2011年04月05日
第184回『ワインが語るフランスの歴史』山本博著,白水社UBooks
タイトルの通り,本書はワインに絡めてフランスの歴史をつづったものである。時代は新石器時代から始まり現代まで。フランス人は先史時代からワインを飲んでいた。ただしその本格化はやはりギリシア人による南仏入植と,カエサルの征服以降となる。キリスト教の布教もワインの普及に大きな影響を当てた。
基本的におもしろい本ではあるのだが,2点不満がある。一点目は,本書に必要なのは歴史知識やワイン知識というよりもフランス地理の知識であり,ワインの産地としてフランスの非常に細かい地名が出てくる。これが有名なワインの産地や大都市であればさすがにわかるのだが,AC(原産地名規制呼称)を全部覚えているわけでもなし,知らない地名のほうが多かった。そしてそれに対するフォローがなく,一々メモして調べなければ読み進められなかった。せめて現代フランスの地図を付録でつけるべきであったのではないか。
もう一点は,筆者がなんとか歴史的事件とワインを結びつけようとしているのはわかるが,やはりそのような事例のほうが少なく,結局は「その事件が起きた場所で,現在生産されているワインの話」になってしまい,歴史的事象の説明とワインの説明が乖離した章のほうが多かった。まあ本のコンセプト上仕方のないことだとは思うが。逆にきちんと結びついてる話はおもしろかった。さすがに近世以降はそれなりに数がある。ルイ14世とドン・ペリニョン,ルイ15世とロマネ・コンティ,地主貴族としてのモンテスキュー,ワイン好きアメリカ人のジェファソンの収集譚,ナポレオンとシャンベルタン,ナポレオン3世とボルドー,アルザスワインと普仏戦争・WW1,パストゥールの低温殺菌法発見,そしてフィロキセラの流行とアメリカからの移植。
概して,あらゆる意味で初心者お断りの一冊である。私のようなにわかが触れていい本ではなかった。
ワインが語るフランスの歴史 (白水uブックス)
著者:山本 博
白水社(2009-05)
販売元:Amazon.co.jp
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基本的におもしろい本ではあるのだが,2点不満がある。一点目は,本書に必要なのは歴史知識やワイン知識というよりもフランス地理の知識であり,ワインの産地としてフランスの非常に細かい地名が出てくる。これが有名なワインの産地や大都市であればさすがにわかるのだが,AC(原産地名規制呼称)を全部覚えているわけでもなし,知らない地名のほうが多かった。そしてそれに対するフォローがなく,一々メモして調べなければ読み進められなかった。せめて現代フランスの地図を付録でつけるべきであったのではないか。
もう一点は,筆者がなんとか歴史的事件とワインを結びつけようとしているのはわかるが,やはりそのような事例のほうが少なく,結局は「その事件が起きた場所で,現在生産されているワインの話」になってしまい,歴史的事象の説明とワインの説明が乖離した章のほうが多かった。まあ本のコンセプト上仕方のないことだとは思うが。逆にきちんと結びついてる話はおもしろかった。さすがに近世以降はそれなりに数がある。ルイ14世とドン・ペリニョン,ルイ15世とロマネ・コンティ,地主貴族としてのモンテスキュー,ワイン好きアメリカ人のジェファソンの収集譚,ナポレオンとシャンベルタン,ナポレオン3世とボルドー,アルザスワインと普仏戦争・WW1,パストゥールの低温殺菌法発見,そしてフィロキセラの流行とアメリカからの移植。
概して,あらゆる意味で初心者お断りの一冊である。私のようなにわかが触れていい本ではなかった。
ワインが語るフランスの歴史 (白水uブックス)著者:山本 博
白水社(2009-05)
販売元:Amazon.co.jp
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Posted by dg_law at 22:20│Comments(0)│