2011年07月04日
デコン!デコン!
矢印つけて改行する間隔が少ないほうが読みやすいのではないかという疑念から少しだけ形式を変更してみる。
・原発 島耕作(インサイター)
→ 先日思い立って島耕作のまとめ記事を書いたが,その契機のなったのがこれである。基本的に財界人にすり寄りがちな島耕作ではあるが,今回は空気を読み,結局原発事業撤退を決めた。無論,島の英断扱いである。といいつつも,実は島耕作は最初から反原発だったということに気づけたのは本記事のお陰である。
→ ただし,本記事に一つだけ言わせてもらえば,島耕作は原発事故と正面から向き合うことを避けていたのではなく,時期を見計らっていた,時流を読んでいたのではないだろうか。実際,弘兼さんが島耕作に原発事業撤退を言わせたのは,時流を読んだ結果でしかないように思われる。ただし,その伏線としてあらかじめ島に消極的原発撤退派的な発言をさせておいたのは,作者の巧妙なリスク分散であった。この点は現実を扱う漫画を描く手腕として,大いに褒められて良いだろう。
→ つまり扱いを間違えたのは島ではなく勝浦のほうで,これは作者が勝浦に原発推進派発言をさせていたことを忘れていたのではないか。キャラが薄いからこのようなことになる。
→ 「原発問題はまさに「ネタが現実に追いついてない」状態なので,再来週あたりからぼちぼち扱っていくんじゃないかと。島が周囲を説得して新エネルギー部門を強化するとか予想。」が,本記事の時点での自分の予想。前半半分はあたった。後半半分はどうか。それはそれとしてこの著者の『サラリーマン漫画の昭和史』がおもしろそうなので,探してみようと思う。
・モテる現代思想系女子力を磨くための4つの心得(増田)
→ こうした現代思想系の意味不明術語を用いてギャグを作るのは,実は割と常套手段ではあるのだが(昔『恒河沙』でもあった),元ネタと現代思想がかけ離れているだけにインパクトが強い。
→ 元ネタも男を馬鹿にしてるのか女を馬鹿にしてるのかわからないほど回転しきっている振り切れ具合が受けているのだと思われるが,このパロディも大概にうざくてよろしい。デコンデコンの擬音化の意味不明具合がたまらない。男の発言も<主体>とかポイント高い。現代思想系の本を読んでてこういう表現出てくると「<主体>(キリッ だってぉw」って言いながら机ばんばんたたきたくなるのは私だけではあるまい。
→ しかし,これだけ改編されても「そんな奴いねーよ」感が大して変わらない元ネタのすごさよ。オムライスの腹筋破壊力は馬鹿にできんね。あ,でも現実にこれだけ現代思想用語を使いこなす女子がいたらそれはそれで惚れそう。
・「政治的に安定した共産党ベトナム」の死角・北西部Hmong族の暴動とその報道(KINBRICKS NOW )
→ ベトナムは北部・中部・南部で全部歴史も文化も違う。元々ベトナム人の国は北部のみで,中部は長らくチャンパー,南部はカンボジアの領土だった。北部王朝が征服して「統一」し,その領土をそのままフランスが植民地化し,現在のベトナムも引き継いでいる形。ゆえに,見ようによっては北部による征服が現在のベトナムと言える。
→ もっとも,これは表現が非常に難しいところで,ドイツだってプロイセンによる征服王朝だと考えることもできるし,イタリアだってサルデーニャ・ピエモンテによる征服だと考えることもできる,これらと同じと考えればイメージは悪くないが,「現在の中華人民共和国は特に根拠なく清朝の最大領土を中国の正統な領土」と主張しているのと同じ,というととたんにイメージが悪くなる。まあ,これを言い出すと,古代までさかのぼってもいいのなら日本だって近畿による征服王朝じゃないかとか切りが無くなる。
→ 民族というくくりの曖昧さと国家というくくりとの接合性の難しさを浮き彫りにする事例。19世紀初頭の阮朝成立以来,どれだけの少数民族が消滅したやら。
・原発 島耕作(インサイター)
→ 先日思い立って島耕作のまとめ記事を書いたが,その契機のなったのがこれである。基本的に財界人にすり寄りがちな島耕作ではあるが,今回は空気を読み,結局原発事業撤退を決めた。無論,島の英断扱いである。といいつつも,実は島耕作は最初から反原発だったということに気づけたのは本記事のお陰である。
→ ただし,本記事に一つだけ言わせてもらえば,島耕作は原発事故と正面から向き合うことを避けていたのではなく,時期を見計らっていた,時流を読んでいたのではないだろうか。実際,弘兼さんが島耕作に原発事業撤退を言わせたのは,時流を読んだ結果でしかないように思われる。ただし,その伏線としてあらかじめ島に消極的原発撤退派的な発言をさせておいたのは,作者の巧妙なリスク分散であった。この点は現実を扱う漫画を描く手腕として,大いに褒められて良いだろう。
→ つまり扱いを間違えたのは島ではなく勝浦のほうで,これは作者が勝浦に原発推進派発言をさせていたことを忘れていたのではないか。キャラが薄いからこのようなことになる。
→ 「原発問題はまさに「ネタが現実に追いついてない」状態なので,再来週あたりからぼちぼち扱っていくんじゃないかと。島が周囲を説得して新エネルギー部門を強化するとか予想。」が,本記事の時点での自分の予想。前半半分はあたった。後半半分はどうか。それはそれとしてこの著者の『サラリーマン漫画の昭和史』がおもしろそうなので,探してみようと思う。
・モテる現代思想系女子力を磨くための4つの心得(増田)
→ こうした現代思想系の意味不明術語を用いてギャグを作るのは,実は割と常套手段ではあるのだが(昔『恒河沙』でもあった),元ネタと現代思想がかけ離れているだけにインパクトが強い。
→ 元ネタも男を馬鹿にしてるのか女を馬鹿にしてるのかわからないほど回転しきっている振り切れ具合が受けているのだと思われるが,このパロディも大概にうざくてよろしい。デコンデコンの擬音化の意味不明具合がたまらない。男の発言も<主体>とかポイント高い。現代思想系の本を読んでてこういう表現出てくると「<主体>(キリッ だってぉw」って言いながら机ばんばんたたきたくなるのは私だけではあるまい。
→ しかし,これだけ改編されても「そんな奴いねーよ」感が大して変わらない元ネタのすごさよ。オムライスの腹筋破壊力は馬鹿にできんね。あ,でも現実にこれだけ現代思想用語を使いこなす女子がいたらそれはそれで惚れそう。
・「政治的に安定した共産党ベトナム」の死角・北西部Hmong族の暴動とその報道(KINBRICKS NOW )
→ ベトナムは北部・中部・南部で全部歴史も文化も違う。元々ベトナム人の国は北部のみで,中部は長らくチャンパー,南部はカンボジアの領土だった。北部王朝が征服して「統一」し,その領土をそのままフランスが植民地化し,現在のベトナムも引き継いでいる形。ゆえに,見ようによっては北部による征服が現在のベトナムと言える。
→ もっとも,これは表現が非常に難しいところで,ドイツだってプロイセンによる征服王朝だと考えることもできるし,イタリアだってサルデーニャ・ピエモンテによる征服だと考えることもできる,これらと同じと考えればイメージは悪くないが,「現在の中華人民共和国は特に根拠なく清朝の最大領土を中国の正統な領土」と主張しているのと同じ,というととたんにイメージが悪くなる。まあ,これを言い出すと,古代までさかのぼってもいいのなら日本だって近畿による征服王朝じゃないかとか切りが無くなる。
→ 民族というくくりの曖昧さと国家というくくりとの接合性の難しさを浮き彫りにする事例。19世紀初頭の阮朝成立以来,どれだけの少数民族が消滅したやら。
Posted by dg_law at 23:29│Comments(0)