2011年04月15日
Stein's Gate レビュー
シュタゲのレビュー。神ゲーだとされつつ回避し続けたのはまず箱○もを持っていないこと。次にバグだらけで進めないという発売直後の声を聞いたこと。さらに『俺つば』『DEARDROPS』を優先させ,クリアした信頼できる友人からは「別に神ゲーじゃなかったよ」と聞かされ,トドメに仕事が忙しく「リアル大事に」が発動されたこと。これらが全て重なり,手元には9月にはあったにもかかわらず延々と放置されたわけである。修正パッチを考えれば放置したのは正解だったのだが,修正パッチを当てて1.20にしてもバグが消えきっておらず,既読スキップの判定が恣意的,クイックセーブは事実上使用不可能など,システム面では大きく減点せざるをえない作品であった。非常にもったいない。箱○を持っているならそちらでやったほうが断然良いだろう。
肝心の作品評価では,「確かにおもしろかったが神ゲーではない」という友人の評価は正しい。個人的な採点では85点弱といったところで,特に古参はあまり神ゲーとは評しないのではないかと思う。この辺は個人の感覚にも大きく左右されるのであまり断言はできないが,やはり過去の作品がいくつかちらつくわけで,新しい要素が無いとは言えないが,神ゲーと評価している層はおそらく割と新しく,もしくはライトな層なのではないかと思った。まあ独自性がなかったわけではないが,アレとかアレとかやってると展開に想像がつきすぎるし,それを覆すほど突出して何かがあったとはあまり思えなかった。
そういう先入観なしに楽しみたかったゲームではあり,新鮮な気持ちで楽しめたライト層がうらやましくもある。しかし一方,その友人(komeと言えば古参nix読者はわかるか)は「古参は語りたくなるゲーム」と言っていたがそれも正しかろう。古参としてはアレとかアレがあったから,こういう筋書きにして,こういうトゥットゥルーエンドにしたのかなと思える節があり,そう考えるとこのエロゲー業界の積み重ねも無駄ではなく,それを追ってきた我々のプレー経験も無駄ではなかったのかなと思える。その意味では,一転して玄人向きのゲームかもしれない。その人のプレイ遍歴によらず楽しませるという意味で,非常に間口が広い。実は万人向けなのだろう。
さりげなく褒めておきたいのがジャンル名。『Chaos Head』未プレイのためこのシリーズ共通のことなのかはわからないが,「想定科学ADV」とはその通りだと思った。確かにSFでもなく,「理論は完全に科学だけどその実現方法は説明されない」。結局登場した発明品の原理はおおよそ説明はされたものの,それはまさに「原理」の段階であって,あの通りの材料を持ってきてあの通り作っても現実的にはああならない。「理屈の上ではこうなるはず」=想定科学,というのが非常にしっくりと来た。普通にSFを名乗られてたらちょっとだけ評価を下げていたかもしれない。
システムについて。バグだらけというのはおいといて,フォーントリガーシステムは工夫すればおもしろいと思う。おそらくまだ試作段階なのであまり文句を言うのもアレなんだが,やはり使いづらさが目立った。二周目以降は電話をかけるタイミングが表示されるようになったが,一周目から表示させておけばよいと思う。一応「自分で気づくおもしろさ」を目指したのだとは思うが,相当地の文を工夫されても気付けない。これに加えて,よりによって既読スキップとクイックセーブ周りにバグが集中したのは,相当プレイアビリティを落としている。
以下ネタバレ含む。大したことは書いてない。
肝心の作品評価では,「確かにおもしろかったが神ゲーではない」という友人の評価は正しい。個人的な採点では85点弱といったところで,特に古参はあまり神ゲーとは評しないのではないかと思う。この辺は個人の感覚にも大きく左右されるのであまり断言はできないが,やはり過去の作品がいくつかちらつくわけで,新しい要素が無いとは言えないが,神ゲーと評価している層はおそらく割と新しく,もしくはライトな層なのではないかと思った。まあ独自性がなかったわけではないが,アレとかアレとかやってると展開に想像がつきすぎるし,それを覆すほど突出して何かがあったとはあまり思えなかった。
そういう先入観なしに楽しみたかったゲームではあり,新鮮な気持ちで楽しめたライト層がうらやましくもある。しかし一方,その友人(komeと言えば古参nix読者はわかるか)は「古参は語りたくなるゲーム」と言っていたがそれも正しかろう。古参としてはアレとかアレがあったから,こういう筋書きにして,こういう
さりげなく褒めておきたいのがジャンル名。『Chaos Head』未プレイのためこのシリーズ共通のことなのかはわからないが,「想定科学ADV」とはその通りだと思った。確かにSFでもなく,「理論は完全に科学だけどその実現方法は説明されない」。結局登場した発明品の原理はおおよそ説明はされたものの,それはまさに「原理」の段階であって,あの通りの材料を持ってきてあの通り作っても現実的にはああならない。「理屈の上ではこうなるはず」=想定科学,というのが非常にしっくりと来た。普通にSFを名乗られてたらちょっとだけ評価を下げていたかもしれない。
システムについて。バグだらけというのはおいといて,フォーントリガーシステムは工夫すればおもしろいと思う。おそらくまだ試作段階なのであまり文句を言うのもアレなんだが,やはり使いづらさが目立った。二周目以降は電話をかけるタイミングが表示されるようになったが,一周目から表示させておけばよいと思う。一応「自分で気づくおもしろさ」を目指したのだとは思うが,相当地の文を工夫されても気付けない。これに加えて,よりによって既読スキップとクイックセーブ周りにバグが集中したのは,相当プレイアビリティを落としている。
以下ネタバレ含む。大したことは書いてない。
まあアレとかアレというのは言うまでもなく『Ever17』だとか『CROSSCHANNEL』だとか『マブラヴ』だとか『ひぐらし』だとか『うみねこ』だとか。まあ『C†C』と『ひぐらし』がそれぞれ最も近いか。試行錯誤してベストを探す流れといい,ヒロインの抱える問題を一人ずつ解決していく流れといい。それをパロディだとかリスペクトだとかそういうものではなく,あくまで透明にオリジナル風味で折衷した点は,まさに本作自体がエロゲの歴史の所産であり総決算である所以である。「ゼロ年代最後の傑作」という評価は「なぜ最後なのか=総決算だから」というところまで含めて適切である。
最近だとエロゲじゃないが『魔法少女まどか☆マギカ』がもろネタかぶりで,直後のため『シュタゲ』のアニメがむしろ不憫に感じる。ついでにツイッターでつぶやいたコメントからコピペするが「ラジオ会館取り壊しの噂があるので,アニメ化したタイミングとしてはギリギリセーフではないかと。あと某所で見た「ラジオ会館取り壊しということは,俺たちのいる世界線変動率は3%を超えているらしい」というコメントで吹いた。言われてみればその通りだ。
ループの結果を否定してはならないというのは,これもまどマギ関連でつぶやいたことだが,時間の重みというのはそれそのものが崇高であるとする美学思想があるので,別段『シュタゲ』が初出というわけではない。ただしループでやったという点,歴史的崇高をエロゲ的文脈に持ち込んだ点。そしてその重みを「タイムリープ」によって,集団ではなく主人公という個人に押し込めた点はまあまあ新しいかもしれない。このため,個人にかかる負担は並大抵のものではなく,その苦悩はうまく描けていた。また,このループの積み重ねによる重みによってKanon問題は解決できるという説はまさにその通りで,その点でも古参はにやりと出来るだろう。
最近だとエロゲじゃないが『魔法少女まどか☆マギカ』がもろネタかぶりで,直後のため『シュタゲ』のアニメがむしろ不憫に感じる。ついでにツイッターでつぶやいたコメントからコピペするが「ラジオ会館取り壊しの噂があるので,アニメ化したタイミングとしてはギリギリセーフではないかと。あと某所で見た「ラジオ会館取り壊しということは,俺たちのいる世界線変動率は3%を超えているらしい」というコメントで吹いた。言われてみればその通りだ。
ループの結果を否定してはならないというのは,これもまどマギ関連でつぶやいたことだが,時間の重みというのはそれそのものが崇高であるとする美学思想があるので,別段『シュタゲ』が初出というわけではない。ただしループでやったという点,歴史的崇高をエロゲ的文脈に持ち込んだ点。そしてその重みを「タイムリープ」によって,集団ではなく主人公という個人に押し込めた点はまあまあ新しいかもしれない。このため,個人にかかる負担は並大抵のものではなく,その苦悩はうまく描けていた。また,このループの積み重ねによる重みによってKanon問題は解決できるという説はまさにその通りで,その点でも古参はにやりと出来るだろう。
Posted by dg_law at 12:00│Comments(2)
この記事へのコメント
若いSFファンは「バタフライ・エフェクト」とか「カオス」という単語が出てきただけで割と盛り上がってしまう実情。まあ若い、ってのはライトとほぼ同義なんですがw
しかし独創性や新しさが薄くて神ゲー足りえないとしても、「ループ」という様式(形式)自体を魅力的とする趣味は結構見受けられるし、自分も割とそうなのでもっと評価は高いですね。
余談ですがSFは「サイエンス・フィクション」「サイエンス・ファンタジー」「スペース・ファンタジー」「少し・不思議」など様々な解釈があり定義は人それぞれ、というめんどくさいジャンルなのでござる
しかし独創性や新しさが薄くて神ゲー足りえないとしても、「ループ」という様式(形式)自体を魅力的とする趣味は結構見受けられるし、自分も割とそうなのでもっと評価は高いですね。
余談ですがSFは「サイエンス・フィクション」「サイエンス・ファンタジー」「スペース・ファンタジー」「少し・不思議」など様々な解釈があり定義は人それぞれ、というめんどくさいジャンルなのでござる
Posted by Buddha at 2011年04月15日 23:34
SFはそうらしいですねぇ。
私は全く詳しくないので逆に好き勝手言えるんですが。
>しかし独創性や新しさが薄くて神ゲー足りえないとしても〜〜
この部分はよくわかります。
既存のネタしか使ってないけど完成度が高いってのは十分神ゲーたりえる。
でもなんか足らなかったのが,自分の中でのシュタゲ評価ですね。
私は全く詳しくないので逆に好き勝手言えるんですが。
>しかし独創性や新しさが薄くて神ゲー足りえないとしても〜〜
この部分はよくわかります。
既存のネタしか使ってないけど完成度が高いってのは十分神ゲーたりえる。
でもなんか足らなかったのが,自分の中でのシュタゲ評価ですね。
Posted by DG-Law at 2011年04月16日 00:35