本的に顔の角度と身体の角度のズレがおかしい。もう全部正面絵で書け。
散々文句を言ったが,シナリオに調和する絵ではあって,そこには満足した。実際,エロゲにとって一番大事なことはそこである。絵だけ見たければ画集でいいわけで,文章,音楽,演出といかに相乗効果を発揮するかという点において,失点は無かった。御大,長年やっているだけはあると思う。
90点弱。時間としては共通ルートが長く,ここで20時間弱かかるが個別は短い。フルコンプまで約30時間くらいか。読むのが早いと相当縮まるかもしれない。システム回りは非常に快適で,スキップは文章スキップもあるし,章ごとスキップする機能もある。以下,各ルートネタバレ。
・渡来明日香
彼女を「楽しめる」かどうか,は本作品の一つの分岐点である。主人公のDIDにばかり目が行くし,「共依存」というテーマが設置してあるのは京のほうではあるのだが,考えようによってはこの話も,自分よりも突飛な存在に出会った明日香が,案外と普通な自分を見つけて,高2病を治療していく物語,ともいえる。もちろん彼女自身の変人さはタカシと付き合うようになってからも直らないのだけれど,それはもう彼女の地であって,雀孫はこの「地」と,意固地に「変人ぶっている明日香」の書き分けができている。このセンスはずば抜けている。特にこの点は『俺つばAS』で発揮されているのだが,そのことについてはそちらのレビューに譲りたい。ハリューについても語るところはあるのだが,これもやはりASにほうで書いたほうが良いだろう。
・山科京
言わずとしれた「共依存」を描いたシナリオ。章題にもなっている。「共依存」でもいいじゃない,と振り切ったシナリオは嫌いではないのだが,実際問題どうなんだろうか。作中のようなハッピーエンドになる可能性は割と低そうな。少なくとも俺がタカシならついていけないと思った。彼女について言えばなんと言っても「厚生労働省」になってしまうのが,ASでメインシナリオを与えられなかった要因ではないかと思う。ウェルカムギャグ要因。なんだかんだ言って嫌いな子ではない。
・玉泉日和子
ふたを開けてみれば本作で一番好きなキャラ。たまひよかわいいよたまひよ。まじめモードとフリファ語ってるときのギャップがツボにはまった。基本的にマジメな子のほうが好きなのは普段の私の傾向を踏まえるに全く自然なことなのだが,これだけギャップに萌えた自分は新しい発見であった。シナリオ自体は至極平凡なものだが,そう思わせないだけの力がアレクサンダーの面々にあったのが良かった。コンドルさんの下ネタは多すぎてちょっと飽きたが,横ピース☆とヒノエリは非常に良いスパイスであった。2章人気が高いのも頷けるところであろう。第1章の孤独感と,第2章以降のにぎやかさの対比はおもしろい。アレクサンダーがこうだからこそ,後からタカシの孤高が強調されるのである。この狙いはなんというか,こう言ってはなんだが文学的で,大変にうまい。
・鳳鳴
まず言っておきたいこととして,ゴットゥーザ様はまり役すぎ。これは神キャスティングと言わざるをえない。さて,鳴のキャラとしてはあえて言ってしまえば明日香の延長線上にある。ただし,鳴の場合はより素で「飛ん」でいて,誤解を恐れず言うのならば京寄りの位置にいる。しかし,ここで相手がタカシではなく隼人というのが功を奏した。ゆえに1章のような危なっかしいところがなく,自然と二人は惹かれあったのである。この設定のマッチングはよく練られていたと思う。コーダインについては,個人的な趣向としては萌えなかった。ただし,世間的な人気の高さの理由はわかる。
3章では,やはり他の濃い面々にも触れておかねばなるまい。LRさんは我々を爆笑の渦に誘い込んだわけだが,実はこうしたキャラは割と王道ではないかと思うと同時に,王道の強みを思い知った。声優さんの演技も,もちろん褒めておく必要がある。同じく王道で笑いを取ってくれたのがマルティネスとアリス。この両者のわざとらしさは,王道ではあるがそれを活かせたのがやはり雀孫のテキストと声優さんの演技ではあるだろう。最後に,春日春恵ことパル姐さん。かわいすぎです結婚してください。良い女だよ……もう説明の必要はあるめぇよ……
・羽田小鳩
いろんな意味で不憫な子。その真価はFDで発揮されるあたりも含めて。本編の時点ではあまりにもキャラが立ってないでしょう……5章の展開も相当唐突だし。『俺つば』で批判するべき点があるとすればこの点であるが,しかし考えてみると確かに小鳩を出すタイミングがあそこまでろくに無い(1章はタカシの孤独感を出すためにはあの程度の交流が限界だろうし,2章はDIDが伏せられていて,3章は隼人自身にあまり小鳩と交流する気が無い。4章はガルーダなので言うまでもない状況。)重ね重ね不憫な子である。
ヨージ(幼少時)のキャラはうざすぎたせいで,ASではガルーダとともに大幅に出番がなくなっていた。まあそうだろうなと思った。本作品の核心の核心である,DID発症の経緯については前述した通りで,実際のところ『CARNIVAL』となんら変わりがなく,原因としてはありふれている(言うまでも無いことだが,ころころ切り替わる視点が実はすべて同一人物という話は『痕』の時点ですでに存在している)。が,それは気にするところではあるまい。こう言ってはなんだが,雀孫が書きたかったのは仮統合したヨージが真相究明に旅立つまでを描きたかったのであって,その先は比較的どうでも良かったのではないか。そんなことを感じた第6章であった。
彼女を「楽しめる」かどうか,は本作品の一つの分岐点である。主人公のDIDにばかり目が行くし,「共依存」というテーマが設置してあるのは京のほうではあるのだが,考えようによってはこの話も,自分よりも突飛な存在に出会った明日香が,案外と普通な自分を見つけて,高2病を治療していく物語,ともいえる。もちろん彼女自身の変人さはタカシと付き合うようになってからも直らないのだけれど,それはもう彼女の地であって,雀孫はこの「地」と,意固地に「変人ぶっている明日香」の書き分けができている。このセンスはずば抜けている。特にこの点は『俺つばAS』で発揮されているのだが,そのことについてはそちらのレビューに譲りたい。ハリューについても語るところはあるのだが,これもやはりASにほうで書いたほうが良いだろう。
・山科京
言わずとしれた「共依存」を描いたシナリオ。章題にもなっている。「共依存」でもいいじゃない,と振り切ったシナリオは嫌いではないのだが,実際問題どうなんだろうか。作中のようなハッピーエンドになる可能性は割と低そうな。少なくとも俺がタカシならついていけないと思った。彼女について言えばなんと言っても「厚生労働省」になってしまうのが,ASでメインシナリオを与えられなかった要因ではないかと思う。ウェルカムギャグ要因。なんだかんだ言って嫌いな子ではない。
・玉泉日和子
ふたを開けてみれば本作で一番好きなキャラ。たまひよかわいいよたまひよ。まじめモードとフリファ語ってるときのギャップがツボにはまった。基本的にマジメな子のほうが好きなのは普段の私の傾向を踏まえるに全く自然なことなのだが,これだけギャップに萌えた自分は新しい発見であった。シナリオ自体は至極平凡なものだが,そう思わせないだけの力がアレクサンダーの面々にあったのが良かった。コンドルさんの下ネタは多すぎてちょっと飽きたが,横ピース☆とヒノエリは非常に良いスパイスであった。2章人気が高いのも頷けるところであろう。第1章の孤独感と,第2章以降のにぎやかさの対比はおもしろい。アレクサンダーがこうだからこそ,後からタカシの孤高が強調されるのである。この狙いはなんというか,こう言ってはなんだが文学的で,大変にうまい。
・鳳鳴
まず言っておきたいこととして,ゴットゥーザ様はまり役すぎ。これは神キャスティングと言わざるをえない。さて,鳴のキャラとしてはあえて言ってしまえば明日香の延長線上にある。ただし,鳴の場合はより素で「飛ん」でいて,誤解を恐れず言うのならば京寄りの位置にいる。しかし,ここで相手がタカシではなく隼人というのが功を奏した。ゆえに1章のような危なっかしいところがなく,自然と二人は惹かれあったのである。この設定のマッチングはよく練られていたと思う。コーダインについては,個人的な趣向としては萌えなかった。ただし,世間的な人気の高さの理由はわかる。
3章では,やはり他の濃い面々にも触れておかねばなるまい。LRさんは我々を爆笑の渦に誘い込んだわけだが,実はこうしたキャラは割と王道ではないかと思うと同時に,王道の強みを思い知った。声優さんの演技も,もちろん褒めておく必要がある。同じく王道で笑いを取ってくれたのがマルティネスとアリス。この両者のわざとらしさは,王道ではあるがそれを活かせたのがやはり雀孫のテキストと声優さんの演技ではあるだろう。最後に,春日春恵ことパル姐さん。かわいすぎです結婚してください。良い女だよ……もう説明の必要はあるめぇよ……
・羽田小鳩
いろんな意味で不憫な子。その真価はFDで発揮されるあたりも含めて。本編の時点ではあまりにもキャラが立ってないでしょう……5章の展開も相当唐突だし。『俺つば』で批判するべき点があるとすればこの点であるが,しかし考えてみると確かに小鳩を出すタイミングがあそこまでろくに無い(1章はタカシの孤独感を出すためにはあの程度の交流が限界だろうし,2章はDIDが伏せられていて,3章は隼人自身にあまり小鳩と交流する気が無い。4章はガルーダなので言うまでもない状況。)重ね重ね不憫な子である。
ヨージ(幼少時)のキャラはうざすぎたせいで,ASではガルーダとともに大幅に出番がなくなっていた。まあそうだろうなと思った。本作品の核心の核心である,DID発症の経緯については前述した通りで,実際のところ『CARNIVAL』となんら変わりがなく,原因としてはありふれている(言うまでも無いことだが,ころころ切り替わる視点が実はすべて同一人物という話は『痕』の時点ですでに存在している)。が,それは気にするところではあるまい。こう言ってはなんだが,雀孫が書きたかったのは仮統合したヨージが真相究明に旅立つまでを描きたかったのであって,その先は比較的どうでも良かったのではないか。そんなことを感じた第6章であった。
Posted by dg_law at 00:16│Comments(0)│